ECサイトの構築方法選択で機能の比較をするポイントの押さえ方

ECサイトの構築方法を選択する場合に、どんな機能があるかによって選択するという方法は、できそうでなかなかできません。一般的に思いつきそうな機能自体は大体すでに提供されているからです。しかし、ASPで構築を考える場合、後から、少し足りない機能などをどうにかするのはなかなか大変ですし、事前に選んだ選択肢で失敗はしたくないと考えるでしょう。ここではまずはECサイトの機能を分類するところから解説していきます。

ASPは今やどこも同じような機能が揃っている

ECサイトの機能で構築方法を選択するという場合、実際にはなかなか難しいものがあります。先にも述べている通り、ネットショップの機能として必要なものについては無料ASPも含めて、一通りECサイトに必要な機能は揃っているからです。どこのASPを選択したとしてもユーザーが商品を購入するという目的においては一連の機能が揃っているはずです。

ECにおける標準的な部分ではサービスとしての差はあまり多くないのが、初心者のASPの選択に置ける現状かもしれません。そうした中で複数のASPのなかから候補を絞ることは簡単ではありません。

もしオープンソースも含めたパッケージによる構築を考えた場合には、無ければ後から足すといったことは概ね可能です。そうした場合は一時的には問題になりますが、どうにもならないというような状況にはなかなかならないと考えられます。同じような理由でフルスクラッチも問題にはなりにくいでしょう。

そもそもフルスクラッチでの構築はフルオーダーメイドです。構築手段を選んだ後のプロセスが膨大なので、よほどの大ポカでもなければ、機能についてどうこうという話は少ないでしょう。むしろ、どういったオリジナルの機能を乗せるのかといったことにポイントが移っていくことになると考えられます。

ECサイトに必要な機能一覧

選択時の第一段階としての意見は一度置いておきます。とりあえず、いろいろなことを考える前にECサイトに必要な基本的な機能を挙げてみましょう。まずは概要を掴んで、基本的にECサイトに必要なものは何かを理解するところからはじめてみましょう。

ECサイトは大きく2つの機能に分類されます。サイトに訪れたユーザーが見える、触れる機能が「フロント機能」、サイトを管理していくための機能が「バック機能」です。

まずフロント機能としては

  • 各種のコンテンツ表示
  • マイページorゲスト利用機能
  • メルマガ会員登録
  • 商品詳細、一覧、検索機能
  • カテゴリ、ブランド、タグなどの分類機能
  • レビュー機能
  • カート機能
  • 一括購入
  • ギフト設定機能
  • 決済機能
  • ポイント機能

フロント機能には見た目などの部分から、ユーザーが登録したりログインしたりするような機能なども含んできます。もちろん注文したり、決済したりといったショッピングができる必要もあるので、そうした機能もフロント機能に含まれます。

ここに記載したものの中でも、たとえばレビュー機能や一括購入機能は存在しなくてもECサイトとしては成り立ちますが、商品に関わる機能やカート機能などは絶対に必要な存在といえます。デザインはコンテンツの表示機能に分類されます。多くはユーザーの使い勝手にも関わってくるので買い物のしやすさに関係します。フロント機能はユーザーだけが見るものではなく、運営側も扱うため、バック機能と結びついています。

続いてバック機能も見てみましょう。

  • 会員管理機能
  • メール配信管理機能
  • 商品管理機能
  • 在庫管理機能
  • 受注入金管理
  • 出荷配送管理
  • ユーザー行動・商品ページアクセス分析機能
  • 機能連携機能

こちらはユーザーの目に触れることはありませんが、実際に運営・運用にはかかせない機能です。主にデータベースの管理にともなう機能と考えることもできます。

フロントとバックの機能があってECサイトとして運営ができるようになっています。顧客管理のデータベースを扱うなどはほとんどユーザーには見えない部分ですし、配送や発送した商品の管理などもここに含まれます。

たとえばパッケージで構築する場合にもこれらの機能は一通り、プログラムに入っています。こうした機能を基本に特色を膨らませた機能が加えられていることも少なくありません。たとえばアンケートを配布し改修する機能やレコメンドを表示する機能などです。

なかにはAIを用いた接客機能などもあります。こうしたものは追加して利用する機能ということになります。GoogleマップやTwitter、Facebookなどの各種SNSとの連携機能など周辺の機能は拡大しています。最新のECツールは常に開発が進んでおり、そうしたものを利用出来るようにアップデートしていったりといった作業は常に行われています。

また、イベントやセールを行うための機能などもあります。顧客へクーポンを配布したりする機能などは多くのASPが設けています。最近も面白い機能がどんどん追加されており、ECサイトの事情は刻々と変化しています。例えばBtoB向けの決済サービス機能なども普及しています。もし狙い撃ちでそういった機能の導入を目当てに構築を考えているのであれば、選択肢はおのずと絞られていきます。

こうした機能による選択をする場面で問題になるのはやはりASPを選択する時ではないかと思います。ASPでの機能変更や追加は、他の構築方法と比較するとあきらかに融通が利きません。

もちろんASPがそうした機能に対応して新機能を追加したり、カスタマイズできるようにすると考えた場合には利用できますが、ユーザーとしてASPを利用する側としては、あくまで与えられた機能のなかで構築し、運営していくということが求められます。

そうして考えるとASP選びでの機能選定は慎重におこなわなければいけない場面も多くなってきます。

機能別に分類して、それぞれ何が向いているのかを考えよう

先ほど列挙した機能ですが、ASPなど、サービス提供側によってそれぞれ若干呼び方が違ったりすることがあります。そうした面はとりあえず、あまり重要ではないのであまり重く受け止めずに置いておいて、実際に中身を見ていくことが重要です。

たとえばフロント機能でいえば決済、そしてカートの仕組みなどです。フロント機能はユーザーが扱うので、ユーザビリティにも直結しますし、そのサイトの持っているフロント機能自体は少なからず売上に影響します。

まず、しっかり確認しなければいけないのは決済方法についてです。ASPでは決済方法はまず選べません。十分に検討を重ねて、どういった客層がターゲットになるのか、あるいは逆に狙いたいのかを考えることが重要です。基本的にクレジットカードでの決済はどこのASPも扱えますが、それ以外の決済方法を増やしていったりすることは困難です。また、利用出来るカード会社に縛りがある場合もあるので要注意です。

他にも、見え方や操作感などは違ってきますので、そのあたりは確認しておきましょう。

まずは、どういった見え方、操作感などが、自社の商品やイメージにあっているのかを思い描いてください。

それぞれのASPがそれなりの機能やデザインのテンプレートを用意しています。何もヴィジョンが無い中で、その中で一番自社にあっているASPを選んでいくというのは実際のところ雲を掴むような話といえます。なぜなら、何があっているのか特に方針もない状態では、どこか目指すべきゴールもないという状態だからです。

そのため、まずは「こんなECサイトにしたい!」というヴィジョンをデザインだけでなく、各機能も含めて理想を思い描いてみることから始めて見てください。そのうえで、各機能ごとにASPの内容をピックアップしてみたほうがよいでしょう。

実際のところ、他の企業で利用している機能は、ある企業のECサイトにとっては必要な機能ではなかったといったこともよくあります。そしてもちろん逆のパターンもあるからです。

バックもフロントと同じく重要

フロントでの機能についてはある意味派手なので選択しやすい部分があります。しかし、運営のスムーズさにはバック機能が重要です。これももちろん業務の進め方によって善し悪しが決まる側面が強いので単純に比較できません。

在庫や配送の管理など、商品のやり取りの根本的な機能がここに含まれています。また、店舗に置ける倉庫管理業務のような機能はバック機能に含まれているわけですが、こうした機能がなければECサイトで販売を伸ばしていくことは不可能です。バック機能がないECサイトは陳列棚にデモの商品だけがならんだお店のようなものといっていいでしょう。

実際のところ、担当者になれば運営していく中ではバック機能に触れていく場面のほうがもしかしたら多い可能性があります。もし選んだASPの管理用のインターフェースが猛烈に使い勝手が悪かったら、ものすごく業務の効率を落とす可能性もあります。

実のところ、この問題の難しさは「操作感については触ってみないとわからない部分が強い」ということにあります。触ってみて初めて使い勝手の悪さに気づくかもしれません。こうしたことを避けるために、実際の業務フローをイメージしながら、サンプルや無料期間を利用してシミュレーションしてみることが実は非常に重要です。

しかし、多くのEC初心者はそこまでなかなか踏み込めないかもしれません。第一、無料期間で利用するのはそれぞれ登録の作業などを少しでもしなければいけないわけですし、なかなか手間がかかります。

しかし、本格的な構築に入る前に一度その使い勝手は確認しておいたほうがよいでしょう。

集客できる機能はどの程度もっているか

自社ECサイトについて、どういったシステムを用いて構築した場合においても必ず集客が問題になってきます。販売を強化していくには集客力をサイト自体がどう言った形であれ、もたなければいけません。前述していたSNS連携などはそうした機能の一環といえます。

広告の運用を中心に集客を考えているということであれば、それほど問題にはならないかも知れませんが、サイト自体の集客力を付けたいと考えるのであればブログ機能などコンテンツマーケティングのできる機能はあったほうがいいでしょう。

SEO対策のできないECサイトは結局費用対効果が悪くなります。売上が伸びない、あるいは広告への出費がかさむことで、月に利用する価格が安くともランニングコストが結果的にかさむ結果になる可能性も高くなります。

構築方法の選択ではASP以外もフラットに選択肢として持つ

ASPの選択については主に企業向けのECサイトについて以下の記事で利用しやすいASPをピックアップして紹介しています。もちろんそれ以外の選択肢もありますが、一度確認してみてください。

【参考】ECサイトのASP~いろいろあるけど、企業向けならどう選ぶ?

また、後々のことを考えてパッケージなどでの構築を考えるのも選択肢のひとつです。機能の追加などに加えてフレキシブルさではASPとの比較にはなりません。

それでも最近はASPとパッケージとのいいところどりを狙うクラウドECなども存在感を増しています。本格的にECに取組もうと考えるのであれば、最初から選択肢に入れてもいい方法といえます。自由度の高い構築方法はそれだけ改善もしやすくなります。

一方でASPではシステム自体を改善するのは難しいのでオペレーションでカバーするなどそれなりに工夫も必要になってきます。

当然、その場合は構築を一人で行うのは難しくなります。ECサイトの構築に強い制作会社への依頼なども考慮し、様々なケースを想定して挑んでください。そうすることで実現が可能になることの幅は格段に大きくなるはずです。

また、ASPを選択するという段階でも、可能であれば専門家に相談してみたほうが、後々の後悔は少なくなります。構築、運営代行などを行う制作会社は、デザインなどの表向きのことだけでなく、それぞれのASPの特徴なども体験しているので、商品のや業務体制なども含めて相談することで、スタート時から、どういった課題があるのか、構築時の進め方などスムーズに運営に移行していけるはずです。

そうした企業の提案を受けた上でASPを選択していくほうが、もし少しでも本格的にECに取組もうというのであれば、結果に繋がりやすいでしょう。

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