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ブランディングとマーケティングを分けて発注すると成果が出ない理由

2018.06.01 2026.09.02 更新

ブランドサイトを整えて、写真も撮り直した。それなのに問い合わせも売上も動かない。そんなご相談をよくいただきます。

話を伺うと、ブランディングはデザイン会社、集客は広告代理店と、別々に進んでいることがほとんどです。片方は世界観の話をし、もう片方は数字の話をしています。

一般には「ブランディングとマーケティングは一緒に考えましょう」と語られます。かいなは手前に線を引きます。データで検証してよい部分と、多数決で決めてはいけない部分を分けることです。ここが曖昧だと、ブランドの言葉は検索語に負けます。

ブランディングとマーケティングを別々に進めた会社が止まる場所

止まり方には共通の形があります。世界観は整っているのに集客が続かないか、流入はあるのに何屋か伝わらないか、そのどちらかです。

相談の入口はカート移行でも、行き着く場所は同じ

かいなに一番多いのはカート移行のご相談です。今の仕組みが使いにくい、費用が合わない。入口はたいていそこから始まります。

ところが掘っていくと、同じ場所に行き着きます。データを活用しきれていなくて、お客様の顔が見えていないという話です。

誰が何に迷って買ったのかが分からないまま言葉だけを整えても、それが届いているかを確かめる手段がありません。だからカートを替えても手応えが変わらないのです。

根拠を持たないブランディングは、社内の多数決になる

コンセプトを決める会議で最後に効くのは、声の大きさです。手元に材料がなければ、決裁者の好みで言葉が決まります。

逆に、ブランドの言葉を持たないまま集客だけを回すと、比較されるのは価格だけになります。広告を止めた月に何も残っていないのは、この状態です。

この2つは別々の失敗に見えて、原因は同じところにあります。買う人の迷いを、社内の誰も具体的に説明できていないという一点です。

検索語とハッシュタグから読み取るのは、ニーズではなく迷いの形

ここで手がかりになるのが、検索キーワードとSNSのハッシュタグです。ただし読み方を間違えると、逆にブランドが薄まります。

キーワードは答えではなく、まだ解けていない問いの並び

検索窓に打ち込まれる言葉は、買う理由そのものではありません。買う手前で引っかかっている問いが、そのまま文字になったものです。

「賃貸 でも 使える」「猫 爪とぎ 家具 傷」のような複合語は、その人が何を怖がっているかを教えてくれます。欲しいものではなく、避けたいものが出ます。

だからキーワードは、コピーの材料としてではなく、商品ページで先に潰しておく不安のリストとして読みます。順番が逆になると、ただの詰め込みになります。

買ったあと何と呼ばれたかは、ハッシュタグに残る

ハッシュタグの価値は、購入前ではなく購入後にあります。使っている人が、その商品を自分の生活のどの枠に入れたかが分かるからです。

作り手が「収納家具」と呼んでいたものが、投稿では「模様替え」や「同棲準備」の中に置かれている。この差は会議室では出てきません。

ブランドの言葉を決め直すとき、かいなが先に見るのはここです。売り手の分類ではなく、買った人の文脈に寄せたほうが、次の一人に届きます。

検索されない言葉しか持たないブランドもある

かいなは日用品のEC「SOREDAKE」を自分たちで運営しています。「めんどくさいを否定しない」という考え方で商品を束ねた売り場です。

この言葉は、誰にも検索されません。検索されるのは「掃除 楽」や「詰め替え 不要」といった、もっと即物的な言葉です。

ここでコンセプトを検索語に合わせて書き換えると、商品を選ぶ基準そのものが消えます。集客の入口は検索語で作り、束ねる軸は自分たちの言葉のまま残す。この二階建てにしています。

ブランディングとマーケティングを重ねないほうがいい場合

両方をやったほうがいい、とは限りません。かいながお止めすることもある条件を3つ挙げます。

検索ボリュームでブランドの言葉を決めようとしている

調査結果を持ち込んで、一番検索されている言葉をタグラインにしたい。この進め方はおすすめしません。

検索数が多い言葉は、すでに多くの会社が使っています。その土俵に自分から乗ると、後は広告費と在庫量の勝負になります。

データは、言葉を決めるためではなく、決めた言葉が届いているかを確かめるために使います。決定と検証を混ぜないほうが、どちらも精度が上がります。

LP主体・広告主体で回っている運営

1枚のLPと広告で完結していて、今それで数字が立っているなら、そこにブランディングを重ねる優先度は高くありません。

かいながこの形のご相談を受けにくいのは、正直に申し上げて強みを出しづらいからです。伝える面が1枚しかないと、積み上げる場所がありません。

それでも取り組むなら、先に必要なのはコンセプトではなく、買った人と続けて話せる面を持つことです。順番を飛ばすと投資が戻りません。

認知を広げる前に、商品ページが説明できていない

SNSを外注したい、広告を増やしたいというご相談で、商品ページを見ると寸法も使い方も書かれていないことがあります。

この状態で流入だけ増やすと、来た人の分だけ「よく分からなかった」という印象が積み上がります。認知は取り返せますが、印象は残ります。

自社ECのスケールには、相当な伴走とお互いのパワーが要ります。広告を打てば、SNSを頼めばと人任せにした施策が成果につながらないのは、この順番を飛ばしているからです。

判断の分かれ目は、買う人が困りごとを言葉にできているか

ブランディングとマーケティングのどちらから手を付けるか。かいなはこの一点で分けています。

言葉にできている商材は、入口の構造から作り直す

「壁面収納 天井まで」のように、買う人が自分の困りごとをすでに言葉にしている商材があります。この場合はマーケティング側から入ります。

やることはサイトの構造の作り直しです。トップページだけを入口と考えず、第2階層のカテゴリトップそれぞれが単独で集客できる設計にします。

かいながブランドサイトとECを統合する構成をすすめるのも同じ理由です。読みもので集めた人を、別サイトに移動させずにそのまま買える場所へ通すためです。

言葉になっていない商材は、ブランド側が名前を付ける

一方で、困りごとがまだ言語化されていない商材があります。本人も不便だと思っていない、あるいは口に出すほどでもないと感じている領域です。

ここに検索流入はほぼ存在しません。先にやるのは、その状態に名前を付けて、見た人が「それだ」と言える形にすることです。

この作業はデータからは出てきません。作り手が何を選んで何を捨てたかという判断そのものが材料になります。多数決で決めてはいけない部分がここです。

公開後に見るのは、流入数ではなく指名検索とリピート

施策を重ねたあと、何を見て効いたと判断するか。総流入とセッション数だけでは、ブランドが効いたのかは分かりません。

見るのはブランド名での検索が増えているか、そして2回目の購入が起きているかの2つです。前者は言葉が残った証拠、後者は体験が残った証拠です。

どちらも動かないのに流入だけ伸びているなら、集客の言葉とブランドの言葉が別物になっています。そのときは広告を足すより、束ねる軸を見直したほうが早く戻ります。

ブランディングとマーケティングの重ね方について、お気軽にご相談ください

ブランディングのご相談として始まった話が、掘っていくと「お客様がどこで迷って買っているのか分からない」という課題に行き着くことは、本当によくあります。

その場合に必要なのは、コンセプトの作り直しよりも先に、迷いの形をつかむことです。検索語、問い合わせの文面、購入後の声。材料はたいてい手元にあります。

ブランドサイトとECが分かれていて言葉が届いていないなら両者の統合、買ったあとの関係づくりが弱いならLINEを使ったCRMと、打ち手は状況で変わります。決まった型には当てはめません。

かいなは自分たちでもECを4サイト運営しています。売る側の実感を持った相手として、30分の無料相談からお付き合いします。お気軽にご相談ください。