【SEO】ページエクスペリエンスランキングシグナルをおさらいしておこう〜6月の本格導入に向けて

Googleがユーザーに使い勝手のよいサイトの評価を検索順位に組み込むと宣言したのは2020年の秋です。それがこの2021年6月についに実施されることになります。

ここでは今回はその中身を掘り下げて解説します。今一度、SEO対策としてこれに向けて何をすべきかをしっかりと確認してください。

サイトの使い勝手を検索に反映する取り組み

Googleはユーザビリティを重視して検索システムのアップデートを行なっています。常々、そのことは開発者の発言も含めて頻繁に出てくる文言です。

Googleが考えるユーザビリティとは、検索するユーザーがいかに素早く欲しい情報にたどりつけるようにするかということです。WEBの世界も現実と同様に様々な思惑があふれています。その中でユーザーは本当に目的のサイトにたどり着けるのか疑心暗鬼の状態では検索エンジンの信頼を落としてしまいます。

そうならないために日々、Googleも検索エンジンを改良し、より精度の高い検索結果を提示できるようにしているというわけです。

ページエクスペリエンスシグナルの導入はこの6月に本格的に始まる

今回、事前にアップデートの日程が知らされているのが「ページエクスペリエンスランキングシグナル(Page Experience Ranking Signal」です。これは簡単に言ってしまえば、Googleがユーザーエクスペリエンスに影響すると考えている要素を検索結果に反映させるというものです。

以前から導入予定がある旨は伝えられており、2020年秋に、2021年5月の予定で本格的に導入する旨が正式にアナウンスされていました。

その後、少し伸びて「6月中旬」にアップデートを開始すると、実施の直前である4/20にTwitterなどを通して拡散されました。

このアップデートはいきなりすべてのアップデートを終えるのではなく、『6月中旬から開始して、8月中旬に完了する』という予定です。

Googleはこのアップデートについて「あくまで様々なランキング要素の一つ」としており、この「ページエクスペリエンスに関わる要素だけでランキングがすぐに大きく動くことはないだろう」としています。

実際には実施した際の状況をモニタリングして進めることにしており、それを考慮して期間を2ヶ月設けている点には注意しておきたいところです。どの程度、順位に影響が出るのかは今のところ、実施者であるGoogleも把握していないので、対応できる点についてはしておくことが重要です。

反映される要素をおさらいしておこう

Googleがこのアップデートに盛り込む予定の要素はすでに確定し、昨年の秋に発表しています。

これについては以前の記事でもとりあげていますので参考記事も改めて確認してみてください。

【参考】11月のGoogle動向~年内アップデートの行方とCore Web Vitals

さて、あらためて項目を見ていきます。実はあげられている項目は読み解いていくとシンプルです。

  • Core Web Vitals (FCP、FID、CLS)
  • モバイルフレンドリー
  • 安全性
  • HTTPS対応
  • 煩わしいインターステイシャルの有無

この5項目です。

4/29にGoogleはスパムサイトの確保をするアップデートを入れておりその道のりを解説しています。その中で「日々、スパムサイトと認定しているサイトは400億ページにも登ぼる」と述べています。また、そのスパムサイトを特定できるAIを昨年開発し運用していると解説しています。

Googleがここで意味する「安全性」

安全面に対して配慮しているのはこのように検索結果についても同様です。HTTPS対応はその一つですが、その他の面の安全性とは何を指しているのかという点ですが、これは簡単です。

サイトに意識的、無意識的かどうかは関係なく悪意のあるプログラムが含まれていないかという点です。たとえば「マルウェアなどが埋め込まれている」「ソーシャルエンジニアリング」が施されているというものです。

「ソーシャルエンジニアリング」とは、フィッシングサイトに使われる技術です。何かの情報を抜き取るためのプログラムが組まれていたり、逆にユーザーの意図を無視してソフトウェアをダウンロードさせたりするような機構を持つサイトではないかどうかということが判断されますです。

こうしたものはクローラーにより感知され、存在を確認すると順位の低下要素になるばかりか、スパムサイトに認定されることもあります。場合によっては無理やりにサイトを転送するリダイレクトを乱用することでもこうした認定を受ける可能性があります。

これはまた「煩わしいインターステイシャル」も関係してくるかもしれません。インターステイシャルとは、ページ遷移の際に間に挟まれて現れる広告などのページです。

一度「閉じる」をおさなければ、コンテンツにたどり着けないようなサイトも少なくありません。怪しげなサイトならまだしも、大手のニュースサイトでも最近ではよくみかけますが、あまりに煩わしい場合はランキングに影響することになります。

ここでのインターステイシャルはポップアップ広告なども含めます。基本的に広告はユーザーにとっては目的外のものです。サイト製作者や事業者側はこうした事柄について、実施はほどほどにしておくことが重要です。

おそらく多くの人がこのアップデートについて気にしているのは今取り上げた「安全性」「HTTPS対応」「煩わしいインターステイシャル」についてではなく、残りの2項目ではないかと思います。

モバイルユーザビリティへの指標

今はPCがそばにある自宅でもスマホでサイトを閲覧する人が増えています。そうした中で、スマートフォンに対してあまり配慮されないサイトは著しくUIの悪いサイトとなることについては幾度となくコラムで解説しています。また、実際にGoogleでも2016年からスマホフレンドリーであることをサイト開発者に本格的に求めてきました。

そのうえで、Googleがどう「スマートフォンフレンドリー」なサイトを定義しているのかを改めて確認します。

主に以下の項目です。

  • 画面ザイズ(横長ではないか。原則縦スクロールで納まること)
  • 文字の大きさは読むのに適切なサイズか
  • クリック要素の距離(リンクをタップするのに近すぎないか
  • 表示スピード(モバイルで読み込むのに問題のない速度)

サイズなどの問題はmeta viewportの設定などいろいろ解説がでていますが、実際にはGoogleで提供しているモバイルフレンドリーテストをしてみるとすぐにわかります。

【参考】モバイルフレンドリーテスト

すでにサイトを公開している場合はURLを、これから公開する場合はコードをこのサイトに入れると判定してくれます。開発者としては必須の作業ですので、始めたばかりという人はこれで試してみてください。何か問題がある場合はテスト結果として表示してくれます。

もちろんこれらはSearchConsaleを設定しているのであれば、そちらからも確認できます。何か動的な要素をサイトに組み込んでいる場合はクローラーが巡回したタイミングで問題があれば、メールで指摘してくれます。

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Core Web Vitalとは何かを理解しよう

Core Web VitalはGoogleがユーザーエクスペリエンスの指標にしようと考えた項目です。コア・ウエブ・バイタルと読みます。

バイタルの意味はものごとに対して「基盤となる」「中枢となる」と名詞としては訳されます。つまりWEBの基本的な要素ということですが、その中でもコア、つまり核となる項目を「Core Web Vital」と呼んでいます。測定自体は始まっており、自身のサイトがどのような状態かすでに確認できます。

Core Vital Webは3点からなります。

  • ページの表示速度
  • 操作の反応性
  • 視覚要素の安定性

です。Googleではこれをそれぞれ数値化して判定し、ランキングの要素にするとしています。

「LCP」はページ表示速度

ページの表示速度について、「Largest Contentful Paint」の頭文字をとってLCPと略されています。これは「コンテンツの読み込み」時間の意味です。クローラーが巡回してきたときに、表示の始まる速度や、必要なコンテンツが表示されるまでの時間を測定しスコア化します。

目標は2.5秒以内です。

この目標を達成する作業に対して、技術的に限界を感じているという場合はGoogleが「Signed Exechenge(SXG)」を活用するように進めています。SXGは以前はAMP対応のサイトにのみ活用できましたが、ブラウザに互換性があれば、AMP以外のサイトでも利用できるようにアップデートされています。

【参考】SXG(英語)

ちなみにサイトのスピードに問題がなければSXGをサイトに実装する必要はありません。

操作の反応性は「FID」で表記

操作の反応性はサイトで閲覧中のユーザーがリンクなどの変化要素をクリックしたときにアクションを起こすスピードで確認されます。「FID」という項目で判定されます。

FIDとは「First Input Delay」の頭文字をとった略語です。クリックやタップのほか、テクストバーへの入力時の反応なども測定されます。1/100秒未満に反応することが望まれています。

視覚要素の安定性は「CLS」

視覚要素の安定性と言われてもピンとこないかもしれません。ようするにレイアウト崩れのことです。

「CLS」は「Cumulative Layout Shift」の略称です。これはもっとも独自性の高い評価基準という意見もあります。レイアウトが意図せず崩れてしまう状況が起こる確率を数値化して採点しています。読み込みのエラー発生を数値化したという感覚で捉えるとわかりやすいかもしれません。これは目標としては0.1未満にすることが求められます。

Core Web Vitalは要するにサイトの技術的な軽快さと安定性を問う数値ということになります。そのため、このフィールドに関しては製作者側が配慮していくべき項目ということになります。

そのため技術的な指標としてこれからのWEBデザインに関わる人が意識すべきポイントということになります。

実際の順位変動はどの程度影響があるのか

このアップデートがどの程度順位に影響するのかについてはまだ始まっていないので先述のとおりよくわかりません。

しかし、これはある意味ではサイトのテクニカルな問題としてUIを向上させる意味でどこをめざすべきかの指標といえます。

気になるのはGoogleの担当者が「評価への導入当初はそれほど大きな影響はないだろう」と語っている点です。それはつまり完全にアップデートが完了した8月中旬には大きく影響を受けている可能性があるということにもなります。

また、もう一つ気になるのはコアアルゴリズムアップデートの実施です。昨年年末に実施されたことで少しずれ込むのではないかと考え、5月にはないだろうと予測されているSEO専門家が多かったのですが、このページエクスペリエンスランキングサインの導入が6月中旬にずれ込んだことは、もしかしたら、その前に一度アップデートが起こる可能性があります。

コアアルゴリズムアップデート

ページエクスペリエンスランキングサインの導入

完了後にアップデート

といった段取りを踏む可能性は低くありません。

ただ、いずれにしても、コンテンツについての優位性は今までと同様に重要視されています。

いかにユーザーに役に立つ、新しくて正確な情報を提供できるかが求められていることには変わりありません。情報が横並びで似たようなものが乱立する時代にいかに独自性のある、かつ正確な情報に優位性はより高まっているともいえます。

また、ECサイトにおいては、よりその正確性や安全に消費活動ができるのかということに注目が集まっているということを忘れないでください。

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