ECサイトの集客の質は、二度目の注文が来るかで判定する
2020.10.16 2026.09.02 更新
広告も出している、記事も書いている、SNSも動かしている。それでも売上のグラフは思ったほど動きません。ECを運営していると、この時期が必ず来ます。
流入は増えているのに、注文はさほど増えない。増えた月があっても、翌月に同じだけ広告を足さないと元の水準に戻る。よくある行き止まりです。
一般には、集客の質はコンバージョン率で測ると語られます。かいなはそれだけでは足りないと考えています。集客の質は、その注文が二度目につながったかどうかで判定するものです。一度きりの購入だけを集め続けると、広告を止めた月に売上が消えます。
CONTENS
広告と検索とSNSの3つで足りるのか、いまの前提を整理する
集客手段は昔から、広告、検索、SNSの3つに整理されてきました。この分類自体はいまも有効です。変わったのは、それぞれの効き方のほうです。
WEB広告は、買うと決めた人の取り合いになっている
リスティング、ディスプレイ、リターゲティング、アフィリエイト、動画。仕組みの種類は増えましたが、共通しているのは入札で場所を買うという点です。
入札である以上、同じ言葉を狙う会社が増えれば単価は上がります。買うと決めている人が打ち込む語ほど、競争は激しくなります。
かいながこの数年で強く感じるのは、広告で会えるのは検討の最終盤にいる人に偏るということです。まだ迷っている段階の人には、広告だけでは届きません。
検索は、指名で来る人とそれ以外で別の施策になった
検索エンジンへの対策は、2つに分けたほうが手が動きます。ブランド名や商品名で探される指名検索と、それ以外の一般語です。
指名検索は、他のチャネルで名前を知った人が確かめに来る場所です。ここが整っていないと、広告やSNSに使ったお金がそのまま漏れていきます。
一般語の検索は、検索結果の景色が以前と変わりました。上位を取っても素通りされる語が増えています。
だからかいなは、一般語を広く狙う前に、指名で来た人が迷わず買える状態かを先に確認します。
SNSは拡散させる場から、保存して見比べる場へ
SNSは長く拡散の道具として語られてきました。自社で運用していて実感するのは、保存して後から見比べる使い方が増えたことです。
投稿が伸びた日と、注文が増える日は一致しません。保存された投稿から、しばらく経って指名検索で戻ってくる動きのほうがよく見られます。
フォロワー数だけを目標に置くと、この時間差が見えなくなります。追うなら、投稿を見た人が名前で検索したかどうかのほうです。
集客の質を、かいなは何で見ているか
質という言葉は便利ですが、測り方を決めないと会話が噛み合いません。かいなが実際に見ている順番を書きます。
購入率だけを見ていると、翌年に何も残らない
集客の質を購入率で測るのは自然な発想です。ただし購入率は、その月の広告の当たり外れでも動きます。
かいなが次に見るのは、その注文が二度目につながったかです。二度目が来る流入と来ない流入では、同じ1件でも意味がまったく違います。
初回の獲得が安く済んだ流入ほど、二度目が来ないということも起こります。安く集まった月ほど翌年の土台は痩せている、という見方をしています。
自社ECを4サイト運営して分かった、流入元ごとの手触り
かいなは支援会社であると同時に、自社ECを4サイト運営しています。ギフト、猫用の木製家具、セミオーダーの壁面収納、日用品と、性格の違う売り場です。
カニと北海道海鮮のギフトECは年末に注文が集中します。この時期に来る人は贈り先と予算が決まっていて、決断が速いです。
一方、国産無塗装の木で作る猫家具は情緒で選ばれます。写真を見て気に入っても、その日には決まりません。同じ広告の出し方をすると噛み合わないわけです。
自分たちの金と在庫で何度も試したので、流入元の良し悪しは商材ごとに違うと言い切れます。
お客様の顔が見えないまま、流入だけ増やしても判断は増えない
ご相談の入口はカート移行が最も多いのですが、掘っていくと、データはあるのに使えていない状態に行き着きます。
どの流入から来た人が二度目に戻っているのか。何をきっかけに買ったのか。ここが見えないと、次の予算配分は勘になります。
広告を足す前に、手元の注文データを流入元と購入回数で並べ直す。この作業のほうが、翌月の判断を速くします。
かいながすすめない集客の進め方
相談の場で、それはやめておきましょうと申し上げることもあります。判断の材料として3つ挙げます。
商品ページが整う前に広告を出す
広告は入口を広げる道具であって、迷いを解く道具ではありません。サイズや素材が分からないページに人を送っても、そこで止まります。
とくに確認したいのは送料と納期の記載です。自社で受注処理をしていると、この2つの問い合わせがどれだけ多いか分かります。
ここが空白のまま広告費を投じるのは、穴の空いたバケツに水を足す作業です。先にページを直すほうが、同じ予算でも戻りが変わります。
広告とSEOとSNSを同時に立ち上げる
3つを並行して始める計画をいただくことがあります。人が足りている会社なら止めません。
ただし多くのECでは、担当は1人か2人です。3つに割ると、どれも判断できるだけのデータが溜まらないまま半年が過ぎます。
自社ECを伸ばすには相当な伴走と、お互いのパワーが要ります。人任せで3つ回すより、1つを自分たちで読めるようにするほうが先に来ます。
広告とLPだけで組み立てている運営
LP主体、広告主体で伸ばしてきた運営に、かいなはあまり噛み合いません。強みを出しづらいからです。
LPは1商品を売り切るための構造で、ブランドの背景や他の商品との関係を積み上げる場所がありません。
広告を止めた瞬間に売上が消える構造をそのままにして、集客の質だけを議論しても答えは出ません。直す順番が逆になります。
明日どこに予算を回すか、条件で分けて考える
ここからは、読んだその日に自分で判断できる分かれ目を書きます。答えは条件で変わります。
来ていないのか、来ているのに選べていないのか
最初に切り分けたいのは、訪問が足りないのか、訪問した人が選べずに帰っているのかです。
商品点数が多く、カテゴリ一覧をいくらスクロールしても目当てに届かないなら、広告を足しても同じ場所で落ちます。
この場合は、絞り込みや比較の体験を足すほうが先です。かいなのERABは、既存のカートを改修せずに選ぶ体験だけを足す仕組みにしています。
費用は初期200,000円〜(税別)、月額29,800円〜(税別)です。広告を1か月増額する前に比べてみる価値はあります。
指名検索が動いているかどうかで、次の投資先が変わる
ブランド名で検索する人がいるなら、認知はある程度できています。次に効くのは、その人が着地したページの完成度のほうです。
指名がほとんど動いていないなら、まだ名前が知られていません。ここで一般語のSEOを追っても、順位が付くまで息が続かないことが多いです。
読みものとECが分かれていて、共感した人が買う前に離れている場合もあります。その構造ごと直すのがHAKOBの考え方です。
広告を1か月止めたとき、売上がどこまで残るか
迷ったら、広告を1か月止めた場合を想像してみてください。そこで残る売上が、いまの集客の質そのものです。
ほぼゼロになるなら、質を議論する前に、戻ってくる理由を作る側へ予算を移す局面です。同梱物、メール、LINEでの連絡がここに当たります。
半分以上残るなら、広告を増やす判断が成り立ちます。伸ばす場所と直す場所は、この一問で分かれます。
ECサイトの集客の見直しについて、お気軽にご相談ください
集客を増やしたいというご相談は、掘っていくと、誰が二度目に戻っているのか見えていないという話に行き着くことがよくあります。
その場合に必要なのは、新しい広告メニューではありません。手元の注文データを流入元と購入回数で並べ直し、どこから伸ばすかを決める作業です。
購買データとLINEをつなぐLINE CRMのような手当てもしていますが、まずは現状を伺うところからお付き合いします。
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