ECサイトの運用は機能と特徴を最大限に活かそう
2020.07.27
ECサイトの利益率をあげるには、組み込まれた機能を最大限活かして、運用していくことが重要です。そうした積み重ねの結果、実店舗ではできないECならではの効率的な運営が可能になってきます。
ここでは運用面での効率化を目指すことの有効性について解説します。
CONTENS
ECサイトの運用<ECサイト運営
運用とは、すでにあるものを継続的に使いこなしていくことです。そのため、ECサイト運用という場合、戦略的なことや、インターネット上での広告など、その周囲にあることも活かして有利な展開を目指す運営よりも、もっと極地的です。運営との違いとしては、「ECサイトを中心にそれに付随した業務にも対応して取り仕切る」のが運営とするならば、「ECサイトを使って何かをしていく」という視点が運用といったほうがわかりやすいかもしれません。これは英語にして意味をみるともっとわかりやすいかもしれません。運営は英語では「Management」です。これに対し運用は「operation」と訳されます。つまり運用は、運営に含まれた作業ということになります。
ECサイトを構築する際に、いろいろな機能を付けていると思われます。もちろん、こうした機能はECサイトをどのような方法で構築したかにも関わってきます。その結果、運用方法は構築方法に大きく影響を受けるといえます。
Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどのモールであればモールなりの、ASPであればそれぞれのASPなりの運用方法があります。モールやASPはそれぞれ決められたインターフェイス内で、運用していくことになります。
パッケージやクラウドECなどでは、格段に自由度があがっていきます。それでも付加した機能以上のことは運用という面ではできません。
そうした面では、ECサイト運用によるパフォーマンスの最大値は構築時に決まります。もしそれ以上のことを求めるのであれば、運営としてカバーしていく必要があります。運営と運用、この二つを分けて考えることは少しナンセンスな部分もありますが、問題点を洗い出したり、明確にしていくという点ではこのように細分化してみることも事業のなかでは必要です。
実際に多くの場合、運営と運用は分けて考えられることもあまりなく、それほど違いを意識せずに言葉としては使用されている部分が見受けられます。それでもあえて「運用」という視点で考えてみることは重要ではないかと考えます。ECサイト全体の問題を運用で改善できる可能性もあるからです。また、今ある現状をどうやっていくのか、ECの戦術的な部分は大きく運用に依存しています。大きな流れを掴むことと同じように何事も細分化して考えてみましょう。
結局のところ、今、そのECサイトで何ができるのかということを知り、使いこなすことこそがECサイト運用の基本的な部分であり、肝心な部分と言えるでしょう。
業務を効率よくこなすには機能をよく知ること
ECサイトの運用というと、感覚としては一つのソフトウエアを動かすことに近いといえます。実際に決められたインターフェイスで、その機能を使って作業を進めます。それ以上のことはECサイト内では完結できませんが、一つのソフトウエアでできることは以外に多いというのも事実です。
例えば、WordやEXELなどはよく知られているソフトウエアで、利用者もたくさんいます。しかし、全部を使いこなしている人というのはそれほど多くありません。それと同じようにECサイトの機能について全部を把握するのは以外に大変なことです。また、それぞれの構築状況によって、全てが同じわけでもなく、もちろん共通する部分は多くありますが、独自のものが組み込まれていたりすることもあります。
ECサイトの仕組みを考えてみよう
一度、ざっくりとECサイトがどうなって機能しているのか考えてみましょう。ECサイトはサーバーにデータを構築して、置かれたデータをユーザーが閲覧するというフェーズと、そこで起きたアクションに対してサイト側がリアクションしていくというフェーズを行き来します。
その中の機能としては大きくは
- サイトのページ(商品のデータベース)の組み込みと管理
- 顧客のデーターベースの管理
- 決済の管理
- メールなどのコミュニケーション機能
これら4つに分類されます。そのうえで、もっと細かく機能がついていたり、独特のものを盛込むことで成り立っています。たとえば集客のためのSNSとの連動機能や、SEO対策を考えたブログ機能などがこれにあたります。
その上で、システムを理解して、それぞれの機能を最大限活かし、効率化していくことが運用を担当する場合に求められる能力です。そのため、具体的にそれぞれの機能をよく知り、何ができて何ができないのか、管理画面内で起したアクションに対して、どういった効果や機能があるのかをしっかりと把握することが重要です。こうした点はノウハウということではなく、実技的です。テストを行ってしっかりと機能の内容を覚えていくことが重要です。
どうしても普段利用しない機能には不明な点が多くなりがちですが、それはただ使っていないだけで、本当はとても有用な機能なのかもしれません。こうした機能を使いこなせない現象は構築が比較的簡単なモール型ECや比較的自由度の低い安価に利用出来るASPなどで起こりやすいかもしれません。
逆に目的をもって構築されるパッケージ型ECやクラウドECなどでは起こりにくいともいえます。また、フルスクラッチのように大規模になってくると運用も一人の担当者ではまかないきれないため、チームが編成されて運用に当たっていると考えられます。
どんな機能があるのか見直してみよう
機能を把握していないためにサービスの質や運用の効率を下げている可能性は小規模なECサイトほど高くなっているかも知れません。
運用面でECの機能を活かしきれずに本来出せるはずの効率を低下させてしまうことは、工数をあげてしまう結果につながり、利益率の低下や、やりたい施策を実施出来ないなどの問題に繋がる可能性もあります。
逆に「実はこうすれば楽だった」なんてことも機能によっては起こる可能性もあります。また、一見あまり関係なさそうな機能が、実は問題解決に有効だったということもあります。
EC初心者であればあるほど、なんらかの問題がある場合は、そうした機能などを見直して運用面でカヴァーできないのかを考えてみることを強くオススメします。
運用の効率化を考え、改修やリニューアルに活かす
ECサイトをしっかりと継続して運営しうまく回っていくと、どうしてもリニューアルが必要になってくるタイミングがやってきます。そうした時には運用してきたノウハウが活かされます。それぞれ、自社のECサイトはそれぞれの事情を組みながら構築され、運営されています。そうた事情を組んでより運用しやすくなれば、それだけでもリニューアル時の効果は高くなります。
もし、それまでの仕様で運用を最大限効率化していたのであれば、さらにどうなっていると使いやすいのか、逆にどうなっていると不便なのかということにも目端が利きやすいはずです。
結局こうした改修なども日々の運用の積み重ねが、よりよい新サイトを生むと言えます。「ECサイトの成功は一日にしてはならず」ですが、「積み重ねて来た結果は必ず活きる」のもECサイトの面白いところです。
困った時には運用について頼れる企業とのチームアップも有効
それでもそれぞれのインターフェースごとにいまいち使い方もわからないという場合もあります。そうした場合は、たとえばASPでサポート体制があるのであれば、しっかりとサポートを受けて疑問を解消することです。ASPの利用料にはそうしたサポートに向けた料金も含まれています。
また、WEBは専門家が進んでいる領域です。サイトの構築だけでなく、オンラインショップの運営や運用を支援する企業も存在します。もし、信頼の置けるこうした専門家チームと組めるのであれば、業務の進み方は加速度的に進む可能性もあります。
実際にこうした企業とチームアップした方が結果的に費用対効果もよいといったケースもあります。いろいろな状況に合わせていろんな選択肢をもつようにしましょう。