ECサイトの工夫のポイントはユーザー視点で取入れよう

2020.09.08

ECサイトは売上をあげるためのシステムです。そのため、結果を常に求められる存在です。そのため、その目的に向けた何かよい工夫はないかとサイト運営の担当者はいつも考えているかもしれません。ここではECサイトの工夫を重ねる基本となるユーザビリティの向上を軸に、他サイトからの工夫の取入れ方などを解説します。

工夫は見え方ではなくユーザービリティをあげる努力を

ECサイトそのものを工夫するという場合、必要なのはユーザーを顧客として押し上げるための工夫です。その結果が、売上やコンバージョンを上げていくことにつながります。

よく工夫と考えた時に、驚くような仕掛けや、見栄えの良さを追求することにあると錯覚して企画を考えるケースがあります。驚きは一度体験すると2回目にはもう効果が薄まっています。それに引き換え、見栄えの良さは重要です。しかし、芸術性を追求して一部の人しかわからないような状態になっていけません。

あくまで、目指すのは工芸的な美しさ、機能性である必要があります。つまり、見た目を追求するならば、インパクトを考慮したとしても、それ以上に閲覧中の快適さなどを考慮することが重要です。

そのため、工夫という場合に考え方の基本になるのは「ユーザビリティの向上につながるのか」「ユーザーの経験を豊かにするものなのか」を考えることが結果的に重要になってきます。そうした工夫の積み重ねが結果的にユーザーの購入しようという意思を後押しします。

ユーザビリティはECサイトの質を向上させるキーポイントになってきています。こちらの記事でも紹介していますので参考にしてください。

【参考】ECサイトをよくしたいならUIについて考えよう

盗める工夫は手法が陳腐化する前に盗め

ECサイトはビジネスのための場です。多くのビジネスモデルと同様に、多くの企業が、あるいは個人がECサイト内で、あるいはECサイトを通してたくさんの工夫をしています。BtoBであれ、BtoCであれ、ここに違いはありません。

例えば「送料無料キャンペーン」という、今やものすごく一般的な、あるいは企画とは認識されないほど多くのECサイトが取入れているサービスがあります。この方法はもはや工夫ではなく、ルーティンに近い行為です。

こうしたサービスも最初はどこかの通販事業者が始めたことです。それが結果的にいろんなECサイトで取入れられています。これ自体を行うことが問題ではありません。また、ここまで一般化した手法であれば、取入れたとしてもあくまでスタンダードであり、使い古された感はありません。

問題は半端なタイミングで他者のアイディアを盗む時です。ビジネスアイディア自体には、デザインなどと違って著作権などがないので、もし使えるアイディアがあればどんどん取入れられていきます。ECに関わることだけでなく、そうしたことの繰り返しが世の中のビジネスの潮流を作って来た側面があります。しかし、半端なタイミングで他者のアイディアを拝借して実施すると逆に悪目立ちすることもあります。すでに陳腐化して効果を望めないといったことも少なくありません。

また、「いいアイディアだ!」とすぐに取入れて実施するのも考えものです。一度行ったキャンペーンのイメージを特定のユーザーに付けてしまう可能性がありるからです。例えば、送料無料のキャンペーンなどは、無料の時にしか買わないという顧客を作る可能性があります。その結果、配送料のコストを常に背負い込むことになります。また、実際にやってみると、収穫よりも損失が大きいといったことも起こる可能性があります。

アイディアを拝借するという行為自体は悪いものではありません。他のECサイトがどういったことをやっているのか観察することは重要です。また、その中からスタンダードになっていくものも出てきます。しかし、取入れる時はいずれにしても慎重に行動してください。

扱う商品やイメージによってアイディアをカスタマイズしよう

ECサイトにとっての正解は、多くのECサイトごとに変わってきます。そのため、他のサイトで行っているよい工夫を取入れようという時は、しっかりとそれを取入れるための環境や背景があるのかを考慮してください。基本的にはアイディアを原型として、さらに工夫を重ねることで、カスタマイズして自社のECに合うようにして取入れてみてください。

また、一見対したことのないような地味な工夫などが、絶大な効果をもたらすこともありますので、他のサイトではどのように構築しているかといったところを観察してみると思わぬ発見があるかもしれません。

参考例を探すのはなかなか大変です。イーコマース事業協会が主催している「全国ネットショップグランプリ」の受賞サイトなどを見てみると面白いかもしれません。この大会は毎年開催されており、2020年で12回目となっています。

【参考】全国ネットショップグランプリ

また、他の事例としては大手カートASPのカラーミーショップでも同様のことを行っています。実際に利用しているASPでは参考事例などを紹介していることも少なくありません。

ASPに限らず、パッケージなどでも、「こういったことが出来る」ということを理解しやすいので、それぞれのベンダーのページの参考サイト集などを改めて見直してみるのも面白いでしょう。

工夫の前にあくまで基本をしっかりと押さえて

工夫というとどうしてもトリッキーなことを考えてしまうものです。しかし、一番の工夫は、基本的なことを如何に充実させていくかにあります。工夫と言う言葉は「配慮」に置き換えてもいいかもしれません。細かく一見地味と思えることを積み重ねていくことが、誰も到達できない工夫につながります。

例えばコンテンツです。文字間やフォントに配慮するだけで見やすくなります。写真の明るさやアングルを変えることで見え方はぐっと変わります。こうした時にユーザーは商品のどういったところが見たいのか考えてみるだけで、構図などは自然と変わってくるはずです。表示されている内容やレイアウトのバランスをスマホなど、他のデバイスでもしっかりと確認してみてください。

そうしたことひとつひとつを改善するだけでも、大きくサイトの状況は変わるかもしれません。

【参考】ECサイトのデザインは何を参考にするか〜「ユーザビリティ」を意識しよう

配送などの業務は最適化されているか

工夫する場所はサイトの技術的なことだけではありません。顧客対応や、受発注のメール、配送に関わる作業など、ECサイト運営にはもっとも基本的な部分も工夫が必要なことは少なくないはずです。

たとえば、効率よく梱包出来るシステムを考案できれば、作業工数を大幅に減らせるかもしれません。送り状の作成などは、一括でできるシステムなどもありますが、もし一件ずつ確認してくと時間がかかります。こうした行程は非常に地味ですが、一人一人の顧客と向き合うということでもあり、ビジネスのもっとも基本的な部分につながるので決しておろそかにできません。

過剰な梱包は問題ですが、雑な梱包は不安と不信感に繋がることもあります。商品がどう届くのかは、ECサイトの技術的な側面にばかり注目しやすいなかで、見落とされがちですが、お客さまにとってはもっともインパクトのある部分です。顧客対応なども、同様で、直接相手の見えるアプローチには最大限の配慮をし、工夫を重ねてしっかりと企業の姿勢が伝わることを積み重ねることで「顧客のファン化」につながります。

【参考】ECサイトで「サービス」も販売される時代に取るべきECのサービス姿勢

マーケティングもユーザー目線での工夫が大事

インターネットの普及で、たくさんのマーケティング手法が共有され一般化してきています。例えば心理学を応用したマーケティング手法などは、物珍しさもあり、一部ではもてはやされています。こうしたことはメカニカルに取入れられている部分もあるので、全てを否定するものではありませんが、信仰のようになるのは危険です。

それはユーザーをパターン化して捉えすぎてしまい、ユーザー目線を失うからです。パターン化して柔軟性のないサービスは歴史的にも少しずつ廃れていきます。集客に関わるマーケティングのアプローチを行う場合、ECでは豊富なデータを利用しやすいです。実際にこれらは利用すべき情報です。ですがそうした情報をWEBでの集客に活かす場合でも、必ずユーザー目線は忘れずに取組むことが重要です。

例えばコンテンツマーケティングでは、キーワードの分析にデータを使いますが、世の中に必要と思える情報を投下していくというのはもっとも基本的なことです。もし、それを考慮せずにただ何かの寄せ集めのようなコンテンツを投下していても有用性の低い記事が出来上がるだけです。

構築でも運営や運用でもしっかりとユーザビリティの高いものを提供していくことが基本になります。その積み重ねがユーザビリティの高いものになってこそ、ブランディングにつながり結果的に大きな効果を生むのです。

そうした部分をしっかりと組上げる上で、ECサイトの場合、業務の幅が広いため、専門知識が追いつかなくなることも少なくありません。そうした場面では、オンラインショップの構築に馴れているWEB制作会社や、運営代行も出来る企業などへのコンサルタントを依頼することも有効です。見込みのある利益を確保するためには、ECサイトの力をいかに最大化できるかが工夫のしどころともいえます。そうした場面で、専門家の力を借りることができれば、多くの面でメリットを享受できるでしょう。

【参考】ECサイトを代行で運営〜それぞれに事情にあった会社選び

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