ブランディング会社の選び方は、断れる会社かどうかで決まります
2017.12.17 2026.09.02 更新
起業するので会社のブランディングを整えたい。新しい商品の見せ方を決めたい。長く使ってきたイメージを一新したい。そんなときに、ブランディング会社を探し始めることになります。
ところが何社か比べてみると、どこも似たことを書いています。事例は綺麗に並び、提案の流れも丁寧で、話を聞けばどこも良さそうに思えてくる。決め手が見つからないまま時間だけが過ぎる、というご相談をよく受けます。
一般には「実績の数と提案力で選ぶ」と語られます。かいなはそう考えていません。選ぶ基準は、その会社が過去に「やらないほうがいい」と言った場面を、具体的に話せるかどうかです。断れる会社だけが、案件ごとの条件を見て考えています。
CONTENS
事例で選ぶなら、業種の近さではなく制約の近さを見ます
事例で選ぶという考え方自体は、いまも変えていません。変えるべきなのは、事例の何を見るかのほうです。
事例ページに載るのは、うまくいった後の姿だけ
公開されている事例に並ぶのは、完成したロゴ、整ったサイト、撮り下ろした写真です。どれも仕上がった後の姿になります。
実際の仕事の大半は、決める前のやり取りです。何を捨てたか、どこで意見が割れたか、どの案を諦めたか。そこは事例ページには載りません。
だから事例の本数は、判断材料としては弱いものです。載っていない部分を、打ち合わせの場で聞き出せるかどうかが分かれ目になります。
同業の事例より、条件が似ている事例のほうが読めます
同じ業種の事例があると安心します。ただし同業でも、予算の桁、社内の人数、決裁の速さが違えば、進み方はまったく別のものになります。
見るべきは制約の近さです。専任の担当者がいたのか、社長が毎回出ていたのか、写真や原稿は社内にあったのか。
自社と条件が近い事例が1つあるほうが、業種だけが同じ事例が10本並ぶより参考になります。ここは遠慮せずに質問していい部分です。
数字が並んだ事例を、どう受け取るか
事例に成長率や検索順位が書かれていることがあります。読むときは、その数字が出るまでの期間と、出発点の状態をセットで確認してください。
かいなはコラムで自社案件の数値を出さない方針にしています。数字だけが独り歩きして、その裏にあった条件が伝わらないからです。
数字を載せる会社が悪いという話ではありません。その数字が出た条件を聞いたときに、即答できるかどうかを見ています。
自分でブランドを運営して分かった、依頼側が見落とすところ
かいなは支援する側であると同時に、自社ECを4サイト、撮影スタジオとレンタルスペースを2拠点、自分たちで運営しています。売る側に立つと、見え方が変わります。
コンセプトは、決めた日より決めた後に試されます
運営しているうちの1つは、「めんどくさいを否定しない」という考え方で日用品を束ねた売り場です。拭くだけ、流すだけ、入れるだけで済むものを集めています。
難しいのは言葉を決めた日ではありませんでした。商品を1つ足すかどうかを判断する、その後の日々のほうです。
良い品でも、手間が増えるものは並べない。この判断を何度も繰り返して、はじめてコンセプトが働き始めます。
在庫と出荷を持つと、言葉の重さが変わります
在庫を抱えると、書いた言葉の分だけ責任が返ってきます。広告が思ったより効かなかった朝の焦りも、レビューが1件ついた日の嬉しさも、自分の金と在庫で経験しました。
出荷は作業ではなく、箱が開けられる瞬間がお客様との最初の接点になります。世界観は、梱包や発送メールまで届いて形になります。
だから依頼するときは、成果物の範囲がどこで終わるのかを確認してください。ロゴとサイトで終わる提案は、その後の判断を助けません。
聞くべき質問は、作った後に何を判断したかです
打ち合わせでは、こう聞いてみてください。納品した後、その会社は何を止めましたか。その基準は誰が決めましたか。
答えられる会社は、公開後の判断にも付き合っています。運用の話が具体的に出てくるはずです。
答えが制作物の説明に戻るなら、その会社の得意はデザイン制作です。悪いことではありませんが、依頼する理由は変わってきます。
人と体制を見るときに、かいながすすめない依頼の仕方
この業界は、担当する人によって結果が変わります。会社の看板より人で選ぶという考え方は、いまも同じです。確認の仕方だけ具体化します。
提案に出てきた人が、実務にも残るか
提案の場にいた人と、着手後に窓口になる人が違う。これは珍しくありません。悪意ではなく、体制上そうなっている会社が多いだけです。
確認は簡単で、名前で聞けば済みます。この方は着手後も打ち合わせに出ますか、と一度尋ねてください。
かいなの場合は、代表の加藤がプランナー兼ディレクターとして全ての案件に入り、社内のデザイナー、ライター、エンジニアと進めます。途中で人が入れ替わらない前提で組んでいます。
決裁者が対話の場にいない進め方は、すすめません
窓口は担当者だけで、決めるのは打ち合わせに出ていない役員。この形はほぼ確実に、途中まで進んでから戻ります。
戻る理由は提案の質ではなく、前提が共有されていないことです。作り直しが重なり、費用も期間も伸びていきます。
最初の数回だけでも決裁者が同席できないなら、着手を遅らせることをおすすめします。会社を選ぶ前に、社内の体制を決めるほうが先です。
短期の売上を急ぐなら、ブランディングより先にやることがあります
3か月で売上を戻したい、という状況でブランディングから入るのはおすすめしません。効き始めるまでの時間が合わないからです。
広告とLPを主体に回している事業者の場合も同じです。言葉や世界観を先に整えても、いま売上をつくっている仕組みとは別のところで動きます。
この場合は広告の設計、カートの見直し、顧客データの活用が先になります。かいなが受けにくい相談として正直にお伝えしている領域です。
どこまで踏み込めるかは、会い方と見積もりの立て方に出ます
かつては「ちゃんと会えるかどうかで選ぶ」と書いていました。オンラインが当たり前になったいま、距離の意味は変わっています。
オンラインで足りる工程と、現場でしか取れないもの
進捗の確認、原稿のレビュー、設計の相談は、オンラインで十分に進みます。かいなの30分の無料相談もオンラインで行っています。
一方で、工場の音、作業場の匂い、職人が手を止めるタイミングは、画面越しには残りません。ここは行かないと持ち帰れません。
他社と違うコンテンツは、この取りに行った差分から生まれます。どこまで取りに行く前提かを、契約前に確認してください。
距離ではなく、来る理由を持っているかで見ます
近い会社が良いわけでも、遠い会社が駄目なわけでもありません。見るのは、どの工程で現場に行くと言っているかです。
取材と撮影の日程が、最初の見積もりに入っているか。入っていないなら、素材は誰が用意する想定なのか。ここで進め方の設計思想が見えます。
かいなは名古屋と東京に自分たちの撮影場所を持ち、必要があれば現地にも出ます。撮り続けられる体制があると、季節や新商品に合わせてトーンを揃えたまま積み上がっていきます。
一律の料金表を出す会社と、条件で変わると答える会社
料金表があると比較は楽になります。ただしブランディングは、素材の有無で工数が大きく変わる仕事です。
かいなは料金表を掲げず、予算に合わせて設計する形にしました。自分ごとでない金額を先に見て判断されると、条件の話に入れないからです。
判断の分かれ目は、素材が社内にあるかどうかです。写真と原稿と整理された情報が揃っているなら費用は抑えられます。ゼロから取りに行くなら、取材と撮影の分が必ず乗ります。
この違いを説明できる会社なら、金額の根拠を後から確認できます。一律の金額しか出てこないときは、何が含まれていないかを聞いてください。
ブランディング会社選びについて、お気軽にご相談ください
相談の入口はさまざまです。ロゴを作り直したい、ECを立て直したい、カートを替えたい。掘っていくと、お客様の顔が見えていないという話に行き着くことがよくあります。
かいなはまず、いま着手すべきかどうかを一緒に確認します。時期が早いと判断したら、その理由をお伝えします。
原因がブランドサイトとECが分かれていることにあるなら、つくり方の話ではなく統合の設計から提案します。その場合はHAKOBのようなブランド統合ECの形が候補に入ります。
これまでの仕事は実績ページにまとめています。かいなは自分たちでもECを運営しています。売る側の実感を持った相手として、30分の無料相談からお気軽にご相談ください。