デジタルトランスフォーメーション(DX)導入は補助金を活用しよう

2020.12.28

デジタルトランスフォーメーション(DX)の導入に興味はあっても、様々な面で障害を感じてなかなか導入に踏み切れないでいる企業は少なくありません。

その課題として、デジタル人材の登用や育成とともに並ぶのが、システムなどの導入や実施に関わる資金の問題です。

実はそうした問題も補助金や助成金を活用できれば、負担をかなり軽くすることができます。また、実際にDXの導入に活用できる制度もあります。

ここではそうした補助金や助成金について、導入時の注意点も含めて解説します。

中小企業も補助金活用でdx導入を実現できる

デジタルトランスフォーメーション(DX)は、デジタル技術を取り入れて業務を効率化し、高い競争力を発揮できる環境を企業が持つために推進されています。

現在は経済産業省も、デジタル技術の導入が遅れることによる経済の停滞を懸念して、DXへの取組みを推奨しています。DXはこうした社会的背景が要因としてなかったとしても、データを活用して経営のさまざまな場面で役立てることができます。売り上げを伸ばしていくためにもぜひ取り組みたいところです。

しかし、資金力のある大企業ならいざ知らず、多くの中小企業にとってはシステムの導入コストなどを考えるとなかなか腰の重いものがあるという事情もよくわかります。実施すればビジネスとしてプラスになるとわかっていても資金面でブレーキをかけざるを得ず、なかなか取り組めないのはとても歯痒い問題です。

そうした状況を打破するために資金面でサポートしてくれるのが補助金の存在です。実は国やそれぞれの地方自治体などが導入に使える補助金や助成金を用意しています。

こうした、返済の必要がない補助金や助成金などを取り組みに活用できるのであればこれを利用しない手はありません。対象になる企業や事業者には基準が設けられていますが、もし、その基準をクリアしているのであれば、こうした補助を活用するのが賢いDX推進です。

補助金ですべての実施はできない

多くの補助金はその事業の一部を補助するものです。これによって全てを賄うことはできません。それでも、本来かかるはずだった出費を大幅に押さえることが可能です。結果的に目的が達成できれば、安価で業務の効率をあげることができることになります。大きなプラスになることは間違いありません。

実施する場合はデジタルトランスフォーメーションが幅広い分野にまたがる作業を伴い、システムの入れ替えやデータの移し替えなども場合によっては伴うことを理解しておく必要があります。

だからこそ、優先的に取り組むべき箇所を見極めて、全体を考慮しながら、こうした補助金をうまく活用することが求められます。

IT導入補助金などでは、もしECサイトのチャネルがなければECサイトの開設に利用することも可能です。他にもCRMなどで導入するケースで補助金を受けているケースも実際の事例として少なくありません。

ただし、闇雲に導入すると結果的に単発のシステム導入に終わり、DXの名の下に行ったはずの作業が分断されてしまい本来のDXから離れて形式だけは導入したけれど役には立たないということもあります。そうならないようにだけは絶対的に注意が必要です。

「日本でのDXについては誤解が多い」という専門家も実は少なくありません。なんとなくのイメージで進めても結局は資金の無駄になってしまいます。

【参考】デジタルトランスフォーメーションはなぜDXなのか~取り組み前に知っておくことを解説

また、ポイントとしては単純に旧システムから移行していくことよりも、より顧客との強いアプローチを作れるデジタルマーケティングへの活用など、プラスになりやすい要素から取り入れていく方が活用も進みやすいのではないかと思います。そうした部分への導入にこうした行政からの資金的補助を活用した方がより利益を生む資金となります。

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DXに使える補助金や助成金

最初に、行政で実施する補助金と助成金の違いについて簡単に説明します。

助成金の場合、条件を満たしてさえいれば受けることができます。対象としての給付基準をクリアできていれば審査はなく「ほぼ100%」受けとることができます。

これに対し、補助金の場合は事業内容の審査を経て受給が決まります。中にはすでに取組みを実施していることを条件にしていたりする場合もあるため、ハードルが幾分かは助成金より高いといえます。また補助金額は助成金と比較すると高い傾向にあります。

それでは実際にDXで直接使えそうな、国が主体となって実施している補助金を見てみましょう。

この他、各自治体で活用できる補助や助成金もあるので、そうした部分は企業の拠点がある都道府県や市町村の情報を確認することも忘れないようにしてください。多くは市町村のホームページに掲載されています。

また、雇用に関わる助成金も幅広く存在しています。そのため、DXの人材に関わる部分を補助金で賄うということも場合によっては可能です。そうした中でには課題の一つであるデジタル人材の育成に活用できるものも少なくありません。こうした部分も確認しておくようにしましょう。

IT導入補助金

IT導入補助金は経済産業省が国内企業のIT化を推進するために行っている事業です。ECサイトでの補助金利用について活用できることで注目を集めています。それについては問題点なども含めて以下の記事にまとめていますので参考リンクも合わせてお読みください。

【参考】IT補助金を申請してECサイト構築をする際の思わぬ落とし穴

これはECサイト構築だけでなく、実は幅広くITの導入に向けて活用できる補助金です。DXに関わる補助金の中ではもっとも注目を集めている補助金ではないでしょうか。直接的にDXといった形で補助項目があるわけではなく、細分化されています。しかし、それぞれの項目はDXのパーツとしてのITツールの導入を示唆しています。

一方で、この補助金のポイントとしては、導入にはそれぞれのツールを導入できる事業者(ベンダー)とマッチアップして取り組む必要があるという点にあります。

ベンダーもツールと結びつくため、方向性が限られ、この仕組みが場合によっては活用を阻むことにもなりかねないというところが課題です。

ものづくり補助金

ものづくり補助金という名称で一般的には普及しています。「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」が正式名称です。製造業の設備などに関する補助のイメージが強くありますが、正式名称を見ると途端にDXに活用できそうなイメージがわくことでしょう。

生産性向上促進という意味ではDXはストライクです。一般事業でも1000万までの補助が受けられます。中小企業であればその事業の経費の1/2、小規模であれば2/3までを補助してくれます。

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補助、助成の獲得が目的にならないよう注意

補助金の中には、その補助金の活用プロセスを指定してくる「IT導入補助金」のようなタイプのものも存在します。また、事前審査自体はどういったタイプの補助金もそれなりに手間がかかり、それなりに労力が必要です。

もう一つ、重要なのは補助金を受けて実施された事業について完了の報告が義務付けられているということです。

そのため、そうしたフォーマットに合わせて、DXに限らず本来の目的をそれて、悪い意味で思いもしなかったシステムを導入したりしてしまうということが起こる可能性があります。

つまり、「補助金の給付自体が目的になってしまうケース」が発生します。そうなってしまうと利益を得るのは技術やノウハウを提供しているベンダーだけという状況になってしまいます。

IT補助金についてはECサイトの例をあげて参考リンクの記事で解説していますが、DXについてもそれは同様に起こりえます。

また、ものづくり補助金についても多くの場合、申請書のサポートをするのが信用金庫などの金融機関であることが多く、計画の段階で、本来狙いたい部分に触れてこないといったケースも少なくないため、注意が必要です。

しかし、しっかりと目的からそれないのであれば、ぜひ活用したいところです。しっかりと目的を意識して相談に乗ってくれるパートナーを見つけてください。

DXについてのご相談は弊社でも随時受けた待っております。補助金を活用するのであれば、効果的なシステム導入をしてください。

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