ECサイトを検索に強くしよう〜コンテンツマーケティングのススメ

インターネットは「検索できる」という点が便利さを加速させています。その上でECサイトは「検索される」ということが集客につながり、売上アップに関係してきます。ここでは検索をキーワードに自然検索を伸ばすコンテンツマーケティングを中心に解説します。

自然検索を増やすことはECサイトの集客課題

自社でのECサイトの構築が完了し、誰でも閲覧できる状態になっていたとしても、検索エンジンにサイト内で販売している商品、場合によってはサイトそのものが評価されていなかったら集客は非常に幅の狭いものになります。知り合いレベルでメールを出して誘導したり、FacebookやTwitterなどのSNSで呼びかけて集客する、あるいは広告を利用するだけの集客ではインターネット上に店舗を持つメリットを十分に活かせているとは言い難い状況といえます。

そもそも、サーチエンジンが巡回してインデックスとよばれる検索システムの中に紐付けされていないといった状況であれば、システム的な対策をする必要があります。これはSEOの基本になりますが、こうした部分はあくまで「最低限度やるべき部分」と言えます。

そうした部分をクリアしているとしても、同じような商品が地域性を無視して並ぶことになるECサイトの運営においては全くもって十分とはいえません。実際のところ、全国の、あるいは全世界の同業他社がライバルになります。

インターネット上での宣伝活動は、資金力があればWEB広告によって大きな拡散力を発揮します。しかし、一時的な風が吹いて終わる可能性もあります。そこで課題になるのが自然検索による流入を増やすようにしていくことです。たとえばオレンジジュースを売っているサイトであれば「オレンジジュース」と入力した時に検索結果のより上位に表示されるようにしていくことです。

この検索結果自体は、Googleが「検索を行うユーザー」にとって価値の高いとおもわれる順に表示するシステムになっています。どういったサイトが上位に来るのか、その仕組みであるアルゴリズムについては公表されてはいませんが、基本的な姿勢自体は、その「検索ユーザーにとって価値のある、有用性の高い順」に表示するために日々アップデートを重ねています。

検索結果で張合うことになる他のECサイトこそ、インターネットでは隣り合っているライバル企業といってもいいかもしれません。また、検索結果の上位に立つことは、ネットショプにおいては、一等地にお店を出しているものと同等です。検索結果は検索ワード次第ではありますが、感覚的には家賃競争で一等地を取り合う実店舗とは違います。価値のある情報を提供しているかどうかという部分を根本に争われる場所争いなのです。

コンテンツマーケティングは検索エンジン対策のスタンダード

インターネット上のこうした場所争いに勝つために様々なSEO対策が生まれました。結果として短期的には効果があっても手法として陳腐化していくものも少なくありません。それらが有効ではなくなる理由はそもそものGoogleが持つ命題に添っていないからです。つまり「検索ユーザーにとっての有用性」を無視してWEBのテクニック的な部分にのみクローズアップした結果といえます。

基本的にHTML構造などは、SEO的効果としては減点式です。つまり「できていないと評価が下げられる可能性がある」というものです。そのため、基本的には失点しない構造を持ってサイト自体を構築する必要があります。

そうした中で、コンテンツを、つまり記事をサイト内にたくさん配置しておこなう「コンテンツマーケティング」はECサイトによるWEB上のビジネスによるマーケティングとしては長く存在する手法です。「陳腐化している」「時代遅れ」などと新しいマーケティング手法を売り込みたいと考える多くのWEBマーケッターはWEB上や書籍などで喧伝して回っています。しかし、実際にはそのような状況はなく、かけた手間の分だけ大きな結果を生み続けています。

コンテンツマーケティングを導入することで、関連するキーワードと合わせて検索結果を改善し、自然流入を増やしていきます。また、WEB広告などと違って長期間に渡り効果を発揮します。時には検索アルゴリズムの変更や、より他の記事が有用と判断されれば順位は下落していきますが、記事作成後は程よくメンテナンスをしていくことで、ある程度は検索に影響を与え、集客に効果を発揮してくれます。

そのため、自然検索での流入を増やすためのマーケティング方法としては、商品ページの充実に続いて、もっともスタンダードなアプローチといえます。

コンテンツマーケティングは即効性が弱い

コンテンツマーケティングの弱点は即効性がないことです。コンテンツを積み重ねていくのは何はなくとも時間がかかるのです。

例えば記事を一つ書くにしても時間が必要です。専業のライターに依頼して書いた場合も、1日に3記事書き上げるのは困難です。もちろん書く内容にもよりますし、適当な内容でも良いのであればなんでもいいかもしれません。

しかし、書かれている内容自体が有用で興味を引く内容にすることは意外に簡単ではありません。始めは勢い良く始まったWEB上の企画が尻切れとんぼに終わることは少なくありません。情報を得るための取材などのインプットも必要になります。最初は順調に更新できたとしても途中から息切れしやすくなります。

内容や文字数にもよりますが、2〜3日で1〜6記事と幅をもって取組む必要があります。

また、もう一つは結果が出てくるまでに時間がかかることです。いわゆるSEOに強いライターと呼ばれる人であっても百発百中で結果が出るわけではありません。以前は“バズる”という言葉がもてはやされ、コンテンツマーケティングにおける記事でも、拡散され話題性に富んだ記事がもてはやされていました。

そうした傾向は未だに続いていますが、そういったことよりも、「伝えたいこと、つたえるべきこと」を軸に情報を発信する場としてコンテンツマーケティングをおこない、結果的に集客に繋げることが重要です。

ですので、そもそも即効性に期待して始めるものではないということがいえます。

検索のアルゴリズムがいろんなパラメーターで動いていることもあり、話はそう単純ではないのです。クローラーと呼ばれるサイトを巡回して情報を取得する検索エンジンのプログラムの巡回してくるタイミングから始まり、サイトの評価などから、検索ワード自体の検索の需要を示す検索ボリュームなどが絡み合って流入数が決まって来ます。

このような背景から、即効性を求める日本のマーケットでは結果的にコンテンツマーケティングはトレンドが過ぎたと考えられています。しかし、こうした状況は日本にのみ特有の状況です。世界規模でデータを見てみるとまだまだ需要は伸び続けており、日本でも、今現在もコツコツとコンテンツを制作しているサイトが結果を出すということになりそうです。

こうした結果になっているのは、少し日本国内では、コンテンツマーケティングに対して先ほどのバズなどの話も含めて、コンセプトの理解に対して誤解があるからではないかと指摘する専門家もいます。

関連する話題をどんどん記事にしていくことで検索ワードを拾うだけでなく、コンテンツ自体のファンを増やしていくことで、少しずつ自社商品やブランドとの距離を詰めていったり、現在は顧客にならない層を取り込んだりすることに効果を発揮することもあります。

また、こうした未来の顧客層の開拓などは、インターネット登場以前はそう簡単に行えないことでした。しかし、ECやウエブでの情報発信による効果が大きくなってきた現在においては、検索エンジン対策だけでなく、ブランディングにも大きな効果をもたらすこともコンテンツマーケティングに期待されています。

コンテンツマーケティングによるブランディングに成功すれば、小さな渦が大きくなって様々なものを飲込んでいくように、ビジネスとしての循環もよくなっていきます。既存顧客はより優良な顧客となり、ブランドの存在そのものが集客効果を生んで新たな顧客層が購入するような循環を生むようになるでしょう。

コンテンツマーケティングのスタイルを選択しよう

コンテンツマーケティングにはいくつかスタイルがあります。それぞれ、企業やそのECサイト、商品やサービスなどを総合的に判断したうえで適したやり方を選択していくのが一番です。「〜〜が効果があるから」などという風評に惑わされずに選択するのがよいでしょう。

日本ではコンテンツマーケティング=オウンドメディアというように解釈されがちです。しかし、コンテンツマーケティングと定義する場合は、必ずしもメディアという性質をもつ必要はありません。たとえば記事型広告式でコンテンツを重ねて行くというスタイルや、エデュケーション型の関連するハウツーをさまざまな角度から切り取って記事にして伝えるというスタイルでもいいでしょう。

実際にコンテンツマーケティングではオウンドメディア型が人気です。メディア的に中立性を保ち、広い範囲で記事にしていくというオウンドメディア型ですと、どうしても読者ニーズにあわせたウォンツ型の記事で読者層をたくさんひっぱりたくなります。しかし、必ずしもその必要性はなく、しっかりと企業や商品、サイト自体の基礎になる記事を作って投稿していくことも非常に重要です。

いかにしてベースアップをしてサイト自体を強くできるかを考えることです。意味のある内容の記事が揃えば、記事内の言葉がサイトのパワーとして力を発揮してくれるでしょう。

【参考】ECサイトはコンテンツマーケティングが集客力アップのカギ

サイトの構造、サイト内の検索エンジンも考慮して使いやすく

検索に強くという意味では、サイトの作り自体がわかりやすくカテゴリーわけされていることも重要です。多くのユーザーは複雑なサイトの構造に辟易としています。わかりやすく必要な情報に簡単にたどりつけるようにすることも重要です。

サイト内にはサイト内検索の可能な検索機能を追加することも忘れないでください。これはコンテンツによって集客したユーザーをしっかりともてなすという意味でも重要な機能です。目的の商品があったとしてもその前に離脱されては、伸びるはずの売上も伸びなくなってしまいます。

【参考】ECサイトの検索エンジンを見直して満足度を向上させよう

このようにコンテンツでの集客にかかわらず集客とサイトの構築はどちらもECサイトにとっては欠かすことの出来ない要素です。こうした両輪をうまく回すことでECサイトの運営は潤滑に進んでいきます。

コンテンツマーケティングは、手数もかかり、実施するには手が回らないといった状況もあるかもしれません。わかりやすい結果が広告よりも出にくい部分もあるので、様々な作業と並行しながら実施するには熱量も低くなりがちです。

また、文章も最初の10記事程度なら、頑張れば多くの人が可能かもしれません。しかし、継続していくことは簡単ではありません。そうしたケースでは、そういったマーケティングに強いプロの力を借りてよりサイトを底上げしていくことも時には重要です。最近では文章に加えて動画などもコンテンツとして取入れることもできます。多面的に“人に伝える”ということをいかに意識出来るかに集中する必要があります。

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