ECサイトのスマホ対応は表示速度も意識しよう
2020.06.09
スマートフォンでの閲覧はインターネットの利用としてはもはや主流です。そのため、スマートフォンのブラウザに対応することは、ECサイトとしては必ずやらなければいけないことです。制作や管理の現場ではどうしてもPCで行われますが常にスマホファーストを心がけて制作する重要性と、運営時に知らすにおこすスマホ閲覧への妨げについて解説します。
CONTENS
ECサイトはレスポンシブ対応が今や常識
スマートフォンの普及が進んだことはインターネットの利用者数を格段に伸ばしました。結果的に幅広い世代でインターネットに触れ合う機会が多くなり、ECの普及にも一役買っています。そして結果的にはECでの販売数も実際に多くなっています。
実際にどんなデバイスでネットサーフィンをするかの割合をスマホとPCで比較すると、2015年頃を境にスマホでの利用者が増加し続けています。実際、PCは自分用のものをもっていないという10代〜20代の若い層でもスマホは持っています。また、ガラケーから次々とスマホに買い替える流れはほぼ完了し、今まではネットに触れ合わなかった高齢者世代や主婦層にまでふくれあがっています。その結果、スマホの利用率は爆発的に伸びました。今ではインターネット上のサービスをスマホで利用するという者が大多数を占めています。また、専用のアプリを開発しユーザーに合わせて利用できるように工夫されています。
ECのなかでもことBtoCにおいてはスマホに対応しないサイトでは勝負にならなくなっています。また、今までの考え方ではPC用のブラウザをベースにスマホサイトを構築するという流れですが、そうした面でも逆転減少が起きており、スマホサイト指向に構築のリソースの9割を割くといったケースも出てきています。実際にそれで売上アップにつながるケースもあるため、これからはそれが本流になっていくことが予想されます。
こうしたことはもしECサイトにGoogle Analyticsなどの分析ツールを組み込んでいるのであればすぐに実感出来るはずです。Google Analyticsでは訪問したユーザーのデバイスやブラウザが確認できますが、その多くは実際にスマホではないでしょうか。また、運営を実際に担当されている方はもし対応できていなければ、すでに対応にあたっているはずです。
表示は「スマホファースト」でもよいECサイトの現状
スマホは手軽にいろんなサイトを閲覧できますが、入力ではPCに劣るため、開発となるとPCベースになりがちです。ECサイトを初めて構築しようと考える初心者の方にとっては、どうしても自分が今見ている環境を優先してしまいます。しかし、今やほとんどのユーザーがスマホでサイトを閲覧しているということは常に頭に置いておかなければいけないことです。
ECサイトの作り手側としては、いろいろなことに対してスマホユーザーに配慮しなければいけません。結局のところ、レスポンシブ対応というのは、デザイン要素だけ、スマホブラウザの画面にフィットしたものでは足りません。BtoCを強く意識する商品であれば、入力項目やスクロール時の操作性などすべての利用者側で行う操作についてスマホでの動作のスムーズさを考える必要があります。
スマホは手軽に操作できる分、手軽に離脱もしやすくなります。「文字が読みにくい」「左にずらさないと全部読めない」などの理由でも離脱に繋がります。
重いサイトは離脱の原因
スマホサイトの軽さは正義
スマートフォンはPCとインフラの面でも違うことを抑えておく必要があります。一つは処理能力の問題です。さいきんのスマートフォンに積まれているCPUは小型で高速な処理が可能になっていますが、PCと比較するとやはりおとります。
スマホに対応したサイトは比較的シンプルなデザインになっていますが、これはスマホの画面に合わせてスッキリと見えやすいということだけが目的ではありません。処理にかかる負荷を減らす目的もあるのです。
また、これはスマホの処理能力の問題だけではありません。現在は自宅でも会社でもPCでの閲覧を行うという場合は自宅に光ファイバーや有線など、高速のインターネット接続が可能になっているのが一般的ですが、スマホユーザーは携帯電話の通信回線に頼っているケースが多く見られます。4Gが普及したことで、以前とは比較にならないほど回線速度は上昇しましたが、速度制限などもあり、やはり軽いデータで表示できたほうがネットサーフィンには有利です。
2020年1月に大手ソフトウェア会社が行ったアンケート結果を発表しています。その中で「ページの閲覧時に読み込みが遅くて離脱した経験」を尋ねています。これを資料に中身を確認して見ると、なんと半数は「はい」と回答し、実際に離脱の原因になることが確認されています。
画像データは最適化しよう
もし、初期構築では表示速度などに注意して作られていたとしても、運営中に注意しなければいけないポイントがあります。それは写真などの画像データの取り扱いです。
以前はウェブに情報をあげることはWEB制作に関わる職業が専門的に行うことが多く、ウエブにあげる写真もそれに合わせて「最適化」という作業が行われていました。
たとえば写真ではPNGやJEPGといったファイル形式のものが主に使用されます。実際に写真データはデジタルカメラなどで撮影されたものをそのまま使用すると比較的大きなサイズになっています。もし、そのデータを圧縮等の作業をせずに掲載すると、表示する時にデータの読み込みに時間がかかります。そのため、必ず最適化という作業を行うことが推奨されます。
商品ページの写真をアップロードする前にこうした作業が必要になります。写真自体は構図なども考え、美しくとれていたとしても、そのままあげてしまうとデータとしては重くなります。
そのままでは結果的に読み込み速度に影響を与え、快適な閲覧に支障をきたすことになります。さらには直接的なサイトからの離脱の原因になるだけでなく、検索エンジンからの評価にも影響します。サイトの平均閲覧時間や表示速度はGoogleのアルゴリズムで測定される項目でもあります。表示速度の遅い原因が画像であるのなら、対応すべき項目です。
ECでの成功はハード面ではスマホ対応は必須
表示速度が重要ということについてはご理解いただけたかと思います。改善するにはGoogleで提供するGoogle Analyticsに付随するSeachconsaleでも調べることができます。サーバーにスクリプトを設定しておくことで、サイトのパフォーマンスを確認することが可能です。
ただし、のぞいてみても以外に専門的な項目が表示されてよくわからないということもあるかもしれません。また、そもそもの構造的な問題という場合は、改修を検討すべきタイミングの可能性もあります。
いずれにしても「ECで成功したい」「売れるネットショップを目指す」というのであれば、ハード的な面では、スマホ対応は必須、むしろ特化しても結果として返ってくる可能性は十分にあるということを念頭に置いて取組む必要があります。