ECサイトの「使いやすさ」をもう一度見直して「売れるネットショップ」を目指そう

2020.11.30

ECサイトでは、業界的に今、そのサイトが「ユーザーにとってどのような価値があるのか」という課題から、さらに一歩踏み込んで、そのサイトでどんな体験をするかなどのユーザーエクスペリエンスが一つの注目トピックになっています。端的にもっと分かりやすくいえば「使いやすいサイト」であることがECサイトにとってとても重要になってきているのが現状です。

しかし、実際に「使いやすいECサイト」とは何なのかについてはあまり語られていません。扱う商品や企業の理念などによって目指すゴールも変わるためECの使いやすさには一つの決まったゴールがあるわけではありません。

しかし、基本的な使いやすさは存在します。ここでは使いやすいECサイトについて、改めて基本的なことを解説します。

「使いやすさ」は基本的なことこそ重要

ECサイトのユーザビリティがECサイト運営に重要であるということはユーザビリティやUIなどのトピックで解説してきました。

「使いやすい」ということはサービスのレベルなどとも関係しています。使いやすいと感じることはECサイトにとってのサービスが行き届いているということになるかもしれません。

どのようにすると快適で特徴も残したWEBサイトにするべく、効果的にサイトの改修が行えるのでしょうか、それにはまず、作業を開始する前に「どうあるとECサイトは使いやすいと思われるのか」をしっかりと考えなければいけません。

実際のところ、「使いやすさ」や「利便性」という言葉はECサイトでは1人歩きしてしまいがちな部分が少なくありません。新たな機能なども日々登場してくるため、あれやこれやと考えているうちに本当は必要ないようなプラグインがたくさんついていて、かえって不便なオンラインショップになっているということが少なくないからです。

また、そうなる原因の一つは、使いやすさが基本的なところに隠れているからということもあります。基本的なことは一見すると地味で、しかも工夫するのが意外に難しいことでもあります。

【参考】ECサイトのデザインは何を参考にするか~「ユーザビリティ」を意識しよう

デザインは見やすいか、使いやすい配置か

そもそもの話ですが「見やすいデザインかどうか」という問題は結構、根が深いことです。発信する側はユーザーへのアピールを考えなければならず、しっかりと視覚的に刺さるかどうかを考えるはずです。

一方で、そのインパクトと見やすさは全く別の問題です。そのため、「見やすいかどうかを客観的に評価」しなければいけません。

最近の傾向ではこの見やすさについての方向性はさらに重要になってきているここともポイントです。理由はスマートフォンの普及にあります。スマートフォンでは画面は小さく、その分、文字も読みづらくなりますので、できる限りのシンプルさが要求されてきます。

ネットショップでの買い物もスマートフォンで利用するというユーザーが大半を占めているのが現状です。

そうなると一つ一つのオブジェクトがインパクトを持つため、あまり詰め込みすぎると焦点がぼやけてきます。ショップで提供する商品の種類に限らず、シンプルデザインの需要は高く、その中でサイトのキャラクターを打ち出していくという非常に難しい問題に挑戦していかなければいけない状況になっています。

スマートフォンの普及以降は「フラットデザイン」という言葉が注目されています。基本的には平面でシンプルにデザインし、その上で陰影やグラデーションなどで立体処理をしていく見せ方です。iPhoneのホーム画面がこのフラットデザインの代表的な存在です。

また、操作もモバイルの利用時に快適であることを前提に考える必要があります。リンクボタンの大きさ、分かりやすさなどはとくに「モバイルファースト」が求められています。結局のところ、シンプルなデザインという発想もこのモバイルファーストの思想からきています。

現在のWEBブラウザでの閲覧という仕組みがメインにあるECサイトでは、このポイントから逃れることはできません。

もちろん、こうしたことはユーザー動向によって変わります。音声での購入も少しづつ増えていると言われています。そうなると視覚的なデザインを超えていく可能性もあるでしょう。「使いやすさ」は状況により変化するので、今後もテクノロジーの発展には注意していかなければなりません。

サイト閲覧の快適なスピード

素早く読み込まれるサイトが使いやすいということはある意味で当たり前のことです。実際のところ、ユーザービリティの向上を考える場合は、決済方法などを増やすことなどよりも先に考慮すべき項目です。しかし、新機能を理由になぜか表示速度が犠牲にされることがあります。

今後は使い勝手という面だけでなく、SEOの面でもサイトの表示スピードには注目する必要があります。サイトの表示スピード自体が、検索順位の評価に影響するようになっていくためです。

一方で、この「サイトの表示速度」はデザインや機能にも影響してきます。重たい機能をサイトに載せれば、その分、処理に時間がかかり、表示速度は遅くなります。また、サイトのサーバーも速度に関係してきます。

回線速度や使用機器のスペックによる部分も大きく関係してくるので、一概にはいえませんが、主な購買層がどうやって自社のECサイトへアクセスしているのかを注視しつつ、構築について考えていく必要があります。

そうした点から、シンプルなデザインはスピードの面でも推進を後押しされています。

実際にGoogleではこうした指標をSEO評価に加えることを明言しています。2021年6月に実施予定のアップデートにて随時、検索順位評価に加えていくことになります。

【参考】ページエクスペリエンスランキングシグナルをおさらいしておこう〜6月の本格導入に向けて

良いか悪いかはわからない機能

運営側が「快適になるのでは?」と期待を込めて、快適性を向上させることを目的に仕込んだ機能も、ユーザーにとっては邪魔な場合があります。その代表格はポップアップによるナビゲートです。

接客ツールとして、AIを搭載したものが普及し、かなり一般化しました。しかし、すぐにポップアップが飛び出てくるようにしてしまうと、落ち着いてサイトの情報を閲覧することの邪魔になります。

より問題になるのはすぐに消せないもので、これはユーザーにとってものすごく不快です。使いやすくするためには必要な場面でいかに出てくるかということをしっかりと考慮することが重要です。そうしたことに気を使わないとかえって不便にしてしまう可能性があることは意識しておいた方がいいでしょう。

また、最近は流石に見なくなりましたが、ECサイトでは自動でスクロールされるような機能は禁忌です。

全体的に共通しているのは、自動で何かをおこなうようなツールについては導入した場合に、逆にユーザーの自由を奪わないかということを考慮する必要があるということです。

「ナビゲーションはしっかりと、しかしペースはユーザー自身でコントロールできるようにすることが基本的な使いやすさに繋がる」として覚えてくようにすると良いでしょう。

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「ユーザビリティ=使いやすさ」の重要性は天井知らず

使いやすいサイトであるということは、2つの数値的なことに影響します。一つはコンバージョン、そしてもう一つはリピートです。

操作感の悪い環境では、購入意欲を邪魔し、低下させる可能性があります。逆に、スムーズに買い物が完了できれば当然のようにコンバージョンしやすくなります。

また、一度良い印象を受けたならば、再びそのサイトで購入しやすくなります。最初の購入がECでは大きな障壁になりますが、2回目以降も「あそこのサイトは買いやすいな」と思えば、必要であればそのサイトで購入するのは当然ともいえます。

そのため、コンバージョン率、リピート率にも大きく影響します。それに加えて、今後は先述したようにSEOにも影響してくることになります。つまり集客に関わってくるわけです。

そうなるとECサイトの重要指標の全てに使いやすさが関わってくるということになります。今までも安全性、つまりセキュリティへの取り組みはSEOに関わることが少なくありませんでしたが、今後は表示速度やクリック要素の距離感なども評価基準に加わってくることが確定しています。

ますます表面的なテクニック的なことではなく、ユーザービリティを意識したサイトの構築が重要になってきています。

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反応をしっかり確認して修正しよう

実際のところ「使いやすさ」という基準は個人差が大きくあります。そのため事業者側で追求していくということは、平均を狙うような部分も少なくありません。

そのため、「これが正解!」というようなものではないことに難しさがあります。場合によっては画像を充実させることが購入しやすさにつながることだってあります。

また、デザインを決定したり、システムを導入する側は、完全ではなくても、そのデザインの意図や、システムの優位性、操作感、機能などを把握していることでしょう。

その一方でサイトにおとづれるユーザーはまさに千差万別です。

サイトの技術的なことやデザインに精通している人もいるでしょうし、入力はままならないけれど、ネットサーフィンを楽しんでいるという人もいるかもしれません。結局のところ、「誰にとって使いやすいのか」という点には必ずフォーカスしなければいけませんが、誰かの立場にたって考えることは思った以上に大変です。

それでは、結局どうやって対処していくのかというところが課題になります。それについては、調査を行って、客観的なデータをしっかりと分析していくことしか答えは得られません。

また、モニターとして意見を集めるといったことも可能であればできると良いでしょう。しかし、意外に幅広く意見を集めるという作業は大変です。そのため、やはりデータ分析が重要です。データを見ていくという上では、離脱ページなどに偏りが出るなどの場合に着目し注意していく必要があります。

しかし、使い勝手を追求していくことは、ECサイトにとって恩恵が少なくないことは先にも述べた通りです。

手も足りなくなりやすい直営のECサイトでは、こうした状況に対応するために、運営代行会社やコンサルタントとの関係を持っておくこともそのための対応の一つといえます。

全てのWEbに関わる専門企業がこうした視点を持っているとは残念ながらいえません。もちろん、それぞれECサイトを持つ企業によって事情が異なるという点もあります。そのため、何がなんでも一つの方法論で対応するのではなく、それぞれのケースに合わせてカスタマイズした対応ができることも重要です。

社外との関係という点でいえば、しっかりと自社と関係を作れるコミュニケーティブな専門家とチームとして取り組めることが理想です。柔軟に提案がやりとりでき、画一的な考えや、一方的な関係性ではそれぞれの商品や企業イメージに合わせた「使いやすい」ECサイトを作り出すブレーキになる可能性もあります。

いかに多面的に取り組めるかということがECサイトの構築や運営には必要な時代になってきています。

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