ECサイトに向けた機能増加中のInstagramの活用方法

2020.07.10

最近、SNSを中心としたインターネットサービスのなかでも流行の発信場所として話題になることの多いのがInstagramです。市場への影響力は以前から指摘されていましたが、本格的にビジネス機能を強化しEC事業と連携できるようになったのは2018年からです。

ここではInstagramのビジネス利用でECサイトの集客と売上を加速させることについて解説していきます。

若い世代向けの商品ほど活用しがいのあるInstagram

Instagram(インスタグラム)はユーザーが画像や動画を投稿することをメインに他のユーザーと繋がるSNSです。運営元はFacebookで、Instagramのアカウントと自分や自身の運営する企業のFacebookページと連携して利用することができます。ユーザー数は2020年に発表された調査の結果では2019年5月の段階で国内3300万人が利用しているとしています。

主に10~30代の女性に特にInstagramを積極的に利用するユーザーが多いと言われています。操作がタップするだけだったりと単純に利用するだけであれば簡単なので、幅広い利用者がいます。

かき氷やタピオカなど、写真映りのよい特徴的な見た目の食べ物が爆発的に人気を獲得し流行した背景にはInstagramの影響が強いと考えられています。

また人気のファッションモデルがプライベートを、あるいはプライベート風に一部公開して、最新のファッションやメイクなどを実践して見せることで、利用されている商品の人気が高くなるといったこともおこっています。また、Instagramで影響力を持つインスタグラマーも登場し、職業として成立しつつあります。

時にはこうした投稿がニュースに取り上げられることもあり、メディアの情報源として活用される場面も多くなりました。

一般的には「インスタ」という略称でよばれて親しまれています。写真にするとインパクトのあるものや場所を「インスタ映え」、またそういった写真が撮影できる場所を「映えスポット」と呼び社会現象にもなっています。

EC事業との連携については、BtoBであったり、画像をうまく活用しにくいような商品や、世代的に嵌らないタイプの商材では相性が悪く、マーケティングに効果的に利用することは難しい側面もあります。

しかし、アパレルやスウィーツなどは注目されやすく、嵌れば大爆発を狙える商材も少なくありません。また、向いていないと思われるような商品であっても、違った客層にアプローチできる可能性を秘めています。

そのため、最近では新たな顧客の開拓を目指して活用する例も増えてきました。ブランドを視覚的に拡散させていくには非常に強力なツールとしてWEBマーケッターの間でもその活用は定番になっています。

感覚的に訴えるSNS

Instagramの特徴は、Twitterのような文章での訴求よりも写真や動画などで感覚に直接的に訴えることができることです。見て魅力を訴えることが可能、あるいは現時点ではそういった方法をとっていなくてもそういった方法をとることが可能な商材を扱っているのであれば、ビジネスツールとして活用するチャンスと、メリットは小さくありません。

さらに、現在ではもっと直接的に販売に結びつけることができるようにInstagram自体のサービスが拡充されています。

以前では投稿に直接リンクを貼ったりすることはできず、サイトに誘導して売上に結びつけることは難しい部分がありました。こうした課題も日本では2018年6月からビジネスアカウント設定をすることで投稿がサイトの商品ページへ直接リンクできるようになっています。これにより実際にECに利用できる仕組みが組み込まれています。

その結果、Instagramを積極的に活用することで、世界観を表現するだけでなく、ECサイトの売上を直接的にあげることに成功している事例も出てくるようになりました。

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ビジネスアカウントならショップ機能がECに使える

InstagramのビジネスアカウントではEC向けに以下の機能が利用できるようになっています。

  • 投稿に商品ページへのリンクを付けて導線を確保できる
  • 「ストーリーズ」という24時間で消える投稿にもリンクを貼って使える
  • 写真に映っている商品に品名や価格をタグ付けできる
  • プロフィールページにショップタブが加わり、フィードの画面が商品だけを抽出された画面になる

また、今後は運営側でInstagram内で買い物が完結出来る「チェックアウト」という機能を追加する予定です。このチェックアウトについてはすでにアメリカを中心にいくつかの企業を含めて実際に利用するテスト運用を開始しています。

そのため、今よりもさらにしっかりと運営する企業がInstagramのアカウントを管理してフォロワーを増やすことで、ECでの販売機会の増大に直接影響してくることが予測されています。

そもそも最近はスマートフォンでのインターネット利用が主流です。また、多くのスマートフォンユーザーがスマホの利用時間のほとんどをSNSに費やしていることがわかっています。

実際にはそれぞれのSNSでユーザーの利用時間を取り合っている状況もあります。当然、Instagramもその時間の過ごし方の多くを握っています。その中で短い導線でSNS上からショッピングへと引き込めるメリットは小さくないでしょう。

また、Facebookのデータに基づいて連携したターゲッティング広告も、少ない費用で狙いたい客層に向けてInstagramのフィード内に配信できるシステムが確立しています。投稿したものを関連した事柄に興味のありそうな人物や世代、地域に絞って広告として出稿することが可能です。

通常の投稿のような写真だけのものから、動画投稿、複数毎の写真を使ったカルーセル広告、ストーリーズ上での広告と、4つのタイプの広告が利用できます。スタイルはユーザーが投稿した内容によく似た形式になり自然です。

その場合の広告料は成果報酬型です。課金のスタイルは4つあります。

  • クリック数に応じたCPC課金
  • アプリのインストール数に応じたCPI課金
  • 動画の再生数に応じたCPV課金
  • 表示回数に応じたCPM課金

商品や広告の運用方法に合わせて選択する必要がありますが、目的をもったユーザーを狙って宣伝できるので、効果は低くありません。もちろん、途中でやめることもできます。

ビジネスアカウントを作ることは難しくない

ECサイトの売上アップに利用しようと考えた場合はビジネスアカウントを持つ必要があります。ビジネスで利用可能なアカウントの正式名称は「Instagramプロアカウント」です。一般ユーザー向けのアカウントではこれらの機能は利用できません。ショッピング機能を導入できる条件の詳細は以下の通りです。

  • ビジネスで提供者契約とコマースポリシーに準拠した物販を行っている

これはFacebookの利用規約を守って、FacebookのビジネスページとInstagramアカウントを運営しつつビジネスを行っていなければならないという意味です。つまり、ひらたくいえば「ルールは守ってくださいね」ということです。

この審査は扱う商品や登録情報などがチェックされます。そのため、個人でこじんまりとECを展開しているケースだと審査からはじかれるケースもあります。

  • 該当するビジネスとドメインが紐づいていること

運営しているECサイトを登録しFacebookページ、または今後Instagramアカウントから直接商品を購入できる状態にある必要があります。FacebookやInstagramへとリンクするドメインは登録時にFacebookでドメイン認証の作業が必要です。

  • 所在地がコマースを利用できる国であること

これはショップ機能のサービス提供が実施されている国であることを言っています。日本では2018年6月から「コマースを利用できる国」になっています。

  • 信頼性を示す

Facebook、Instagramのアカウントに信頼性のある情報がしっかりと入力されていることが条件になっています。Facebookの公式情報ではアカウントのフォロワー数にも言及しています。可能な限りは毎日なんらかの投稿を行い更新することが重要です。ただし、あまり関係のない投稿をしすぎると通常のフォロワーからフォローを外される原因になることもあるのでほどほどにしましょう。

こうしたルールを守ったうえで、Facebookにビジネスマネージャでカタログを作ったり、ショップセレクションを追加することで「ショップ機能」がInstagramでも利用可能になります。

Instagram利用者の8割は何らかのビジネスアカウントをフォローしているというデータがあります。また実際にInstagramで商品を知ったユーザーは6割、購入等のアクションを起した経験のあるユーザーは7.5割となっており、ビジネスチャンスの拡大に向けた効果も十分に期待できます。

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ビジネス向けこそ投稿は統一感をもって「映え」を目指そう

もしビジネスに使えると考えるなら、早速Instagramのビジネスアカウントを登録してみましょう。登録には先にFacebookのビジネスページを作る必要があります。ビジネスページは個人ユーザーが管理者となって登録を行いますが、複数人で管理することも可能です。

Instagram運用のポイントは大きく3つです。

  • フォトジェニックな写真
  • テイストの統一
  • ハッシュタグ

フォトジェニックな写真は、いわゆる「映える」写真です。通常のECサイトの商品画像と違い、背景に溶け込んでいてもかまいませんし人物の写り込みなども許容されます。ただし、商品はしっかりとフォーカスされていたほうがいいです。

ここで問題になるのは、他の写真との統一感です。一定のテイストをもって掲示したほうがInstagramユーザーに響きます。Instagramは積極的に交流を持つというよりも、写真を眺めて楽しむ娯楽に近い性質が他のSNSよりも格段に高いのも特徴です。あまりにバラバラなテイストではフォロワーが楽しめません。そのため、ある意味での予定調和があったほうがユーザーは安心感があります。

企業アカウントの目的は宣伝ではありますが、遊び心のないアカウントはユーザーにとってフォローするメリットが薄くなります。これは事業者としてもブランディングの方向性を試されるので、簡単ではありません。しかし、逆に特色を全面に出して興味をそそることもできます。

例えば「毎回猫と映っている」「地域色のある何かと映っている」などコンセプトがあるとフォロワーにとっても楽しみが出てきます。イベントの様子をリアルタイムで投稿していくといった使い方も人気があります。

画像のサイズは可能な限り正方形が臨まれます。アカウントのプロフィールページに移動した場合、投稿した写真が表示されますが、その場合は正方形で表示されるため上下が切られて表示されるためです。縦長で撮影する場合は目的のものが真ん中に収まるようにするといいでしょう。

ハッシュタグは「#」のことです。これを先頭に付けて言葉を繋げると、その言葉に紐付けすることができます。たとえば「#ECサイト」とつけると、誰かがECサイトを探す場合に探しやすくなります。

どういった言葉が検索効果があるかは状況によるので、効果的なハッシュタグを探すことが重要になってきます。また、ハッシュタグを育てるということもできます。キャンペーンなどではこのハッシュタグを使ってユーザーに投稿してもらうといった方法もよく使われます。

またInstagramの投稿をネットショップに埋め込むといったことでレイアウトの一部として利用することもできます。

この2年でInstagramに追随してくるサービスがあります。動画を共有するSNSのTik-Tokです。倍速再生などの機能が面白いと、10代を中心に支持を集めています。アパレルなどではいち早く取り入れて知名度アップを図っているケースも増えてきました。こちらはECとの連携はこれからという感じですが、Shopifyが早々にプラグインを投入しており、今後の展開には注意しておきたいところです。

EC機能がついたことで運営は工数が増える

EC機能がついたことで、もしInstagramを利用している場合は管理に工数が割かれるようになります。フォロワーを増やし、導線を太くするためにはそれなりに手間がかかってきます。また外部へのアプローチにも繋がるため、ブランディングとしてもおろそかにできません。

現在ではInstagramの運営を専門に請け負う企業も出てきました。また、ECサイトの構築から運営まで含めて行い、Instagramアカウント運営のアドバイスや実施まで行う運営代行会社もあります。ただし、単純に運営しても長い目でみた場合の効果には差がでてきます。最終的にはブランディングを考えることのできる企業と組めるかが重要です。

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