ECサイトのユーザー滞在時間をどう運営に生かすか

2020.11.24

サイトの運営での重要な指標として滞在時間があります。これはECサイトに限らず、全てのサイトで、セッション数と共に測定される共通した指標です。滞在時間はしっかりと発信している情報が伝わっているかを示すものでもあるからです。

実際に、この滞在時間を分析で活用するには、データとして少し癖があるため、読み込むのに工夫が必要です。直接的にSEOには影響しませんが、滞在時間を直帰率と合わせて分析することでわかることは少なくありません。ここではECサイトの滞在時間について解説します。

分析ツールで確認できる滞在時間

「滞在時間」とは、特定のサイトやページにユーザーがどのくらいの時間とどまっていたのかを示すものです。

多くの分析ツールでは必ずこの滞在時間の項目があります。もし、ASPを利用していて特定の分析ツールを使っていなくても、管理画面の分析ページにいくと滞在時間の項目があって、確認できるようになっていないでしょうか。

分析ツールとしては無料で利用することができ、様々な項目について計測できるGoogle Analystic(アナリティクス)が普及しています。ちなみにGoogle Analyticsでは滞在時間を「セッション時間」と表記しています。呼び方が違うだけで同じ項目です。

たくさんの訪問数がサイトにあったとして、2〜3秒でサイトから離脱していなくなってしまうようなユーザーは、瞬時に自分にとっての要不要を判断して、離脱していまったユーザーです。こうしたユーザーは そのECサイトの顧客にすることは困難です。こうしたユーザーも分析ツールは「直帰率」という数値で洗い出します。

逆に一定時間サイトに留まり、ページを丹念に回って閲覧しているようなユーザーは、何か購入しようと考えている可能性が高くなります。このようにある程度滞在時間の長いユーザーを増やしていくことがECサイトの売上上昇に欠かせない要素です。

滞在時間の算出は、ユーザーが離脱した最終ページへ飛ぶまでの時間を計測して割り出します。そのため、最終ページの閲覧時間数、つまり離脱ページでの滞在時間がこの計算方法では含まれません。ツールによっては平均のページあたり最大時間を加算していたりすることもありますが、今のところ完全に正確なものを計測するのは困難です。

滞在時間の計測

もう少し、滞在時間の算出について説明します。

サイト全体の滞在時間よりも、ある特定のページの滞在時間で考えた方がわかりやすいので、まずはそちらを説明します。

計測の始まりは、そのページに着地した時点で開始されます。もし10:00であれば、この10時ちょうどの時間から計測が始まります。そしてサイト内の別のページに移ったのが10:05であれば、その差である0:05がそのページの滞在時間です。

計測の時に問題になるのはサイト内のページではなく、他のサイトに移ってしまった場合です。分析ツールでは、サイト内での行動は追えても、その後は追えません。一体、何時何分に他のサイトに移ったのかということはわからないのです。最終離脱ページの計測値は0秒として計上するしかありません。

そのため、1ページだけを見て、そのまま離脱されてしまった場合、「そのページの滞在時間は未知数」ということになります。そのため、こうした分析ツール自体はまだまだ厳密なものではありません。また、分析ツールごとに滞在時間の算出方法が異なっているので、注意しておく必要があります。

滞在時間はSEOには影響しないが重要な指数になる

検索エンジンにより、狙いをつけたキーワードでの検索結果を上位にしていくための施策がSEO(Search Engin Optimazation)です。日本語の方が意味はわかり易いかもしれません。「検索エンジン最適化」という意味です。

サイトの滞在時間はSEO対策を行う専門家によって、評価対象かどうか意見がわれていました。これについてGoogleは公式に「影響しない」としています。

具体的になぜ、この滞在時間を評価にいれていないのかは不明ですが、Googleが洗い出す数値として、少し曖昧だからかもしれません。例えば、サイト閲覧中に別のブラウザやタブを開いて、別のサイトを見て、再び、また元のサイトの閲覧に戻った場合には、実際の数値よりも滞在時間が長く計測されることになります。

こうした行為により意図的にコントロールすることも可能な数値ともいえます。判定基準に入れることで検索結果のユーザービリティを下げる可能性があると考えているのかもしれません。

ただし、この滞在時間はサイトの評価を自らする上ではとても重要な数値であるということには変わりありません。つまりSEOに関係ないからといって重要ではないということではありません。

実際にサイトの内容を閲覧者に届けられているかどうかを表す重要指数であるという認識は外さないようにしてください。

サイトのアナライズなどを仕事にしている人にたまに見られますが、全ての事柄を「SEOとして有効かどうか」を基準に行動することは危険です。SEOはあくまで検索エンジンの評価をあげるためだけの施策です。

実際にサイト内の行動やコンバージョンを約束するものではありません。そしてECサイトにとって、もちろんSEOは重要ですが、商品が購入されて初めてストーリーが完結するということは忘れないようにしましょう。

ユーザーがアクティヴかどうか、どこで離脱したか

ECサイトでは、滞在時間からどういったことが読み取れるのでしょうか。ECサイトで、もし何かを購入しようと考えているのであれば、平均でも3分以上はそのサイトに滞在しているはずです。

商品の詳細を読み込み、購入を検討するだけで3分、秒に換算すると180秒程度は必要ではないでしょうか。もちろん、サイトの構造などによって、この数値は伸び縮みするので、一概にいうことはできません。ある調査ではECサイトの購入顧客は平均4~5分は滞在しているという情報もあります。

まず、こうした滞在時間の情報の見方としては平均滞在時間を見る方法があります。平均滞在時間は、集客に対し、即離脱するようなユーザーが多いと下がっていきます。そのような場合は、集客方法の見直しが必要です。WEB広告やSNS投稿などで拡散力は発揮しても、しっかりと顧客見込み層にリーチしていない可能性があります。

そのため、しっかりと戦略を立て直す必要があります。

個別に滞在時間を見ていく場合は、そのユーザーがどういった行動をサイト内でとっているのかといった視点で行動分析に利用するという方法があります。そうした場合、どこで離脱したのかも見てみると良いでしょう。

また、ページ別に平均閲覧時間を見てみるという方法もあります。もし、平均閲覧時間が長く、かつしっかりと商品も購入されているのであれば、商品ページはしっかりと作られているということかもしれません。もし同じような滞在時間のページがあり、比較した場合に片方の販売数があまり伸びていないようであれば、何か疎外要因があるのかもしれません。

もちろん、価格などの要素で売れにくい商品もあるので一概にはいえませんが、関心を集められているのに、購入に至らない要因があるということを示唆しているため、一考の余地はあると考えるべき状況と言えるでしょう。

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滞在時間が長ければ購入可能性は上昇する

そもそも、自然検索にしても、SNSでの誘導にしても、もちろん広告にしても、「流入してサイトに訪問する」という状況は、「ユーザーが関心を持ったから」に他なりません。

インターネットでの行動は、基本的にユーザーの積極性に依拠しています。広告が効果を示すのは、キーワードに紐づいてユーザーの興味や関心とつながっているからです。

ですのでECサイトは販売するための場ですが、集まってくるユーザーはあくまで「関心のある人たち」です。

そうした中で、直帰率が高かったり、滞在時間が数秒というようなユーザーばかりという状況は、何か問題があるとしかいえません。実際のところコンバージョンするユーザーはECサイトでは1%と言われていますが、判断材料をしっかり吟味されないうちから「不要」と判断されているのであれば少し考えなければいけません。

もちろん、巡回ボットなども今では多数存在するので、例えば「全てのユーザーの滞在時間を5分にしよう」という目標の建て方はどうかと思います。しかし、少しでも滞在時間を伸ばすために工夫する姿勢は、必ずコンバージョンにつながります。

だからといって滞在時間を伸ばすために、わかりづらく長い文章や、意味のない画像をたくさん掲示するなどは無意味です。それこそ、あっさり離脱に繋がります。

また、別のページに遷移したとしても元いたページへ戻りやすくする工夫も忘れないでください。閲覧者はどれを購入しようか迷っている可能性もあるからです。

しっかりと意味の伝わる内容の商品ページを作ってください。適切な滞在時間は実のところ存在しませんが、出来上がったページをどれくらいで読み込めるのかは実際に実測してみても良いかもしれません。そうして測定した数値を目安として分析ツールでの滞在時間を参考にしてみるという方法も悪くありません。

そして、大前提は、ユーザーにとって有益な情報を提供することで、時間を経過させることです。滞在時間を伸ばすことを目的にせず、あくまでもユーザビリティを念頭においてください。

また、滞在時間ばかりではなく、遷移の状況もみてみることでわかることもあります。たとえば、近い商品で行ったり来たりしているユーザーが多い場合があります。こうした場合は商品同士の比較ページを作って着地点にすることも悪くありません。ユーザービリティのいいページはそれだけ信頼感もあがり、購入意欲を増進させるからです。

滞在時間についても同じことです。長い滞在時間を単純に指標にするのではなく、その中でユーザーがどういった風にサイトを捉えているのかを感じることがコンバージョンに繋がる分析といえます。

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