ECサイトで他事例を参考にする場合はマーケティングを考えて
2020.05.29
ECサイトに携わると他の会社のECサイトが気になります。また、参考事例を紹介するページを見て、「この色使い!」「このページのレイアウト!」などと影響されることもあるかもしれません。
このページでは他のサイトを参考にする場合の見方と、真似にならないようにする視点について解説します。
CONTENS
参考にしたいと思ったポイントを考えてみよう
他のECサイトやそれ以外のサイトを見ていて参考になることがあります。しかし、漫然と「かっこいいな」あるいは「あまりよくないな」と思っていても具体的に参考にして取入れることは難しいでしょう。
また、実際にオンラインショップのデザイン例を紹介しているページも人気があります。そうしたサイトを眺めて漫然と「このデザインがいいんだ」と真似しても、単に色づかいや雰囲気が似ているだけでユーザーには響かないサイトになっているかもしれません。これでは参考にしたことがマイナスになっています。
まずそうならないために、そのサイトの良いと思った点をより具体的に考えてみてください。それはとりあえずどんなことでもかまいません。
例えば
- 色使い
- ボタンの配置など画面内の使い方や出てくる情報の順番
- 画面遷移のわかりやすさ
- 文字の見やすさ
などです。
これはどんなことでもかまいません。その上で自分の運営するサイトに当てはめて考えてください。
マーケティングを意識して見てみよう
もしファッション系のサイトの色使いに関心したとします。しかし、それは全てのサイトに適応できるわけではありません。自らが扱う商品のカテゴリーを十分に意識する必要があります。「かわいい」「ポップ」などの印象はよいイメージですが、すべての商品に当てはまるかは疑問です。こういったことは扱っている商材によって異なります。参考にしているサイトが例えば雑貨なのか、美容なのか、ゲームなのか、それとも不動産なのかで違いがあります。
参考事例を集めたサイトでは、わりと軽やかでファッショナブルなサイトは頻繁に取り上げられますが、堅いイメージの商材を扱うのであれば、むしろ参考にはなりません。そうした場合は、大学などの教育機関や病院などのサイトを参考にするのがよいかも知れません。そういったサイトがどういったデザインを参考にしているのかを観察してみることです。
マーケティング的な視点を必ず持って参考にする必要があります。逆に、「この商品はこういったユーザーをマーケットにしているのかな」と考えてみると例えば販売している商品が「ポップでかわいい」というものでないとして、そういった客層に広げたいとなるとECサイト上で何が必要なのか考える機会にもなります。そのサイトが、どういった年齢層や性別、職種に向け、どういった場面を想定しているのかを考えながら参考するとよいでしょう。
また、文字についても参考にしてみるとよいです。フォントの種類や大きさだけで印象はかなり変わります。
必ずPCとスマホで見てみよう
WEB制作を専門にしている場合はもはや常識的になっていますが、今はスマートフォンでのブラウジングが主流です。もしPCで発見した場合はスマートフォンでも必ず見てみましょう。逆にスマートフォンで発見した場合はPCでも確認してみるようにしましょう。
ブラウザが変わるだけで物凄く印象が変わります。また、スマホでは画面が小さい分、あまり細々とした表現には向いていません。その分、提示したいコンセプトがシンプルに強く出てきます。両方で確認することで、そのサイトが明示したいパターンが確認できるかも知れません。
そこまで見えてくると自らが運営するECサイトにその参考にしたアイディアを取り込むときに入れ込みやすくなる可能性もあがります。制作会社や運営会社に依頼しているという場合でも、より具体的にアイディアが提示されている方が、共同作業も進みやすくなります。
表示速度や滞在時間も検索順位に影響する
最後に「実はこんなところも参考にするといい」といった項目もご紹介します。
ECサイトは検索エンジンで関連する語句が上位に掲載されるほど、売上げに結びついてきます。そのため、単純に見栄えがよいだけでは、なかなか結果につながりません。もちろん、デザインは重要です。視覚的な心地よさと、ユーザーの動きに配慮された配置は、一つのホスピタリティといえるでしょう。
また、必要な情報が十分に掲載しているかということももちろん重要です。検索エンジンは検索結果の表示順位をつけるために、文字情報、写真、そして最近は動画内の音声も分析して、関連性が高く、有用なサイトを上位に評価しています。そのうえで、最近では「離脱の少なさ」「サイト内で回遊しているか」といったことにも注目しなければいけません。
そのため、まずサイトの表示速度が観測されています。どれだけ見栄えがよくても、表示に時間を要するサイトは、表示する前に途中で読み込みを中止されてしまします。つまり使い勝手の悪いサイトと判断されます。また、コンテンツがあっても、読み難く、疲れるので途中で離脱してしまうといった場合もあるでしょう。
そのため、ECサイトを運営する側は、訪れたユーザーが興味のあることにしっかりと向き合いつつ情報を提供することが求められます。
充実した情報を読みやすく、網羅することを目標にしよう
いろんなサイトを参考にすることはとてもよいことです。その場合、なぜ参考にするのかという視点を忘れないようにしましょう。
ECサイトについて、他サイトを参考にする最終的な目標は「よいサイトにするため」に尽きるといっていいでしょう。「○○のサイトに似たサイト」ではないはずです。自社のブランディングとして、商品の情報を充実させ、それと関連するワードとその商品の結びつきについて説明するようなコンテンツを展開していくことが必要になってきます。
いろんなサイトを参考にしたとしても、あくまで「ECサイトを運営する目的は、集客してユーザーにたくさん見てもらえるサイト」であるべきです。これには手間がかかり、SEOの専門的な知識も必要になってきます。社内のリソースだけでは実現が難しいということもあるかもしれません。そういった場合は、実際に運営・運用についても経験のあるパートナーが必要かもしれません。
もしこうしたECサイトの運営や構築に興味があるという場合は、ぜひ下記のリンクで紹介している内容も参考にしてください。
【参考】集客カテゴリ量産型ECサイト