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商品ページの情報設計を、購買判断が進む順番と情報の粒度から組み直す

木の机に広げた商品ページのラフと小さな商品サンプル、鉛筆を持つ手元を自然光で写した写真

商品ページを直したい、というご相談をよくいただきます。写真を撮り直す、コピーを練る、レビューを増やす。どれも効きますが、手を入れる順番としては後ろのほうです。

先に決めるのは、どの情報をどの順で、どれくらいの粒度で置くかです。表現の巧拙より、順序と粒度のほうが購入の手前で効いてきます。

かいなは、商品ページを説得する場所だとは考えていません。お客様はページに来た時点で、すでに判断の途中にいます。ページの役割は、その判断の続きを引き受けることです。

そしてもうひとつ。売れていないのではなく、選べていないだけ、ということが少なくありません。

商品ページの改善が、表現の巧拙の話になってしまう理由

刺さるコピーから入ると、順番の問題が見えなくなる

商品ページのテコ入れは、たいてい見た目と言葉から始まります。写真の差し替えとコピーの書き直しは、社内で合意を取りやすいからです。

ただ、同じ情報が同じ位置にあるまま言い回しだけ変わっても、読む人の判断の進み方は変わりません。変わるのは印象であって、判断ではありません。

手を入れるなら、何が書いてあるかより、どの順で出てくるかを先に見ます。順序が整っていないページは、言葉を磨いても読み飛ばされる場所が変わらないままです。

商品ページに来た人は、すでに判断の途中にいる

検索や一覧から流れてきた人は、ゼロから説得されに来ているわけではありません。ある程度あたりをつけたうえで、確かめに来ています。

確かめたいことは商材で変わります。サイズが合うか、いつ届くか、似た商品とどう違うか。この問いに答える順にページが並んでいないと、探す作業が発生します。

探す作業が一度でも発生すると、戻るボタンのほうが早くなります。離脱は興味を失ったから起きるとは限りません。

判断の続きを引き受ける場所だと考えると、並びが変わる

説得する場所だと考えると、良さを積み上げる設計になります。結果、上から下まで訴求が続き、条件の情報が下に押し込まれます。

判断の続きを引き受ける場所だと考えると、設計は変わります。相手が次に知りたい順に並べ、答えが出た時点で買えるようにしておく組み方です。

どちらの立場を取るかで、同じ素材を使っても並びが変わります。まずここを社内で揃えてから、個々の要素に手を入れます。

購買判断の進み方に沿って、情報を4つの層に分ける

かいなは商品ページの情報を、判断の進み方に合わせて4つの層で整理します。層の名前より、層の境目のほうが実務では効きます。

最初の数秒で判定されるのは、自分向けかどうか

第1層は、これは自分に関係があるかを判定するための情報です。商品名、主要な写真、誰の何に応えるのかを示す一行。

ここに機能や特長を並べると、判定に時間がかかります。判定は数秒で終わるので、長い文章は読まれる前に飛ばされます。

自分向けだと分かってから、はじめて細部が読まれます。順番を逆にしないことが、この層の唯一の仕事です。

次に見られるのは、買える条件が揃っているか

第2層は条件です。サイズ、在庫、納期、送料、支払い方法。欲しいと思った直後に、買えるかどうかの確認が入ります。

この層を下のほうに置いているECは多くあります。魅力を伝えてから条件を出したい気持ちは分かりますが、確認できない条件は不安のまま残ります。

大型商材や生鮮のように、条件が購入の可否をそのまま決める商材では、第2層を第1層の直後に上げます。順番を入れ替えるだけで、問い合わせの内容が変わります。

迷いを解く情報と、背中を押す情報は役割が違う

第3層は迷いを解く情報です。似た商品との違い、使う場面、素材や仕様が意味すること。ここが弱いと、比較のためにサイトの外へ出ていきます。

第4層は背中を押す情報です。レビュー、保証、作り手の話。迷いが残ったままここを読ませても、決め手にはなりません。

第3層と第4層を混ぜて並べているページはよく見かけます。分けて、第3層を先に置く。それだけで読む順番が整理されます。

どこまで書き、どこから先は別の場所に置くか

商品ページに全部載せると、判断が止まります

情報が足りないと不安になるので、書き足す方向に力が働きます。ただ、一枚のページに全部載せると、今度は読む量そのものが判断の妨げになります。

粒度の目安は単純です。その商品を選ぶために必要かどうか。選んだ後に必要な情報、たとえばお手入れ方法や詳細な仕様表は、折りたたむか別ページに置きます。

逆に、選ぶために必要な情報は、折りたたんだ時点で読まれないものとして扱います。開かせる前提の設計にしないことです。

自社ECを運営して分かった、書き足すと問い合わせが変わる項目

かいなは自社でECを4サイト運営しています。カニのギフト専門店「かにと。」では、年末に贈り先の住所入力でつまずく問い合わせが増えます。

これは商品の魅力とは関係のないところで起きています。届け先を自分以外にする手順を条件の層に先に書いておくと、問い合わせの中身が変わります。

「猫のための木工所」では、サイズよりも「うちの子が乗るか」を聞かれます。寸法表を厚くしても減りません。体重や性格の目安に翻訳して、はじめて迷いが解けます。

なお、読みものやブランドストーリーを別サイトに置いている場合は、粒度の前にサイトの分断を解く必要があります。かいなのHAKOBはその構成を前提にしています。

比較検討型の商材で、商品ページ単体では解けない範囲

比べる相手が同じサイトにいても、並べる場所がない

比較検討が必要な商材では、1ページの中で判断が終わりません。型番違いや仕様違いを行き来して、並べて見たくなります。

ところが多くのECでは、比べるためにタブを複数開くか、記憶に頼るしかありません。ここで落ちる人は、商品ページの出来とは別の理由で落ちています。

商品ページを何度直しても数字が動かないときは、まずこの範囲を疑います。直す対象が、そもそもページの中にないという状況です。

絞り込みと比較を、商品ページの外側に足すという考え方

解き方は2つあります。カート本体やテーマを改修して一覧と比較を作り直すか、外側にレイヤーを足すかです。

かいなのERABは後者の考え方です。既存のECには手を入れず、選ぶ体験だけを拡張します。読み取り専用の連携なので、本体の動作に影響しません。

多軸の絞り込み、スペックの並列比較、紙カタログのような見開きの一覧。どの型が合うかは、お客様の迷いの正体で決まります。

情報設計を直す前に決める、判断の分かれ目

この設計をすすめないのは、選択肢が一覧で足りているEC

商品点数が少なく、違いが一覧で見て分かるECには、比較機能や多軸の絞り込みをすすめません。選択肢が並びきっているなら、足すのは手間だけです。

単品リピートの商材も同じです。比べさせるより、定期の条件と解約のしやすさを条件の層で明示するほうが効きます。

商品ページの情報設計そのものも、点数が少ないほど手を入れる範囲は狭くなります。第1層と第2層を整えれば足りる場合が多いと考えています。

迷いが「どれを選ぶか」か「買うかどうか」かで、直す場所が変わる

判断の分かれ目はここです。迷いが「どれを選ぶか」なら、直すのは一覧と比較、つまり商品ページの外側になります。

「買うかどうか」なら、直すのは商品ページの中、とくに条件の層と迷いを解く層です。同じ離脱でも、手を入れる場所は逆になります。

見分け方は行動の跡に出ます。一覧と詳細を何度も往復しているなら前者、詳細に長く留まってから離脱しているなら後者です。

売り方そのものから組み直す段階であれば、カート選定の前に設計を決めるECサイト構築の考え方も合わせてご覧ください。

商品ページの情報設計について、お気軽にご相談ください

商品ページは、良さを積み上げる場所ではなく、判断の続きを引き受ける場所です。順序と粒度が整えば、同じ写真と同じ言葉でも読まれ方が変わります。

そのうえで、迷いが「どれを選ぶか」にあるなら、ページの中だけでは解けません。既存のECに手を入れず選ぶ体験を足すERABという選択肢も含めて、現状の構造からご一緒に整理します。

かいなは自分たちでもECを運営しているので、直す順番の話を運営の現実に合わせてお話しできます。まずは30分の無料相談で、いまのページのどこから手を付けるかを見立てるところからどうぞ。