SEOとコンテンツSEOとコンテンツマーケティングの違いを実務から整理する
2017.12.20 2026.09.02 更新
「SEO」「コンテンツSEO」「コンテンツマーケティング」。会議の場で並んで出てくるのに、それぞれが何を指しているかは人によって違う。そんな場面に心当たりはありませんか。
言葉の定義そのものは、検索すればすぐに出てきます。それでも混乱が続くのは、定義を知っても自社が何から手を付けるべきかが決まらないからです。
一般には「3つの関係を整理しましょう」と語られます。かいなはそれだけでは足りないと考えています。この3つの違いは施策の分類ではなく、お客様が買うまでのどの区間を自分の仕事とみなすか、その範囲の違いです。
範囲がずれたまま発注すると、成果の判定も噛み合いません。まずはそこから整理します。
CONTENS
3つの言葉がずれたまま進むと、現場で何が噛み合わなくなるのか
それぞれの意味を確認したうえで、どこがずれの原因になるかを見ていきます。用語の暗記ではなく、担当範囲の話として読んでください。
SEOは検索エンジンとの関係を整える仕事
SEO(検索エンジン最適化)は、検索したときに自社のページを見つけてもらえる状態をつくる仕事です。中身は大きく2つに分かれます。
ひとつはサイトの内側。探している人が求める情報がそろっているか、検索エンジンが内容を読み取れる構造になっているかです。
もうひとつは外側の評価です。他のサイトから自然に紹介されているかどうかを見られます。売買された不自然なリンクは、いまはむしろ足を引っ張ります。
コンテンツSEOは、その内側だけを担当する
コンテンツSEO(記事などの中身で検索流入をつくる手法)は、SEOのうち内側の要素に特化した進め方です。SEOとは別の何かではありません。
記事や写真、動画をそろえて、検索している人の疑問に答える。答えたページが評価されて、検索から人が入ってくる。範囲はここまでです。
裏を返すと、検索していない人には届きません。範囲の外まで期待していると、うまくいっていても成果が出ていないように見えます。
コンテンツマーケティングは検索の外側まで含む
コンテンツマーケティングは、まだ課題に気づいていない人への周知から、買ってくれた人に常連になってもらうところまでを含みます。
SNS、メール、LINE、同梱物、展示会。検索を経由しない接点がいくつも入ります。コンテンツSEOは、その入口部分を受け持つ一手法という位置づけです。
関係を図にすれば、きれいな入れ子になります。ただし現場でずれるのは図のほうではなく、誰がどこまで面倒を見るのかという担当範囲のほうです。
自社ECを4サイト運営して分かった、記事が効く商材と効かない商材
かいなは支援会社であると同時に、自社ECを4サイト運営しています。同じようにコンテンツを作っても、返ってくる商材とそうでない商材があります。
コンセプトで束ねた品揃えECは、検索されている言葉が存在しない
かいなは「めんどくさいを否定しない」というコンセプトで日用品を集めたSOREDAKEというECを運営しています。
コンセプトは説明すれば伝わります。ところが、そのコンセプト自体を検索している人はいません。検索されるのは個別の商品名か、具体的な困りごとの言葉です。
ここで世界観を語る記事だけを積み上げても、検索からは人が来ません。検索で拾う話と、先に知ってもらう話を分けて考えることになります。
情緒で選ばれる商材は、文章より写真が先に効く
猫用の木製家具を扱う「猫のための木工所」も自分たちで運営しています。国産無塗装の天然木で、キャットタワーやキャットウォークをつくっています。
この商材でお客様が最後に決め手にするのは、スペックの比較ではありません。自宅に置いた光景が想像できるかどうかです。
かいなが名古屋と東京にスタジオを構え、季節ごとに撮り続けているのはそのためです。記事の本数より、撮り直せる体制のほうが返ってきます。
買う前に必ず調べられる商材は、記事がそのまま接客になる
壁面収納のセミオーダーECでは事情がまた違います。金額が大きく、設置の条件があるので、必ず調べてから問い合わせが来ます。
「うちの天井高で入るのか」「賃貸で使えるのか」。この不安が消えないと、商品ページをどれだけ磨いても手が止まります。
問い合わせ直前の疑問に答える記事は、検索の入口としても、営業の代わりとしても働きます。コンテンツSEOで最も割のいい場所はここです。
かいながコンテンツSEOをすすめない場合
ご相談をいただいても、記事から始めないほうがいいと申し上げることがあります。判断の材料として3つ挙げます。
LPと広告で回っている事業者
1商品をLPで売り、広告から流入させて完結している運営では、記事を足しても噛み合いにくいのが実情です。
買う人が検索を経由していないので、検索の内側を整えても通り道になりません。先に見るのは広告のクリエイティブと、購入後の関係づくりです。
かいながLP主体・広告主体の相談を受けにくいと申し上げているのは、力を出せる場所が構造的に違うからです。
社内に書ける人がおらず、全量を外に出す前提
記事の執筆自体は外注できます。ただし商品の背景や、お客様から実際に届く質問は社内にしかありません。
その素材を渡せないまま全量を外へ出すと、検索すれば分かることをまとめ直したページが積み上がります。いまの検索で最も評価されにくいものです。
月に1本でも社内から素材が出るかどうか。出ないなら、記事よりFAQと商品ページを直したほうが早く返ってきます。
数か月で売上を戻したい状況
コンテンツSEOは、書いたページが評価されるまでに時間がかかります。今期の落ち込みを埋める手段としては向きません。
急ぐ事情があるなら、広告と既存のお客様への働きかけを先に置きます。記事はその横で、来年に効かせる投資として始めます。
この順番を最初に握らないまま走り出すと、3か月目に「効果が出ていない」という話になって止まります。
何から手を付けるか、判断の分かれ目
3つの言葉の関係が分かっても、自社の答えは出ません。答えを変えるのは次の3つの条件です。
その商材は、買う前に調べられているか
最初に確かめるのは、お客様が購入前に検索しているかどうかです。ここで打ち手が入れ替わります。
調べてから買う商材なら、調べている場面に自社のページを置く価値があります。コンテンツSEOが素直に効く側です。
ほとんど調べずに買う商材なら、検索の外側で先に知ってもらう設計を優先します。同じ予算でも、行き先はSNSや同梱物になります。
指名で来ているのか、悩みで来ているのか
アクセス解析の検索語を、社名や商品名で来た人と、悩みの言葉で来た人に分けてみてください。1時間もかからない作業です。
指名がほとんどなら、そもそも知られていません。記事を増やす前に、知ってもらう接点を用意する話になります。
悩みの言葉が多いのに買われていないなら、記事と商品の間が切れています。直すのは記事ではなく選ぶ体験の導線のほうです。
公開後に見るのは、順位ではなく記事を経由した人の買い方
順位や表示回数だけを追っていると、判断ができません。数字が増えているのに売上が動かない期間が必ず来ます。
見るのは、記事を通った人が商品ページまで進んだか、通らなかった人と購入率や単価が違うかです。
差が出ないなら、記事のテーマがお客様の買う場面から離れています。テーマは後から作り替えられるので、最初の設計に時間をかけすぎないほうが前に進みます。
SEOとコンテンツの進め方について、お気軽にご相談ください
「検索順位が上がらない」というご相談は、掘っていくと「お客様がどう探して、どう決めているのかが見えていない」という話に行き着くことがよくあります。
その場合に必要なのは記事の本数ではありません。手元の受注データと問い合わせの中身から、どの言葉で来た人が買っているかを見直す作業です。
読んだ人をそのまま買える場所へ渡す構造が要るならブランドサイトとECの統合、買ったあとの関係を続けるならLINEを使ったCRMと、検討する範囲は変わります。
かいなは自分たちでもECを運営しています。売る側の実感を持った相手として、30分の無料相談からお付き合いします。お気軽にご相談ください。