読まれる商品ページと流し読みされる商品ページは、どこが違うのか
2026.09.22
同じ商品を、同じ写真で、同じ価格で売っているのに、読まれるページと数秒でスクロールを終えられるページがあります。商品ページを直したいというご相談で、最初に伺うのはこの差の話です。
多くの場合、相談の入口は「コピーが弱い気がする」「写真をもっと増やしたほうがいいのか」という形で来ます。どちらも間違いではありません。ただ、書き換えても反応が変わらないページには、共通する特徴があります。
かいなの見立てはこうです。一般には商品ページの改善は表現の技術の問題として語られますが、読まれるかどうかを決めているのは、そのページが「誰の、何の迷い」を解いているかがはっきりしているかどうかです。技術は、迷いが特定できた後にしか効きません。
CONTENS
商品ページが流し読みされるとき、実際に起きていること
流し読みは、読者が怠けているから起きるわけではありません。読む理由が見つからないまま画面が流れていく状態です。
買う人は読んでいるのではなく、確認している
商品ページに来た人は、文章を味わいに来ていません。買っていいかどうかを確かめに来ています。
だから、自分が気にしていることが書かれていなければ、目は止まりません。逆に、気にしていることが1行でも先に書かれていれば、そこから下は読まれます。
読まれないページの多くは、商品の良さを網羅的に並べています。網羅は安心材料になりますが、最初に止まる理由にはなりません。
「良さの説明」と「迷いの解消」は別のもの
素材が良い、職人が作っている、国産である。これらはすべて事実で、価値でもあります。ただ、それだけでは読者の手は止まりません。
手が止まるのは、自分が抱えている具体的な不安に、そのページが答えたときです。設置できるのか、届いてすぐ使えるのか、贈って恥ずかしくないか。
商品ページを直すとき、かいなが最初にやるのは文章の推敲ではなく、その商品で人が何に迷うかの洗い出しです。
かいなが自社ECで書き換えているときに見ている場所
かいなは自社ECを4サイト運営しています。壁面収納のOSAMARU、猫のための木工所、カニのギフトの「かにと。」、日用品のSOREDAKE。商材の性格がすべて違います。
運営していて分かったのは、問い合わせやレビューに出てくる言葉と、こちらが書いていた言葉がずれているということです。書き換えのきっかけは、ほとんどがそのずれからきます。
たとえば猫家具では、寸法の説明を丁寧にするより、うちの子が乗るかどうかに答えたほうが読まれます。同じ情報でも、答えている問いが違います。
コピー、画像配置、レイアウトのどこから手を入れるか
商品ページの改善は、この3つのどれかに落ちます。ただし着手する順番は商材によって変わります。
コピーは「言い換え」ではなく「順番」から直す
コピーの改善というと、表現を魅力的にすることだと思われがちです。実際に効くのは、書く順番の入れ替えのほうが多いと感じています。
改善前は、ブランドの思いから始まり、素材の説明があり、最後に使い方が来ます。改善後は、その人が最初に確かめたいことを先頭に置きます。
思いを削る必要はありません。読む理由ができた後であれば、思いの部分こそ最後まで読まれます。位置を変えるだけで、同じ文章の役割が変わります。
画像配置は枚数ではなく、答えている問いの順に並べる
写真を増やしても反応が変わらないページは、似た角度の写真が並んでいることが多いものです。
配置の基準は、1枚ごとに違う問いに答えているかどうかです。全体像、サイズ感、質感、使っている場面、届いたときの状態。答えている問いが重なっていれば、枚数は減らして構いません。
サイズ感の写真がないままスペック表だけを置くと、読者は自分の部屋に置き換えられません。数字は、比較対象がある写真とセットではじめて意味を持ちます。
レイアウトは、離脱する場所から逆算する
レイアウトの良し悪しは、見た目の整い方では判断できません。どこで読むのをやめられているかで判断します。
カートボタンより上に、判断に必要な情報が揃っているか。スマートフォンで見たときに、最初の1画面で何の商品か分かるか。この2点は最低限そろえます。
装飾を足すほど読まれるようになることは、まずありません。要素を減らして、視線が止まる場所を1つに絞るほうが効きます。
商品ページを直さないほうがいい場合
ご相談をいただいても、ページの改修をおすすめしないことがあります。直しても効果が測れない状態があるからです。
集客が足りていないなら、先にやることがあります
商品ページは、そこに人が来てはじめて機能します。流入がごく少ない状態でコピーや写真を変えても、良くなったのか偶然なのかが分かりません。
この状態で改修を重ねると、判断材料がないまま費用だけが積み上がります。まず流入をつくり、反応を見られる状態にするほうが先です。
かいなが「いまはページより集客です」とお伝えするのは、売り込みを避けているのではなく、直した結果を検証できないからです。
売れない理由が価格や送料なら、書き方では変わりません
読まれてはいるのに買われないとき、原因がページの外にあることがあります。価格の納得感、送料の条件、届くまでの日数。
かいなは大型で重量のある猫家具も自分たちで売っています。送料の条件は、どんなに丁寧に書いても購入の判断そのものを動かす要素になります。
この場合に必要なのは表現の工夫ではなく、条件そのものの見直しです。書き方で隠そうとすると、かえって不信につながります。
全商品を一斉に直そうとしているとき
商品点数が多いECで、すべてのページを同じ水準に引き上げようとする計画は、途中で止まります。
先に決めるのは、直す対象を何で選ぶかです。流入がある商品、粗利が取れる商品、入口になっている商品。この3つのどれかに絞ります。
絞った数ページで型ができてから、横に広げます。型のないまま量をこなすと、更新のたびに書き方がぶれます。
明日から自分で判断するための分かれ目
どこから手を入れるかは、商材の性質で答えが変わります。3つの条件で整理します。
検討期間が長いか、短いか
検討が長い商材、たとえば設置を伴う家具や高額なギフトでは、情報量そのものが安心材料になります。ページは長くなって構いません。
検討が短い日用品では、長さがそのまま離脱の理由になります。何をする商品かを最初の1画面で伝えきり、詳細は下に送ります。
同じ会社が両方を扱っているなら、テンプレートを共通にしない判断が要ります。かいなが自社ECで型を分けているのもこの理由です。
買う人と使う人が同じか、違うか
贈答品は、買う人と使う人が違います。この場合、商品の良さよりも、贈った相手がどう受け取るかへの不安のほうが先にきます。
かいなはカニのギフトECを運営していますが、選ぶ基準は味の説明だけでは決まりません。届く時期、見た目、相手の家族構成への合いかたが判断に効きます。
自分で使う商材なら、使用後の状態を具体的に描くほうが効きます。誰のためのページかで、置く情報が入れ替わります。
選択肢が多いか、1つに絞れているか
仕様の組み合わせが多い商材では、ページを magnifique に磨いても、比較や絞り込みができなければ選びきれません。
この場合はページ単体ではなく、商品にたどり着くまでの設計を見ます。かいなは選ぶ体験を拡張するERABで、この部分をカートの外側から足す方法をとっています。
逆に選択肢が少なく、商品の世界観を伝えることが購入の決め手になるなら、ブランドサイトとECを統合する構成のほうが効きます。ページの中身より、構造から見直す判断です。
商品ページの直し方について、お気軽にご相談ください
商品ページの改善は、きれいな文章と多い写真で解決する話ではありません。誰の、何の迷いを解くのか。そこが決まれば、書き方も並べ方も自然に決まります。
かいなは自分たちでもECを運営しているので、書き換えたページが翌週どう反応するかを自分の商品で見ています。提案は、その実感から出しています。
いまの商品ページを直すべきか、それとも先に別のところを整えるべきか。ECサイトのご相談は30分の無料相談から受け付けています。現状の整理だけ持ち帰っていただいて構いません。お気軽にご相談ください。