ブランディングにはインフルエンサーよりアンバサダーを活用しよう

消費行動の影響力は今、インフルエンサーからアンバサダーへと移行しています。アンバサダーとは一般の人が愛用するブランドを身近な人へと勧めていくことで広がるマーケティングです。ブランディングにおいても口コミは重要視されてきましたが、このアンバサダーを作っていくことこそブランディングが目指すパートの一つでもあります。ここではインフルエンサーとアンバサダーについて解説します。

インフルエンサーの隆盛と終焉

インフルエンサーとは「影響力のある人」という意味です。インターネット前夜はインフルエンサーはマスメディアに登場する人物であったり、特定のジャンルの権威的存在に限られていました。

これがインターネットで自由に個人が発信できるようになったことで、特になにものでもなくても、特定の人の意見や行動が、他社に影響を与えることが多くなっていきます。これが今現在、多くの人が認知しているインフルエンサーといえます。

このインフルエンサーの影響力はブログ、そしてSNSの普及によって強化されてきました。その結果、消費行動にも大きな影響を与えるようになります。その効果に期待してこうしたインフルエンサーに宣伝を依頼するようになったりといったことが2010年は多くありました。

社会現象を生むSNSユーザーの波

その結果、Instagramでの宣伝収益で収入を得るインスタグラマーや、動画共有サイトのYouTubeで人気のあるYouTuberの収入源として体験広告動画などが拡散されるようになりました。また、実際にその効果は大きく、パブリッシングの面では有効な手段として用いられています。

その結果、インフルエンサーでのマーケティングは影響力をさらに強めるようになり社会現象も巻き起こしています。インフルエンサーは芸能人などもそうしたポジションを目指し、ブログサービスを利用し、その中ではプライベートを装って広告記事を掲載するステマ(ステルスマーケティング)という言葉も話題になりました。またインスタグラマーが見栄えのよい写真、いわゆる“インスタ映え”を目的に写真を撮ることだけを目指して、立ち入り禁止の場所に入り込んだり、道徳的に問題のあるような行為をすることで社会的に問題視されることで耳目につくこともありました。

インフルエンサーへの視線の冷え込み

ブログサービスの普及が00年代の後半でした。その後、SNSが流行し、いまや多くの人がスマートフォンを持ち、気軽に発信するようになりました。その結果、SNSでの拡散効果は分散し、以前ほどの効果を期待できなくなってきました。

また、皆がインターネットを利用するようになったことで、インフルエンサーの存在についてよく分析するようになる人が増えてきました。これまでは第三者的な意見として意識されていた部分がありました。それゆえにその言動や発信に力がありました。しかし、今ではそうしたものはエンターテイメントの一部として消化され、さらに販売者の側に立った発信とみなされるようになりました。

インフルエンサーマーケティングの前夜、広告は力を失いました。そして、インフルエンサーもまた、広告の手法の一部として認識されたのです。その結果、以前ほどの効果を持たなくなってきたのです。もちろん現在も一つの投稿にいくつもの「いいね」がつくような影響力の大きなインスタグラマーなどは存在します。しかし、その拡散の質が問われるようになってきています。

プロモーションとしての力はありますが、消費者の行動を揺り起こすところまでは届きにくくなっているのです。

消費の鍵はアンバサダーが握る

口コミの効果についてはSNS前夜の00年代に大きく期待されていました。その当時はインターネットの掲示板などが情報の拡散場所になり、それがブログ、そしてSNSへと移り変わってきました。

そこで問われるようになってきたのが情報としての信頼度です。

ブランディングのメリットの一つに口コミに強くなるというものがあります。それもただの口コミではなく、近い存在の人から話を聞くことで「自分も欲しい」「同じようなサービスを受けてみたい」というものです。

実際に、人間の行動を決定することにおいては、こうした近しい人からの意見というのが重要視されることが多いことがわかっています。つまり、インターネットに書かれた口コミというよりも「信頼する人からの口コミ」に価値があります。

アンバサダーはそのブランドの大使になる

アンバサダーという言葉自体は随分と普及してきました。いうなれば宣伝大使のようなものです。ここでいうアンバサダーとは実際にブランド側から「あなたはアンバサダーです」と任命したりお願いしたりするものではありません。もちろんマーケティング的にアンバサダーを募って商品を宣伝してもらうというやり方もあります。こうしたやり方はコーヒーマシンなどで最近もよく見るようになりました。

ここでいうアンバサダーはそれとはもう少し違います。ここでは、特定のブランドのユーザーからファンになった人物を指します。

こうした人がアンバサダーとなるファン心理があります。人間は自分が使用したり体験したりすると他の人にも勧めたいと考えることが少なくありません。一説には8割の人が自分の気に入っているものを他の人に勧めると言われています。

今やインフルエンサーによる拡散に限界を見ている場合は少なくありません。また、インフルエンサーを広告活用しようとした場合、それなりにコストもかかります。そこでアンバサダーに注目が集まるようになってきました。

アンバサダーはユーザーをしっかりともてなすことでロイヤリティの高い顧客へとしていくことが大事です。

また、ブラディングにおいても重要なことは、そのブランド価値を高めることもありますが、こうしたロイヤリティの高い顧客へとユーザーが進化していけるよう促すことが重要になってきます。

アンバサダーはそのブランドんユーザーでもあります。つまり経済的な恩恵を直接的にも与えてくれる存在です。ここに、口コミ時の説得力の源があるわけです。その顧客はさらに宣伝もしてくれるという存在ということは、その重要性を語るまでもありません。

こうした仕組みによく似たもの、というか利用したものにマルチレベルマーケティングがあります。しかし、マルチレベルマーケティングは販売者としてのメリットが先に提示され享受されます。ブランディングによるアンバサダーの強化はむしろユーザーとブランドそのものとの関係で、直接的なブランドと顧客の関係を強化するものです。これは D2C(Direct to Customer)とも呼ばれ、ここ数年のビジネストレンドにもなっています。

こうした循環を生むためにブランド自体も進化していく必要があります。いつまでもユーザーに飽きさせず、魅力的なブランドでい続けなければいけません。

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ブランドはどんなベネフィットを付与できるかが重要になってくる

では実際にどうすればユーザーはアンバサダーとなってくれるのでしょうか。それはユーザーに体験と感覚を与え続けることが重要です。

「あのお店であんなに素晴らしいものを食べた」「この商品をもっているとこんなふうに素晴らしかった」という体験や感覚が、ユーザーの心を動かし、深く刻まれることになるのです。ユーザーエクスペリエンスへの注目にはこうした背景があります。

ただ、どんな経験をへてどうユーザーが感じるかまでをコントロールすることは難しいところがあるのも事実です。そのため、ブランドは日々、工夫を凝らして進み続ける必要があります。

ロイヤリティによるベネフィットの考え方

ベネフィットはどういった得があったかということですが、ブランディングではこのベネフィットが重要です。ベネフィットは実は幅広く、例えば頭痛薬に対し、頭痛が治るということもベネフィットです。もし頭痛薬を販売するのであれば、このメインのベネフィットは外せません。

それ以外のベネフィットをいかにつけるのかでユーザーのブランドに対する見方は大きく変わってきます。

こうしたベネフィットはとても幅広く存在します。たとへばそのブランドがどういった社会貢献に携わっているかといったことさえも関係してくるのです。わかりやすいところでは顧客対応の素早さやスマートさなども関係します。

顧客対応や顧客要望分析などはベネフィットにもっとも大きく影響しやすい部分ですが、今まではコストの面などでなかなかそこに手を入れて差別化をはかるのは難しい部分も少なくありませんでした。しかし、最近ではMA(マーケティングオートメーション)などが進化し、安価で精度のよいものが登場してきています。デジタル環境内でのユーザーの生活時間は伸びており、こうしたツールにようる効果も測りしれません。

こうした部分にCRMなどを結びつけることで重要顧客の洗い出しや、嗜好傾向も分析しやすく、どういったものをオススメするとよいのかといったことも割り出しやすくなってきました。パーソナライズされた接客にはデジタル環境が有利になっています。

ロイヤリティの付与はこうしたツールを使うことでわりとすんなりと改善することができます。また、一つ考えなければいけないのは付与するロイヤリティについてです。ロイヤリティの高いアンバサダーとなったユーザーは場合によっては単純な割引だけを求めているものではないということを知っておく必要があります。

自分の勧めているブランドがいかにかっこいいのか、素晴らしいのかということがとても重要です。DXやSDGsはブランディングとこうしてつながってくるのです。

それでも具体的なロイヤリティによるベネフィットをどうするのかについてはよく考えてください。そのベネフィットはユーザーにとってより利便性が高く、快適なものであれば、さらにそのブランドにユーザーは愛着を持つでしょう。

そう考えると割引に限らないということがよく理解してもらえると思います。たとえばいつでも買いやすいように発送のプロセスをアップグレードできるといったことも十分なベネフィットになります。

アンバサダーが物質的だけではなく、精神的もより快適になるにはどうするかを考えてみてください。

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