ブランド化とは?〜選ばれる商品を目指すなら継続的に続ける必要がある

2022.01.25

地方改革などで「ブランド化」という言葉を聞きます。これは英語にするとブランディングですが、そのニュアンスに違いを感じることは少なくありません。そしてブランド化だけではそのブランドは伸びていきません。それはなぜなのでしょうか。実例を加えて解説します。

ブランド化を英語でいうとブランディング

ブランド化を英語でいうとブランディングになります。ただ、日本で実際にブランド化という言葉で語られるニュアンスには限定的な意味を感じることが少なくありません。

たとえば、ごく一般的な商品に特別な意味を持たせるようなケースではブランディングと言わず「ブランド化する」という言い方をするケースが多い印象があります。

意味合いとしてブランド化がブラディングを指すことに学術的に間違いはありません。しかし、それでこのトピックを終えてしまっては学びがありません。ブランド化という場合の意図を一度考えてみることでそこにある何かを発見できます。

「ブランド化」という場合、単純な横並びの一商品から、意味を含ませて浸透させる場合に使われるケース、つまりブランディングの初期に使われるケースが少なくありません。

多くの場面で聞くのが農業や水産業などの一次産品です。「関アジ」や「松坂牛」「紅まどんな」などがその成功した一例です。それぞれ、その美味しさは知られています。関アジであれば特定の場所で取れる、松坂牛であれば飼育方法があり、紅まどんなはあいかという品種に対して愛媛農協が認証する、といった特徴があります。もしこういったことをアピールしなければ、それぞれ、アジ、和牛、オレンジとして流通することになります。その場合、いくらおいしくても他の地域の産品と混ざることで価格は平均に近づいていくことになります。

こうした一次産品は、それぞれの協同組合が買い上げる仕組みがあったりするため、なかなかブランドとして浸透することが難しい部分がありました。成功例はもちろんありますがまだまだというのが現状です。

またブランド名をつけて打ち出す、最初に定義したブランド化という部分ではできているものもあります。たとえばお米はその多くがブランドになっています。しかし、その特徴などはしっかりと浸透せずブランディングは進んでいません。

また、ブランド米に対して一定の品質を期待して消費者は購入しますが、品質にばらつきがあったりすることも少なくありません。また、生産地域で実際に傾向が変わりますが、同じブランド名、というよりも品種として流通してしまっている側面もあります。これによりブランド米のブランディングとして破綻しているものも少なくありません。

つまり、ブランド化がブランディングとするならば、それを途中でやめてしまっている状態といえます。

名称をつけて、その名前を浸透させるPRまではがブランド化だとすれば、それ以降がいかに重要かわかるのではないでしょうか。

また各生産者の意識のたかまりなども必要ですが、そうした部分までは目が向きにくいという部分も少なくありません。一つのブランドで販売を実施していくということであればそうした点をクリアしなければ品質にばらつきが出て、そのブランドの評価が上がらず、ベネフィットのアピールもしにくくなってしまいます。

つまりロゴを作ったり、ブランド名をアピールするだけの、いわゆる「ブランド化」では想像している未来はやってこない、あるいは短いものになってしまいます。

ブランディングは継続的な作業

成功いているこうした産品のブランドを見ていくとその品質管理の徹底と絶え間ないユーザーへのアプローチがあります。和牛はブランドが今やひしめいています。松坂牛以外にも神戸ビーフ米沢牛、近江牛など数え上げるとキリがありません。

そんな中で松坂牛がトップブランドの一角に居座り続けるのはユーザーの気持ちを満足させ続けることができているという点と、また憧れのブランドとして将来の顧客を掴み続けているからです。その背景には品質管理と基準の徹底などがしっかりと維持されているからです。

そういった意味ではブランドとして成立するためには仕組みが非常に重要です。ブランドを冠して市場に出るためには一定のシステムの中にしっかりと組み込まれている必要もあるからです。そうでなければユーザーの期待に応えることはできないからです。

ブランディングの効果は一時的な顧客をつくるよりも将来の顧客を増やしていく作業です。前述したとおり、単純に価格を釣り上げることが目的になってしまうと消費されるだけでうまくサイクルが回らなくなることも少なくありません。

ブランドにしていく背景やそれぞれの思い、費やした時間などを大切にすることがとてもブランディングには重要です。こうしたものブランドのストーリーのバックグラウンドに持つこと、そしてその上でベネフィットを伝えていくことがブランドを育てていく根っこになります。

ブランディングは継続してこの根っこから幹を伸ばし、枝を増やしてみのりをつけていく作業です。天候が変わればそれに合わせて作業を変えながら継続していく必要があります。これがブランディングです。

そうして育ったブランドは強固なものになっていき、みのりをもたらすのです。

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