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MAツールの選び方は機能比較ではなく、続けられる運用から決める

2020.12.21 2026.09.02 更新

MAツールを入れたい、というご相談は今も多くいただきます。多くの場合、手元には比較表があり、機能の丸とバツが並んでいます。

ところが話を伺っていくと、誰がメールの文面を書くのか、配信結果を誰が見るのかが決まっていないことがほとんどです。ツールが決まっても、そこから先に進みません。

一般には「自社の課題に合った機能を持つツールを選ぶべきだ」と語られます。かいなはそこから始めません。MAツールの選定は機能の比較ではなく、社内の誰が何を続けられるかを決める作業です。順番を逆にすると、使われない月額だけが残ります。

CRM、MA、SFAの違いは、機能ではなく「誰の仕事を助けるか」で分ける

この3つは並べて説明されることが多いのですが、定義を覚えても選定には使えません。

選定に使えるのは、それぞれが社内の誰の手を軽くするのかという分け方です。担当者がいない機能は、契約しても動きません。

CRMは名簿ではなく、次の一通を決めるための土台

CRM(顧客関係管理)は、顧客の連絡先と、その人が何をしたかの履歴を1か所にまとめる仕組みです。

名簿を整えること自体が目的になると、入力の手間だけが増えます。見るべきは、履歴を見た結果として次に送る内容が変わるかどうかです。

変わらないなら、いまは表計算ソフトで足りている状態です。CRMの値打ちは、判断の材料が手元に残るところにあります。

SFAが効くのは、営業が複数人いる会社だけ

SFA(営業支援)は、商談の進み方を記録して共有する仕組みです。日報管理の延長から発展してきました。

効果が出るのは、営業が複数人いて、案件の引き継ぎや上長の確認が発生する会社です。

経営者ひとりが商談している段階で入れると、入力する人と読む人が同じになります。この状態では記録の負担だけが増えていきます。

MAは、人手で追えなくなった後から効いてくる

MA(マーケティングの自動化)は、条件に応じてメールを送ったり、見込み客の動きを点数化したりします。

手で追える人数のうちは、自動化しても速くなりません。むしろ設定を覚える時間のほうが先に取られます。

MAが効き始めるのは、手作業で送り分けるのが無理になってからです。ここを逆にすると、高機能なメール配信ソフトとして使うだけで終わります。

ツールを入れたのに動かない会社で、実際に止まっているところ

ご相談で一番多いのは、すでに何かを契約していて使えていない、という状態です。

そして原因は、ツールの機能不足であることがほとんどありません。

止まるのは、書く人が決まっていないから

シナリオを組む前に、メール1通、記事1本を誰が書くのかを決める必要があります。ここが空白のまま契約だけが進みます。

外注すれば書けると考える会社もあります。ただし商品の背景と現場の言葉を持っているのは、社内の人です。

広告を出せば、SNSを業者に頼めば伸びる、という前提で始めた施策が成果につながらないのは、この空白が埋まっていないからです。

自社ECを運営して分かった、配信の中身は現場にしかない

かいなは支援会社であると同時に、自社ECを4サイト運営しています。カニのギフト、猫用の木製家具、壁面収納、日用品の4つです。

年末に集中するギフトECでは、送る内容が在庫と天候と出荷の状況で毎週変わります。半年前に組んだシナリオのままでは当たりません。

レビューが1件ついた日の言葉や、送料改定で悩んだ話のほうが、整った文面より読まれます。ツールはその材料を運ぶ配管にすぎません。

シナリオを作り込むほど、誰も触れなくなる

導入初期に複雑な分岐を組むと、後から手を入れられなくなります。作った担当者が代わると、動いているのに理由が分からない配信が残ります。

最初は1本の配信と1つの計測だけで始めるほうが続きます。分岐は、手で送り分けるのが面倒になってから足しても間に合います。

MAツールの導入を、かいながすすめないケース

ご相談を受けても、いまは入れないほうがいいと申し上げることがあります。判断の材料として3つ挙げます。

リストが小さく、まだ手で送れる段階

見込み客が数十件で、担当者が顔と社名を覚えている段階では、自動化する対象がまだありません。

この規模で成果が出ないとき、詰まっているのは配信の効率ではなく接点の数です。月額を接点づくりに回したほうが返ってきます。

広告とLPだけで売っていて、再訪を前提にしていない

流入から購入までを1ページで完結させ、その後の関係を作らない設計なら、MAが扱えるデータはほとんど溜まりません。

かいながLP主体・広告主体の運営に対して慎重なのはこのためです。積み上がる場所がないと、ツールを足しても打ち手は増えません。

目的が「データを活用したい」のままのとき

導入の目的を伺って、データを活用したい、DXを進めたい、という言葉しか出てこない場合は、一度止まることをおすすめしています。

活用の対象が決まっていないと要件が固まらず、設定は外注先の標準形になります。誰の何を変えるのかを1行で書けるかどうかが、着手の目安です。

どのツールに決まるかは、商材と接点の持ち方で変わる

選ぶ段階に入ったら、機能表より先に確認することがあります。条件が違えば、同じ会社規模でも答えが変わります。

検討期間が長いBtoBなら、コンテンツ側の機能から見る

問い合わせから受注まで数か月かかる商材では、記事や資料がいつ読まれたかが判断材料になります。

この場合、メール配信の細かさより、コンテンツの管理と計測が同じ画面に載っているかどうかで手数が変わります。

逆に、資料も記事も作る予定がないなら、その機能ぶんの費用は寝かせることになります。先に作る計画を立ててから選定してください。

ECで購入履歴があるなら、カートとつながるかを最優先にする

ECでは、何をいつ買ったかというデータが最も強い材料です。メールアドレスしか持てないツールでは、送り分ける軸が作れません。

選定の基準は、使っているカートから購買データを渡せるかどうかにほぼ絞られます。ここが弱いと、機能が多くても使い道が限られます。

かいながLINEを使ったCRMを組むときも、最初に確認するのは購買データと友だち情報を紐付けられるかどうかです。

無料から始めるか、最初から有料で入るか

HubSpotのようにCRMを中核に据えた統合型のツールは、無料で試せる範囲が広く、小さく始めやすい選択肢です。

無料で始められるツールほど、どの状態になったら有料に上げるかを先に決めておく必要があります。決めないまま使い続けると、触っていない機能だけが増えていきます。

無料で始めるなら、どの状態になったら有料に上げるのか、どうなったら解約するのかを先に決めておくと、判断が惰性になりません。

マーケティングツールの選び方について、お気軽にご相談ください

どのMAツールがいいかというご相談は、掘っていくと「お客様の顔が見えていない」という話に行き着くことがよくあります。

その場合に必要なのは比較表ではなく、いまどのデータが取れていて、どれが取れていないかを整理する作業です。

ツール以前にサイトの構造が原因のこともあります。読みものと購買が分かれているなら、ブランドサイトとECの分断を先に解く判断もあり得ますし、その場合はHAKOBのような統合の設計から検討します。

かいなは自分たちでもECを運営し、撮影スタジオとレンタルスペースも自社で回しています。売る側の実感を持った相手として、30分の無料相談からお付き合いします。お気軽にご相談ください。