ブランドストーリーが生み出す需要〜物語が求められる時代
2022.01.21
人々はコンテンツを求めています。それはブランドに対しても同様です。ブランディングを考えるのであればブランドストーリーの提示は必須です。しかし、それは飾る必要はありません。いかにリアリティを掘り下げ、共感を得てもらえるのかがビジネスの鍵を握ります。ここでブランディングストーリーについて解説します。
需要だけにフォーカスすると寿命は短い
現状存在する需要はとても魅力的に写ります。多くの人はその需要をいかに大きなシェアで刈り取るかを考えることでしょう。しかし刈り取るだけではその市場は枯渇していきます。
実際、市場に対して現在どれだけの需要があるのかということに注目することがマーケティングでは多くあります。例えば専門的にマーケティングを考え、理論的に行動していない場合でも、需要が多い業種への参入は多くの人が利益を求めて考えることです。
流行している商品を見るとこうした状況は顕著です。雨後の竹の子のように同じ業態のお店が町中にできます。そして、ある程度下火になるとあっという間にそうした店舗は町から姿を消すのです。
こうした商品やブランドはカルチャーとして根付くこともなく、人々から忘れ去られます。発信している側もそこに対して思い入れがなく、一過性のもので人を引きつけますが、それ以降はありません。
もしそうしたことに短期間でも深く携わっている人がいた場合は非常に不幸なことになる場合もあるかもしれません。そして、実際にそうした光景を幾度となく私たちは見てきました。
80年代と違い、そうしたビジネスのスタイルはどんどん社会を枯渇させていきます。また、一時的なムーブメントは年々起こりにくく、そのボリュームも減ってきました。つまり、こうしたスタイルは難易度も上がっているのです。
それよりも、潜在的な需要を作り、将来に備えて循環しやすいビジネススタイルの構築にバリューが出てきました。今後どれだけ潜在需要を作ることができるかがとても重要視される状況はさらに高くなっていくといえます。
ブランディングが注目を集めるのもそうしたことからです。また、人々にインパクトを残すコンテンツの価値は天井知らずといえます。
ブランドストーリーは当たり前に求められている
今やブランドストーリーは消費者から常に、当たり前のように求められる時代になりました。その中でそのブランドのベネフィットがいかにそのユーザーの経験を作り、インパクトを与えて人生を豊にするかを示し、親近感と想像力を駆り立てなければいけません。
現在はテクノロジーが進歩し、それぞれの人が心地よいタイミングでプロモーションができるツールなどが発展してきました。その中で、単純にその人にフィットしたものを提示するのではなく、それぞれのブランドの個性とその独特の物語をいかにクリエイティヴに描けるかということが必要になってきました。
作り物の物語はよくできたものがあり触れています。そうした中でユーザーは自由に自分の求めるものを選んでいる時代です。そうした中でブランドストーリーはブランドを示すものとして当たり前に存在しているという現状があります。
「このブランドはどんなブランドなのかな?」と興味を持った場面で、そのストーリーがちぐはぐであったり、理解できないようなものだった場合、どうでしょうか。それでユーザーがそのブランドに共感を描いたり、感動して興味を持つことはありません。
それぐらいブランドストーリーについてはシビアになってきていると考えた方がよいでしょう。
感動が消費者とブランドの距離を近づける
コンテンツは今、様々なものが「コンテンツである」と認識されています。人々に触れ合い、なんらかの心理的なアクションを引き出すものはコンテンツとして認識されます。
ブランドとの距離を縮めるものも、コンテンツの役割が大きくあります。例えば説明書は商品の重要なコンテンツですが、そこになんらかの発見を見ることでユーザーが感動を覚えるケースもあります。そのため、動画での解説書などを添付するメーカーも少なくありません。
必ずしも、コンテンツが動画であるという必要性はありません。例えば解説を入れたDVDやURL、QRコードなどを付加しても見ないという場合も少なくありません。ブランド側はどこに接触ポイントがあるのかをしっかりと認識しなければいけません。そしてそこにストーリーがあるのかを考えなければいけません。
感動は作為的である必要はない
感動を生むために大袈裟にストーリーを仕立てようと考える人もいるかもしれません。しかし、その必要性はあまり多くないといえます。感動はそれぞれの差異に隠されているケースも少なくありません。人は自分の人生しか歩めません。そのため、人の人生に興味があります。そのブランドは誰かの人生を表しているケースがほとんどです。そこには創業や商品開発、日々の営業があります。そして、それは物語になりえるということを覚えておくとよいでしょう。
他人の日常は人にとって非日常です。そうしたものに触れ、またどこかで共感すると人は感動します。そしてぐっとブランドとその人の距離は縮まるのです。
そのストーリーを描きだすためにはブランドのリアリティをいかにとらえ、描き出すかが重要です。そして、そうした場面で客観性が必要になってきます。客観的に面白さを捉えることがブランディング会社には求められている、ということになります。しっかりとクライアントと併走できるブランディング会社を選んでください。クリエイティビティはリアリティの中に隠されています。それをどう引き出すかがブランドストーリーを描くには重要なのです。