ECサイトを運営するために必要な業務の知識とノウハウを解説

2020.05.01

ECサイトの運営は、サイト制作とは違う観点で業務に当たる必要があります。プログラム的な面でサイトの構造が理解できたり、プログラム言語を用いた制作に関する知識をもっていてもそれは『運営する』こととは別のノウハウです。

ここでは、主にECサイトの運営は未経験という人に向けて、ECサイトの運営について2021年の今でも共通する基本的な考え方をまとめ、解説します。初めてECサイト運営を仕事として取組むという方だけでなく、売上に伸び悩んでいるというご担当者もこの機会に一度、一緒に振返って参考にしてみてください。そのなかで足りていない施策などをリストアップして実行することで少しづつであっても成果が出てくるはずです。

 ECサイト運営の基本は継続すること

ECサイトの運営でまず重要なのは、どんなジャンルの商品を扱っている場合であっても「あきらめずに面倒を見続ける」ということです。

「なんだ、そんなことか」という人は少なくありません。しかし、意外にこれができないことが問題です。

ECのノウハウについて解説しているサイトは多くあります。そうしたサイトでは多くのHow toが細かく、時には実践的なことが書かれています。多くの場合はそれらを読むともっともだなと思います。確かに運営に関することは業務の種類も多岐にわたり、それぞれで専門的な判断と技術が必要なこともあります。

しかし、実際のところ、それぞれの運営しているサイトで扱う商材やコンセプトによって、それらが必ずしも当てはまるわけではありません。ですのでこうすれば一律に必ず売れるという保証のある施策はありません。

そのため、一生懸命、そこに書いてあることを読み込んで真似しようと思っても効果はなかなか期待できない可能性があります。それよりはそうした解説サイトに書いてあることについては気楽に捉えてください。それよりもまず、何よりも先にお伝えしたい重要なことは『何があっても継続しよう』という心構えを持つことです。高度なWEBマーケティングの知識よりもこの心構えは重要です。

実際に様々なECサイトを眺めていると扱っている商材自体は魅力的なのに、あきらめて途中で放置されているサイトが少なくありません。その様子はまるで設置して商品を補充しているだけの自動販売機のようです。

しかし、インターネットのコンテンツは継続性や更新(アップデート)が行われているかなどを常に検索エンジンの提供会社などに監視され評価されることで成果がでる世界です。その中で動きのあまりないサイトは検索エンジンからの評価が下がることも少なくありません。その結果、それによってユーザーの流入量も低下してしまいます。

まずはスキルやテクニックなどを考えるのではなく「とにかく継続性を大前提」に運営に取組んでいきましょう。

自社サイトの最初は流入は少ない

また、ECサイトをスタートさせてもすぐに売上に反映されないことは全く珍しいことではありません。ローンチ直後にヤキモキしている人は「最初はしょうがない」と腰を据え、時間のあるうちにできることを探しておくことです。

確かにオンラインショップを公開すれば、日本だけでなく、世界中どこからでもアクセスできます。しかし、簡単に欲しいと思っている人が無数にあるサイトの中から御社のネットショップにある商品にたどりつくようになるでしょうか。残念ながら答えはノーです。

しかし、こうしたことも、運営をしっかりと継続することで少しずつサーチエンジンが評価をしてくれます。検索結果を通して存在が認知されれば、流入も増え売上げに繋がっていきます。

初心者の運営での集客についてはこちらの記事でくわしく解説しています。ぜひ参考にしてください。

【参考】ECサイト初心者におすすめ運営法〜集客を意識してみよう

まずは社内で情報共有と認知を広げること

多くの皆さんは運営に必要なスキルは何かを知りたいと考えていると思います。もし、そのスキルをもし一つあげるとすれば「コミュニケーション能力」につきます。特に新規の事業としてECサイトをローンチした場合は何はなくともコミュニケーション次第でスムースさが変わってくるともいえます。

まだ上手く運営のサイクルが回っていないオンラインショップでは、少なくとも最初の半年程度は数字的に非常に厳しいと感じることが多いです。また、担当になったけれども、実績が出ないことで社内で肩身が狭く、積極的な動きに対してなんとなく腰の重い、厳しい状況になってしまう方もいらっしゃいます。

そんな風になる前に、しっかりと社内で協力体制を得られる状況を作っておく準備をすることが重要です。担当者は早い段階から社内に向けてECサイトのコンセプトや扱う商品についてしっかりとプロモーションをするべきです。

ECサイトについては、在庫管理や配送についてのお客様との取り決めなど流通に関わることも含めて社内で情報共有しておきます。

他部署のスタッフは大抵、他の部署での活動に残念ながらそれほど関心がありません。そのため、自社のECサイトについては、運営側から発信していくことで、社内での認識を深め、他の部署との連携もとりやすい体制作りへの根回しを進めてください。

ECサイト運営とコミュニケーション力については以下の記事でも詳しく解説しています。

【参考】ECサイトの運営を成功に導く重要なスキルはコミュニケーション力

また、ECサイトの担当者はサイトの更新などの管理に関わる業務以外にも以下の項目について常に注意を払う必要があります。

  • 商品管理
  • 顧客の管理
  • 決済

それではまず商品管理から解説していきます。

商品管理も含めて最初はあらゆる場面で社内の連携が大事

ECサイトで販売中の商材については、当然のことではありますが、在庫を管理したり、発送の形態について考慮したりする必要があります。また、新たな商品が登場したら、商品を登録するための作業も発生します。

こうしたことは製造や販売、仕入れなどにも関わります。ある程度企業化しているのであれば、おそらくこうした業務は部門ごとに分かれていることでしょう。つまり日頃から他部門の担当者が知っておく必要性の高い項目です。

社内で業務が部門ごとにわかれていたり、跨いでいる場合は、さらにECサイトの社内認知向上について重要性が高くなります。当然、情報が共有されることでお互い支援できることを発見できることもあるかもしれません。

顧客管理でリピーター増、問合せ手段も確認しよう

商品を買う相手はさまざまな要望を持っています。そのため、顧客へのサポート業務では購入前の事前相談、購入時の導線やシステムのエラーへの対処、商品へのクレームなど、常に対応が必要になる案件が発生する可能性にあふれた状態です。

こうした対応を取りこぼさず、スムーズに対応できれば、その顧客はファンになり、リピーターや良い口コミを生むことに繋がる可能性も上がります。

考えておかなければいけないことはオンラインショップだからといって必ずしも問合せフォームやメールなどのネットを経由した問合わせが全てとは限りません。様々な問い合わせのチャネルについて可能性を検討しておきましょう。例えば実店舗への訪問や代表電話への問い合わせなどがこうしたことに当てはまります。

こうした対応を安定させるためには全社的なCRMの導入が力になります。最近はECと連携できるCRMやセールスフォースのシステムがあります。もし、そうした取組がされていない場合は、導入を検討してもいいかもしれません。こうした作業はDX推進への一歩ともなります。

【参考】HubSpotは無料から利用可能〜顧客管理+マーケティング+営業ツールのMAで最大化する

決済のサイクルを把握しよう

ECサイトでの決済方法は、通販での主流だった“銀行振込”や“郵便為替”に加えて“クレジット・カード”“代金引換”が主流になっていきました。クレジットカードの普及はECでの取引増加とも大きく関係しています。

そこから、さらに最近ではAmazonや楽天などのモール型サイトや携帯電話会社のサービスで利用するアカウントを使用したり、アプリによる決済サービスを提供する企業などが決済代行サービスを他数開始しています。オンライン上での決済方法はさらなる広がりをみせている状況です。

【参考】ECサイトは決済代行会社を利用して決済方法を増やす

様々な決済方法が導入されるECサイトではそれぞれの決済の利用方法や締め日、支払いサイクルなどを把握しておくことも、運営にとって当然重要なことです。

サイトの運営業務はこのように幅広い範囲に及びます。何度もいいますが、認定を受けるような特殊なスキルは必要ではありませんが、企業内での情報共有など円滑なコミュニケーションを取りながら業務を進める能力の必要性は高いです。

ECサイトの情報共有を社内でいかに行い、ECへの理解を深められるかは、運営上のボトルネックを解消することにつながります。情報共有ができていないと、問題は把握できても、解決に向かわないことさえあります。

また業務を分類して考えてみることも運営の助けになります。以下の記事にはECサイト運営の業務について作業ごとに分類して解説しています。

【参考】ECサイトの運営はオペレーションを作業別に分類して効率化する

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運用ルールは過不足の無い設定で

ECサイトでの企業と顧客の間での購入サイクルは、次のサイクルで進行します

閲覧

カートへ

購入・決済

購入確認・発送

受取り

このサイクルの中で、まず取り組むべき部分は集客を増やすことです。つまり閲覧数を伸ばす作業をしていきます。そして構築面では購入からのページの遷移数を減らしてスムーズに買い物が可能な流れにしていきます。

販売側が一番気になるところでもある商品を閲覧してからカートへ入れる、つまり購入の意思を行動に移すユーザーの意思を、サイト側でコントロールすることはできません。そのため、買い物が簡単に済むということをポイントにして決済までどう引き込んでいけるかについて工夫が必要になっていきます。

このフローにあるサイト内での行動に関して、購入以降の流れについては、楽天やYahooショッピングなどのモール型のサイトや、固定したサイト設計になっているカートASPでなければ、ある程度は設定を簡略化したりカスタマイズして変更していくことも可能かもしれません。

こうしたことについてはあくまで構築方法によるので、そもそもできないという場合はこの項目は飛ばし読みで構いません。時にはデザインを思い切って変更するということもあるかもしれませんが、利用しているASPによってはそれほど大胆に変更はできないかもしれません。逆にパッケージやクラウドECを用いた構築方法であればカスタマイズしやすくなります。

ページ遷移を減らし、ユーザーの手間を減らし、業務効率を高めて早く受け取りまで進めることでユーザーの満足度を高める工夫をします。

販売する商材やビジネス目的の利用客、つまりBtoBの場合などによっても、この流れに関わるサイト内の仕様は少しづつ変わっていきます。

問題があれば改善していくことも検討すると良いでしょう。すぐに改修はせず、変更することで一部のユーザーだけでなく、全体的にどんな変化があるかもイメージしてください。もし運営上、引っ掛かることがあれば、その時は改修できなくてもチェックしておきます。また、注文の確認や発送についてもスピード感をコントロールすることは発送ルールの取り決めなどで可能です。

構築方法については以下の記事もお読みください。

【参考】ECサイトの構築と考え方の基本は集客

ECサイトの作り方~初心者ほど開設後の運営を意識して作ろう

作業のキャパシティは考慮すべし

ここで注意しなければいけないのは、キャパシティを超えた受注が可能なルールにしておくと、運営が破綻する可能性があるということです。

例えば、発送業務は商品によってはピックアップや梱包などの作業が想像する以上に時間がかかることがあります。そのため、そうした作業効率も見込みながら受注から発送までのルールを組んでおく必要があります。

また、もし在庫の管理が可能、つまり長期の大量在庫可能な商品であれば、こうした手間を外注することも検討できます。そうした場合は逆に外部へ外注するコストを考慮しなければいけません。そのため、今度は価格的に無理ができなくなることもあります。

送料無料や、即日発送など運用上のルールを顧客の立場によることは悪いことではありません。しかし、より過ぎて、運営に負荷がかかるように始めからショップ側に厳しく設定すると、ユーザーからはルールを緩めるたびに「サービスの質を落とした」と思われる可能性もあります。どのラインが無理のない運用が可能なポイントなのか見極めることが重要です。

送料については以下の記事で詳しく解説しています。安易に無料にすることのリスクについて一考してみてください。

【参考】ECサイトの運営にのし掛かる「送料無料」問題を考える

どういった業務も、他部門も連携するようなルーティンを組む場合はECサイト運営担当だけでなく、社内の関係部門も巻き込んで十分に検討しましょう。ユーザーにもメリットがあり、社内にも大きな負荷のかからない、継続可能なルールを作っていくことも運営担当者の重要な業務です。

また、年間スケジュールを早い段階で作成しておきましょう。ビジネスには販売やプロモーションのタイミングが重要です。例えば年始向けの商材を年始に販売開始しては遅過ぎます。こうしたタイミングを把握し、前倒しで実施していくためにはスケジュールを組んでおくことが基本であり、また確実な方法です。

【参考】ECサイトの運営は「年間スケジュール」を作成して何していいかわからない状態を脱出しよう

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自社商品をいかにプレゼンテーションするか

ここからはページの作り込みに関わる運営業務について解説していきます。

詳しく商品の情報を提供しよう

インターネットでは商品を手に取ったり、試したりすることは簡単ではありません。最近ではサンプルを先に提供するようなECサイトもありますが、大量のコストが発生するため、どういった企業でもできる行為ではありません。商材によっては不可能です。

そのため、より詳細な情報を掲載することが求められます。詳細を掲載するにあたり、あくまで「一般的な語」で、分類をより細かくしてデータベースに乗りやすくすることが重要です。

こうした分類を「カテゴリ」と言います。カテゴリすることによって、検索エンジンなどで商品を探している見込みユーザーにも発見されやすくなります。

例えば「栗まんじゅう」は<食べ物>ですが、その分類はさらに<和菓子>、さらに<まんじゅう>まで分類します。

また、購入時のサイズや数量、保存期間などのデータは必ずわかりやすく記載します。そのうえで、製品の売り文句やメリットを掲示し、イメージが明確に伝わるようにします。食品などでは製造年月日のサイクルを記載できると安心感が高くなります。

写真と文章はどちらもとても大事

商品紹介ページにとって、写真と文章は売上げに繋がる重要な要素です。この二つは左右の車輪のようなものです。車輪の大きさが同じ大きさだからこそ車は快適に走ります。しかし、どちらもしっかりしていなければ、うまく進まないだけでなく、走ることもできません。

例えば、サイトの写真、最近では画像という言い方が一般化していますが、表示はシューマイなのに、説明文がハンバーグだったらどうでしょうか。このたとえは少々極端ですが、いくらシューマイの写真の出来映えがよく、美味しそうに見えて、文章も食欲をそそるものであったとしても、これでは全く伝わりません。ましてやトラブルの原因になることさえあります。どちらも内容は必ず誤りなく、かつ明確な文章である必要があります。

また、購入者は、写真や文章に芸術的なものは求めていないということを理解しておく必要があります。構図もしっかりしており、いくら美しい写真であっても、商品以外のものの映り込みが多かったり、商品がぼやけてはっきりしないようなものでは、購入に対して訴求出来ません。また、文章も、詩や小説のようなドラマチックなものは求められていません。

つまりハッキリと商品が理解できる写真と文章を目指す必要があります。また、掲載を開始した商品でも後から紹介文を見直したり、もっと訴求出来る写真に更新したりすることも定期的に検討しましょう。その時は問題ないと感じても後から見直してみることで冷静にみることができます。

写真などの画像データは複数枚掲載することが必要と、現在のECサイトでは言われるようになりました。一般的には商品ページには商品にしっかりとフォーカスした背景のシンプルな画像を6枚以上掲載する必要があるといわれています。また、表示する速度が早いようにデータ自体は軽いほうが良いといわれています。人間は科学的にも視覚から受け取る情報のほうが文章よりも理解度が高いといわれています。

【参考】ECサイトの商品写真、画像加工のポイントはわかりやすさ

オンラインで売りやすい商品の開発をしよう

運営を続けていると、販売アイテムのなかでECと相性の良い商品とあまり合わないものがあることに気づくかもしれません。実店舗を運営し、卸販売をしているようなメーカー企業でも、実店舗と卸での販売主力が違うことは多くありますが、このようなことはECサイトでもしばしばおこります。

保管しやすく、発送しやすい、店舗で買うには重たいなど、理由は様々ですが、そうした傾向が見える場合は、その傾向を分析し、商品を開発することがヒットに繋がることもあります。

もし実店舗も運営している場合も、オンラインでのユーザーをしっかり分析することで、そうしたECサイトでのヒット商品にたどり着くことができるかもしれません。こうした商品を運営の中でヒントを得て開発することも、売上を上げる大きな要素になります。

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顧客対応はわかりやすく公平に

顧客対応が必要になる多くの要因が、商品そのものへのクレームでないのであれば、ショップ自体が「使いづらい、難しい」ということから起因して発生します。

使い勝手のよいサイトになれば、顧客対応に関わる工数は減り、結果的にサイトの収益性を高めることにも繋がります。

運営していると同じような問い合わせばかりあるという場合は、運用方法を見直すことを検討すべきです。また、利用規約を作り同意してもらうことでトラブルを減らすこともできます。利用規約については以下の記事も参考にしてみてください。

【参考】ECサイトの利用規約はユーザーと運営を守るための約束ごと

リピート増にとっても欠かせない顧客対応

ECサイトの運営者、なかでもBtoCでの運営者がもっとも気を使い、労力を割くタスクが顧客対応です。なかなか骨が折れることもあるため、もしかしたら「極力対応したくない、逃げたい」と思っている担当者の方も少なくないでしょう。しかし、実店舗と違いECサイトはそうした顧客対応の労力をサイトの構造やフロー改善などで極力減らすことができる可能もあります。

顧客対応が必要になった場合、手間やリスクばかり考えず、なぜそれが発生したのか、必ずユーザー目線で考えてみましょう。また、こうした問合せに改善に繋がるヒントが隠れていることも少なくありません。こうした場合に企業側の都合を貫くと、その問い合わせには対応出来ても、ECサイトのサービス向上にはつながりません。

一方で“神対応”と世間でも話題になることもある特別対応ですが、場合によっては不公平感を煽ることになるため、実際にはあまりオススメしません。

もし、そうした対応をする場合はしっかりと基準を設けてください。“前はしたのに今回はできないと言われた”といった話はあっという間に広がります。ネガティブな情報ほど拡散しやすいものです。

また、意見や感想を聞く場も大切です。お客さんにしか見えていないことがECサイト運営でも少なくありません。どうしても運営側で考えると主観や希望が入り込んでしまうためです。そのため、顧客対応は意見を取り入れるチャンスでもあります。また、アンケートなどで積極的に意見を集めるという方法も有効です。

【参考】ECサイトの運営を助けるアンケート〜実施成功の秘訣

自社サイトとモール型で顧客対応に差はつけない

Amazonや楽天などのモール型のECサービスを利用している場合、そのモール側で顧客対応についてのルールが出展者側に設定されます。また、専用の問い合わせ対応用のページを使用してやり取りをするように決められているケースも多くあります。

自社サイトを構築した場合は、問合せフォームやEメール、電話での対応がメインになりますが、どちらの場合もどういった方法で連絡を受けたとしても対応にはばらつきがないように基準を設けておきましょう。この基準は連絡を受ける可能性のある担当部署に掲示しておくようにします。「こういった場合は〜といった対応になる」とある程度、顧客をどういった対応に導くかを事前に対応者が把握できることでトラブルが大きくなることを防ぐことができます。

もし自社サイトとモールの2つ両方でサービスを展開しているのであれば、それぞれの対応内容にできる限り差が出ないように心がけてください。

実店舗がある場合はルールを決めておこう

もし、実店舗も運営している場合は、オンラインでの顧客が、実店舗での対応を要求してくることもあります。そうした場合の対応も事前にルール化しておきましょう。

逆に普段、実店舗の顧客がオンラインショップに問い合わせすることも少なくありません。そのため、情報共有とルール化を事前に行なうだけでも、顧客の安心感が格段に違います。

問合わせは記録を残す

問合せは、記録に残すことが重要です。メールや問合せフォーム、電話などのチャネルの違いに関わらず一元化して管理するのが理想的です。進行中なのか完了した案件なのかなどのフラグをつけて整理してください。

また、顧客問合せの記録をファイルなどしている場合は、個人情報が含まれることも多くあります。こうした情報の流出などがおこらないよう管理は厳重に行ないましょう。

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売上アップのためにウェブマーケティングを導入しよう

ECサイトの強みはウェブマーケティングが利用できることです。実店舗や販売網を利用した卸などの場合、お店を改装したり、商品の棚を見栄え良くすることは簡単ではありません。

しかし、ECサイトであれば、見え方を変えることに関しては比較にならないほど軽い作業でできます。また利用者の傾向などの情報も簡単に引出して利用することができます。

検索流入を伸ばす施策は、繁華街の人通りの多い場所に出店するのと同じようなことです。また検索流入だけでなく、人々のつながりを利用したソーシャルネットワークサービス(SNS)からECサイトへたどり着くことも多く、ヒット商品を生む大きな原動力になっています。

SNSやブログなどを効果的に

ここ最近はSNSの利用者が増えており、企業側でも効果的に宣伝や集客で利用することが求められています。これを読んでいる読者のみなさんの多くもなんらかのSNSを利用したことがあるものと思います。それぞれのサービスには特徴があり、不特定多数に対して緩く繋がるTwitter、友達や知り合いによるつながりを相互につくって多くの情報をやり取りするFacebook、よりメッセージ機能に特化しているLINE、写真に特化したinstagramなど、今やたくさんのSNSサービスが展開されています。

しかし、これら全てを網羅することはなかなか負担も多くあります。TwitterとFacebookなどは連動した設定にすることも可能なので、代表的なものだけでもアカウントを設定し、お互いに連携するように設定することでその特徴を活かしてぜひ利用しましょう。サービスの使用自体は特に料金も発生しません。

こうしたSNSの運用は瞬間的に商品の魅力を伝えたり、興味をそそったりすることに大きな力を発揮します。また、SNSを利用してユーザーを巻き込んだキャンペーンやイベントを低予算で展開することも可能です。ECサイトを運営するなら、利用しない手はありません。

ただし、使い慣れているからといって、普段の個人アカウントで使用しているような使い方には注意が必要です。場合によってはカジュアルな運用がより受け入れられることもありますが、どれも相互のコミュニケーションが容易なツールです。企業や商品のイメージを損なわないような運用が基本的な姿勢として求められます。炎上などもしやすく、一度炎上すると対応は非常に困難です。

また、SNSでの投稿は、その投稿がどの程度拡散し、どんな反応がおきているか調べることもできます。そうした情報を分析することで、どのようなユーザーがどんなことに関心を持っているのか推察することに利用することも可能です。

InstagramやLINEなどはECに向けた機能を追加する流れも強くなってきています。その中でも、写真で拡散するInstagramはECとの相性もよいSNSと言えるでしょう。

【参考】ECサイトに向けた機能増加中のInstagramの活用法

ブログは時代遅れではない!

SNSの前に流行したのがブログサービスです。ブログサービスは今もはてなブブログやアメーバなどのサービスがあります。

SNSの手軽さに押されて、利用するユーザーの伸びは少なくなりましたが、企業サイトでブログを展開することはサイトの流入数を増やすことにとって重要です。SNSでの情報展開はどうしても流れてしまいやすく、また、何度も同じ投稿を繰り返すとノイジーです。情報の内容との相性もあり、より詳しい情報は展開しづらい部分もあります。

一方でブログをサイトに組み込むことで容易に更新しやすく、キーワードを定めて集客も狙えるページを作ることも可能です。SNSのようにクローズした空間ではないところで新鮮な情報を展開できるのも魅力です。

ブログは、SNSで展開した情報を着地させる場所にしておくと効果的です。よりつっこんだ内容や興味をそそるコンテンツなどを展開するなど、ECサイトにとっての利用方法は少なくありません。コンテンツマーケティングの手法もブログ型のサイトを中心に展開される場合がほとんどです。

また利用する場合は既存のブログサービスを使用せず、ECサイト内にWordPressを組み込んで展開するなどの工夫が必要です。サイト自体のコンテンツ強化に繋がり、サイトのドメインが検索エンジンからの評価をあげるためにも利用できます。

サイト分析で検索流入を増やそう

検索エンジンとして圧倒的な大手がGoogleです。Googleは他にもYouTubeやGmailなど様々なサービスを展開していますが、そのGoogleが提供する分析ツールがGoogle アナリティクスです。

制作したサイトにGoogleアナリティックスのコードを埋め込むことで専用のページやアプリから、サイトの閲覧数、時間、地域、流入キーワード、アクセスしているデバイスなどが確認できます。また、サイト内のユーザーの行動も確認でき、どのようなページ遷移で購入までたどり着いたか確認することも可能です。

またサイトのデータを置くサーバー側にsearchconsaleの設定をすることで、より細かい情報や、データの読み込みエラーなどの情報についても知ることができます。

より快適なウエブページを運用するためには、こうしたツールを使用しない手はありません。こうして得た情報を資料に用いて検索ニーズを掬い上げていきます。

検索によるサイトの流入を増やすことをSEOと呼びます。さらに特定のキーワードで検索された場合に上位に表示されるよう、サイトの作り方や情報の展開の仕方などを工夫します。

検索エンジンのアルゴリズムは日々進化しています。単純にキーワードを埋め込んでも検索の上位には上がりません。むしろマイナスな評価を受けることさえあります。ここで求められるのはいかに信頼性が高く、検索したユーザーが有益な情報を的確に得ることができるかが求められています。

ウェブでの広告は少ない金額でも可能

広告は今やテレビや新聞広告に変わって、ウェブでの広告が主流になりました。マスメディアの効果も未だ小さくはありませんが、広告を打つには大きな予算が必要です。しかしウエブ広告は小さな金額で展開でき、ECサイトでの売上げを伸ばすのであれば、ウェブ広告の効果は非常に高いものです。

以前のウェブ広告の多くはバナーを作成し、そのリンクをクリックしてサイトへユーザーが流入すると課金されるバナー広告でいたが、最近ではリスティング広告が主流になっています。リスティング広告は、特定のキーワードの検索結果上位にサイトを表示させるタイプの広告です。広告の費用は検索キーワードに対する需要やサイトの関連性などで1クリックあたりの金額を設定しています。検索キーワードによる広告は検索者が購入を目的に検索していることも多いため、高い効果があります。

SNSでもウェブ広告は収益の柱になっており、広告によるリーチ数(その広告を見た人の人数)によって価格が決まります。

たとえば「お米」というキーワードに対して「お米を売りたい」「宣伝したい」と考えているユーザーが多くなると、広告1クリックあたりの価格は高くなっていきます。基本的にはウェブ広告は連動広告になっており、設定することで特定の地域や興味や関心のある人に向けて出稿することも可能です。

また、広告費の上限を設定することで、過大な出費を押さえながら運用することも可能です。金額もキーワードによりますが1000円程度から出稿することが可能です。

ECサイト上でキャンペーンを行って集客をする必要も出てきます。キャンペーンをきっかけにした広告であれば、出稿の理由付けもしやすくなります。

下の記事ではECサイトのキャンペーンについて解説しています。ぜひお読みください。

【参考】 ECサイトでキャンペーンを実施して集客しよう

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専門家と組んで効率化&収益アップを目指す

ECサイトの運営を進めていくと、売上げに比例して手は足りなくなり、知識はどんどん追いつかなくなっていくことも少なくありません。

こうした手が足りなくてきついなと思うようなことが多いタイミングはECサイト運営の転機かもしれません。以下の記事でもECサイトの運営にきつさを感じる状況について解説しています。

【参考】ECサイトの運営が「きつい」なら変革のタイミング

この記事でも解説していますが、売上はありながら大変な状況になった場合は、プロの力を借りることも検討しましょう。運営を代行してくれる専門の会社があります。こうした専門家と外注であってもよりよいパートナーシップを築くことができれば、さらに売上げを伸ばし、収益性をあげることができる可能性も高くなります。

もともとECサイトは少ない固定費で始めることが可能ですが、実は運営自体は実店舗と同じように手をかける必要があります。

また、自社内で運営していたECサイトで行き詰まりが起きているなら、さらに専門的な知識や技術、ノウハウなどについての支援を受けて、それを活かすことでもっとECサイトを伸ばせるタイミングかもしれません。運営会社との共闘を検討すべき時です。

運営代行などについては以下の記事でも解説しています。

【参考】ECサイトを代行で運営〜それぞれに事情にあった会社選び

また、サイト自体に人が集まるようにブランディングを考えていくことも重要です。またその実現に向けて、運営をしっかりと行う重要性は高くなってきます。とくに小さな企業であれば、よりブランディングによる効果を実感できるはずです。

【参考】ECサイトは中小企業こそしっかり運営すべき理由

ブランディングを簡単に説明すると、それぞれのブランドに対してよい印象をつけながら、多くの人に知ってもらうことです。商品に対してユーザーが価値を感じてくれ、「この企業のものだからいい」となれば、市場の動向や価格の変動にそれほど影響を受けずに商品を販売できるようになります。ECでは購入に対して障壁が高いことも少なくありません。こうした障壁をさげることもブランディングが実施されれば、可能になってきます。

ブランディングを運営にとりいれながらECサイトを伸ばせるパートナーを見つけることが成功の鍵といえるでしょう。

【参考】ECサイトを意味あるものにする運営とブランディング

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