「ECとは?」をユーザーとお店の視点で考えてECサイトにいかそう

2020.08.04

「迷った場合は初心に返る」とよく言われます。これはECサイトでも当てはまることも少なくありません。いろんな情報が溢れている中で「そもそもECってなんだけっけ?」という状態になっていないでしょうか。いろんな解釈が氾濫することもある現代では、本来の意味をもう一度見直すことで次のステップに向けて進めることも少なくありません。ここでは「ECとは?」という問いについて解説します。

まずはECとは何なのかを掘り下げてみよう

今やECサイトはいろんな企業だけでなく、個人でも趣味のものを販売するようになってきました。「インターネットで購入できる」ということのメリットは新型コロナウイルスの影響もあり、その数はさらに加速しています。その結果、インターネット上も含めていろいろなハウツーが溢れており、中には相反するような情報も出て来ています。

そうした中でECサイトの担当者として「ECとは何か」を通して、シンプルに考えてみるのも情報を整理するきっかけになります。

ECとは「電子商取引」のこと

ECサイトは「Electronic Commerce(エレクトリック・コマース)」の略称です。和訳すると電子商取引、つまりコンピューターを使ったビジネスのことを指します。そのためECサイトとはコンピューターを使って取引のできる場所のことを指します。いわば電子世界にあるお店です。日本ではオンラインショップとほぼ同義語として扱われています。事業者から見た場合はECサイト、ユーザーからオンラインショップやネットショップなどといわれます。

ECの概念自体は以前からありましたが、ECの特徴はインターネットの普及によって爆発していきます。Amazonが大企業になったのもインターネットの普及がなければ実現しなかったでしょう。それでは何がすごかったのかということですが、それは距離を超えていろんな場所で取引が可能になったことにつきます。

ECサイトの普及で重要だったのはもう一つあります。「購入できる」ということです。逆の見方をすると「販売できる」ということです。つまり、遠隔での決済が可能になったことで、普及の背景にはインターネットと決済があります。インターネットの普及は移動や商品の選択などの行動を簡略化し、決済方法は実際の金銭の移動を代替えすることで、商取引を成立できるようにしました。

また、時間も関係なく売る・買うということができます。

ECのハウツーはこうしたことに付随して出てきたにすぎない、というと少し極端で暴論ともいえますが、さまざまなノウハウは、そのやり取りをさらにスムーズにするために蓄積されてきたといえます。

その過程で、環境に合わせてどう対応するのがよいのかを考えているに過ぎません。

たとえば、もし検索エンジンが普及しなければ、それに向けて行うSEO対策などは不要です。かわりに一生懸命にURLを配りあるく方法を模索していたに違いありません。決済方法が発展しなければ、如何に現金でやり取りするかについて工夫したことでしょう。

つまり、実はやることの方向性はシンプルにこの2つです。如何に「サイトが拡散して閲覧しやすいか」ということと「購入しやすいか」という基本の視点を外さないことが重要だということです。どんな種類のショップであっても構築や運営を行う者にとっては基本中の基本といっていいでしょう。

自社サイトでのECサイトの立ち位置

ECサイトは自社内でどういう立ち位置にあるか社内全体で考えたことはあるでしょうか。おそらく多くの企業では、担当者と関係する経営層、また、その周辺くらいではないかと思います。

実際のところ、業務を推進する上で重要なのは担当者以外も含めたこうしたポジションや認識だったりします。実は「簡単なもの」「経費がかからない」くらいにしか思われていないことは少なくありません。

しかし、実際には先の2点を考えるとそれを伸ばしていくということは簡単ではありません。また「多くの人の目につく可能性」のあるものでもあり、看板でもあります。単純にネットで販売できる場が欲しいということであれば、Amazonや楽天などのモール型ECに出店するのでもよいでしょう。しかしそれなりに成果や利益を考えて自社サイトを運営しているのであれば、社内認識を高めていくことは重要です。

実際に経費がかからないという点においては、実店舗と比べてのことといえます。まったくかからないわけではなく、無料のASPを選んだとしても運営にはそれなりに手間がかかり、管理していく必要があります。構築にもそれなりに費用が必要ですし、耐用年数もあるので定期的にリニューアルを考える必要があります。

なによりユーザーはECサイトを通してその企業を見ているということを考えるべきです。これは実際のところ、悪いことばかりでもありません。会社の姿勢を世間にプレゼンテーションする場でもあります。

もし、ECサイトを通して共感してもらうことができれば、ユーザーはファンとなり、企業を支える力になってくれるでしょう。逆に違和感を持てばその評価は拡散して、足踏みの原因になる可能性もあります。

ユーザーにどう考えられているかであり方も考えるべき

ユーザビリティやユーザーインターフェースを考えることが売上アップには欠かせません。それは結局のところ利用者目線になることで安心感が高まり、快適さを感じるからです。

ECサイトは事業者側が「私たちはこうです、この商品はこうです」と示す場です。これはサーバーにデータを置いて利用するWEBという仕組み上、オンラインショップの宿命とも言えます。つまり、作り手の情報が一方的に受け手に伝わります。インターネットは相互通信などと言いますが、やはりサイト上では送り手のイニシアチブがものを言います。実際に顧客に手取り足取り接客ができない以上、サービスのすべてはそこにあるからです。

そしてユーザーの選択肢は、不快であったり、興味がそそられなければそこから離脱するという選択肢があるのみです。

もしそうした状況で、ユーザーに寄り添わずに情報発信をしていたら、取引は成り立つでしょうか。誰が考えても難しいと応えるに違いありません。

そうして考えると、ユーザー目線でいかにシステムや機能を構築できるかが、サイトの閲覧者をもてなす唯一の方法といえます。だからこそユーザビリティの高いサイト作りをめざすべきなのです。

ユーザーインターフェースについては以下の記事でも解説しているので参考にしてください。

【参考】ECサイトをよくしたいならUIについて考えよう

企業の姿勢をいかにユーザーにすり合わせるか

ここで重要なのは、ただユーザーに合わせると芯のないサイトが出来上がる可能性があることです。実は、人間はすべてについて能動的ではありません。享受される情報を楽しむという性質があります。

つまりは商品や企業のプレゼンテーションはある程度、要望されていると考える必要があります。しかし、先述したとおり、押し付けても意味がありません。そのため、ユーザーに合わせながらもブランドのイメージをいかに示すことができるかが重要です。

こうしたことを考慮して作り込んでいくことで、ユーザーをファンにしていくのがブランディングです。大げさなエンターテイメントではありませんが、如何に心地よく刺激を与えることができるかが重要です。また、これはサイトの作りだけに関わることではありません。ブランディングは検索されたところから始まり、購入を決定して、商品が届き、パッケージを開けて使用するところまでが重要なのです。

その中で物語を描いて世界観に引き込むことを目指すことです。ECサイトの運営はいかに「EC」から飛び出していけるかが今後さらに重要と言えるでしょう。ECサイトやそこで販売した商品を通してユーザーと繫がれるサイト作りができれば、ECの目的である最初の2つはクリアしやすくなるでしょう。

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