ECサイトの年末年始の休業をどうするか〜運営の長期休暇対応

2020.12.04

サービス業は以前は休業する商店や企業に厳しい雰囲気がありましたが最近は少しづつそれぞれの企業の判断に任せる風潮に変わりつつあります。

ECサイト自体はサービス業に当てはまる範疇の業務も多くあり、常日頃から、24時間注文を受けることのできるシステムです。そのため、年末年始の業務体制について戸惑う運営担当者も少なくありません。ここでは、年末年始を例にしてECサイトの休業について解説します。

人材確保が難しいのはECサイトも同じ

ECサイトはユーザー側からみると基本的に24時間、年中無休で閲覧や購入ができるシステムです。しかし、通常の情報サイトとは違い、運営側は購入に対してのアクションをしなければならず、全てを自動化することは困難です。

そのため、継続して毎日運営していくためには、ある一定数は業務をこなすために人材を確保しなければいけません。しかし、昨今はどういった業態であっても人材を確保することが難しくなってきました。

ビジネスの中で24時間年中無休というサービス形態を牽引してきたコンビニエンスストアでさえ、人材確保の問題で大きく揺れています。そうした中で、年末年始やゴールデンウィークなどの長期休暇期間の運営体制についてはECサイトも人ごとではなく、もし、通常運行していこうと考えれば人材確保の問題にぶち当たることになります。

そうした中でも年末年始は日本では少し特別です。運送会社も配送体制に変化があったりと、ECサイトに関わるインフラのような企業など、サイト以外の部分ではいろいろと通常通りではなくなります。

こうした状況の中で年末年始も通常運行で運営していくということは大きな負荷があります。また、生産ラインなども止まるなど、通常時とは異なります。そのため、多くの企業としてはECサイトの動きも一時停止せざるを得ないかもしれません。

サイト閲覧、購入自体の窓口は開けておく

こうした場合は何もサーバー自体を休止して閲覧自体をできなくしたり、購入できないようにサイトの設定で購入可能在庫をゼロにしておくといった処理をする必要は基本的にありません。むしろするべきではありません。

もし休業する場合は「購入自体は可能で、発送は何日から」といった旨をしっかりと掲示することこそが重要です。

商品を吟味するための商品ページや、注文自体を受けるシステム自体は休止する必要はありません。しかし、中には早急に商品が欲しいと思っているユーザーもいるので、そういったユーザーのためにはしっかりと配送について「○月○日までは発送作業できない」という旨を伝えてください。

無い袖は振れないという諺がありますが、「無い袖を振るふり」をするのがECサイトでは一番不信感を買う行為です。

関係部署や企業との調整は必ずしよう

できないことを請け負わないということは非常に重要です。また、何ができないのか、どういった状況になるのかを把握するためにも、ECサイトの担当部署単体の状況だけでなく、商品の供給や配送に関わる部署や、他の企業との連携をしっかりとって調整してください。

運営を通常通りに行う場合は年末年始の在庫についてしっかりと考える必要があります。商品がなければ、商品のピックアップ、梱包、発送などのステップにも進めません。鮮度などの問題もあり、供給がストップされるという場合は、ECサイトも出荷を停止せざるを得ません。

こうしたことは多くの部署が休む中、ECだけででも運営する場合も同様です。こうしたことを考慮しないために年末年始をただ会社で過ごしたといった例は、残念ながら毎年届いてきます。

配送会社の休業や、集荷時間の変更などについては先ほども記載しました。他にも梱包材なども十分にチェックしておく必要があります。もし休業しない場合は、足りなくならないよう確保しておかなければいけませんので、こうした仕入れ先の状況もしっかり把握する必要があります。

運営休止対応は早めに告知し期間中も必ず明示しよう

年末年始の休業については1ヶ月前に掲示することが理想です。あまり遅いと、「年始に必要だけどまだ買わなくていい」と考えているようなユーザーは購入時期を逃し、利用を予定していたユーザーも事業者側も両方で損をすることになります。

また、休業期間中には発送ルールが変更されることをしっかりと明示してください。また、特商法に関わる表示のページでも、「年末年始等は変更になる可能性がある」などと日頃から促しておくことも重要です。

告知はそれだけでは足りません。

  • 購入者への自動返信メールの内容も発送時期の変更について必ず記載する
  • 問合せ先の電話についても自動音声で休業の案内を流す

この2つの作業は必ず忘れずに行ってください。決済などはできるわけですが、その間のサポート体制については休止されることを購入者に考慮してもらう必要があります。サポート窓口自体も休業しているということをしっかりと明示し、理解してもらう必要があります。

休業前に年始の発送準備を

数日間休業にするということは、その間のオーダーがたまることになります。そのため、業務再開時にはそれなりにまとまった数の注文がある可能性があります。業務初日の負荷を減らすためにも、できる限り準備を休業前に行ってから休業へ移行しましょう。

また順次発送していくとしても、大量になって捌き切れないという場合はどういった処理にするのかも先に決め、告知文の中に入れ、ユーザーに理解を求める必要があります。

業務を委託している場合も、基本的な注意点は変わりません。しっかりと委託先と相談しながら検討してください。

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