ECサイトをオープンソースで作るメリットと注意点

2020.08.11

ECサイトの構築に関わる費用はまさにピンキリと言えます。無料でおこなう方法もありますし、逆に億単位の予算を投入するなんてプロジェクトも中にはあり、珍しくありません。

その中でオープンソースでの構築はその高い自由度に反して、安価に済むとされています。こうしたことから初期の予算が少ないプロジェクトでのECサイト構築では魅力的な方法に映るかも知れません。

一方でオープンソースでの構築には安全面ではリスクが伴い注意が必要になります。また構築やメンテナンスの面では人的、時間的コストがかかることがデメリットになります。

ここではオープンソースでのEC構築によるメリットとデメリットについて解説します。

オープンソースは無料で利用出来るプログラムのこと

オープンソースとは、「内容が公開されていてライセンスの取得許諾を必要とせず、自由に使えるプログラム」のことを指します。

そのため、オープンソースとはECだけに関わる専門用語ではありません。

無料公開するメリットとして、ソースコードをいろんな人が利用できることで技術の発展が促されていくことがあります。実際にプログラム言語やコンピューターを動かすためのOSなどオープンソースで作られているものは数多くあり、オープンソースが元になって実用されているものも少なくありません。

そうしたものの中にECサイトでも利用出来るものがあります。それをEC関連業界では一般的に構築方法として“オープンソース”と呼んでいます。

ですので単純にオープンソースという場合は単純に無料で使えるECサイトのためのプラットフォームということではなく、“プログラムの情報を無料で公開しているもの”ということです。また、無料で使えるソフトウェアやサービスという意味合いとは若干ニュアンスが違います。それらは正確にはフリーソフト、フリーウェアと呼ばれます。

このページで「オープンソース」と指す場合は、ECに特化した「オープンソースパッケージ」のことを指しています。構築方法については下記参考サイトにて、分類を説明しているので、その他の方法についても知りたい場合はそちらもお読み下さい。

【参考】ECサイトの作り方は運営も意識しよう

オープンソース自体は無料だけれど、その他の部分では費用が必要

ECサイトの構築方法などでも何度かオープンソースについて説明していますが、その特徴は構築の自由度に引き換え、費用はあまりかからない方法という部分です。

元々のプログラムをベースに、さらにプログラムの改編、つまりカスタマイズを自由におこなえるため、サイトの構築に関わる自由度は非常に高くなります。そのため独自性の高いサイトを作れる可能性が高くなります。

また元があることでフルスクラッチのようにゼロスタートではないので開発の費用も大きく抑えることができます。ただし、見栄えやユーザービリティを考えて商品に適化したECサイトとして機能させるためにはすべてを簡単な作業でできるというものではありません。

オープンソースを手段にするのであれば、まず一つ目の注意点として「構築には必ず知識が必要である」という点を押さえておく必要があります。アップデートはセキュリティに関わるのでその都度、手間だと感じたとしても迅速に対応していく必要があります。そうしたアップデートを実施する場合、プログラムについて知識をもったエンジニアが対応に当たる必要があります。

サーバーの用意も忘れては行けません。オープンソースでのECサイトではWEBページを公開して、インターネット経由で閲覧できるようにするためにはサーバーが必要です。サーバー自体は最初のうちはレンタルサーバーが便利です。大規模になってくれば、自社内にサーバーを構築することになるかも知れません。現在では AWSなどを利用する企業も増えてきました。

【参考】ECサイト初心者向け解説〜『AWS』はAmazonのクラウドサービス

最低限必要なインフラなどもあるので、そういったことがよくわからないという場合は以下の記事も参考にしてください。

【参考】ECサイトを始めるのに必要なインフラとは〜サーバーからPCまで

New call-to-action

ECサイトに使えるオープンソースの代表3例

ECサイト向けのオープンソースはいろいろな開発元が存在しています。その上で選ぶのは一見難しい部分もあります。またオープンソースの場合、オフィシャルなサポートの体制がありません。これは開発に際してとても問題になります。

しかし、オープンソースのメリットは情報が共有されているという部分にもあります。そのため、コミュニティが大きい、つまり利用者が多いオープンソースの場合、それがメリットになることもあります。多くの利用者や開発者が情報を共有しあうため、フォーラムでの交流や情報共有が活発になるため、マニュアルがわりにフォーラムを活用することが可能です。

逆に利用者の少ないオープンソースでは開発のバラエティも少なく、開発だけでなく利用時の苦労も多くなります。

そうして考えると、選択する時には利用者の多いオープンソースを選んだ方がメリットは大きいといえるでしょう。日本で主に使われているオープンソースは以下の3種です。

  • EC-Cube
  • Magento
  • Welcart(WordPress)

他にも「os Commerce」や「LiveCommerce」などが有名ですが、上記した3種ほどの特徴をはっきり語ることは難しいものがあります。

EC-CUBEは日本発のEC向けオープンソースの王者

EC-CUBEは日本で開発されたEC向けのオープンソースです。そのため、日本語の環境に強いというだけでなく、日本のEC事情、商習慣に合わせたプラグインが数多く開発されています。プラグインとはECサイトの機能を強化するためにサイトに機能を追加できるアプリケーションのことです。

EC-CUBEは利用者も多いため、そうしたプラグインが豊富に存在するということは大きなメリットの一つです。プラグインの中ではライセンスを有料で付与する契約もあったりと様々です。また、国内でEC-CUBEと提携しているIT企業も少なくありません。

その利便性と活用のしやすさから言えば日本国内でECを始めるにあたってオープンソースの中で候補として考えるのであれば、EC-CUBEは間違いなく第一候補です。また、オープンソースの枠組みを超えてカートASPなど他の構築方法と並べて比較する場合にも、候補にあげられる構築方法です。

開発者も含めて利用者が情報交換するフォーラムも多くは日本語で行われるため、そうした情報交換がしやすいということも大きな魅力です。

越境ECにも強いMagento

Magentoはロサンゼルスのマジェント社で開発されたEC向けオープンソースです。日本国内で考えればEC-Cubeですが、世界目線になるとこのMagentoが強力です。ネットショップとしての世界シェアも非常に高く、多言語化にも対応しています。日本語に対してはプラグインをいれることで対応可能なため国内ECサイトでもMagentoを利用して構築されるサイトをしばしば見かけることがあります。

EC-CUBEとの比較でいうなら、どちらかというと得意なのは越境ECを考えているケースでしょう。複数の通貨に対応することもでき、海外での決済にも対応しやすいという点は、あきらかに越境EC向きです。商品を海外からのアクセスにも対応して販売したいと考えている場合は有力な候補になってきます。

フォーラムについては日本語のものもありますが、当然、英語のほうがメインで、英語での情報量は豊富です。そうした面で日本語ベースで考えた場合は国内導入についてはメリットになりません。

WordPressにWelcartを入れてECサイト化

WordPressはオープンソースですが、どちらかというとECサイト向けのパッケージではなく、ブログなど情報発信向けのコンテンツを管理するCMSと呼ばれる種類のプラットフォームです。

そこにプラグインとしてWelcartをインストールすることでECの機能を持たせることが可能です。実際にはWelcartの他にもECの決済機能が使えるプラグインが存在しています。ここでの解説はECにWordPressを利用する方法全般を指しています。

EC向けのオープンソースのなかで、この方法はECサイトの機能としては、実際のところ、それほど特筆できるものではありません。

しかし専用のECプラットフォームと比較してWordPressを使用した場合に圧倒的に有利なのはSEO向け機能などを利用した集客力にあります。この点についてオンラインショップとしての機能を優先したEC向けのパッケージと比較するならWordPressは圧倒的に有利です。WordPressそのものが集客に関する機能を付加しやすい仕組みを持っています。また集客向上に向けたプラグインも豊富です。

多くの自社ECサイトの最大の課題は集客対策です。Wordpressであれば、そうした課題に対して有利になります。例えばコンテンツマーケティングという視点で見ても展開しやすく、圧倒的に有利といえます。そうした点での強いメリットから、実際にWordPressでECサイトを運営している企業も少なくありません。

こうした決済機能の付加に限らず、WordPressの活用はECにとっても無視できません。既存のASPと連携させて活用するといったパターンも含めて、まだまだ可能性の大きなジャンルと言えます。

逆に言えば規模の大きなASPやパッケージなどではWordPressのメリットをうまく取り入れていこうという意図を感じる部分も少なくありません。ブログ機能の強化などはまさにそういったことです。

WordPressでのECサイトについては以下の記事でも解説しているのであわせてお読みください。

【参考】WordPressの集客力をECサイトに活かす方法を解説

New call-to-action

管理は責任重大、情報漏洩などにつながることも

オープンソースであれば自由度も高く、導入への料金も安く済むという部分だけ聞くと非常に魅力的です。しかし、何事もメリットがあればデメリットがあります。大きなものとしてはメンテナンスです。

ASPや有料のパッケージと違いECサイトで起こったトラブルの責任は全て、サイトの運営側の問題となります。そのため、システム的なトラブルが起こらないように管理をすることが重要な課題になります。

その中で、一番恐れられる問題はセキュリティの問題です。ECサイトでは顧客情報を扱います。氏名、住所、電話番号、メールアドレスなど、多くの本人に限らず、他者が使うような情報はもちろん、決済情報や場合によっては生年月日なども収集していることでしょう。

本来、氏名や住所などは他者も知っていなければ利用しようのない情報なので、それ単体では個人情報として機能しません。しかし、そこに決済情報などが紐づいてくると、第三者に渡れば危険な状態になります。ですのでECサイトからの情報漏洩は致命的なことになるのです。

ASPを利用している場合、例えばしっかりとパスワード等を管理していたのであれば、もし万が一サーバにある情報に関してトラブルが発生したとしても責任の所在がASPにあるということになります。しかし、オープンソースでは、どうあってもサイト運営側の問題になります。そのためしっかりとセキュリティ対策をしなければいけません。

「そんなことは早々起こらない」とタカをくくるのは危険です。例えばWordPressは、セキュリティの脆弱性が見つかり、乗っ取りが横行した時期がありました。それは遠い昔の話ではなく、もっとも惨い状況があったのは2017年のことです。そしていまだにそれは起こっています。EC-Cubeでも古いバージョンのまま使っていたサイトが狙われた事件が実際にありました。

オープンソース自体はその成り立ちからハッカーに狙われやすい環境が最初から揃っているといえます。そもそもプログラム自体が公開されており、誰でもダウンロードして使うことができます。カスタマイズも許可されているということを考えると、ハッカー達の速い段階での腕試しの場になりやすいということは容易に創造がつきます。

一方で情報漏洩を起した場合に企業側が被る損害は半端なものではすみません。もちろん利用者数などにもよりますが、ECだけでなく企業の事業全体を揺るがす自体になることも珍しくありません。事業者の規模によってはあっさり倒産を余儀なくされることもあります。ECでのトラブルは他のオープンソースとは比較できないくらいシビアです。

セキュリティのアップデートをタイムリーに行い続け、しっかりと管理することが求められます。そうして考えると、技術力の期待出来ない企業が導入のコストが低いことを理由に構築手段として選択することは難しい方法であるということがわかるでしょう。

自由度は魅力だけれども、リスクヘッジは常に意識しよう

とはいえイニシャルコストは安く、自由度が高いという点は大きな魅力です。EC特化型のオープンソースであれば豊富なプラグインを利用出来れば、さまざまなことが比較的簡単に可能になります。

一方で、ただひたすら安く構築したいというのであれば、今は何もオープンソースにこだわる必要もありません。簡単に公開まで準備出来る無料ASPなどもありますし、モール型ECなども構築費用は極めて安く済みます。

オープンソース活用の条件が揃う必要性

今、オープンソースでサイトを構築したいという理由は、サイトの拡充性などの面でメリットを感じている場合ではないでしょうか。そのうえで初期の構築にかける予算が少ないというケースです。そしてそこに加えて社内に技術者自体は存在しているというケースです。ですのでもともと販売をしている企業ではなく、IT系の企業が新規で小売に参入するようなケースがメインになるとも言えます。

サイトの運営、とくにシステムの管理に関しては手を抜くことが許されない構築方法ともいえます。アップデートについては、選択したオープンソースに対しての理解度がなければ、専門のエンジニアの助けが必要になるなど、コストが発生するということもポイントとして押さえてください。

管理を怠ることは決してできません。そうして考えると、イニシャルコストはかけられないけれど、ある程度の規模で運営に予算を組んで、技術力のある企業と共同で事業として成立させたいと考えている場合には有効な選択枝です。

たとえば初期費用はあまりないけれども、運営していく中で売上をしっかり見込め、その収益のなかでメンテナンスに関わる費用は十分に賄えるというプランを立てている場合です。

サイトの構築・運営を考慮して進めるような制作会社からプレゼンテーションされることもあるかもしれません。

そうしたケースではしっかりとそうした専門家の力を借りることができる環境を常にもって置くこともオープンソースでサイト構築を選んだ企業にとっては重要といえます。

弊社でも顧客によってはオープンソースを活用した制作をご提案することがあります。何事も用途に合うものを選択することがポイントです。また当然構築にスキルのあるスタッフを当てることで制作のスピードも速くなるため、それだけショップでの販売開始を早めることもできるということも考える必要があります。

実際の構築に関わる費用を考えた場合はECパッケージとの検討も必要

一つの提案としては構築での柔軟性を考えている場合はECパッケージの利用も検討してみてください。ECパッケージの場合は安全性の面ではるかに高い信頼をおけるようになります。構築に関しての費用としては内部のスタッフでできるという環境がない限り、ECパッケージのほうが若干割安になる可能性があります。

また、メンテナンスについて基本的には利用者で対応することになりますが、サポートがないわけではありませんので、ランニングコストの面でもオープンソースより安心感があり、無茶なことは少なくなるはすです。

かいなでも、日々のEC構築や運用をきっかけに「こうしたECがあれば」という理想を持つようになり、それがきっかけでtri-coというECパッケージをリリースしています。

これは特徴の一つにSEOに強い構造があります。wordpressを活用したECサイトを考えているというケースではそれよりもはるかに安全な環境をご提供できます。

【参考】共創ECパッケージ tri-co

いろんな選択肢のなかでフラットに答えを導きだすことがECサイトの構築ではとても重要です。導入をご検討の場合はぜひご相談ください。

New call-to-action

PAGE TOP
メールで
お問合せ
ZOOMで
無料相談
お役立ち
資料DL

ブランディング会社がつくった
共創ECプラットフォーム

IT導入補助金 2023

無料相談受付中!