【SEO】11月のGoogle動向〜年内アップデートの行方とCore Web Vitals
2020.11.27
2020年11月はSEO的に大きな動きはGoogle検索について感知されませんでした。それでも「年内におそらくアップデートはない」といったコメントが非公式ではありながら出されたり、Core Web Vitalsの検索評価への組み込みを来年5月に行うことが発表されたりといった情報でにぎわいました。
また、検索結果のパーソナライズについての動きも注目です。2020年11月のSEOニューストピックを拾い読みして解説します。
年内のアップデートはないという話だが
今年2020年は5月のゴールデンウイーク明けに大規模なコアアルゴリズムのアップデートがありました。このアップデートはパンダアップデートと呼ばれていいますが、その際、サイトのホスピタリティに関わる一部の項目については実施を見送っています。その中にはスマートフォンフレンドリーなサイトとしての評価などが含まれます。
こうした項目について、Googleは当初、この秋に行うという旨を伝えていましたが、結局年内には行われない見込みです。このあたりは以前の記事でも解説していますのでご確認ください。
【SEO】あなたのサイトはGoogleが2020年9月と宣言したモバイル対応は十分にできているか
また、アメリカではサンクスギビングデーがあり、年末のギフト商戦が始まっています。そうした状況下に置いての検索アルゴリズムのアップデートは混乱を招くことにつながります。
そのため、概ね大規模なアップデートは11月末の時点ではもう行われないであろうと考えられていました。
Google側ではこの時点で明言を避けており、最終的には内部のスタッフも「なんともいえない」と語尾を濁していますが、実質的にはアップデートの準備が整っても、この年末に差し掛かる段階でのアップデート実施は難しいと考えているニュアンスでした。
年々、オンラインショッピングが年末では盛んになってきていますが、今年はコロナの影響もあるため、状況を変化させることに対してはGoogle側もセンシティブになっています。そのため、この情報は完全に確約されたものではありませんでしたが、ほぼ大規模アップデートはないと判断していました。
つまり、当初はこの9月と言われていたアップデートも大規模には行われないと考えていたのが大半です。
しかし、結果的には12月に入って大規模アップデートを実施しました。
【参考】【SEO】Googleが2020年年末は大規模アップデートしないという予想に反して実施
一方で、5月のアップデート以降、少しずつ順位変動についての流動性は高まってきている雰囲気があります。検索結果のアルゴリズムにもAIを用いているわけですが、日々収集されるデータが常に検索結果を変化させています。大きな動きは少なくなってきましたが、常に小さく変動しているという状況が夏以降続いています。
小さなアップデートが行われてきた可能性についてはもちろんあります。8月には大規模な障害もありましたので、常になんらかの手は加えられていますが、それ以上に、現在のアルゴリズムがそういった動作をすると認識した方が良さそうです。常にユーザービリティとは何かをデータの中から検討している状態のように見えます。
来年5月に組み込まれるCore Web Vitals
今月発表された大きなトピックとしてはCore Web Vitals(コアウェブバイタルズ:以降CWV)についてでしょう。
CWVはサイトのユーザーエクスペリエンスに関わる要素ですが、これをGoogleは2021年5月から本格的にランキング要因に取り入れることを宣言しています。
CWSは以下の3つの要因で構成されます。
- ページの表示速度(LCP)
- ユーザー操作への反応性(FID)
- 視覚要素の安定性(CLS)
つまり簡単に解釈するとサイトのハード的な面でのユーザービリティを問うということです。Googleではこれらを「ページエクスペリエンスシグナル」と表現しています。つまり、この3つを使い勝手の良いサイトなのかの指標にするということです。
このような「ページの使い勝手のよさ」自体は以前からGoogleは評価基準に組み込んできています。例えばhttpsへの対応やモバイル対応などは、ユーザーのwebでの動向や使用環境を考慮して行われてきました。どちらも、Googleが対応しないサイトの評価を下げることを宣言した結果、大きくWEB業界全体が動きました。
結局のところ、Googleとしてはユーザー重視をアピールしたい流れもあり、また、実際にそうしているということに他なりません。
今回の対応では自身のサイトが、このCWSについてGoogleの評価基準を満たしているか確認をしていかなければいけません。その方法としてはSearchconsaleを覗いてみると確認できます。Sarchconsaleの「ウェブに関する主な指標」の項目で問題のあるURLをすでに確認できます。具体的にどういった部分に問題があるのかをレポートしてくれるので、それに合わせて対策していくことが重要です。表示速度などは該当するURLの速度阻害要因などをこまめに潰していくことが求められます。
Googleのクローラーはあくまで「一般的な読み込み速度」で検証を行うとしています。その一般的な速度が何をさしているのかは不明ですが、このあたりの評価はツールとしてSearchConsale頼みになっていきそうです。
一方で、情報としての有用性は検索結果の評価に対してはいまだに上位にあるとしています。そのため、情報面での充実は今まで通り、目指していく必要があります。
つまり、いくら高速で快適なサイトを作っても、サイトの情報がコピーだらけではSEOにはならず、評価されないということには変化がありません。
印象としては小手先のSEOテクニックはどんどん排除されており、結果的に正攻法でサイトの利便性を高めている事業者にその結果が微笑んでいく傾向を感じます。
いずれにしても2021年5月に向けてCWVを向上させるために多くのサイトは対応をしていく必要があります。
ECサイトにおいては、競合がひしめくジャンルの商材を扱うサイトほどシビアな対応を迫られることになりそうです。
キーワードによるパーソナル検索の本格導入が始まる
パーソナル検索やパーソナライズ検索の導入自体は2013年くらいから行われています。多くはローカルビジネスと結びつくものがメインでした。
こうした機能はSEOに少しずつ影響を与えます。また自分自身が検索結果評価を確認する場合には少し注意が必要です。今まではSEO的に警戒されていましたが、それほど大きなトピックにもなってきていませんでした。
しかし、ここに来てGoogleは日頃の検索キーワードなどから検索ユーザーの嗜好を分析して検索結果をパーソナライズする機能を盛り込んできました。下の参考リンクはGoogleのオフィシャルブログのものですが、七面鳥の肉や調理法を例に解説しています。
このブログでは「Carving」という単語を検索ワードに入れた時に、どう機能するかがユーザーによって異なることを説明しています。この「Carving」という単語は「彫刻」などの意味で主に使われますが、肉を切り盛りするという意味も料理の中では使われます。そのため、七面鳥と合わせて入力した場合、人によっては七面鳥の彫刻を表示したり、料理法を表示したりする機能を追加したとしています。
この記事は11月23日に公開されましたが現時点で、日本語対応はしていないようです。もし、評価に問題がなければ確実に日本語でも対応してくることになるでしょう。
少し心配したのは、興味のない、日頃検索しないワードは表示されないのかということです。しかし、実際のところは順位を個々のユーザーに合わせて変動させて表示させます。
こうした機能自体はECサイトのSEOについて、誤流入を減らすことになりますが、突発的な出会いは減らすことに繋がるため、両手をあげて歓迎できない側面も感じます。
実際に日本語での対応が始まった場合、かなり初期は混乱するかもしれません。基本的には単語の多様な意味に対応する機能ともいえますが、同音異義語なども多い日本語でどういったことになるのか、現時点では見守るしかありません。
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