【SEO】あなたのサイトはGoogleが2020年9月と宣言したモバイル対応は十分にできているか
2020.09.28
ECサイトを開設してインターネット上の販売チャネルを持つ事業者が増えています。同業者が乱立する中でSEOを意識する重要性は高くなってきています。ここではGoogleの動向やこの9月のタイミングでのオフィシャルな発表を基にSEO傾向と対策について解説します。
CONTENS
コンテンツはタイムリーにアップデートを
5月にGoolgeが行ったコアアップデートでは、検索結果の現れ方に大きな変化が起きています。その後、傾向としては検索結果の下位にいるほど変動は激しく、また上位でも数週間で入れ替わりやすい傾向があります。これは、現行のアルゴリズム自体がそのように組まれていると考えた方が良さそうです。
その後、小さなアップデートは何度か行われているようです。また、8月はちょっとしたGoogleでのインデックスに関するエラーをきっかけに大規模に検索結果が変動するといったトラブルもあり、大きな騒動にもなっています。
8月のアップデートについては下記記事を参考にしてください。
【参考】【SEO】Googleの検索アルゴリズムが繊細であることを示した8月のエラー
こうした変動の起こりやすさは情報のタイムリーさや鮮度が検索結果に反映しやすくなっているからということがあります。そのため、ECに限らずサイト運営者は順位変動に関わらず、情報の鮮度に応じてコンテンツを修正していくことが必要です。「世の中の状況と合わせて情報は常にアップデートしていかなければいけない」ということは、インターネットでのコンテンツを発信していく全ての人が意識しなければいけません。
9月には実施されていないモバイルファーストの対応強化
5月以前から、モバイルファーストインデックス(MFI)と呼ばれるレスポンシブというだけでなく、まさにモバイルサイトを中心にした評価によって検索結果を決定するとGoogleは宣言していました。その傾向は現在もすでに出ていますが、大規模に行っているという感じは未だありません。
5月のアップデートについては下記の記事を読んでいただくと詳しく解説しています。
本来であれば5月でのコアアルゴリズムアップデートで実施される予定でしたが、2020年9月後半でも行われていません。多くのサイト開発者はPCでの開発を行っています。スマホの小さな画面に開発環境を移行するのは困難ですが、テスト環境は持たなければいけません。また、モバイル環境に未対応のウェブサイトはそれなりに費用が発生します。
そこへ新型コロナでの混乱があったため、検索エンジンもライフラインとなっている今、Googleはその影響を考慮して、実施予定だったこの部分での大規模なアップデートを見送りました。
多くのSEOに関するサイトはこのアップデートに対応するのは9月に行うのではと予想していました。しかし、Google自体は延期したアップデートの時期については「今年の後半」とするに留め、明確には提示していませんでした。その後、Twitterなどでも順次対応すべきというような内容に止まり、具体的には示唆していません。しかし、いつ行われるかに関係なく、モバイルでのユーザビリティには注目すべきです。特にECサイトにおいてはこのトピックはSEO的な観点だけでなく、コンバージョンなどを考えても無視できない事柄といえます。
以下の記事もお読みいただくとモバイルへの適応について改めて考えていただけると思います。今後しばらくははモバイルサイトでのサービスのレベル向上がそのままSEOになるという状況になりそうです。
検索結果では情報の正確性を重視と改めて発表
Googleはこの9月に『Googleが検索で信頼できる情報を提供する方法』という日本語訳のタイトルでオフィシャルブログに記事を投稿しています。著者はGoogleで検索に関わる業務についているダニー・サリバン(Danny Sullivan)氏です。
英語の原文については以下を参考にしてください。
【参考】How Google delivers reliable information search
そこで記載されている内容はSEOを考える上で興味深いのでここでも解説していきます。サリバン氏は記事内でまず検索について情報の信頼性を高める基本的なアプローチとして以下の3点を行っていることを提示しています。
- 基本的なランキングシステムを設計して、「人々が有用で信頼できる」と考えられる情報を特定する
- こうした情報を補完するため、ウェブ上の全ての情報にアクセスするだけでなく、政府機関など当局からの情報を直接参照するシステムを開発
- 高品質で役立つコンテンツととして表示できるように、検索結果についての方針を策定する
というものです。この3点を常に基本にしながら改善し、開発を進めています。
ランキングシステムは、ざっくりいうとつまりはアルゴリズムを意味するわけですが、現在では簡単な記述ミスや類義語も類推するAIを使っています。主に英語では精度が高く機能しており、日本語でも同様な状況になってきています。
つまり、漢字で「店舗」と記述した場合、以前であれば「テンポ」と片仮名で検索したものや、同じ意味で「お店」と入力して検索した場合は検索されないとされませんでしたが、近年はこうした表記の揺れに対応しています。
これは完璧ではありませんが、検索対策として様々な表記を使うことは意味があまりなくなってきました。こうした言語理解のためのシステムは更新され続けています。これによって検索結果への関連性を高めているのです。
しかし、高く信頼できる情報に関してはこうした機能を備えていても人間のようにコンテンツを理解することはできません。実際のところ「何かが誇張されているのか、正しくないのか、品質が低いのか、それとも役に立たないのかを判断できないことがよくある」とサリバン氏は言っています。
そうした状況を補うために、検索結果には「シグナル」と読んでいるものをデータとして盛り込んでいます。その一つが関連性があり、信頼性の高い他のコンテンツからのリンク、つまり「被リンク」をあげています。
こうしたシグナルが正しく検索結果に影響しているかをGoogleでは人力で精査しています。検索結果はあくまでアルゴリズムを用いて提示していますが、その検索結果について現在、検索結果評価者として10000人を超えるスタッフが従事して評価しているとしています。検索結果の品質評価をするためのガイドラインが策定されており、それに基づいて評価がされますが、この結果が直ちに検索結果に反映するものではないともしています。
こうした評価は健康や金融、市民情報、緊急情報では特にしっかりとシステムを監視しています。そのため、専門家や専門緊急機関など、情報の発信元として信頼性の高い情報を評価できるようにしようとしています。
ポリシーに乗っ取って倫理観を持ってコンテンツ発信することが求められる
また、簡単な情報だけでなく、より専門的な情報も提供できるようAPIの開発を進める一方で、ナレッジグラフなど、検索結果としてより理解しやすい情報についてはしっかりとした方針(ポリシー)に乗っ取ってルールを策定し、運用しています。
例えば、差別的な表現が見られる場合は評価を下げる、誤った情報を拡散しないようにする、と言ったものが方針の一つです。近年では事実を装い、時には動画なども用いて巧妙に作られたフェイクニュースも問題になっていますが、Googleもどうやったらそうしたフェイクニュースを検索ランキングの評価から除外できるかに苦心しています。
ここで、一つ言えるのは、情報の正確性を今後より重視していく方針は強まっているということです。日本でも最近はアフィリエイターによる情報の捏造が問題になっていますが、ECサイトであってもコンテンツの正確性や社会的倫理観に基づいた常識的な情報展開やリテラシーが求められているということはしっかりと意識しておくことが重要です。
どちらにしてもインターネットでは嘘はバレやすく、また企業などは炎上すると恰好の的です。「これぐらいの表現ならいいだろう」という軽い気持ちで表現を脚色しすぎるのは最終的にSEO的にもマイナスになる可能性があることは覚えておきましょう。
よりユーザーへの真摯なサイト作りとコンテンツ発信がSEOにも求められる
記事を俯瞰して見ると、SEOというとどうしてもテクニック的に検索順位をあげるための作業というイメージが強くなりますが、実際のところ、アルゴリズムがマイナス要員として順位を下げる要素を排除し、その上でユーザビリティの高い情報を提供できるかが課題であるといえます。
これに合わせて、今後のモバイル重視の方針に合わせていくことが重要です。Googleはよりユーザーに対して真摯なサイト作りを事業者に求めているといえます。またモバイルファーストでは、サイトの読み込み速度なども確実に影響すると言われています。速度改善がどれだけ順位に影響するかは今のところ分かりませんが、似たような情報が氾濫する中で、そうした要素をシグナルの一つとする可能性は低くはありません。