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ECサイトのサイトマップ3種類を、使い分けの基準から整理する

2020.10.09 2026.09.02 更新

サイトマップを用意しなければいけない、とは聞いている。けれど何をどう作るのかが曖昧なまま、着手できずにいる。ECの担当者から、そんな話をよく伺います。

調べるとHTMLサイトマップ、XMLサイトマップ、ハイレベルサイトマップと3つ出てきます。SEOに効くと書かれていたので構造を書き出してはみたものの、その後どう使うのかが分からない。ここで止まる方が多いのではないでしょうか。

一般には「サイトマップはSEOのために作るもの」と語られます。かいなはそう考えていません。3種類のうち2つは仕組みに任せて手を離す作業で、人が時間をかける価値があるのは、お客様の探し方を疑うためのハイレベルサイトマップだけです。

ECサイトのサイトマップが3種類に分かれる理由

3つに分かれているのは、種類が多くて複雑だからではありません。読み手が3者いるからです。誰に向けたものかを先に決めると、作るべきものが1つに絞れます。

HTMLサイトマップは、迷ったお客様のための目次

サイト内に置くページ一覧が、HTMLサイトマップです。公園の入口にある案内図と同じで、見るのは人です。

ECは階層が深くなりがちで、カテゴリのどこに何があるのか分かりにくくなります。その迷いを受け止める場所として、フッターから辿れる位置に置かれます。

ただし、これを見る人は多くありません。役割は「困った人の逃げ道」であって、集客の入口ではないと捉えたほうが判断を間違えません。

XMLサイトマップは、検索エンジンへの申告書

XMLサイトマップは人には見えません。検索エンジンのクローラーに「このURLを見てほしい」と伝えるためのファイルです。

ECは商品ページが増減し、絞り込みでURLも増えます。放っておくと、クローラーがどこを回ればいいのか分からなくなります。

その交通整理をするのがXMLサイトマップです。1ファイルあたり5万URL・50MBという上限があります(出典: Google 検索セントラル「サイトマップの作成と送信」)

ハイレベルサイトマップは、構造を疑うための図

3つ目のハイレベルサイトマップは、耳慣れない言葉かもしれません。ここでの「ハイレベル」は難易度ではなく、高い位置から俯瞰するという意味です。

ページを1枚ずつ描くのではなく、お客様の動きの単位で束ねて描きます。トップから商品、カート、購入という流れを大づかみに見る図です。

これだけが、作った人の頭の中を変えます。残る2つはツールが代わりに作れますが、この図だけは自分たちで描くしかありません。

3種類のうち、人が手を動かす価値があるのはどれか

作業時間は有限です。3つに均等に力を割くより、自動化するものと考えるものを分けたほうが前に進みます。

HTMLサイトマップは自動生成に任せ、掲載範囲だけ人が決める

商品が入れ替わるECで、HTMLサイトマップを手作業で更新するのはすすめられません。更新が止まった瞬間、リンク切れの一覧に変わります。

多くのカートASPやWordPressのプラグインが自動生成に対応しています。人が決めるのは、カテゴリ単位までにするか商品まで載せるかという範囲の話だけです。

商品点数が多いなら、商品まで載せると読めない一覧になります。カテゴリと主要な特集ページで止めるほうが、迷った人の役に立ちます。

XMLサイトマップは「載せない」判断のほうが効く

XMLサイトマップで差が出るのは、何を載せるかより何を外すかです。絞り込みや並べ替えで生成されるURL、在庫切れの旧商品、検索結果ページが典型です。

これらを全部申告すると、見てほしいページの評価が薄まります。載せる基準は1つ、検索から入ってきてほしいページかどうかです。

作った後はSearch Consoleで送信し、除外されたURLの理由を読みます。ここを読まずに作りっぱなしにすると、ファイルがあるだけの状態になります。

自社ECを運営して分かった、図にすると出てくるずれ

かいなは支援会社であると同時に、自社ECを4サイト運営しています。ハイレベルサイトマップを描き直すたびに、毎回同じ発見があります。

カニと北海道海鮮のギフトEC「かにと。」では、カテゴリは商品の種類で切られていました。ところが実際のお客様は、贈り先と予算で探しています。

図の上ではきれいな階層でも、お客様の動きと軸がずれている。この食い違いは、数字を眺めているだけでは見えてきませんでした。

かいながサイトマップ作りをすすめない3つの場合

やらないほうがいい、と申し上げることもあります。判断の材料として3つ挙げます。

商品点数が少なく、カテゴリで全体が見えているEC

数十点までの品揃えで、グローバルナビから2クリックで全商品に届くなら、HTMLサイトマップを足す理由はありません。

この規模で離脱が起きているとき、原因は探し方ではないことがほとんどです。商品ページの情報不足か、送料と納期の見えにくさを先に疑ってください。

図を描くことが目的になっているとき

ハイレベルサイトマップは、きれいに描くほど満足感が出ます。そこで終わると、共有フォルダに眠る資料が1つ増えるだけです。

描いた翌週に、どのステップで離脱しているかをアクセス解析と突き合わせる予定が入っていないなら、まだ描く時期ではありません。

先に「どこが怪しいか」の仮説を口に出せる状態を作る。図はその仮説を検証する道具であって、仮説の代わりにはなりません。

LP主体・広告主体で売っているEC

広告からLPに入り、そのまま1商品を買って離れる。この形で回っているなら、サイト全体の構造図から得られるものは多くありません。

見るべきはLP内の離脱位置とフォームの項目です。かいながLP主体の運営に対して構造の作り直しを提案しないのは、噛み合わないと分かっているからです。

ハイレベルサイトマップの描き方と、判断の分かれ目

では実際にどう描くか。細かく描かないことが、そのまま使いやすさになります。

循環エリアと、購入までの一本道を分けて描く

まずトップ、カテゴリ、商品ページを「循環エリア」としてひとまとまりにします。お客様が行き来しながら候補を絞る場所です。

その先に、カート、情報入力、購入確定という一本道を置きます。会社情報やヘルプは購入の流れから外して、別の島に置きます。

ページ単位まで描き込むと図が読めなくなります。カテゴリの下の階層は省いて、フローの形だけが見える粒度で止めてください。

3つのコンバージョンを置いて、止まる場所を切り分ける

図の中には3種類のゴールを置きます。購入確定が最終目標のファイナルコンバージョン、カートと情報入力がステップコンバージョンです。

会員登録やメルマガ登録は、将来の購入につながるマイクロコンバージョンとして別に置きます。今日の売上には出ませんが、次の来訪の入口になります。

この3つを分けておくと、止まっている場所が言葉で言えるようになります。「カゴ落ちが多い」ではなく「情報入力の手前で止まる」まで絞れます。

判断の分かれ目は、構造を直すか、選ぶ体験を足すか

図を見て離脱が循環エリアに集中しているなら、原因は探し方です。ここで打ち手が2つに分かれます。

カテゴリの切り方そのものが商品構成と合っていないなら、構造を作り直します。ブランドの読みものとECが分断しているなら、ブランドサイトとECの統合まで含めて考えます。

一方、構造は妥当なのに軸が足りないだけなら、既存ECを改修せずに絞り込みや比較を足すERABのような足し方が向きます。売上が立っている売り場を止めずに済みます。

離脱がステップコンバージョン側なら、構造の話ではありません。フォームと決済手段、送料表示の見直しが先です。

サイトマップとサイト構造の見直しについて、お気軽にご相談ください

サイトマップのご相談は、掘っていくと「お客様がどう探しているか見えていない」という話に行き着くことがよくあります。

その場合に必要なのは、きれいな図ではありません。どの軸で束ねるとお客様の手が止まるのかを、データと現場の感覚の両方から決め直す作業です。

かいなはECサイトの構築と運営支援を行いながら、自分たちでもECを運営しています。売る側の実感を持った相手として、30分の無料相談からお付き合いします。

構造を直すべきか、今のカートのまま選ぶ体験だけを足すべきか。その判断からご一緒しますので、お気軽にご相談ください。