ECサイトの直帰率を下げて、コンバージョンを改善するための見方を施策

2020.12.07

ECサイトに限らず、ユーザーに内容を見られているサイトかどうかを示す指標の一つが「直帰率」です。これはユーザーがサイトに入った最初のページでどの程度離脱しているのかを示す数値です。

買う人も買わない人も訪問するECサイトというフォーマットでは多くの場合、常に重要視する必要はない数値です。しかし、他のデータと同じようになんらかの事象を知らせている場合もあります。ここでは直帰率を資料としてどう活用するかについて解説します。

直帰率はゼロにすることは難しい数値

直帰率とは、サイトに流入したユーザーがそのサイト内の他のページに移動することなくサイトから離脱した数を測定し割合にしたものです。

総ユーザー数に対して、サイトにたどり着いて1ページ目で離脱した人がどれくらいの割合いなるのかをパーセンテージで示します。直帰数は、それぞれのページごとに出すことになります。

直帰率=[直帰したユーザー数] ÷[そのページを訪れたユーザー数]×100

という式で計算して出される数字です。この数字はGoogleアナリティクスなどの分析ツールを使えばわざわざ計算しなくても簡単に調べることができます。

ECサイトに限らず、インターネットでの流入には様々な行動の背景があります。ユーザーがリンクをクリックしページに流入してくる目的は、それぞれのユーザーで微妙に異なります。

直帰するパターンが分類されているものもあります。そして、その中にはどうしても回避できないものもあります。

そうした中で知っておくべき点は「目的がはっきりしているユーザーは直帰しやすい」という側面です。目的がはっきりしている分、自分が探しているページではなければ、すぐに見切りをつけて離脱するからです。

みなさんも例えばスーパーマーケットに行ってもし肉を買おうとしているのに、文房具のコーナーで商品をじっくりみたりはしないと思います。そうした行動がWEBでもおこります。自分が探している内容と「違う」と判断した場合はあまり内容をチェックせず閲覧する時間も短くなります。じっくりとは内容を吟味しないためです。

また、目的がそのページ内にある情報で達成した場合、つまり必要な情報をそのWEBサイトを閲覧する中で得られた場合も直帰します。その時以上に興味をそそることができれば別ですがユーザー自体は目的を達成します。この場合は、必ずしもネガティヴな理由では無いということになります。

つまり「直帰率が高い=悪」というわけではありません。

直帰率はその性格上、絶対的にゼロにはならない数字ともいえます。直帰率が低く、サイト内のたくさんのページに訪問してもらえれば、とてもいいことではあります。しかし、娯楽に関するサイトでも無いかぎり、用もなくサイト内を回遊し続けるユーザーは多くはありません。

大体多くのサイトでは直帰率は「50%程度」にはなります。平均値を出すのは扱う商品などにもよるので難しいですが、それほど低くならないのも事実です。それでもECサイトでは、目的を持って訪問するユーザーも多いので一般的なサイトよりも低くなる傾向がありますが、どこからでも流入できるようなページではゼロということはありません。下見にくるユーザーもいますし、他のサイトと価格を見て比較し検討しているといったケースも出てきます。

もちろん、決済ページなどはそれぞれのサイト内からしか移動できないページですので直帰率での計算には合わないものになります。

こういった性格を持っている数字なので、基本的にはあまり気にしすぎる必要は無い数字と考えていいでしょう。

流入方法や着地点も影響する

直帰率は、どうやってサイトに入ってきたのかということにも影響を受けます。

つまり、広告なのか、TwitterやFacebook、InstagramなどのSNS投稿なのか、メールマガジンのリンクからなのか、それとも他サイトに置かれたリンクなのか、自然検索によるものなのかなど、きっかけになったメディアや流入方法で変わってきます。

一般的にはバナー広告からの流入は直帰率が5割を超え、自然検索は3〜4割は直帰すると言われています。自然検索での流入については、興味を持って関連のある語を調べているユーザーが多いため、何か関係のある言葉があるかもしれないと考え、このように少し下がる結果が出ます。同じようにメールマガジンのリンクから流入してくるユーザーも直帰率は下がる傾向があります。

また、ユーザーが着地したそのページの性質、つまりどういった意図で作られたページなのかによっても直帰率は変わってきます。集客を目的にして作られたLPページは、幅広く受け入れられるように作られているため、目的とちょっと標準が異なるようなユーザーも流入してきます。そのため、直帰率は高くなります。

逆にECサイトに価格一覧ページなどを作ると、そこで価格が見れるため、直帰率の高いページになる可能性もあります。つまり、そのページだけである程度の目的を達成し、完結しやすいからです。

一方で商品ページ自体に着地した場合は、購入目的者などは購入へ向けた動きをすることもあるため、直帰率は低い傾向が現れることもあります。売れ筋の商品ではそうした傾向が強くなることもあります。

価格が高い、珍しい商品や趣味性の高い商品などは決済まで検討が必要な商品や契約などでは直帰率はどうしても高くなる傾向もあります。

このような理由で実際にそのページがどういった目的で作られているのかという性質によって直帰率は変化していきます。

離脱率とは示す意味が違う

直帰率に近い言葉として「離脱率」があります。これはサイトを離れる際に一番最後に見ていたページを集計するもので、直帰率とも大きく関わりがあります。

離脱率の場合は直帰その中に含まれます。そのため、直帰率の高いページは離脱率も高くなります。

ただし、離脱率には、例えば決済や情報入力ページなどでも関係してくるため、根本的に直帰率とは違う意味合いがあります。流入してすぐにいなくなるユーザーと、回遊してある特定のページでいなくなるユーザーは同じではありません。

離脱率も直帰率と同様にゼロにはなりにくい数字で、一定数は必ず離脱するユーザーがいます。そして同様にもし離脱率に偏りが見られるページがあればそのページは分析の対象になります。

離脱率についてのデータ分析については下記の参考リンクの記事でより詳しく説明していますので、こちらを確認してください。

【参考】ECサイトのユーザー滞在時間をどう運営に生かすか

どんなキーワードで検索されているのかも関わる

直帰率は離脱率よりも露骨に現れる傾向があります。流入した元からの「明らかなミスマッチ」や「誤クリック」などがあると直帰率は上がります。また、「話題になっているからクリックしたけど、実はそんなに興味なかった」といった場合も直帰率が上がります。

つまり、「サイトの目的とずれてバズった時は流入も増えるが直帰するユーザーも少なく無い」ということになります。こうした場合は特に問題視する必要は無いかもしれません。むしろなぜ流入が増えたのかを検討する必要があります。

また、SEOを考えた場合に検索ボリュームの多いキーワードを狙ったとします。しかし、キーワードを単純に盛り込んで、もし検索流入が増えたとして、そのページが次のステップに踏みにくいような内容であれば、直帰に繋がる可能性があります。

そうした状況を回避し少しでもコンバージョンに貢献するため、キーワードはトータルして関連性の強いものを狙うことが重要です。中にはうまくコンバージョンしやすいワードを発見できる場合もあります。直帰率だけでそうしたキーワードの優劣は判断できませんが、あまり的の大きなワードは直帰率を高めるだけの結果に終わる可能性もあります。

集客ができていて直帰率の高いページはバージョンアップのサイン

ただし、集客に成功しているという点については該当する「集客はできるが直帰率が高いコンテンツ」を良い方向で評価すべきです。

直帰率の高いページが決して劣っているわけではありません。そのページの位置付けを今一度見直してください。来訪自体があるということは良い傾向です。もしセッションが十分にあるうえで直帰率が高いページということであれば、そのページをコンテンツとして一歩進めることが大切です。

こうしたページについては、次のステップをどうすべきかを考えることが重要になってきます。ECサイトであればどうやったらよりコンバージョンさせることに繋がるのかを考えて改変していくようにしましょう。

また、広告についても直帰率をあげてしまう要因になることがあります。例えば微妙な場所にかぶって表示されるようなバナー広告や、いきなり前面に開くような広告などは誤ってクリックしてしまうことがあります。

もし、こういったタイプの広告出稿をしている場合は、少し注意した方が良いかもしれません。インパクトはありますが、長期的には評価を得られ無い可能性も少なくありません。また、ECサイトではあまり無いでしょうが、広告スペースとして枠を貸し出しているような場合は、煩わしいことで離脱を増やすことになるかもしれません。

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直帰するネガティヴ要因と対策

いきなり流入数が特異的な動きを見せていたりしない限りは、直帰率が高かったり、あるいは上昇傾向が現れる場合は注意してください。

先述した通り、直帰の要因はネガティヴなことだけではありません。しかし、変化が出た場合は、原因を分析しておいた方が賢明です。

改善が必要なケースを見定めるためにも最後に「直帰率を上昇させる悪い要因」とその対策についても解説していきます。

  • 求めていた情報が無いことで直帰している
  • ページの操作感が悪い
  • 次のアクションができない導線になっている

求めていた情報の不足や期待を下回る情報

このパターンは、「目的のものではなかった」と離脱するケースと似ているように見えますが、解決すべき課題を持っているページです。せっかくサイトに引き込めたのに情報が浅いために来訪者を満足させることができず、そのまま離脱させてしまっていると考えられる場合は対処する必要があります。

この場合は、実際のところ、コンテンツの狙い自体は悪く無いわけです。リサーチが足りていなかったり、記事の幅が狭いといったことに原因がある可能性があります。逆にいえば、しっかり改修したり、コンテンツを追加すれば使えるということでもあります。

操作感が悪くユーザビリティが低い

要するに視覚的に見難かったり、表示スピードが遅い、クリック要素が近すぎるといったものがこの「ユーザビリティが原因で直帰する」という現象の背景です。スペックの問題と、サイトの構築の問題などもこうしたことの原因になります。

画像がごちゃごちゃとしていて、読み込みの速度が遅いサイトを皆さんはどう処理しているでしょうか。一向に全体表示が進まなければそのまま読むのを諦めて、サイトを閉じる場合もあります。

ユーザビリティの低いサイトはもし直帰しなくても離脱も早くなります。そうしたことを考慮するとあまり突飛なことを目指さないことも重要です。

客観的な意見を取り入れ、しっかりとメンテナンスなどを行っていくことである程度はカバーできるはずです。逆にもしサイトのシステムとしてスペックが低すぎるというのであれば、リニューアルを考慮してください。いろいろと致命的と言える状態かもしれません。

ユーザビリティは直帰率だけでなく、如実にコンバージョンに影響しますのでしっかりと取り組みましょう。

【参考】ECサイトの「使いやすさ」をもう一度見直してさらに売れるネットショップを目指そう

流入したユーザーを導く次のリンクを設置しよう

直帰率の高いページをよく見たときに、次にいく場所がなければ当然離脱します。商品ページであれば、購入へつなげるよう工夫しなければいけません。もしLPページやコンテンツマーケティングで商品を紹介している集客のページなどであれば、そのCTAとなるページを正しく設定できていない可能性もあります。

CTAはCall To Actionの略です。主にコンテンツの最後にリンクとして設置して、ユーザーを次のステップに導きます。

サイトのページが行き止まりのような状態になっていないかよく確認してみてください。ユーザーが次の何かを求めても行く先がない状態は非常にもったいない状態です。

集客が重要な課題であるECサイトで、せっかく流入したユーザーを無駄に放流していては売上は上がりようもありません。このようなポイントをチェックして無為に直帰率をあげる構造になっていないかしっかりとチェックしてください。こうした取り組みを繰り返し売上アップを確実に狙っていきましょう。もし、あまり「どうしていいかわからない」という場合は、ご相談ください。

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