お問い合わせ

ECサイトの構築が終わった後、機能とマーケティングのどちらから手をつけるか

2020.06.08 2026.09.02 更新

ECサイトは無事に公開しました。カートも決済も動いていて、注文も少しずつ入っています。それなのに、次に何をすればいいのかが決まらない。

調べれば打ち手はいくらでも出てきます。決済手段の追加、SNS連携、店舗との在庫連携、メール配信の自動化。どれも良さそうで、優先順位がつきません。

一般には、公開後は機能を足して体験を良くしていくものだと語られます。かいなはそう考えていません。構築の次にやるのは機能追加ではなく、お客さんの顔が見える状態をつくることです。

順番を逆にすると、足した機能のどれが効いたのか最後まで分からないまま予算だけが減っていきます。

公開直後に機能追加から入ると、何が効いたのか分からなくなります

かいなに来るご相談で最も多いのはカート移行です。ただ、掘っていくと機能の話ではないことがほとんどです。

作った時点では、まだ何も分かっていない

構築のフェーズで決めたことは、すべて仮説です。誰が、どんな理由で、どの商品を選ぶのか。公開前の想定は、たいてい半分くらいしか当たりません。

公開して注文が入り始めて、はじめて実際の買われ方が見えてきます。想定していなかった商品が動く、想定した層と違う人が買う。こうしたずれが最初の材料です。

この材料を拾わずに機能を足すと、仮説の上に仮説を重ねることになります。

トレンドの機能追随が空回りするとき

ID決済もスマホ決済も、いまや珍しいものではなくなりました。店舗とECの在庫や会員を揃える取り組みも、多くの企業が手をつけています。

どれも有効な打ち手です。ただし有効なのは、そこが詰まっている場合に限られます。

入口に人が来ていない売り場で決済を増やしても、通過する人の数は変わりません。詰まっている場所を確かめずに施策を選ぶと、順番だけが間違った状態になります。

最初に切り分けるのは、来ていないのか買われていないのか

公開後に最初にやることは、この二択の切り分けです。難しい分析は要りません。

訪問がほとんどないなら、課題は集客側にあります。訪問はあるのに注文につながらないなら、課題は売り場の中にあります。

この二つは打ち手がまったく違うのに、混ぜたまま「とりあえず全部やる」と決めてしまう会社が多くあります。予算が細切れになり、どれも中途半端に終わります。

自社ECを4サイト運営して分かった、公開直後に効いた順番

かいなは支援会社であると同時に、自社ECを4サイト運営しています。公開直後の手探りは、自分たちの売り場で毎回経験しています。

品揃え型では、束ね方を変えたときに反応が動く

かいなは「めんどくさいを否定しない」という考え方で日用品を集めたECを運営しています。拭くだけ、流すだけ、入れるだけ、といった軸で商品を束ねている売り場です。

ここで分かったのは、商品を増やすより、並べ方を変えるほうが反応が動くということでした。同じ在庫でも、束ねる軸が変わると手が止まる場所が変わります。

公開直後にできる改善のうち、費用がかからず効き目が出やすいのがこの並べ替えです。

送料と決済は、機能ではなく利益の設計です

大型の猫用家具も自社で扱っています。重量物なので、送料の改定がそのまま利益に効きます。

送料無料ラインをいくらに置くか、決済手数料をどこまで飲むか。これは機能の追加ではなく、粗利をどう配分するかという判断です。

ベンダーの新機能案内を見て決める話ではありません。自社の一件あたりの粗利を出してから、置ける位置を決めていきます。

出荷と同梱物は、いちばん安く試せる接点

受注処理と出荷も自分たちでやっています。箱が届いて開けられる瞬間が、お客様との最初の接点だと考えています。

ここは開発費がかかりません。同梱するカードの内容を変える、使い方の説明を一枚足す。翌週から試せます。

レビューが一件つく日の嬉しさは、この地味な部分から生まれます。機能を検討する前に、ここを一巡させたほうが手応えが早く返ってきます。

構築が終わった直後に、かいながすすめない打ち手

ご相談を受けても、やらないほうがいいと申し上げることがあります。判断の材料として3つ挙げます。

注文が週に数件の段階で、CRMやMAを入れる

顧客データを活用したい、というご要望はよく伺います。ただし母数が少ないうちは、分けても分けても人数が足りません。

セグメント配信を組んでも、配信先が数十人では効果の判定ができません。運用の手間だけが固定費として残ります。

この段階なら、全員に同じ内容を送って反応を見るほうが学べます。LINEを使ったCRMの設計に入るのは、購買データが溜まってからで間に合います。

コンバージョンが落ちているときの、決済手段の追加

決済を増やせば購入率が上がる、という説明はよく見かけます。効くのは、決済画面まで来た人が最後で離れている場合だけです。

商品ページで離れているなら、決済を足しても数字は動きません。まず、どこまで進んだ人が消えているのかを確認します。

カートASPを使っているなら、対応を待つしかない決済もあります。待っている間に打てる手が売り場側に残っていないかを先に見ます。

LPと広告だけで回している状態からの機能拡張

単品をLPで売り、広告で流入を作っている運営があります。この形のまま機能を足す相談は、かいなではお受けしにくいところです。

LPは一本道で買わせる設計なので、回遊も比較も起きません。そこに選ぶ体験や読みものを足しても、導線が長くなるだけです。

この構造を変えずに機能だけ増やすのは、広告費の効率を落とす方向に働きます。変えるなら売り方そのものから見直すことになります。

次の一手を、流入とリピートの条件で決める

では明日、何を決めればいいのか。条件で分けると答えが変わります。

流入はあるのに買われないなら、選ぶ導線を疑う

訪問はあるのに注文が伸びない。商品点数が多い売り場なら、まず探し方を疑います。

カテゴリと検索窓だけでは、目当ての商品にたどり着けない人が出ます。贈り先と予算で選ぶギフト、型番や仕様で探す部材などが典型です。

この場合、カート本体を改修せずに絞り込みや比較を足す方法があります。かいなのERABは読み取り専用の連携で動くので、既存ECを止めずに試せます。

一度きりで終わるなら、思い出される仕組みを先に

初回は買われるのに二度目がない。この場合、集客を増やしても穴の空いたバケツに注ぐことになります。

見るのは、購入後にこちらから接点を持てているかどうかです。メールもLINEも同梱物も何もないなら、思い出す理由がありません。

商品自体に不満があるのか、単に忘れられているのか。前者なら商品改良、後者なら接点の設計と、進む道が分かれます。

ブランドの話が伝わっていないなら、構造を疑う

作り手の考えや製法をきちんと書いているのに、それが購入につながっていないことがあります。

読みものはコーポレートサイト、買う場所はECと分かれている。この構造だと、共感した人が移動の途中で離れます。

読みものの中で在庫と価格を出し、その場で買える状態にする考え方がHAKOBです。伝える投資が売上につながらないと感じているなら、施策より先に構造を見ます。

どこまで自社でやり、どこから任せるか

外注の線引きは、専門性の有無ではありません。その業務が自社に学びを残すかどうかで分けます。

お客様の声を読む、商品説明を書き直す。ここは外に出すと知見が社内に残りません。実装や技術的な調査は任せて構いません。

自社ECのスケールには、相当な伴走とお互いのパワーが要ります。丸投げにすると成果につながらないのは、かいな自身が身をもって知っています。

ECサイト構築後の進め方について、お気軽にご相談ください

公開後に何から手をつけるかというご相談は、掘っていくと「お客さんの顔が見えていない」という話に行き着くことがよくあります。

その場合に必要なのは機能の追加ではなく、いま起きていることを読み取れる状態をつくることです。そこが整えば、次の投資先は自然に絞れます。

かいなは決まった型に当てはめず、毎回の対話からその会社だけの課題を探します。選ぶ体験を足すのか、サイトの構造から変えるのかは、状況を伺ってから判断します。

かいなは自分たちでもECを運営しています。売る側の実感を持った相手として、30分の無料相談からお付き合いします。お気軽にご相談ください。