初めてのwebマーケティングで、施策を選ぶ前に決めておくこと
2017.12.01 2026.09.02 更新
webマーケティングを始めたい。そう思って調べると、SEO、web広告、SNS、アクセス解析、CRMと、用語だけが積み上がっていきます。
ひととおり読んで全体像は分かった。それでも「自社は明日、何から手をつければいいのか」は分からないまま。ここで止まってしまう方は少なくありません。
一般には「webマーケティングは手軽で、速くて、安い」と語られます。かいなはそう考えていません。施策を試す手軽さが上がったぶん、決めることが増えた仕事です。基礎知識が要るのは施策の名前を覚えるためではなく、どれをやらないかを決めるためです。
CONTENS
webマーケティングの前提が、この数年で入れ替わったところ
基礎知識といっても、10年前に語られていた前提のままでは判断を誤ります。まず、何が変わったのかを押さえます。
手軽さと速さは、もう差にならない
かつてwebマーケティングの利点は、紙や店頭と比べたときの手軽さでした。数値がすぐ見え、修正がすぐ効く。この比較にはもう意味がありません。
同業も同じ広告媒体を使い、同じ解析ツールで同じ指標を見ています。安く速く試せる状態は前提であって、優位ではなくなりました。
差がつくのは、同じ数値を見たあとに何を選ぶかです。ここだけは自動化されないまま残っています。
集める入口が、検索エンジンだけではなくなった
以前は「集客といえばSEOと広告」で説明がつきました。いまは検索、SNS、モール、生成AIによる回答と、入口が分散しています。
入口ごとにユーザーの温度が違います。指名で検索してきた人と、SNSで偶然見かけた人に、同じページを見せても同じようには動きません。
施策を横に増やす前に、自社に来ている人がどの入口から、どんな期待を持って着地しているかを見るほうが先に進みます。
相談の入口はカート移行でも、行き着くのはデータの話
かいなに寄せられるご相談で最も多いのは、カート移行です。ところが対話を進めると、ほとんどが同じところに行き着きます。
データはたまっているのに活用しきれておらず、お客様の顔が見えていない。ツールを替えても、この状態は変わりません。
webマーケティングの基礎知識とは、手法の一覧ではなく、自社のお客様を見つけ直すための順番のことだと考えています。
集める、満足してもらう、また来てもらうを自社ECで回して分かったこと
かいなは支援会社であると同時に、自社ECを4サイトと、撮影スタジオ・レンタルスペースを2拠点運営しています。教科書どおりに動かない場面は、自分たちの売り場で先に経験しています。
広告が効かなかった朝に、最初に見るのは広告ではない
広告費が想定より効かなかった朝の焦りは、支援する立場ではなく、売る立場で何度も味わってきました。
そのときまず疑いたくなるのはクリエイティブや入札です。ただ、着地したあとの動きを見ると、原因が広告の外にあることのほうが多いというのが実感です。
入口を増やす判断は、着いた人が商品を選べているかを確かめてからでも遅くありません。順番を逆にすると、費用だけが積み上がります。
満足してもらうの前に、そもそも選べているか
かいなはカニと北海道海鮮のギフトEC「かにと。」を自分たちで運営しています。ここで買う人は商品名を知りません。
決まっているのは贈り先と予算だけです。商品カテゴリを並べても手が止まり、価格帯や贈り先で束ね直すと比べる動きが出ます。
売れないのではなく、選べていない。この見方を持つと、改善の対象がコピーや写真から、選ばせ方の設計に移ります。かいながERABという形で選ぶ体験だけを切り出しているのは、この経験からです。
再訪は配信でつくるより先に、箱を開けた瞬間から始まる
再訪促進というと、メールやリターゲティング広告の話になりがちです。自社で出荷まで回していると、順番が違うと感じます。
出荷は作業ではなく、箱が開けられる瞬間がお客様との最初の接点です。ここが雑なままで配信だけ増やしても、二度目は起きません。
レビューが1件ついた日の嬉しさは、配信の開封率を眺めているときには手に入らないものです。出荷まわりの設計を再訪施策の一部として扱うのは、そのためです。
かいながすすめない、webマーケティングの始め方
やらないほうがいい、と申し上げることもあります。判断の材料として3つ挙げます。
施策を一覧にして、上から順に着手する
SEO、広告、SNS、解析、CRMと並べて、できるところから順に手をつける進め方は、一見まじめですが失速します。
施策はそれぞれ効き始めるまでの時間が違います。同時に走らせると、何が効いたのか分からないまま予算と体力だけが減ります。
先に決めるのは、いま自社のどこが詰まっているかです。詰まりが1つに絞れないうちは、着手を1つに絞ったほうが結果が読めます。
LP主体・広告主体のまま、横に広げようとする
広告からLPに流し、1商品を買い切ってもらう。この形で回している事業者からのご相談は、正直に申し上げてお受けしにくいことがあります。
LPだけでは、その会社の強みや背景を積み上げる場所がありません。回遊も再訪も設計しづらく、広告費の増減がそのまま売上の増減になります。
この構造のまま施策を足しても、効くのは広告の改善だけです。先に必要なのは、コンテンツを資産にできる土台のほうです。
人に任せきりにして、自社は数値だけ受け取る
広告は代理店に、SNSは業者に、解析はツールに。分業そのものは悪くありませんが、判断まで外に出すと止まります。
自社ECのスケールには、相当な伴走とお互いのパワーが要ります。これは支援する側だけでなく、自分たちで4サイトを回していて痛感していることです。
週に一度でいいので、自社の誰かが数値と受注内容の両方を見る。その体制が作れないうちは、施策を増やさない判断もあります。
明日どれから手をつけるかを決める、判断の分かれ目
条件によって答えは変わります。答えではなく、条件のほうを書きます。
訪問が足りないのか、着いた人が選べていないのか
最初の分かれ目はここです。訪問数そのものが少ないのか、来ているのに買われていないのかで、打つ手が正反対になります。
商品ページまでたどり着いた人が一定数いるのに購入が伸びないなら、集客を増やしても同じ割合で漏れます。直すのは選ばせ方です。
逆に、買った人の満足は取れていて口コミも出ているのに母数が小さいなら、検索や広告で入口を広げる投資が返ってきます。
新規を増やすのか、二度目をつくるのか
次の分かれ目は、伸ばす方向です。判断材料は、同じ人が二度買う理由が商材にあるかどうかになります。
消耗品や食品のように再購入の理由がある商材なら、新規獲得より既存のお客様への接点づくりのほうが早く返ってきます。LINEを使ったCRMが効くのはこの型です。
家具のように購入間隔が長い商材では、二度目を追うより、検討中の人に見つけてもらう情報を厚くするほうが噛み合います。
自分たちで回す範囲を、どこまでにするか
最後の分かれ目は体制です。社内に週数時間でも数値を見る人がいるかどうかで、選ぶべき施策が変わります。
見る人がいるなら、細かく試して直す施策が向きます。いないなら、更新頻度に依存しない構造側の改善を先に済ませたほうが破綻しません。
できない前提で組んだ計画は続きます。できるはずだという前提で組んだ計画は、三か月で止まります。
webマーケティングの進め方について、お気軽にご相談ください
webマーケティングのご相談は、掘っていくと「お客様がどう選び、どこで離れているか見えていない」という話に行き着くことがよくあります。
その場合に必要なのは、施策の一覧ではありません。いまの数値と受注の中身を突き合わせて、次の一手を1つに絞る作業です。
かいなは大きなエージェンシーのように決まった型に当てはめず、毎回の対話からその会社だけの課題を見つけて提案します。自分たちでもECを運営している、売る側の実感を持った相手として話を聞きます。
30分の無料相談はオンラインで承っています。診断だけ持ち帰っていただいてもかまいませんので、お気軽にご相談ください。