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リブランディングで変えないものを先に決めるという戦略の立て方

2017.12.15 2026.09.02 更新

ロゴを新しくしたい、サイトの雰囲気を今の時代に合わせたい。リブランディングのご相談は、たいていこの形で届きます。

ところが話を伺っていくと、本当に困っているのはデザインではないことがほとんどです。商品は悪くない、続けている取り組みもある。それなのに選ばれる理由がお客様に伝わっていない、という状態です。

一般には「時代の変化に合わせてブランドを刷新する」と語られます。かいなはそう考えていません。リブランディングは新しいものを作り出す作業ではなく、変えないものを一つだけ決め切る作業です。そこが決まらないまま見た目を変えると、半年後にまた同じ相談が来ます。

いま届くリブランディングの相談は、ロゴの話として来ない

10年前と比べて、相談の入口が変わりました。まず何が起きているのかを整理します。

入口は「サイトを作り直したい」「カートを替えたい」

かいなに来るご相談で最も多いのはカート移行です。ところが現状を伺うと、カートの機能ではなく伝え方の問題だった、というケースが続きます。

ブランドの物語を語るページと、買うためのECが分かれている。読んで共感した人が、購入までに離れていく。

この構造を直そうとすると、サイトの作り替えだけでは足りません。何を語るブランドなのかを決め直す話に発展します。

ブランドの定義が、発信側から受け手側に移った

SNSやレビューが広がってから、ブランドの印象は企業の発信だけでは決まらなくなりました。使った人の言葉のほうが、広告よりも早く届きます。

つまり企業が宣言する内容と、お客様が実際に言っている内容の間に差が生まれます。リブランディングの出発点は、この差を確かめるところにあります。

自社サイトのコピーを見直す前に、レビューと問い合わせの文面を読み返すほうが、手がかりは早く見つかります。

変化の速さより、社内で言葉が揃っていないことのほうが効いている

市場の変化が速いからリブランディングが必要だ、という説明はよく聞きます。かいなが現場で見ているのは、もう少し地味な問題です。

営業と制作と現場で、自社の強みの説明がそれぞれ違う。三人に聞くと三通りの答えが返ってくる会社は珍しくありません。

外に対して印象がぼやけているのは、内側で言葉が揃っていないからです。ここを飛ばしてデザインに進むと、判断の基準がないまま案を選ぶことになります。

ブランドは古びるのではなく、軸が少しずつ薄まっていく

ブランドが弱くなる原因を「時代遅れになったから」と説明すると、対策は刷新しかなくなります。実際の弱り方は違います。

商品を足すたびに、軸から少しずつ外れていく

売上を作るために品揃えを増やす。よく売れているカテゴリを厚くする。どれも正しい判断です。

ただし一点ずつは小さなズレでも、二年続けると全体の印象が変わります。何のブランドだったのかが、社内でも説明しづらくなります。

リブランディングが必要になる会社の多くは、失敗したのではなく、真面目に売った結果として輪郭がぼやけています。

かいなが自社ECで毎週やっている、入れるか入れないかの判断

かいなは支援会社であると同時に、自社ECを4サイト運営しています。そのうちの一つは「めんどくさいを否定しない」というコンセプトで日用品を束ねた売り場です。

この売り場では、良い商品を見つけても採用しないことがあります。品質ではなく、コンセプトの外側にあるからです。

売れそうな商品を見送るのは、正直しんどい判断です。自分たちの金と在庫でやっているので、なおさら迷います。

それでも守ったときだけ、売り場の説明が短くなります。ブランドの軸は宣言した日ではなく、この毎週の判断で維持されます。

写真のトーンは、決めた瞬間ではなく撮り続ける体制で守られる

リブランディングでトーンを定義しても、新商品の写真が別物になれば一年で崩れます。ここは意志ではなく体制の問題です。

かいなは名古屋と東京に自社の撮影スタジオを持っています。新商品や季節ごとに自分たちで撮り続けられるので、トーンを揃えたまま積み上げられます。

逆に言えば、撮影を都度外に出している体制のままトーンだけ決めても、維持は難しくなります。リブランディングの計画には、公開後の撮影と更新をどう回すかを必ず含めます。

かいながリブランディングをすすめない状況

やらないほうがいい、と申し上げることもあります。判断の材料として3つ挙げます。

そもそも認知されていない段階にある

知られていないブランドを作り直しても、比べる相手がいません。印象を上書きする対象がないからです。

この段階で必要なのは、届く相手を絞り、同じ内容を繰り返し出し続けることです。器を作り替える費用は、そちらに回したほうが返ってきます。

認知がないのに刷新から入ると、投資の効果を検証する手立てがないまま終わります。

売上不振の原因が特定できていない

数字が落ちたのでブランドを見直したい、というご相談は多くあります。ただし原因が価格なのか、送料なのか、在庫切れなのか、集客チャネルの変化なのかで打ち手はまったく違います。

かいなは自社でECを運営しているので、広告費が思ったほど効かなかった朝の焦りも、送料改定の重みも知っています。あの時期にブランドの話をしても、手は動きません。

原因が特定できていないうちは、リブランディングは判断の先送りになります。

LPと広告で単品を売っている段階にある

広告からLPに流し、一商品を買い切ってもらう形で運営している場合、ブランドの器を作っても効き方が弱くなります。お客様がブランド名を経由していないからです。

かいながLP主体・広告主体の運営にブランディングから入る提案をしないのは、構造として噛み合わないためです。先にリピートと指名検索が生まれる形を作るほうが順番として自然です。

この段階では、購入後の同梱物や配送体験を整えるほうが、ブランドの入口になります。

変えるものと変えないものを分ける、判断の順番

では実際にどう進めるか。かいなが取っている順番は、案を出す前に基準を作ることです。

先に決めるのは、変えない一つ

創業から続けている製法、断ってきた仕事、値下げしなかった理由。過去にあるものから、変えない一つを言葉にします。

ここで挙がるのはたいてい地味な事実です。派手なコンセプトより、社内の全員が同じ説明をできる一文のほうが強く働きます。

長く続いた会社が新しい分野に出て受け入れられるのは、この一つを持ったまま移動しているからです。原点を残すことと、新しいことをすることは対立しません。

判断の分かれ目は、知られていないのか、知られていて選ばれていないのか

着手すべきかどうかは、この一点で分かれます。

知られていて、比較されて、それでも選ばれていないなら、リブランディングが効きます。印象を上書きする対象があるからです。この場合は言葉とデザインを同時に動かします。

知られていないなら、答えは変わります。必要なのは認知の設計で、作り直しではありません。露出のチャネルを一つ決めて続けるほうが先です。

社内で強みの説明が人によって違うなら、さらに前に戻ります。ブランディングの入口として、まず言葉を揃える場を作ります。

サイトとECに落とすところまでを、同じ設計で考える

ブランドの言葉が決まっても、読みものとECが分かれていれば、共感した人は購入前に離れます。せっかく整えた語りが売上につながりません。

かいながブランドサイトとECの統合を提案するのは、この分断が構造として残るからです。産地や製法を語るページの中で、そのまま買える状態を作ります。

商品点数が多く、選びきれずに帰られている場合は、器より先に探し方を直すほうが早いこともあります。その場合は選ぶ体験の拡張から入ります。

リブランディングの進め方について、お気軽にご相談ください

リブランディングのご相談は、掘っていくと「お客様の顔が見えていない」という話に行き着くことがよくあります。誰に向けたブランドなのかが、データからも現場からも確かめられていない状態です。

その場合、最初にやるのはデザインの検討ではありません。今のお客様が何を理由に選んでいるかを、購入データと問い合わせの言葉から拾い直す作業です。

かいなは大きなエージェンシーのように決まった型に当てはめず、毎回の対話からその会社だけの課題を見つけて伴走します。自分たちでもECを4サイト運営しているので、売る側の実感を持った相手としてお話しできます。

30分の無料相談を用意しています。売り込みはしませんので、現状の診断だけ持ち帰っていただいてもかまいません。お気軽にご相談ください。