ヘッドレスEC構築の費用と期間が何で変わるのか、移行前に決めること
2026.09.14
ヘッドレスECのご相談で最初に聞かれるのは、たいてい費用と期間です。「うちの規模で現実的なのか」を先に知りたい、というお気持ちはよく分かります。
ただ、検索して出てくる相場表を見ても、判断はあまり進まないのではないでしょうか。同じ「ヘッドレスEC」という言葉が、まったく違う作り方を指しているからです。
かいなの見立てはこうです。ヘッドレスECの費用は構成の名前では決まりません。フロントでどこまで自由にしたいかと、移行で何を守るかの2つで決まります。この記事では金額そのものより、金額が動く場所を書きます。
CONTENS
「ヘッドレスは高い」と言う前に、かいなが料金表を出さない理由
費用の話をする前に、かいなが料金表を掲載していない理由から書きます。ここに、見積もりの読み方がそのまま入っているからです。
自分ごとでない価格は、高いか安いかしか読めません
かいなは全サービスで料金表を出すのをやめました。価格が最初に目に入ると、内容ではなく金額だけで判断が終わってしまうからです。
自分の要件と結びついていない数字は、高いか安いかの二択でしか読めません。基準額の感覚も年々変わります。だから先に予算の幅を伺う形に変えました。
同じ「ヘッドレスEC」でも、作り方の幅が広すぎます
ヘッドレスと呼ばれる案件は、既存テーマの一部だけをAPIで置き換えたものから、フロント全体を作り直すものまであります。
この幅をひとつの相場表に押し込むと、いちばん軽い作り方の金額だけが一人歩きします。見積もりを見て「聞いていた話と違う」となるのは、たいていここが原因です。
だから、金額が動く場所のほうを書きます
読み手が使えるのは平均額ではなく、自社の要件でどこが増えるのかという見当です。増える場所が分かれば、要件を削るか、順番を変えるかを自分で決められます。
次に挙げるのは、かいながヘッドレスECの見積もりを組むときに、実際に金額が動く場所です。
ヘッドレスEC構築の費用が動くのは、機能の数ではなく3か所
フロントで自由に組むページの型が、いくつあるか
費用に一番効くのは機能の数ではなく、ページの型の数です。一覧と詳細とカートだけで足りるなら、ヘッドレスにする理由はほとんどありません。
産地や製法の読みもの、特集、比較、ギフトの選び方。こうした型が増えるほど、設計と実装が積み上がります。
目安はひとつです。一覧・詳細・カート以外に作りたいページの型を紙に書き出し、3つ以上あるかどうかを見てください。
商品情報を、構造として持ち直すかどうか
かいなは猫のための木工所という、国産無塗装天然木の猫家具ECを自分たちで運営しています。
大型の家具は、サイズや設置条件、重さで選ばれます。ところがその情報は、商品説明の文章の中に埋もれていることが多いのです。
文章のままでは絞り込みにも比較にも使えません。属性として持ち直す作業が必要になり、ここが費用の分かれ目になります。商品点数が多いほど大きく効きます。
公開後に、誰がどれだけ更新するか
かいなは自社ECを4サイト運営していますが、構成の良し悪しが分かるのは公開の日ではありません。新商品を出す日です。
SOREDAKEは「めんどくさいを否定しない」というコンセプトで品揃えを束ねているので、読みものと商品の距離が近いほど、説明が短くて済みます。
逆に読みものと商品が別のシステムに分かれていると、1回の新商品で手が二度動きます。この二度手間を消すためにいくら払えるか、が投資判断の実質です。
ヘッドレスECをすすめない規模と、状況
テーマ構築で足りる規模なら、そのほうが早く出せます
商品点数が少ない、ページの型が一覧と詳細で足りている、読みものを継続的に作る予定がない。この3つが揃うなら、テーマ構築をおすすめします。
ヘッドレスの価値は自由度です。使わない自由度にお金を払うと、保守費だけが残ります。
売り方がまだ固まっていない立ち上げ期も同じです。まずはECサイトの新規構築で小さく出して、売れ方を見てから構成を決めても遅くありません。
広告とLP主体で回している場合は、手を付ける順番が違います
広告からLPに着地させて売る運営では、フロントの自由度よりも、フォームと計測とオファーの改善が先に効きます。
この状態でブランドサイトとECを統合しても、売上の出どころが変わらないため効果が見えにくくなります。定期購入やLP販売が中心なら、ecforceのようにカート側の作りに寄せたほうが合います。
コンテンツを書く人が決まっていないと、器だけが残ります
統合の効果は、読みものから購買まで一本でつながることで出ます。書く人がいなければ、つなぐ中身がありません。
月に何本を、誰が書くのか。社内で名前まで決まらないうちは、この投資は後回しでかまいません。かいなはその場合、先に撮影と原稿の体制づくりからご提案します。
BASICとADVANCEの分かれ目と、既存サイトからの移行で決める4点
BASICが合うのは、読みものを社内で書き続けたい場合
HAKOBのBASICは、WordPressで組むフロントとShopifyのAPIを組み合わせる構成です。
費用と期間は、読みものの量や連携する範囲で変わります。Shopifyのカート費用とサーバー費用は別途かかるため、全体の概算は無料相談でお伝えしています。
編集画面に慣れた担当者が読みものを書き続けられること、既存のWordPress資産を活かせること。この2つが効くなら、BASICで足ります。
ADVANCEに寄せるのは、表示速度と独自の探し方を取りに行く場合
ADVANCEはNext.jsとShopifyの構成です。BASICより作り込む範囲が広がるぶん要件による差も大きいため、ヒアリングのあとに正式なお見積もりをお出しします。
分かれ目は表示速度と検索の軸です。商品点数が多く、独自の軸で絞り込みや比較をさせたいなら、ADVANCE側に寄ります。
逆に、表示がわずかに速くなっても購買行動が変わらない商材であれば、その差にお金を使う必要はありません。
移行の前に確定させる4点
既存ECからの移行で価値を落とさないために、かいなは先に守るものを決めます。
- 会員と購入履歴のデータ
- 積み上げてきた検索評価(URLとリダイレクト)
- 決済とポイント
- 定期契約
この4点の引き継ぎ方を移行計画書で確定してから、新しいサイトの設計に入ります。順番を逆にすると、公開した瞬間に売上が落ちます。
移行そのものの進め方はECリニューアル・カート移行のページに整理しています。
期間が延びるのは実装ではなく、決めごとが揃わないとき
構築期間が延びる理由は、ほとんど実装ではありません。写真と原稿、そして先ほどの4点の判断が揃わないときです。
特に定期契約と会員パスワードの扱いは、カート側の仕様で選択肢が変わります。ここを後回しにすると、設計からやり直すことになります。
決裁者が明確で、素材が先に用意できている案件は見立てどおりに進みます。期間は制作会社の速さではなく、決める速さで決まると考えてください。標準的な期間の目安はHAKOBのページに載せています。
ヘッドレスECの費用と期間、お気軽にご相談ください
ヘッドレスECの費用は、構成の名前ではなく要件で決まります。ページの型がいくつ要るか、商品情報を持ち直すか、移行で何を守るか。
この3つに自分たちの言葉で答えが出せるようになると、見積もりの読み方が変わります。金額の高い安いではなく、どこを削れるかで話ができるようになります。
かいなは自社ECを運営しながら、HAKOBでブランドサイトとECの統合を手がけています。30分の無料相談では売り込みをしませんので、現状の診断だけ持ち帰っていただいてもかまいません。
いまのサイトのどこに費用がかかりそうか、一緒に見当を付けるところからお気軽にご相談ください。