CSRとSDGsは何が違う?どちらに重点を置くべきかを考察

CSRは企業が社会に対してどういった取り組みをしていくかを掲示するものを対外的に示すものです。

PR的な側面がありますが、最近では国際規格であるISO26000の策定により基礎ができたため、より明確に取り組めるものとなってきました。ここではCSR、そしてSDGsとの違いについて解説します。

CSRは企業が自ら掲げる社会貢献のこと

CSRは「企業の社会的責任」という日本語訳がされています。CSRは「Corporate Social Responsibility」を日本語訳したものです。90年代からCSRを社内外に掲げて活動する企業が増加し、現在では多くの企業が掲げている項目です。

基本的に企業側がこのCSRについては掲示するものであり、社会情勢を考えながら、どういった貢献が求められるのかを考慮し、実施していくものです。多くの企業はその社会貢献を営業とは切り離し、慈善事業的に取り組んでいることが多いです。

多くの場合、これはPR的な意味合いを持ち、「私たちはこんないいことを利益の中から実施してますよ」というものが少なくありません。

これは統一されたものではありませんでしたが、国際規格を決めるISOがISO26000の中でCSRの基準を提示したことで、それがお手本的に扱われるようになりました。ISOはスイスのジュネーブに本拠地を置く国際組織で、建築や環境保護など、様々な基準を策定しています。ISO26000自体の策定は2010年のことですので、割とCSRに対して統一した基準ができ、その実施を図る企業や団体が増えてきたのはここ10年ぐらいの話です。

ISO26000は企業に限らず、非営利団体や行政にも適用できる内容になっています。ISO260000は他のISOと異なり認証を目的にはしていません。そのため、認証取得で信頼性を高めるなどビジネスに役立てることはできません。しかし、これがCSRの教科書として活用されています。

その中では社会的責任の原則について

1.説明責任
2.透明性
3.倫理的な行動
4.ステークホルダーの利害の尊重
5.法の支配の尊重
6.国際行動規範の尊重
7.人権の尊重

という7つの主題が設定されています。これに合わせてそれぞれの団体がCSRを策定していく流れになっています。

この内容はSDGsとも親和性のあるものではあります。ただし、その成り立ちからどうしても企業活動から離れてしまうことも少なくありません。

たとえば自然保護活動に対しての利益分からの寄付などは明らかに企業活動と離れてしまう企業は少なくありません。また、3や5などの項目は掲げているだけであまり意味を成していない、つまりその企業の業務に影響のあるようなものではなく、当たり前の日常をなぞるだけのケースが多くなります。

もちろん、しっかりと営業と組み合わせて実施している企業もありますが、それは多くはないといえます。

SDGsは国連主導の世界的取り組み

SDGsは国連で策定し、全世界で「持続可能な環境」を保護し維持していこうという取り組みです。この背景にあるのは、地球環境が人類の永続的な生活を維持することが近年中に困難になっていくと考えられていることから出てきたものです。そのため実はCSRより、少し緊急性が高い取り組みといえます。

SDGsはご存知の通り17ある持続可能な開発目標があります。その中では自然や環境の保護だけでなく、貧困や人権などの問題も扱われています。

それは直接的に人類の活動を維持することに関係がなさそうに見えます。しかし、こうした不公平を背景に経済活動がなりたっていることで環境を維持できないような状況を作っているケースが頻繁にみられます。そのため、ボトムアップで個人から団体、国まで可能な限りの取り組みをしていこうというものです。

そのため、これは企業だけでなく、1人1人の問題へも言及していく取り組みになっています。そのため、CSRのようなトップダウンで決める取り決めとは成り立ちやゴールまで違いがあります。

国連主導の環境保護に関する取り組みは今までも様々に存在しました。しかし、なかなかブレーキが効かないことが課題になっていました。そこでSDGsでは毎年設定された目標に対してどれくらいの達成度なのかを報告することを重視しています。

また、もう一つの特徴は企業活動の中に組み込んで業務自体を見直すことで経済活動をしっかりと維持しながら変換を図っていくことを考慮した設計になっていることも特徴です。国や自治体、あるいは個人でのがんばりに期待するのではなく、大きく影響力を持つ企業を巻き込んでいくことで、その活動を加速させようということが今までの活動と大きく異なる点であるといえます。

CSRは慈善、SDGsは事業改変

企業にとってCSRはどちらかというと慈善的な側面が強くなります。企業にとってプラスアルファで行う活動という傾向にどうしてもなりがちです。CSRを設けているけれども中身が伴いにくいのはその業態とのかみ合わせなどを考えられていないために起こります。

SDGsで求めているのは実は事業そのものの進め方の見直しと改善であると言えます。そのためにDXやECなど効率化を図って業務の軽減をしたり、場所の不均衡を超えたインラインショップなどの取り組みを関連づけることが可能でもあります。こうしたシステムの導入は実は非常にエコなものでもあります。

これからCSRもSDGsもという場合はこの2つをマージして組み合わせて考えていくことで、より内容のあるものを作成し取り組んでいけることでしょう。

どちらに比重を置くか考えるのではなく、いかに両方を同じ労力で実施できるかということを考えてみてください。もちろんそれには、しっかりとどちらの内容も理解する必要があります。そうした場合にコンサルなどへ相談するという流れが自然です。

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