ブランディングを日本語で理解する重要性
2021.12.07
ブランディングの日本語の意味をみなさんはしっかりと考えたことはありますか。たぶん多くの人はイメージでふんわりと掴んでいる感じで終わりにしているのではないでしょうか。
そのため、マーケティングやPRなどの言葉と意味が入れ替わってしまったり、意味が曖昧なため、方針や活動がぶれてしまう原因になることがあります。
方針がぶれたり、維持できないとブランディングはうまく進まなくなる原因になることもあります。ここでは「ブランディング」、そして「ブランド」をイメージだけの英語としてではなく、しっかりと日本語訳として理解するために本来の意味を探ってみましょう。
CONTENS
「ブランディング」をなんとなく理解している人は多い
「ブランディング」は「brand-ing」というスペルです。つまりこれは「ブランド」の現在進行形です。
ブランドの始まりがヨーロッパで家畜に押した焼印のことという解説は他の記事でもしています。
家畜に焼印を押した始まりは、所有者を判別するためのものでした。「このマークは私が飼育している牛です」と他の牧畜家へアピールしたわけです。
無論ですがここでイメージする家畜は羊でもヤギでも構いませんが、その当時は放牧がメインであったことも起因しています。牧草地を牧童が転々と移動しながら、家畜に食事をさせていました。牧草地自体は所有者のはっきりしない広大な草原エリアです。そしてその中で様々な飼い主の家畜が放し飼いにされているような状況でした。
そうすると問題になるのが、他の所有者の家畜と混ざってしまうということです。こうなると誰の家畜なのか見分けがつかなくなってしまいます。また、場合によっては盗まれて他の群れに混ぜられてしまうようなこともあったようです。
何も目標がなければ、話のできない家畜に尋ねるわけにもいかず、所有者をはっきりと判別しようがありません。そこで家畜にそれぞれの所有者が焼印を押して判別するようにしました。
こうすれば焼印は簡単には取れないので所有者がわからなくなることがなくなります。そしてこの焼印のことを「Brand」と呼びます。
これがブランドの始まりのストーリーです。
つまり、最初のブランドの始まりは「所有」を意味していました。「このマークは〇〇さんの牛だ」「これはこういうマークだから▲▲さんの羊だ」というふうに判別ができることに意味があり、それが重要だったのです。
このマークはその後、そのまま市場でも意味を持ち始めます。「このマークのついている所有者が市場に供給する肉は美味しい」「いつもこれは品質がよい」と購入者が認識するようになってくる事象が起こり始めます。その結果、焼印(ブランド)の価値が上昇していくことになったのです。
このためブランドとは「固有のもの」「唯一無二のもの」といったような「特定の商品やサービス、またはそれを提供する個人や企業」などを指す言葉となっていったのです。
様々な解釈があり、全てが正解の場合もある
「ブランドとは」ということを理解したうえでその現在進行形であるブランディングとはどういったことなのかという本題に入りましょう。
「ブランディング」をそのまま考えると「ブランドしている」、あるいは「ブランドにしていく」という意味になります。
つまり「ブランドをブランドとして成立させていく作業=ブランディング」です。そのため、その作業の範囲は広く、手法も定まったものがあるわけではない理由がここにあります。
そしてブランディングのゴールはブランドの確立にあります。そこで最初の「ブランド」の定義や概念が重要になってくるのです。
ブランドといわれてイメージするものは
- 固有のもの
- 個性
- 唯一無二
- 象徴
- 信頼
- 価値のあるもの
などが一般的には挙げられているでしょうか。そしてどれもがブランドの概念に含まれています。これらのような複合的な概念を商品やサービスなどに埋め込んでいく作業を全般的に指しているのがブランディングなのです。
そして、その手法として、少しだけ共通した手法としてわかっていることもあります。
それはしっかりと個性を判別できる「そのものらしさ」を意識してそれを目指したアートワークやコンセプト、サービス体制などを盛り込んでいくというものです。
意味を知ってわかることもある
ブランドの意味を理解していくと、結局ブランディングは何かの物体や事象を一つの「概念」として他者に理解してもらうことを目指す行為だということになります。
ブランディングでは「ブランドメッセージ」と「ブランドコンセプト」が重要だといくつかの記事でくりかえしてきました。それはこの2つがないと「何をつたえたいのか」「どういったものなのか」がない状態になってしまっているということに他ならないからなのです。言語として理解してもらわなければその概念を把握してもらうことはできません。
結局、伝えたいものがあやふやであったり、どういったものか明確に説明できない状態では伝えようにも伝わりませんし、理解したいと思っても理解できなくなってしまうのです。
ですのでブランディングとはブランドを言語化していく作業であり、それを多くの人に認識してもらう作業ともいえます。ブランドは商品であったり、サービスであったり企業であったりといったものを内包しています。そのため、シンプル、かつ明確に言語化していく作業がユーザーへの理解に意味をもっていくのです。
ブランディングすると逃げられない
さて、一度話をブランドの期限に戻す必要があります。ブランドの始まりは焼印だったという話をしました。焼印は一度入れると消すことはできません。これは逆にごまかしたり隠れたりはできないということでもあります。これはブランディングをしていく上でとても重要なことであり、また注意しなければいけないことでもあります。
それゆえに思っていない方向にそのブランドの浸透が進んでいかないように作業を進行していかなければいけないのはいうまでもありません。
これは繰り返しになりますが、ブランドメッセージとブランドコンセプトはブランディングの基礎と柱です。建物も基礎と柱が不安定ではしっかりとしたものになりません。しかし、逆にこの2つがしっかりしていれば、多少の増改築などもものともしなくなります。
また、これはブランドをどこに立てるかという問題の比喩にも使えます。一度建てた建物を動かすことは困難です。それと同様にブランドも一度ブランディングが始まり進んでいくほどに容易に変更することはできないのです。
そしてブランドとして確立するということはどういった行動に関してもブランドに影響するということを覚えておく必要があります。
信頼されているのは常にその品質を維持していたり、期待に対して十分に何かを返してくれるからでもあります。ブランドとして名前やロゴなど記名性の高いものを出す以上はすべてそのブランド全体のことに関わります。今までの実績を裏切ることは許されず、常にブランドを磨き続ける必要があります。
ブランディングではどんな場面でも逃げ隠れをせずごまかさない覚悟を持っておく必要があります。ブランディングの中で重要視される「誠実さ」というキーワードは多くのブランドにとっても重要なキーワードになっていくのはそのためです。
「好きになる」ということとその効果
ブランディングではブランドの確立と同様に、そのブランドに対する信頼感を作り、好意的になってもらうということも重要です。
マーケティングとしてのアプローチでのブランディングの発見のすごさはこの「好きになる」ということのパワーに着目したことにあります。
多くの人は自分が好きになったものやいいと思ったものを他の誰かに勧めたり、実際に使ってみて、そのよさを体感してもらいたいという気持ちをもっています。もちろん、中にはお気に入りのものをこっそりと使いたいというケースもありますが、実際にはそういった人は実はそれほど多くはありません。そのため好きになってもらうということは、そこから人伝てに評判が広がっていく大きな可能性があることなのです。
また、このことのポイントは実は、単なる口コミが広がるということではありません。人は自分が信頼する人や近い立場の人が勧めたものに興味を持ちやすいということもあるからです。
つまり、通常の広告よりも高い確率で購入に結びつく広告効果を持っているということでもあるからです。
最近はSNSでの情報取得が盛んになってきました。しかし、それはあくまでも情報であり、流れていってしまいます。
【参考】ブランディングにはインフルエンサーよりアンバサダーを活用しよう
参考の記事でも解説しているとおり、今は広く浅い拡散よりも深く強い拡散を作っていくことが重要になっています。そのため、ブランディングをしていくことの効果というのは今後さらに重要視されていくことになるのは間違いありません。
だから私たち、かいなもブランディングをしている
私たちはブランディング をお手伝いすることを業務にしています。そんなかいなでは私たち自身もブランディングを行なっています。私たちが培ってきたデザインやWEB構築の技術、マーケティングの知識と実績を真摯にクライアントの皆様に提供できるのかがとても重要です。皆様の考えや思いに寄り添い、その先の先までを見通しながら、皆様のブランドを将来も見据えて伸ばしていくことは私たちのバリューでもありますが、一つ一つがわたしたちのブランディングにつながることでもあります。
どんなブランドも可能性があります。より良く、みんながハッピーな世の中のために私たちのバリューを活用していただきたいと思っています。ブランディング にお悩みの場合はぜひご相談ください。