ECサイトの特集ページで狙ったユーザーを誘導するための軸の決め方
2020.11.16 2026.09.02 更新
特集ページを作れば集客が増えると聞いて手をつけたものの、公開したあとほとんど動きがない。そんな経験はありませんか。
季節の特集を作り、バナーを置き、次の季節が来ても差し替えられないまま残っている。ECの運営でよく見かける光景です。
一般には「切り口を増やせば流入の入口が増える」と語られます。かいなはそう考えていません。特集ページは新しい入口を作る仕事ではなく、お客様が実際に使っている選び方の軸を、売り場に置き直して試す仕事です。軸が合っていない特集は、何本作っても読まれないまま残ります。
CONTENS
特集ページを集客の入口として作ると、途中で止まる
止まるのは担当者の熱量が落ちたからではありません。集客ページとして設計したこと自体に、止まる理由が含まれています。
更新が途切れた時点で、集客の価値も消える
検索から入ってくる特集は、中身が今の品揃えと合っている間だけ働きます。品切れの商品が並んだ特集を開いた人は、その売り場ごと信用しなくなります。
季節やキャンペーンを軸にした特集は、この賞味期限がとくに短くなります。作る前に見るべきは切り口の面白さではありません。
誰が、どのタイミングで差し替えるのか。ここが決まっていない特集は、公開の日が最も良い状態で、あとは下がり続けます。
カテゴリと同じ束ね方をした特集は、一覧が二重になるだけ
よくあるのは、カテゴリ「スニーカー」とほぼ同じ中身の「スニーカー特集」ができてしまうケースです。
商品分類と軸が重なっていると、読者にとっては同じ一覧が2つ並んでいるのと変わりません。検索エンジンから見ても差が付きません。
特集として成立するのは、カテゴリでは表せない軸だけです。「一人暮らしを始める人が最初に買うもの」のように、既存の分類を横断する束ね方かどうかを先に確かめます。
商品ページの弱さは、特集ページでは埋まらない
特集を作りたくなるのは、たいてい売上が伸び悩んでいるときです。ところが伸び悩みの原因が商品ページ側にあることは珍しくありません。
写真が足りない、サイズや使用感が読み取れない、価格の理由が書かれていない。この状態で特集を足すと、弱いページに人を集めることになります。
特集から商品ページへ移った人がそこで帰っているなら、次に作るべきは特集の2本目ではなく、商品ページの書き直しです。
特集の軸を、どこから引き出すか
軸の出し方には型があります。元の考え方は単純で、違いがあるところを探すという一点に尽きます。
キーワードの広さと、刺さり方は反比例する
狙う相手の範囲を広く取ると、選ぶ言葉も広くなります。広い言葉は競合が多く、書ける内容も浅く薄くなります。
逆に「若い男性で、学生ではない人」のように条件を足していくと、言葉は具体的になり、中身も深く書けます。
ここで判断が分かれます。広い言葉で1本作って集客するのは、ほぼ成立しません。狭い特集をいくつか積み、それらをまとめるハブとして広い軸のページを置く順番なら、評価は後から付いてきます。
違いがあるところに、特集のネタがある
軸の候補は、扱う商品が変わっても似た並びになります。
- 季節や気候(雨の多い時期、寒くて晴れた日)
- 年齢や世帯構成(一人暮らし、子どもが生まれたばかり)
- 職業や現場(大工さんが選ぶ、飲食店で使う)
- 色、機能、素材
- 使う場面、贈る相手と予算
最初から複数の軸を混ぜると焦点がぼやけます。1つの軸を決め、そこに条件を1つだけ足すのが扱いやすい単位です。
職業を軸にすると、専門性がそのまま出ます。近い仕事の人がどう使い分けているかを書けるのは、売っている側だけです。
サジェストをそのまま軸にしていい場合と、しない場合
検索窓に出てくる関連語は、需要がある証拠として使えます。ただし需要があることと、自社が答えられることは別です。
扱っていない用途や価格帯の語で特集を組むと、読まれても買われません。流入だけが増え、直帰が積み上がります。
使うかどうかの線引きは、その語に対して自社の商品で一番良い答えを出せるかどうか。出せないなら、その語は特集ではなく商品開発の宿題として持っておきます。
自社ECで束ね方を試して分かったこと
かいなは支援会社でありながら、自社ECを4サイト運営しています。特集の軸は、自分たちの売り場で何度も入れ替えてきました。
面倒の種類で束ねたときだけ、手が止まった
厳選日用品のEC「SOREDAKE」を運営しています。「めんどくさいを否定しない」という考えで品揃えを組んでいる売り場です。
商品分類で並べれば、洗剤や掃除道具といったカテゴリになります。ただ、そこを見ている人の反応は鈍いままでした。
「拭くだけ」「流すだけ」「入れるだけ」という手間の軽さで束ね直すと、見る時間が変わりました。買う人が探しているのは商品の分類ではなく、やめたい手間のほうだったわけです。
重量物のECでは、特集に書いた条件が運用の負債になる
大型の猫家具を扱う「猫のための木工所」も自分たちで運営しています。こちらで痛感したのは別のことです。
特集の文章に送料や納期の条件を書き込むと、送料改定のたびにすべて直さなければなりません。運送費の見直しは、こちらの都合とは関係なくやってきます。
だから条件は商品ページとカート側に置き、特集は軸と読みものだけを持たせます。この切り分けをしておくと、特集は長く置いておけます。
その場で買ってもらうか、迷う時間を楽しんでもらうか
特集の設計で先に決めておきたいのは、この二択です。答えは商材によって逆になります。
時期が決まった季節商材なら、話を枝葉に広げず、決め手になる情報と写真を並べます。選択肢を1つに絞らせて後押しする書き方です。
趣味性の高い商材なら、逆に選択肢を広げたほうが近づきます。思ってもいない視点を提示できたときに、この店は分かっていると受け取ってもらえます。1ページに両方を詰めると、どちらも薄まります。
かいながすすめない特集ページの作り方と、判断の分かれ目
やらないほうがいいと申し上げることもあります。判断の材料として3つ挙げます。
商品ページが薄いまま特集を増やす場合はおすすめしません
特集は作成に時間がかかります。1本の労力は、商品ページを何点か作り直すのと同じくらいかかります。
商品ページの写真と説明が整っていないなら、同じ時間をそちらに使ったほうが返りが早くなります。特集は、受け皿ができてから足すものです。
LP主体・広告主体の運営には向きません
広告から流入して1商品を買い切る形の売り場に特集を挟むと、購入までの導線が伸びるだけになります。定期購入の初回獲得も同じです。
かいながこの形の運営に特集ページを提案しないのは、構造として噛み合わないからです。回遊が起きない売り場では、束ねる意味が生まれません。
分かれ目は、お客様が入れる言葉が状況か型番か
特集が効くかどうかは、点数の多さでは決まりません。お客様が最初に思い浮かべる言葉が、状況なのか型番なのかで分かれます。
贈り先、悩み、使う場面といった状況から入る商材なら、特集で束ねた一覧が購入の直前に働きます。
一方、型番や寸法、規格から探す商材では、特集を量産しても届きません。直すべきは絞り込みと比較の側です。かいなのERABは、カート本体を改修せずに多軸の絞り込みや比較を足す設計にしています。紙カタログのEC化を検討している場合も、この線引きが先に来ます。
ECサイトの特集ページについて、お気軽にご相談ください
特集ページを作りたいというご相談は、掘っていくと「お客様がどの言葉で選んでいるか分かっていない」という話に行き着くことがよくあります。
その場合に必要なのは特集の企画書ではありません。どの軸で束ねると手が止まるのかを、注文データと現場の感覚の両方から決め直す作業です。
絞り込みや比較の側に原因があるなら、ERABは初期200,000円〜(税別)、月額29,800円〜(税別)から既存ECを改修せずに始められます。読みものと購買が分かれている構造そのものが原因なら、ブランドサイトとECの統合まで含めて考えたほうが早いこともあります。
かいなは自分たちでもECを運営しています。売る側の実感を持った相手として、30分の無料相談からお気軽にご相談ください。