ECサイトの立ち上げに関わる準備と流れ、その後の確認について解説

ECサイトの立ち上げは、最近では気軽に行うことができます。無料で利用できるASPの存在もあり、WEBデザインの知識を持たない初心者でもECを導入しやすい環境になってきたからです。

しかし、実際には流れとそのプロセスが持つ意味を事前に理解し、その後の展開を意識して取り組むかどうかでその後のECの展開や展望は変わっていきます。

どういった選択を重ねて、構築から運営までどんなヴィジョンを持って取り組むのかで、サイトを公開し、ECというチャネルで販売を開始した後にそれがどのように発展していくかを、この最初の選択が大きく関係していくことも少なくありません。これは個人でも企業でチームを作って取り組む場合でも同じです。

ここでは、この記事を読んでくれたみなさんがより将来的な希望に沿った展開を進められるよう、ECサイトの立ち上げに向けたフローを解説します。

まずは心構えを〜ECサイトは実際のお店と似ている

「立ち上げ」や「スタートアップ」という言葉はとてもポジティブな印象があります。この言葉は多くの人を惹き付ける魅力があります。ECサイトはインターネットを活用した仕組みなので、海外とのつながりを持てる可能性もあります。越境ECは非常に夢があります。

しかし、ゼロから1にしていく作業は大変です。やるべき工程も多く、たくさんの作業が発生します。

その中には技術力だけ、あるいあはアイディアだけでは突破できない事象にぶつかることもあります。そのため、どこかでやらなければいけないデティールを詰め切らず、煩雑になってしまうことも少なくありません。

そして、ブレがないようにしていくためにはしっかりとしたゴールへのヴィジョンが必要です。何事もゼロから始めることは想像以上に大変だからです。

そのため、具体的なロードマップを引くことがその段取りの初めに必要になります。

時には作業の中で、どうしていくのが良いのかわからなくなることもあります。その場合はロードマップを見直してみるといいでしょう。また何をしているのか分からなくなったときにはECサイトそのものや機能を考える時は、実際にある何かに置き換えて考えてみることが参考になります。

具体的にはECサイトは実店舗でのお店作りに置き換えてみるとわかり易いです。ECサイトについて考えてみると多くの点で実店舗と共通点があります。ECサイトづくりはお店づくりや組織づくりに近いものがあります。

例えばその持っている機能です。実店舗の飲食店であれば

  • 来客スペース
  • 作業場
  • ストックルーム

この3点は必ず必要です。作業場やストックルームはいわゆるバックヤードです。バックヤードのようなお客さんには見えないスペースが効率的につくられていなければ使い勝手のよくないお店になります。

また、店内の見栄えは来店時のインパクトなどに影響します。なのでバックヤードを実店舗で軽視するとお店全体に影響することが少なくありません。結果的に来客スペースの管理も悪くなっていきます。ましてやバックヤードの用意がないことはその後の大きなデメリットになります。

ECサイトも同様な側面があります。表の見栄えだけを考えて構築すると、お客さんが寄り付かないまま、なかなか施策も打てない枯れたサイトになっていきます。運用もしづらいと売り上げアップへの施策には及び腰になってしまうでしょう。

表向きの見た目だけよくても、バックヤードの機能が十分ではなく、働きづらいサイトでは、運営・運用に支障をきたします。サイトの見た目やユーザーの遷移のことばかりに注力していると、実作業が疎かになることも少なくありません。

ECサイトをこれから立ち上げようと考えると、経験の少ない人はどうしても外観と、どんなプラットフォームを使って作るのかといった表の部分の開発やテクニカルなことにばかり気を取られてしまうと思います。

しかし、あくまで、できあがったその後が重要ということを覚えておきましょう。「どうやってお客様をお迎えするのか」という視点が欠けてしまうとどうしてもECサイトは使いにくくなります。ECサイトでは基本的に直接のコンタクトや接客ができないので徹底的にその使用感を考える必要があります。

最初はうまくいかないこともあります。失敗したと放り投げず、一つ一つアジャストして改善を続けていくことも成功の秘訣です。相手の見えないビジネスの様式ですので最初からうまく行くとは限りません。しかし、少しづつ最適な回答が見えてくるようになります。

運営・運用を意識したECサイトについては、以下の記事でも解説しているのでぜひお読みください。

【参考】 ECサイトの作り方は運営も意識しよう

来客想定はしっかりとしよう

「ECサイトを立ち上げよう」という段階あればで、当然、サイト内で取り扱う商品は確定していることと思います。

どういった商品を提供しようか確定しているのであれば、その商品はどういったニーズに対してアプローチするのか、しっかりと事前に考えておくことが重要です。

実店舗も運営しているのであれば、どういった層のユーザーが実際に対象として存在しているのかも見えやすくなります。多くの場合はそこでまず実際に既存のお客さんを分析します。

しかし、それだけでは十分とはいえません。実店舗だけでなく、オンラインショップを利用するユーザーをさらに予測して想定する必要があります。恐らく、オンラインショップの開店後にユーザーを分析するとオンラインショップと実店舗でのマーケットは全く一緒ではないことに気が付くはずです。実際に店舗で購入するユーザーはそのままネットショップのユーザーにならないことも少なくありません。こうした分析作業は実際にはもう少し複雑です。ネットで見て店舗で買うというようなケースもあるからです。ECサイトの存在が実は実店舗の売り上げを押し上げているといったケースも少なからず存在します。

ECで販売をはじめる事業者の場合はある程度市場の中で中心となる利用者を事前に選択しておく必要があります。初期の時点でガチガチに作り込む必要はありませんが、ある特定のマーケットに向けたサイトの設計を考えていくことで、どこに向かってアピールしていくのかがわかりやすくなります。

このように、マーケティングを考えていくことで、指標ができ、どういったニーズに向けたECサイトにして構築するべきかの予測が立ってきます。これを踏まえて運営・運用できるサイトの設計、デザインなどの要件を決めていくと全体像が捉えやすくなります。

全方位に向けて刺さるデザインやライティングは実際にかなり難しいことです。しかし、的を絞っていくことでやり方が明確になるはずです。しっかりとリピート客を作り、売り上げをあげ、そこから積み重ねていくということがECサイトのビジネスを拡大していくコツです。

ブランディングできるサイトを目指そう

先ほど述べたこととも関係していますが、もう一つ考えておく必要があるのはブランディングについてです。マーケットのニーズに合わせて商品をオンライン上に投下するのであれば、Amazonや楽天、Yahooなどのモール型ECに出品すればよいのです。何もわざわざ自社で独自にECサイトを立ち上げる必要はないかもしれません。独自に始めるのであっても無料で使えるbaseなどのASPを利用すればいいはずです。

こうしたモールや無料のASPだけではなく、ある程度の投資をして自社のチャンネルを開くことの大きな意味はブランディングの実施の有無にあります。また、それをしないECサイトは出口の見えない状態になることもあります。ブランディングは自社ECサイトにとってメリットであり、必須の項目です。

実際のお店でも企業でも、新たなファン層を作るためにいろいろ工夫をしています。ブランディングは以前であれば広告に大きな金額を使って、マスメディアに露出するなどでおこなわれてきました。

インターネットはその仕組み上、ブランディング施策に強い、あるいは実施し易いメディアといえます。そのため、実店舗よりもECサイトの方がブランディングに関わる施策を比較的低予算で行うことができます。

基本的な戦略としてはオウンドメディアを運営して集客するなど、インターネットが得意な新たな手法による集客を行ないます。WEBでは検索に紐づいた行動をします。ですのでキーワードを設定して検索上位を狙っていきます。企業や商品の認知をあげ、イメージを向上させる施策を行うことができます。

既存のマーケットを目標にしているだけでは、その範囲は限られています。そのマーケット内でのユーザーの奪い合いから出ることはできません。そのため価格競争などに巻き込まれやすくなります。しかし、しっかりとブランディングができれば、「そのブランドが好きな人」というマーケットができます。EC事業をきっかけに新たな市場を自ら作ることにつながっていきます。

もし実店舗もあるのであれば統一したコンセプトを持ち、連携することが求められます。いわゆるオムニチャネルやO2Oなどと呼ばれる施策を通して、メール、WEB、SNS、対面での対応など様々な要素を使ってブランド全体でユーザーと接触していくことで、ユーザーを囲い込み、また、優良顧客へと促していくこともシナリオに追加されていきます。

New call-to-action

立ち上げまでの準備を確認してみよう

ECサイトを自分で作るというパターンもあれば、専門のWEB制作会社に依頼しようかと考えているケースもあると思います。

ECサイトの作り方にはテクニカルな面ではいくつか方法があります。しかし、どのような手法であったとしても、共通したフローがあることを理解しておく必要があります。これをまずはポイントとして確認しておきましょう。

概ね手順は以下の通りです。多少前後することはあるかもしれませんが、この流れがスムースです。

1.コンセプトと要件の決定

2.掲載情報、コンテンツの種類とボリュームを確定

3.配置する情報の位置や遷移などページの設計

4.色使いやフォントなどイメージの確定

5.コンテンツの制作

6.商品情報のサイトへの登録作業

コンセプトは必ず事業者がイニシアティヴをもって決めよう

最初の「1」の部分は、かならず発注者が決定すべき項目です。もちろん専門家と相談しながら行うこともできますが、この入り口を最終的に確定するためには、前に述べたターゲットを中心としたマーケティングのプランやブランディングへの方針を考えておく必要があります。

外部のスタッフと相談することは決して悪いことではありません。しかし、全て任せてしまうと、ズレが生じたり、熱の入らないものになってしまいます。現実にプランを実現することに向けて継続していくことが難しくなります。

外部スタッフはECサイトの構築になれていたとしても、あくまで商品そのものの専門家ではありません。そのため、擦り合わせをしながら一緒になって構築出来ることが理想的です。

そうしたヴィジョンがないままに進行すると必要なものがなかったり、逆に不要なものに作業時間を割くといったことも起こり得ます。余計にコストがかかってしまう原因になることもあり、いいことはありません。

構築方法は規模に合わせて選択しよう

「2」の掲載情報をどうするかが見えてくるとサイトの規模が見えてきます。こうした情報は修正できますが、公開前にはしっかり掲載用の情報を用意する必要があります。この時点ではそこまで精度が高い情報にしておく必要はありません。

こうした情報が揃ってくるとどういった構築手段がよいのかがわかってきます。もちろん「1」の項目があってこそ「2」の項目を決定できます。その時点で予算や工期といった社内の内情なども含めて構築方法が考慮されます。

構築方法は

  • ASP
  • パッケージ
  • フルスクラッチ

と大きく分けて3種類です。「フルスクラッチ」はすべてをカスタムで作る方法です。もし上の二つでは想定できないような大規模なものを構築しようというのであればこの方法になります。

フルスクラッチは構築の費用や期間も必要で、規模によっては数千万〜億に届く金額が必要になることもあるでしょう。初期の費用負担も高く、時間もかかり、運営コストも必要な方法です。「ECに初歩から挑むという場合はあまり現実的な方法ではない」ともいえます。むしろこの方法はリニューアルの時に考慮すべき手法といえます。

「ASP」はすでにベンダーが用意しているECのシステムをプラットフォームとして使うECサイトの構築方法です。どのベンダーを選択しても、基本的に必要なECの機能は備えてあります。基本的には用意されたテンプレートを選択して、それを基礎にしてサイトを作っていきます。

オプション的なものもある程度パーツが出来上がっています。ですのでいろいろと細かく自分で作り込む必要はありません。一方でカスタマイズしにくい、あるいは要求によってはできないという弱点もあります。しかし、もしすでに用意されている定型のフォーマットで済む内容のサイトを計画しているのであれば、経済的でもっとも現実的な手段といえます。

利用料は定額制で、無料〜数万円まで選択肢も豊富です。また年商も1億円くらいまではASPで十分に対応が可能と言われています。

ただし、それぞれのASPで強みもデメリットも異なるため、しっかりと自分のやりたいことにあったものを選択する必要があります。

ある程度自由さを求め、拡張性も考えるのであれば独自でサーバーを借りてそこへプログラムをアップロードして使う「パッケージ」が「フルスクラッチ」より現実的です。パッケージはPC内に一度サウンロードして構築を行い、それをサーバーに転送して利用することになります。

パッケージはECサイト向けにある程度構築されているプログラムを組み合わせて構築する方法です。なんらかの手を加えるにはプログラムへの理解が必要ですので、ASPよりももし独自にやろうと考えているのであれば、格段にハードルが高くなります。

その中でもライセンスフリーのプログラムを利用する方法は「オープンソース」と呼ばれ、パッケージの中でも区別されています。無料で利用できるので、その際の初期の費用は格段に違いますが、セキュリティに関わるアップデート作業などのメンテナンスが大変です。また、脆弱性が見つかることもあり、こうしたセキュリティ対策は自前でしっかりと実施する必要があります。こうした作業はパッケージでも必要になりますが、リスクという面ではプログラムが公開されているオープンソースの比ではありません。

オープンソースは無料で利用可能な分、あまり活発ではないケースだと、アップデートがそもそもでてこない可能性もあります。いずれにしても全て自前で行わなければいけないのでサーバーやプログラムに対する知識のあるスタッフが担当する必要があります。もしそうした人材がないという場合は導入が難しくなります

また、ASPとパッケージのメリットを最大限に活かした「クラウドEC」というサービスもあります。ASP自体のシステムも発展しており、多くの部分でカスタマイズが可能になってきました。そのため、こうした構築方法の分類分けによる境目は少しづつ曖昧になっています。

構築の方法や種類については別ページでも解説していますので、ぜひお読みください。

【参考】 ECサイトの構築と考え方の基本は集客

     ECサイトのASP〜いろいろあるけど、企業向けならどう選ぶ?

情報設計や階層設計はシンプルにわかりやすくしよう

構築方法の選定が終わり、実施段階に入ると「3」の実際にサイトのどこにどんな項目を置くのか、遷移の仕方などの設計に入っていきます。この項目は専門用語では「情報設計」や「階層設計」というものです。データの活用やデータベース同士をどういった形で連携させるのかといったことがテーマになっているASPではあまり細かく設定できないケースもあります。そうした場合でも、基本的な設計要件は十分に満たせているケースも少なくありません。

こうした項目については自分で無料のASPなどを利用して簡単なECサイトを作ろうという場合には考える余地もないかもしれません。「あるものを使う」ということが基本方針になるからです。現実的にも設計しようがない部分も多くなります。

外部のWEBデザイナーと組んでECサイトを作ろうという場合には、この行程の作業ボリュームが確実に出てきます。普段は別の業務に関わっているというような人であれば、ほとんど体験のしたことのない作業といえます。この段階では専門家の意見を十分に反映しながら進める必要が出てきます。

ここでは、ユーザーのサイト内での行動を予測してみる必要があります。リンクなどの配置を考え、ページの遷移などを考えていく導線を作っていく作業を行います。

ECサイトに限らず、インターネットでサイトを作る場合には必要な作業といえますが、ECサイトでは、受注や売上に関わるため、特に重要なポイントです。そのうえで、あまりトリックの多いことをしても訪問者を混乱させるのでよくありません。あくまで、わかりやすく、シンプルにすることが基本であり、重要な部分です。

ECサイトの訪問から購入にいたるまでの流れは、研究されており、一般的な流れは共通しています。

概ね以下の流れで遷移しています。

  • 1 商品を検索
  • 2 関連する商品の一覧ページ
  • 3 商品の詳細ページ
  • 4 カートへ
  • 5 購入するためログイン
  • 6 送付先の指定
  • 7 支払い方法の決定
  • 8 最終確認
  • 9 購入確定

サイトで購入するユーザーは、おおむねこの行程を踏みます。

これは必ずしも上記9枚のページを遷移していくというわけではなく、5が省略されていたり、6と7が一つのページにまとめられていることもあります。いずれにせよ、実際には4以降はこの流れで行動してもらうのがスムーズで、ユーザーも安心感があります。

もちろん例外はあります。例えばBtoBを考えている場合です。この場合、厳密にはECサイトとは言いにくいですが、そのサイトで最終的に求めるものがメールアドレスなどの連絡先の取得や営業担当者との電話相談などの場合です。

【参考】ECサイト初心者向けに仕組みの基本を解説!構造を理解して構築や運営に生かす

伝わるデザインが大事

あまりWEB制作に慣れていない人が取り組むと、フローの中では「4」のイメージを具体化していく行程にどうしても力が入ります。見た目というのは制作する立場としても、作業にカタルシスがあり、面白さがあります。

しかし、ここでも重要なのはあまり手のこんだことはしないことです。詰め込みすぎるとよくわからなくなり、フォーカスがぼやけます。

とはいえ、企業のオリジナリティや伝えたいキャラクターはしっかりと全面に出す必要があります。よくハウツーでは「シンプルに」と書かれています。基本的にはシンプルにすることに同意します。

しかし、こうした部分でのアピールも重要ですので、しっかりと組み込んだデザインを考えることが重要です。「白一色の背景に、ありふれたフォント」だけではもちろん問題があります。その辺りはロゴをしっかり見せるなど考慮してください。ただし、特殊なフォントは表示されないブラウザを生む可能性もあるので、ほどほどにする必要があります。

「5」の制作は、決定事項にそって進行します。制作し始めると細々とした問題が発生するので都度対応することになります。その後、テストを繰り返し、動作確認を行います。実店舗であれば、お店がちゃんと機能するかオペレーションを確認するのと同じようなものです。そして「6」の行程はお店でいう商品棚作りです。実際にお客さんが購入できるようにする段階にきたということになります。

New call-to-action

リリース前には社内への周知と連携を確認しよう

実際に一般に公開できる状態になる前に、社内での連携が必要な部門とは情報の共有と確認を必ずしておきましょう。経理、供給、発送などに関わる部門との連携は重要です。

まず、商品の供給についてです。例えば自社で生産している商品であれば生産部門、仕入れているのであれば仕入れ部門と、納期などについては事前に打ち合わせが必要です。行き当たりばったりでやるケースがまれにありますが、供給は多過ぎても足りな過ぎても大変なことになります。

基本的には自社でのECサイトはそれなりに知名度がある場合もスロースタートになることが多いです。そのため、少ない供給量で設定し、増えた場合にどうするかとかんがえるのがよいでしょう。

発送などについては、もしロジスティックに関連した部門があるのであれば連携は必須です。関連部署が受注管理システムなどを利用していれば共有できるのが理想的です。いずれにしても必ず必要になるのでやっておくに越したことはありません。また、作業へのリソースについても確認しておく必要があります。もし配置した人員で可能な作業量以上に受注がきた場合の対応なども決めておく必要があるでしょう。

経理とは締め日や入金のスケジュールを確認しておく必要があります。決済方法によってこうしたスケジュールや手数料が違います。経理的な面で考慮しなければいけないことがECでは少なくありません。

もちろん、こうした直接関わっているような部署以外にも周知をしておくことも重要です。ECサイトはある意味ではインターネット上に看板をあげている状態です。

すべての社員が詳細に全ての情報を把握している必要はありませんが、そこで何が行われているのか、担当者以外のスタッフも知っておくことも、ECサイトが円滑に運営されるためには重要なことだからです。

老舗の企業の場合、この連携の部分では苦労するケースもあります。しっかりと経営層の理解を得て、丁寧に理解を求めることもとても重要です。

New call-to-action

立ち上げ後もしっかり運営することで伸びる

ECサイトの初期は閲覧者は少ない

何事も立ち上げにはエネルギーが必要ですが、ECサイトの立ち上げも大行事です。かなりのエネルギーを瞬間的に使うのは確かです。担当者としては公開が終われば、かなり爽快な気持ちになるのは間違いありません。

しかし、それで終わっていては結果は出てきません。また、最初のうちは告知もない状態であれば、誰も苦労して完成させたサイトであってもやってこないでしょう。

こうしたことは1週間もあれば多くの人が気づきます。そして、これは異常なことではありません。注文が1週間全く入らないといった状況も珍しくないのです。そのため、特に焦る必要はありませんが、何もしないでいることもよくありません。

SEOに強いコンテンツづくりやキャンペーンは運営の仕事

サイト公開の初期であればあるほど、例えば特定の商品に関連した言葉とそのサイトの結びつきが十分にあるというふうには検索エンジンは判断しません。

そのため、検索流入は初期にはあまり期待出来ません。そのため、検索エンジンからの閲覧数は伸び悩みます。こうした初期の段階から準備をすすめ、そのECサイトのコンテンツを充実させ、商品に関わるワードとの結びつきを強める作業をしていく必要があります。

こうしたことは日々の運営の中で、サブコンテンツとして商品ページへと誘導するように展開し、そのサイトの構造として強くしていくことが重要です。こうした施策がうまくいけば、検索に強くなり、商品を求める人とECサイトが遭遇しやすくなります。

もちろん、SNSや広告運用なども重要です。SNSや広告はどちらかというと瞬間風速をあげ、話題を大きくするのに効果があります。これらのツールの力を最大限に引出すためにキャンペーンを準備し、しかけるといった作業も必要です。

こうしたことを複数、あるいはすべてを積み重ねることでサイトの認知度はあがり、多くのユーザーが訪れるサイトになっていきます。しかし、こうした施策を行わなければ、ただインターネットの一角にぽつりと看板が立っているような状態の誰もみてくれないECサイトになってしまいます。それでは立ち上げで苦労した意味もありません。

施策をおこない売上をあげるのは運営手腕の見せ所でもあります。そしてECサイトを立ち上げるからには運営は必ずついて回るものです。

梱包や発送、顧客対応も必要

運営には先に述べた、インターネットマーケティング的な視点のもの以外に、かなり実務的な作業もあります。商品在庫の確認や出荷業務もおろそかにはできません。販売しなければ売上はあがりません。こうしたある意味で地道な日々の運営を積み重ねることは、ユーザーへの信頼感につながります。

そのため、立ち上げ時にこうした実務の運営体制を考慮して環境を整え、事前に想定されることの対策をしていく必要があります。

顧客対応はECサイトでも重要な要素です。対面での販売と違い、購入時に細かいフォローはできません。また、どういったコンテンツが足りていないのかといったことは顧客対応からヒントを得ることもあります。

そうしたところからサイトの問題点が修正され、より利用しやすいサイトになっていきます。そのため、あまりユーザーのイメージが見えていない場合は、顧客対応を通してリアルに感じられるようになります。そうしたユーザーをサイト内でフォローするかといったアイディアの源泉になることもあります。

こうして考えると運営はインターネットと実働の境目をうまく橋渡ししつつ、様々なユーザーに向けてアピールすることが求められます。また、運営がうまく行くと結果がついてきます。そうなるとスタッフの増員なども考えなくてはいけません。

スタッフの増員など求人に関しての考え方などを解説する記事を掲載していますので、こちらも参考にしてください。

【参考】 ECサイトの求人〜人材確保の問題と向き合う

New call-to-action

まとめ〜運営は目標を立てて

最終的にECの構築はそのスタートラインに立つための作業にすぎません。いかに次の運営運用のサイクルを潤滑に回していけるのかが大切です。

立ち上げまでの内容はしっかりリスト化してチェックしていけば対応が可能なことです。ユーザーとのやりとりが始まったローンチ後にいかに対応力を見せられるかでそのサイトの良し悪しは決まってきます。

また、古くなったECサイトを使い続けることはできません。どこかのタイミングでリニューアルしていくことになるのは実際の店舗と大きく違う部分とも言えます。

運営はやることが多くありますが、多くの場合、スタートアップ時と比べるとスケジュールに追われない部分もあります。その分、ルーティンの中に入ってしまうと後回しにしている作業に一向に手を付けられないといったことに注意する必要があります。

そのため重要なのは目標を立ててスケジューリングをすることです。またスケジュールは日々のルーティン的な業務と、週や月で行うスケジュールを分けておくことが重要です。

具体的には「受注の管理や発送手配」やメルマガの発行などは日々の業務、「新しい商品ページ登録」は、扱う業種にもよりますが、イレギュラーな必須業務、「キャンペーンやイベント」は月単位の業務という感じでわけておくとよいでしょう。人間はタスクとして積んであるだけではなかなか実行できません。物事を終わらせるためには「締切」を設定しておくことが重要です。

運営・運用でのサイト構築こそ専門家の力を借りる

充実したECサイトの構築には、少し内容が込み入ってくると専門家の手を借りざるを得なくなります。これと同じように集客できるサイトづくりにも、少しずつ自力だけでは足りないと思い始めることが増えてくると思います。

実際に、どういったキーワードを強くするべきか、どういった構造を考えるかといったことや、文章、写真など、いろいろ考えていると手が回りません。あまり深く考えなければ、そのまま放置して日々の業務をこなすことで完結していることもあるでしょう。

しかし、実際にはそうした集客可能な運営を実現することこそ、ECサイトのポテンシャルを発揮し、ブランディングを実現するために必要なことです。もし、「不足を感じる」という状態であれば、そうした専門家とパートナーシップを結んでサポートを受けることで物事が進んでいく可能性は多いにあります。

運営・運用こそ、しっかりと事例の中でノウハウを身に付けたプロの力を借りながら専業とするパートナーと一緒に進めていく時代になってきているのです。

New call-to-action

PAGE TOP
メールで
お問合せ
ZOOMで
無料相談
お役立ち
資料DL

ブランディング会社がつくった
共創ECプラットフォーム