ECサイトは英語ページを作るだけではグローバル化できないーマーケットを世界へ広げる方法

2020.07.28

ECサイトを始めたら誰もが世界中のマーケットから顧客を募る可能性について考えるのではないでしょうか。でも話はそれほど簡単ではありません。

「Electric Commerce」の略称として日本ではECと呼ばれていますが、この略称は英語圏ではあまり使われておらず、実は「E-Commerce」とするのが一般的です。

それでも実際にその一歩として英語を導入してみたいと考えることはあるでしょう。では実際に英語を導入するだけで簡単にマーケットを広げることはできるのでしょうか。

ここではECサイトに英語を導入することの効果や、取組みについて考察を交えながら解説していきます。

英語があれば世界へ広がる可能性が高くなる

インターネットのメリットの一つは距離を克服できることです。海外からも日本のWEBにアクセスして情報を受け取れますし、逆に日本にいながら世界中の情報を収集することが可能です。こうした点がITを大きく発展させてきました。

ECサイトへのアクセスも同様です。中国など一部インターネットへのアクセスを制限している国を除けば、理論上は世界中のユーザーを相手にビジネスができます。

しかし、そこで問題になっているのが言語の問題です。「せめて英語だけでも対応できれば、、、」と活用を考える担当者も少なくないことでしょう。こうしたことが現在は翻訳アプリなども豊富に存在しており、簡単にそういったツールを利用して英語のページを導入できる可能性も出てきました。

SEOなど課題は多い

しかし、実際には翻訳アプリなどを使っても日本から海外へアプローチできるようにECを運営していくことは、まだまだ難しい側面が少なくありません。

商品ページの説明などをそのまま翻訳したとして意味は通じるかもしれません。しかし、それだけではECでコンバージョンをあげる鉄則ともいえる「安心感」を持たせることはできません。直接接客できないECサイトでは文章もまた重要なサービスといえます。

また、日本語にも言い回しや方言がたくさんあるように、英語にもひとつの事柄に対して複数の言い回しで微妙なニュアンスを伝える側面があります。

海外では日本ほどシビアに敬語などを意識したりするケースは多くはありません。それでも、狙いたい客層や地域によっては違った表現を求められることは少なくないでしょう。つまり、英語だけで考えてもローカライズが求められます。

実際にイギリスの英語とアメリカの英語ではスペルが違ったり、同じモノを指していても全く違う単語を使うこともあります。もっといえばオーストラリアや、公用語に英語を含むインドやロシア、マレーシアなどでの英語にもそれぞれ違いがあります。

つまり展開したい場所に合わせて、そうした表現を揃えていく必要があります。

また、ブランドや商品のイメージをしっかり伝えるためには、直訳ではやはり足りません。カジュアルでポップに売り出したいのか、高級感を打ち出したいのか、それとも日本独自の何かを伝えたいのかなどいろいろ考慮する必要があります。

海外向けの画像編集の必要性とSEO

日本国内と同様に、海外へ向けたビジネスをするにしても、イメージワークは必要です。そうしたイメージに添ったテキストを用意する必要があります。

もう一つの課題はSEOです。まず決定的に問題になってくるのは認知をどうやって広げるかということです。そのためにコンテンツマーケティングを行ったりするのは苦労が多くなります。それぞれの文化背景を意識してライティングできる英語専属のライターを雇うなどの必要性が出てきます。こうなってくると資金の豊富な大手に有利な展開といえます。

また、この意見については必ずしも同意しませんが、専門家によっては「越境ECでのコンテンツマーケティングは実質不可能」という人さえいます。

広告運用の難しさもあります。現在は分析ツールがたくさん登場しており、どういったキーワードを狙いにいくかといったことは国内と遜色なくできます。しかし、実際にどんな広告が刺さるのかは現状の見えない状況であれば、現地の企業に遅れをとらざるをえません。

また、目的の地域で購入できる商品であれば、Googleによるローカライズでそもそも弾かれてしまい、英語対応しても検索結果の上位に入れることは困難という現状もあります。

デザインも言語やその地域の背景に合わせて変更する必要があるかもしれません。例えば色の組合わせでイメージするものが国によってガラッと変わったり、オシャレに感じることに違いがあることもあります。

言語だけでなくあらゆる面でのローカライズを要求されるので、本格的に海外でもECでビジネスを展開していこうと考えるとそれなりの先行資金などが必要になってきます。そして、もうご理解いただいていると思いますが、戦略もそのまま国内でのやり方だけでは十分ではないといえます。

コンテンツマーケティングなどの重要性についてはこちらの記事を読んでみてください。英語サイトではこれを英語で行っていくという必要があり、その当りに困難があります。

【参考】ECサイトはコンテンツマーケティングが集客力アップのカギ
ECサイトの事例に見る成功のカギはサイトのメディア化

New call-to-action

商品との相性によっては爆発することも

こうして考えると大手ではなく小、中規模の企業が運営するECサイトが、その国でも普通に購入出来る、あるいは近いものがすでに普及しているような商品を扱う場合は、その市場に入り込むのはECでも、なかなか難しいかもしれません。

しかし、独自性が高く、売り先として狙いをつけた国ではユニークと思われる商品や、現地では話題になっているけれども入手ルート自体は多くないといった商品であれば、大爆発する可能性があるのも事実です。

当然、現地に支社がないとできないような輸送が困難だったり、販売に許可がいるような商品であればハードルは上がります。日本国内で一般的に流通している商品であっても、販売自体が法律や宗教的に難しい場合ももちろんあります。

しかし、中には高い送料を払ってでも購入したいと思っているユーザーも存在するような商品もあります。しかも、そうした例は少なくないのです。そのため、困難であってもチャンスはあるということも忘れずに覚えておきたいところです。

ただし、前述したとおり、障壁は決して低くありません。そのため、越境ECの運営に理解のある運営会社やコーディネーター、英語話者など協力者は必要です。

一方で、しっかりとサイトを作り込んでから運用を始まれば、日常会話レベルの英語でもなんとか運営はしていくことができます。逆に問合せが多いという場合はアピールできているのに、どこかわかりにくさがあるということにもなります。そうしたポイントに気づいて改善できることが重要です。

New call-to-action

越境ECを目指すならゼロスタートの覚悟を

今、すでにECサイトを運営しているという場合はどうでしょうか。例えば、付加的に英語を母語にするユーザーも購入できればいいなと思っている程度であれば、大掛かりにいろいろと変更してローカライズしたサイトを用意する必要はないかもしれません。

しかし、本格的にやりたいと考えるのであれば、今までの国内向けサイトとは別に新たに始めるくらいの勢いでサイトを構築していく心づもりが必要です。

また、そうしてチャレンジした場合はやはり集客は困難です。すべてを英語に標準を合わせて用意することは母語ではないことも含めて考えると、TwitterやFacebook,InstagramなどのSNSも英語サイト用にアカウントを用意し、そのアカウント運用も考える必要があります。

こうしたSNSマーケティングもフォロワーゼロのところから始めるので簡単ではありません。

言葉だけを日本語から英語に入替えるだけではなく、様々なことに取組んでいく必要があります。今までの日本語でのコンテンツは英語圏では効果を見せないことを考慮しなければ行けません。いずれにしても覚悟を持って取りかかる必要があります。

利用規約についても、現状の内容の英訳では足りない可能性もあるので十分なリサーチが必要です。関連するような商品を扱う現地の競合企業のECサイトなどものぞいて参考にしてみるなど研究が必要です。

モールの活用はメリット大

海外をターゲットにECを行うのであれば自社サイトではなくモールに出品すべきという意見もあります。この意見は実は非常に理にかなっています。集客を全面的に意識しなくてよいモールであれば、コンテンツマーケティングの重要性は低くなります。

そのため商品の希少性とニーズだけで勝負することが可能です。もちろん、それぞれの国のレギュレーションに合わせた対応は必要です。それでもそうした負担はぐっと減るでしょう。

商品の知名度普及までは越境ECに対応するモールを使うほうが自社ECサイトを構築するよりも可能性は広がります。ただし、必ず英語をはじめとした言語と文化に関する課題はクリアしなければいけないということについては変わりません。

ECの多言語化のニーズ上昇の機運も

インターネットの可能性を考えると、英語や中国語など他言語へ対応するグローバル化は今後需要が高くなっていく可能性もあります。

新型コロナウイルスの影響で、人の行き来が減った分、海外の情報や商品に対する価値はより高くなっていく可能性もあります。コロナの影響から回復しつつある今ではインターネットでの商品検索は一般化しました。

そうしたことを考えると、英語への対応というのはECサイト運営者にとって検討すべき大きな課題といえるでしょう。

いずれにしても商圏を広げるということは簡単なことではありません。これはビジネスをしている誰もがわかっていることです。

しかし、難しいとしてもチャレンジしていく姿勢こそが重要です。また、実際にECサイトは世界中と繋がっているので可能性はもちろんあるのです。

そうした場面では覚悟を持ち、サポートしてくれる協力者を持つということはECサイトの運営においても重要です。

「日本語ー英語」でのサイトについても見せ方や構築では弊社でも力添えできますのでご相談ください。

New call-to-action

PAGE TOP
メールで
お問合せ
ZOOMで
無料相談
お役立ち
資料DL

ブランディング会社がつくった
共創ECプラットフォーム