ECサイトのおしゃれなサイトとは?~ユーザーにとって便利なWEBデザインこそファッショナブル
2020.08.17
ECサイトに求められるオシャレさや洗練。これらは使い勝手のよさを反映した工芸的な美しさに近いものがあります。UI/UXを満たしている必要があります。
ここでは、ECサイトのおしゃれさやWEBデザインについて、参考になるサイトも3例ほどあげながら解説します。
CONTENS
おしゃれなECサイトとは、工芸品的サイトである
どういったジャンルのものであれ流行はあり、最新の「おしゃれさ」にはどうしても鮮度があります。目で見た時にその時は「おしゃれ」「かっこいい」と思ったものが、少し時間を置いただけで、最初に見た時の洗練された感じを想起させないということも少なくないでしょう。
しかし、その中でも普遍的に残るものもあります。
実際に「おしゃれなサイト」と検索をかけてみてください。たくさんのサイトが紹介されています。このようにWEBサイトやECサイトのオシャレサイトや、参考例を集めたサイトは数多くあります。
こうした理由は“オシャレさ”の概念に個人差があるということも背景にあります。オシャレさに絶対はないため、いろんなセンスがいわゆる「おしゃれ」として表現され、それが成立します。
しかし、WEBでのそうした傾向にはある程度の共通した部分もあります。使用する中で共通した動きや、そのサイトを閲覧する際のデバイスの特徴などを考慮するとデザインの面であまり無理なことはできません。そして、その見た目のインパクトとは別に、機能面でのスマートさはおしゃれな印象をさらに加速させるからという点もポイントとしてあります。
もっと踏み込んで発言するならば、ECサイトが絶対的にオシャレである=視覚的に大きなインパクトをもっているという必要はないともいえます。しかし、オシャレさは人を引きつけるということも事実です。
こうした事柄を踏まえて、ECサイトに求められるオシャレさや美しさとは何かを考える必要があります。
これにあえて解答するとすればアートではなく、『実用性をともなった工芸品的な美しさ』が求められているといえます。こうした点では確実に服やアクセサリーなどのファッションとは一線を画します。
確実に言えることとして、ECサイトに実用性を伴わないオシャレさは求められていません。
ですので見た目だけのおしゃれさではユーザーに評価されないということを参考サイト集を見て参考にする場合は意識してください。
また、流行の流れとして大きな傾向があります。その一つはデザインのミニマム化です。この流れは2021年も続いています。こうした影響の背景にはスマートフォンの普及があります。
あまりに情報が多いとPCの画面では伝わっても、それよりも携帯性を意識してデザインされているスマートフォンの小さな画面ではノイズと捉えられる可能性があります。そうなるとユーザーには受け取られない情報になってしまいます。
また、一時期流行した動画の自動再生や音が出るなどのサイトは避けられる傾向にあります。
前提としてECサイトの構築には一定の手法があるということも理解しておく必要があります。そちらについては参考の記事を参照してください。
【参考】ECサイトの構築の基本とは〜売れるサイト作りの方法を解説
あくまで”商品のイメージに逆らわないおしゃれさ”が大事
おしゃれに見せることで大事なのは、商品や企業の持っているイメージ、演出したいイメージを十分に汲み取っているかということです。まずはブランドのイメージを掘り下げて、それに対応したものをシンプルに伝えるということが求められています。
これは製作者としての立場としてだけではなく、利用者の立場にたった場合でも同様のことが言えます。訪問したサイトが自分が抱くイメージや感触と乖離していたら、非常に居心地が悪くなります。他のサイトを真似たおしゃれさは実はおしゃれさから遠ざかる可能性さえあります。
フォントだけで演出するタイポグラフィー、色の組合わせ、アイコンのサイズなどがサイトの閲覧者にインパクトを与えます。そのため、レイアウトはとても重要な要素を握っています。
また最近ではインターネット全体の回線速度の上昇でトップ画像が切り替わるようなサイトも増えています。こうした単純な静止した平面要素だけでではない状態を作り出すことが可能になっており、例えばそれはどういったタイミングで切り替わるのかといったこともおしゃれさに影響するようになっています。
例えば、こうしたアニメーションのような機能があまりせわしなく切り替わるとしたらどうでしょうか。このように演出の仕方で機能がオシャレさを損なうこともあります。
もちろんこのような演出も商品や企業などブランドのイメージによって見せ方も変わる部分なので早いのがよくないなどとは一概にはいえません。
つまり服装や髪型などは人によって似合う服装が違うように、ECサイトのファッションも似合うデザインがあるということです。
そのため闇雲におしゃれとされるサイトの見た目を真似してもおしゃれにはなりません。かえって二番煎じでおしゃれさを損なう可能性もあるということを覚えておくと良いでしょう。
例えばこんなサイト 3例
先にも述べたとおり、オシャレさを定義することは困難を極めます。それでも工芸的に使いやすさがあるということをある程度配慮するのであれば、それがおしゃれであるかどうかの判断もしやすくなってきます。
ここでは扱うものの特徴を表していたり、サイトの価値を高めるようなものをおしゃれなECサイトの例として紹介していきます。こうしたものはほんの一例ですので、「これが正解である」というものではないということは繰り返しておきます。
オシャレECサイトの王道MoMA
MoMAはニューヨークの近代美術館をルーツに、モダン・コンテンポラリーアートを発信しています。物販にも力を入れており日本にもいくつかのアンテナショップがあります。現代芸術家のデザインを日用品に落とし込んだ商品は非常に人気が高く、売上を芸術の振興や次世代の育成に当てています。
そもそも扱う商品のデザイン自体が洗練されているので、それをじゃましない、また商品自体がケンカしないデザインが意識されています。イメージとしては打ちっぱなしの建物内に感覚をしっかりとって配置された家具のような感覚です。
それぞれのアイテムの主張が強いので、柱はしっかり建てられているけれど、余計なことは一切しないストイックさがスタイリッシュなおしゃれさを生んでいるといえます。
流行のコーヒーショップの先端を行くStampTown Coffee
2010年代に最も流行したものの一つがコーヒーです。そのカルチャーを背景にサードウェーブという言葉が使われ、アメリカのポートランドが脚光を浴びたりもしました。スタンプタウンコーヒーは、当時4大サードウェーブと言われるコーヒーロースターの一角を成した存在です。
海外のコーヒー事業者のサイトはお店の業態や性質を意識してか、落ち着いていてオシャレなサイトが多いです。また、全体的な傾向としておとなしい印象を受けることも少なくありません。
しかし、その中でもスタンプタウンは異色です。明らかに異彩を放っています。ユーモアを多分に含んだ少しヤンチャなテイストのブランディングを企業全体で行っており、それに合わせたデザインになっています。
そうしたブランディングを広めるのにECサイトも一役買っています。例えばメニューのアイコンのドクロや、開拓者をイメージさせる蹄鉄マークなどが、どこかユーモラスに配置されています。どれも十分なスペースで配置されており、余白を読ませるといった点にも配慮されています。文字(フォント)の選択なども含め、読み解くと計算を感じさせます。
どこか遊び心を残してブランディングを強めながら、ECサイトとしての本筋はそらしません。
淹れ方や器具の使い方などでコンテンツマーケティングにも取組んでおり、記事や動画の作成にも力を入れています。そうしたそれぞれのコンテンツの作り方や解説している内容もどこかユーモラスでブランディングを意識した内容になっており、徹底しています。
【参考】StampTown Coffee
写真を使って和を演出する書遊
書遊は江戸時代から続く老舗が始めたオンラインショップです。ショップの名から想像できるように書道に関わる商品を扱っています。書遊は基本的に店舗のほうが売上が高い状況の中、ECに取組んでおり、そのイメージをしっかりと生かしているのが印象的です。
サイト自体はカートASP大手のカラーミーショップを利用して作られています。そのため、いわゆるカラーミーショップ的な要素を感じる人もいるかもしれません。
しかし、シンプルに基本を守って、書道や和のイメージを明確に打ち出すことに成功しています。ここでは手の届きそうな実例として参考にしてもらえるのではないかということで紹介させていただきます。
サイトは書道から連想しやすいモノクロームな世界観を基調にして、白を背景に黒文字が基本で構成されています。そのうえで写真にはこだわっている部分もあり、対象の年代を意識した範囲でギリギリのおしゃれさをついてきます。
文章の割り付けなどでテンプレートの都合上、完全に整備できているとは言い難いですが、与えられた範囲での可能なデザインを施しているという点は大きく参考にしていいサイトではないでしょうか。
【参考】書遊
自分独自のオシャレなサイトを探して制作にいかそう
もし、オシャレなサイトを探してお互いにプレゼンテーションしようとなれば、それぞれのオシャレさが表に出てくるはずです。答えは一つではありません。
画一的なものではないので、それぞれが自身の感性と商品のイメージに合うサイトを探すことが大事です。
自分がお洒落と思えるサイトのストックを、例えばデザイナーへ依頼するような場面でいくつか提示できるようにしておくと、よりイメージが伝わりやすくなるはずです。逆にデザイナーやコーディネイターの立場であっても同様でクライアントへのプレゼンテーションはよりやりやすくなるでしょう。
一方で誰かに伝える場面では、そのサイトのどういった部分にオシャレさを感じているのかを明確にして伝える必要があります。視覚は聴覚よりも物事を伝えやすいですが、人によって何かを見た時に参照する部分が微妙に異なるためです。
発注する場面ではいかに発注者と受注者の間でぶれないように意図を伝えるられるかが、ことこうした感覚に関わる部分では重要です。そうした場合に視覚だけでなく、言葉で必ず「自分はそのサイトのどこに感じいったのか」を伝えてください。
特にウエブサイトはたくさんの機能が盛込まれており、専門にしている人ほど、細かい部分に気づきます。そのため、視覚から受け取っている情報の量も格段に多いのです。
より具体的に言葉で、プレゼンテーションをすることが作業中の齟齬を減らす力になるはずです。
まとめ〜見た目以外も気を使おう
ここではおしゃれなECサイトについて解説してきました。しかし、結局のところ、いくらオシャレであったとしても売れるサイトでなければECサイトとしては意味がありません。当然オシャレさは人にインパクトを与える面で重要ですが、それだけでは集客は伸びませんし売上にも繋がりません。
そのため、オシャレということ以上にブランディングを意識したサイト作りができているかを考えることが重要です。
一過性のオシャレは流行にながされてしまいますが、ブランディングは時間が立つと変化は求められることはあっても、廃れたりする要素ではありません。
ブランディングを強化する上でのオシャレさであればECサイトの大きな力になります。また、ブランディングを強化できるECサイトこそが本当におしゃれなECサイトと言えるでしょう。見た目の雰囲気より、何に対してアプローチしてデザインしているのかという視点こそECサイトのデザインに求められているという点を覚えておきましょう。
またECサイトでのブランディングに悩んでいるという場合はぜひ弊社にご相談ください。ブランディング会社として、ECサイト構築や運営の実績を持っており、案件に合わせて対応することが可能です。
実際に私たちかいながブランディング を意識して取り組んできたサイトの実例もたくさんあります。実際にどこかの制作会社をお探しの場合はそちらも合わせてご覧いただき、ご参考にしていただければ幸いです。
【参考】かいな 制作実績