デジタルマーケティングでできるのはどんなこと?事例と応用
2023.01.27
デジタルマーケティングはいろんなデジタル手法を使ったマーケティングです。アナログと組み合わせることもあり、幅広い視野で取り組む現代のマーケティング手法のことと理解するといいかもしれません。
少し捉え所がなく、言葉が一人歩きしている印象もあるこのデジタルマーケティングについてこのページで解説します。
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デジタルマーケティングってそもそも何?
「デジタルマーケティングとは一体何か?」という疑問を持っている人は実はたくさんいます。なんとなくデジタルを使ったマーケティングということはわかると思います。実はこの感覚は正解で、ある特定の手法に限定したものではありません。
「デジタルをツールとして使ったマーケティング」という理解で問題ありません。ですのでデジタルマーケティングとはという問いの回答は大抵正解です。なんというか定義がとても広いものを指すことになります。
明快に外せない点があるとした場合、たとえばメールだけ、WEBだけに頼るものではないということです。例えばメールだけに頼ったものであれば、デジタルマーケティングというよりメールマーケティングということになります。もっとも、メールもデジタルマーケティングに含まれています。ですが、考え方としてメールマーケティングはより狭い領域にいることになります。
デジタルマーケティングに使われる手法の一覧
デジタルマーケティングで使われる手法としては一般的には以下のようなものがあります。
- WEBサイト(ECサイト、コーポレイトサイト、ブランドサイト等)
- デジタル広告(リスティング、リターゲティング、
- 動画
- SNS
- アプリ
- メール
- オウンドメディア
- SEO
- コンテンツマーケティング
- MA
こうしたものが一般的に利用されるデジタルマーケティングの手法です。他にもIoTやAIの活用なども含まれてきます。デジタル技術を使ったものであれば含まれてきますので、限定的なものではなく、これからも拡張していくマーケティング手法です。
例えばZoomなどを使ったウェビナーで関心度の強いリードユーザーを集めるということもデジタルマーケティングに含まれます。
また、もう一つの特徴的な考え方はデジタルだけで完結するものではないということがあります。たとえば途中から手紙を使ったマーケティングであったりしてもよいわけです。前述のウェビナーで集めたユーザーに対して直接営業担当がコンタクトを取るということも考え方として視野にいれていくことでより効果を高めます。
ですので手段としてデジタルをまず用いますが、ゴールを目指すという面ではそこに限られたことではありません。もちろん活用できるリソースがあっての話です。前述の話も営業部門があるからこそできます。いずれにせよ、総合的な視点で考えるということがデジタルマーケティングでは大切です。私としては理解としてはテクノロジーを活用した商行為というふうに訳するとより理解が進むと考えています。
WEBマーケティングとデジタルマーケティングの違い
デジタルマーケティングと混同されやすいのがWEBマーケティングです。実際にはWEBマーケティングjはデジタルマーケティングに含まれているものです。ですが同じような意味で使われることも少なくありません。
WEBマーケティングとデジタルマーケティングの違いを簡単にいいますと、「WEBマーケティングはWEBを使ったマーケティング」です。
つまり、WEB以外の手段を使う場合はWEBマーケティングにならないということです。例えばMAは直接的にWEBを使うシステムではありません。ですのでこれは厳密にはWEBマーケティングではありません。また思想的にはWEBに限定されているという部分もWEBマーケティングの特徴です。
もう少し具体的に説明してみましょう。デジタルマーケティングであれば、広告を使う場合、チラシを地域にばらまき、それを例えばCRMシステムで管理してどの地域に巻いたものがどのように反響があったかをデジタル技術を使って管理するというものも含まれます。
ところが、ここにWEBは登場しません。ですので、これはデジタルマーケティングですが、WEBマーケティングではないということになります。
デジタルマーケティングのメリットとデメリット
ところで、デジタルマーケティングというと今、魔法の言葉のようにもてはやされている感があります。言葉がバズっているといってもいいかも知れません。その証拠に”デジマ”なんていう略語まで使われています。
そんな中であえてあまり夢のないことを言わなければ真摯ではないと思いますのでいいます。実際のところ、デジタルマーケティングはマーケティングにデジタル技術を使うだけのことです。ですので、必ずしもなんでもできるのかというとものによってはアナログのほうが速いということは少なくありません。
さて、では元に話を戻しましょう。デジタルマーケティングの一般的な方法としてあげられるものの多くは「とにかく初期投資が少なく始められる」というものが一つあります。
ECサイトと実際の店舗を比較してみてください。ASPの使用料は無料から高くても月額十数万程度です。しかし、実際に店舗を作るとなるととてもそんな金額では収まるものではありません。
デジタル広告も一件あたりを低い金額で利用できます。広告費に数万円もかけないというケースも少なくないでしょう。またSNSも多くは無料で利用が可能です。
このように最大のメリットは安価で活用できるというところです。今までマーケティング的なことをしようと思っても予算的になかなか難しくじっしできないものが多かったのではないでしょうか。こうしたところをフォローできるようになったということは多くの人にチャンスを与えました。
もう一つのメリットは蓄積されていくということにあります。デジタルはスペースに対する費用がリアルより大幅に安価です。その比較はするのもバカバカしいレベルといえます。様々なコンテンツやデータは蓄積され資産となっていきます。そして、それを複製したり、同じ行動を複数のユーザーに行うということについては簡単に行うことができます。結果的に小さなアクションを大きく広げていくことができます。
一方でデメリットは主に二つあります。一つは結果が出るまでに時間がかかるものが多いという点です。例としてSEOについて考えてみましょう。SEOは検索エンジンに対しサイトが検索されやすくするという取り組みです。
SEOを考える場合、サイトの構造を改善しさらに成果を出していくことを考えると、コンバージョンしやすいキーワードに対してコンテンツを使って集客するコンテンツマーケティングという手法をとるのが一般的です。コンテンツマーケティングは多くの場合、この記事のように文字ベースでキーワードに対して有効と思われる情報を提供し、メインのコンバージョンへとつなげていくという作業です。
これのどこが問題かというと検索エンジンに認められ流入を増やすにはたくさんの記事が必要です。そしてそれはどうしても時間がかかります。半年で結果が出るケースはまだ良い方で、1~2年続けていくことで成果につながってきます。
デジタルというとどうしても簡単に多くの成果を出せるというふうに思い浮かべるかも知れません。しかし、必ずしもそういうわけではありません。広告も認知度を手取り早く上げるのであれば予算を割いてマスメディアでのCMを使ったほうが拡散力が優れています。SNSでのバズを狙うという手法もありますが、たくさんの投稿のなかでバズが生まれるのでやはり、手間や工夫などの積み重ねが必要ということになります。
もう一つは社内での理解が得られにくいということがあります。効果が出るまでは時間がかかるため、そもそもすぐの売り上げを狙ったものであれば、短期的には費用対効果が薄いものになります。ですので瞬間を切り取るとコストパフォーマンスが良くないと判断されます。また、必ず結果が出るのかという話をされた場合、出るとはいえません。実際のところ、デジタルマーケティングに限らず必ず結果がでることは理論的に存在しないのですが、こう切り出す相手にこのロジックを理解してもらって説得するのは困難です。
結果的に理解が進まないためにデジタル化が遅れていくわけです。これはこのところ話題になりやすいDXが進みにくいことを見ていると身に染みて理解できるでしょう。
【参考】デジタルトランスフォーメーションは積極策で取り入れてこそ意味がある
成功する事例の背景と利用方法
ところで成功する確率をあげるものとはなんでしょうか。「それがわかれば誰も苦労しない」といえますが、実はこれには明快に答えがあります。それは「利点を伸ばし、弱点を減らす」ということです。
そしてデジタルマーケティングのメリットは初期費用が安い。始めることが簡単であるということが言えます。結果は別にして参入障壁が低いものばかりです。
デジタルマーケティングの成功の秘訣、、、これは簡単に断言できません。しかし、それでもがんばって私から一つ言えることは「とにかくやってみる」ということです。
もちろん間違った方向にがんばってやってみることはよくありません。しかし、やってみなければ効果は決して感じることはできません。また、”下手な鉄砲数打ちあたる”的なものが多いのも事実です。また、一方でデジタルマーケティングは繰り返すのが非常に得意である、ということが言えます。事例ができ始めるまでやってみることが大きな結果を掴んでいきます。
少しデジタルマーケティングが成功していくものを見てみましょう。
とにかく送るメールマガジンで認知度アップ
メールマガジンについてこうしてインターネットを見ている人であれば知らない人はいないでしょう。私自身も実際に1日に何通もメールマガジンを受け取ります。その中で開封するものもあればそのまま読まずにゴミ箱ボタンをタップして終わりというものもたくさんあります。
ここで重要なことは大半の人は今やメールマガジンを受け取ることに何も感じなくなっているということです。もちろんEメールが出始めのころは違いました。それも20年が経過し、真理状態はすっかり変わってしまっています。実はこの「みんな気にしない」ということにポイントがあります。
メールマガジンの指標として開封率があります。送った数に対してどの程度の人が開封しているかをみる指標です。実際のところ、この開封率を上げる方法というものは難しいものがあります。なぜなら、そもそも開封されないことが前述の通り大きなものだからです。3%もあるとそれはかなりのものといっていいでしょう。
結局のところ、メールマガジンの開封率を高く維持し、すべて真剣に向き合ってもらうには限界があります。これは非常に難しいことです。
一方でメーリングリストの解除率が上がるメール頻度は1日に2件以上に上がるといわれています。そのため毎日送ったとしてもそこまで気にするほど解除率に影響しません。自分が送られる側になった時、たくさんくるメールマガジンに辟易としたイメージを持っている人も多く、自分が送る側になると慎重になることが少なくありません。しかし、こうしたデータを見る限りそれは杞憂であり、週に2~3回程度のメルマガが問題になることはほぼないと言っていいでしょう。
こうしたことを考慮してみると、今のメールマガジンの役割は主に2つあります。
一つは認知を継続させることです。人は存在を忘れます。それをメールマガジンの継続によって維持します。百発百中の必要はありません。メールの文章を作る、体裁を整える手間を考慮しなければ、コンバージョンの可能性の高い人に毎日接触し続ける機会を無料で手に入れているのです。
受け取り手が必要と思う時に購入してくれるための機会を逃さずにおくことはとても重要です。結果的に年間客単価に必ず反映されるようになります。
もう一つはファンへのケアです。メールマガジンに積極的に登録してくれるユーザーがいます。そうしたユーザーは自分の好きなブランドから来たメールに嬉しく思うはずです。メールは一度にたくさんの人に同じ内容のものを送ることができます。しかし、受信者はより親密な印象を受けるのも事実です。
多くのメールは消される運命にあることを忘れないことです。ただし、タイトルは読まれます。中身を開かれなくてもどんなことが書かれているのかがわかるタイトルをつける工夫は、中身の文章以上に重要です。
メルマガへの取り組みは継続が結果を生む、まさにデジタルマーケティングの泥臭い部分を表しています。対面であれば直接顧客との関係を太く、距離も短くしていくことができます。しかし、デジタル環境を間に挟んでそれを行う場合は困難です。そのため、メルマガのように定期的に名前をみる機会を作ること、しかも、それほど気にならない状態で作り出すということは非常に効果的です。
この存在は無料で打てるテレビCMと表現するマーケッターもいるほどです。
裾野を広げるコンテンツマーケティングで関心のある人を集める
コンテンツマーケティングは、デジタル環境にコンテンツを置いてユーザーの興味や関心を引きながら知名度をあげ、より知って欲しいことを知ってもらうマーケティング手法です。
ブログ型、オウンドメディア型など記事によるコンテンツを指す場合が多くあります。しかし、意味を理解してみるとSNSや動画などを使ったものもコンテンツマーケティングの一部ということになります。
インターネットになって難しくなったのは関心のない人に関心を持ってもらう機会を作り出すことです。これはもともと、インターネットがない時代でもそれほど簡単なことではないですが、それがより難しくなっています。
しかし、逆に関心のある人に見つけてもらうということはインターネットが得意です。しかもそもそも関心をもっているのでコンテンツに集まるユーザーは将来的な購入見込み客にもなります。
つまり、インターネットではSEOと合わせてコンテンツマーケティングを行なっていくことは非常に理にかなっているマーケティング手法ということがいえるでしょう。
一方でコンテンツマーケティングもやはりコンテンツをたくさん積み重ねていく必要がある作業です。記事で行うにしても1〜2記事ではなかなか効果が現れません。少なくとも20ページを超える程度は必要で、そのあたりからもしかしたらセッションの増える記事が出てくるかもしれないというレベルです。これはあくまでセッションですので、コンバージョンが増えるのはまだまだ先ということになります。
実際に20記事ぐらいと思うかも知れませんが、それ以上を積み上げていくには長期間かかります。
ただし、しっかりと積み上げたコンテンツは時間をかけて力を発揮しだします。検索評価の高い記事が出てくるとサイト内の巡回量も自然と増え、読まれる記事も増えていきます。
デジタルが不得手な細かいフォローができないという部分を、深い情報の中へ落としていくことでよりブランドとの距離を近づけることができるようになっていきます。
デジタル広告で掴むコアユーザー
もしかすると最もデジタルマーケティングのイメージを負っているのが広告かも知れません。
デジタル広告の存在は実際に既存の広告売上のバランスをすっかり変えました。コンテンツマーケティングの話にも通じますが、インターネット上の行動の多くが、情報摂取を積極的にとっているということから、広告の効果が出やすい様式になっています。
検索に紐付いたリスティング広告やインターネット内でユーザーを追いかける李ターゲティング広告などがまずあります。クローズしたSNS環境では関心のあるクラスタを狙って打つ広告もあり、リーチするユーザーを最初から絞ることができます。
今までは広告はせいぜい地域でしか絞ることができなかったため、インターネット広告の登場は無駄がなく合理的です。
ただし、不特定多数も含めて認知を上げていくことは非常に不得意です。従量課金式なので、結果的に広告費は高くなります。つまりそうした大きな拡散を狙うのであればマスメディア広告を使った方がまだまだ早く効果はあります。
しかし、いずれにせよ、しっかりと狙いを定め、ゴールがしっかりしている時、デジタル広告の効果は強くなります。
まとめ〜デジタルマーケティングで結果を出すなら目的の明確化をする
デジタルマーケティングは万能ではありません。しかし、ボトムアップでインディペンデントのブランドが大きな勝利を掴む可能性を持っています。
そしてまだまだ発展途上のジャンルです。例えばAIの活用についてはまだまだデータベースが足りません。一般的にはgoogleやAmazon,facebookのように巨大なアクセス数を持つようなサイトでやっとそれなりに効果らしきものが出る程度と言われています。
まだまだ人間の力が介在する段階が続いていきます。
デジタルマーケティングでは手間が多い分、目的やターゲットにするユーザーをしっかりと絞らなければ非常に効率の悪いプロセスを踏むことがあります。ですので目的とターゲットはしっかりと絞っていくことと中長期的な視点を持って取り組むことが重要です。
取り組みの多くは結果がなかなか出ず根気のいるものも少なくありません。中には撤退したり、やり方を変えなければいけない場面もあります。しっかりと長い目で効果測定をしていくこと、また時間をかけて進行するからこそブランディングの意識をもって全体的な流れに乗ったものを積み上げていくことが重要になるのです。