注目が集まる「コンテンツマーケティング」と「オウンドメディア」
2017.08.08
近年注目度が高まっている「コンテンツマーケティング」と「オウンドメディア」。
混同されやすい両者の違いをご存知でしょうか?
今回は、コンテンツマーケティングとオウンドメディアの役割と目的、関係性について読み解いていきましょう。
CONTENS
顧客を惹きつけるコンテンツマーケティング
価値ある「中身」を提供して売れる仕組みを作る
コンテンツマーケティングを知るには、まずコンテンツとマーケティングという言葉を理解しなければなりませんね。
「どちらもよく耳にする言葉だけど、なんとなくのイメージしか湧かない…」
そういった方も少なくないのではないでしょうか?
コンテンツ(content)は、中身、内容物といった意味を持っています。
IT用語で使われる際には、webサイトで企業が提供する制作物などの情報を中身として指すことが一般的です。
マーケティング(marketing)とは、売れる仕組みを作ること。
つまりコンテンツマーケティングとは、価値ある情報(コンテンツ)の制作、配信を行うことで、購買行動につなげる手法を意味します。
従来の広告に対して生まれた新たな手法
マスマーケティングと呼ばれるテレビ、ラジオ、新聞、雑誌広告が従来の宣伝手法でした。
ニーズが顕在化している人に売り込む「プッシュ型」の手法ですが、こちらは以前ほどの効果が得られなくなっていると言われています。
ニーズが顕在化しているというのは、「今すぐにでも商品を購入したい!サービスを受けたい!」という状態を指します。
この状態にある場合を顕在層と呼ぶのに対し、ニーズが顕在化していない(購入したい、サービスを受けたいと思っていない)場合を潜在層と呼びます。
欲しいと思ってない人に買ってもらうことは困難に思えますが、実はコンテンツマーティングは、この潜在層に目を向けた新たな考え方です。
押してもダメなら引いてみろ?コンテンツマーケティングの概念
コンテンツマーケティングの考え方は“押してもダメなら引いてみろ”に近いと言うことができます。
ここで身近な問題である恋愛に置き換えて考えてみましょう。
例えば、好意を持っている相手にプッシュ型でアプローチしても成果を得ることが難しいと感じた場合、みなさんならどうしますか?
すでに両想いに近い(ニーズが顕在化している)場合には、こちらも好きであることを伝えればよいだろうと単純なことのように思えますが、毎回似たような方法で告白されては「また同じパターンか。」と飽きられてしまいます。
さらに、まだ好きでもない、好きでないわけではないが何か行動したいとは思っていない相手(潜在層)にすぐに告白してもうまくいきそうにありませんね。
一見遠回りに思えるかもしれませんが、近づきたい相手に向かっていく際には急がば回れも立派な戦略です。
こちらに対する興味が薄い場合には、どうにかして相手を引きつけたいところです。
やみくもに情報を押しつけるだけではそうはいきません。
相手の趣味に合わせたこと、気になるようなことを話題にしなければ、話すら聞いてもらえないということも考えられます。
その役割を果たすものが「コンテンツ」です。
様々なメディアを駆使し、相手に価値のあるコンテンツを提供し続けることで興味をもってもらうこと、さらに段階を踏んで好きになってもらうことを目指します。
ただ引いて待っているのではなく、求められることに向き合うという意識が重要になるため、言い換えるならば、“押してもダメなら引きつけろ”というのがコンテンツマーケティングの概念であると言えます。
情報が得られる場を整える
コンテンツマーケティングが注目されるようになったのは、時代の流れと関係しています。
マスマーケティングが主流となった背景には、受動的に情報を取得する時代であったことが要因と言えます。
しかし現在はインターネットを通じて、自分が好きな情報を能動的に、そして簡単に得ることができる時代になりました。
情報を取得しやすい場を整えておくことで、潜在層から見つけ出してもらうことが可能となります。
その後もコンテンツを通じて関わりながら関係を築くこと、購買行動に繋げること、さらには信頼されてファンになってもらうまでのプロセスを完成させることがコンテンツマーケティングの目的です。
企業が自由に運営できるオウンドメディア
オウンドメディア(Owned Media)とは、企業が自ら所有する(=own)webサイト等の媒体(=media)を指します。
自社のメディアであるため、スペースに制限はなく、自由に運営することができます。
この「自由さ」がオウンドメディアの大きな武器です。
膨大な情報が飛び交う中で、商品のアピールを行うだけではこちらの情報を見つけ出してもらうことも、好きになってもらうこともできませんね。
自由に運営することができるオウンドメディアであるからこそ、相手の求めることに向き合い、より戦略的に表現していくことが可能となります。
オウンドメディアには、相手に話を聞いてもらい、好きになってもらうチャンスを作り出す力があるということです。
特性ごとに分類される「トリプルメディア」
オウンドメディアは、ペイドメディア、アーンドメディアと合わせてトリプルメディアと呼ばれています。
このトリプルメディアは、特性ごとにメディアを分類するときに使われるワードです。
オウンドメディアを理解することに役立ちますので、この機会に合わせて確認しておきましょう。
・ペイドメディア
ペイドメディア(Paid Media)とは、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、Web広告などが分類されます。
広告費を支払って掲載するメディアです。
・アーンドメディア
アーンドメディア(Earned Media)とは、拡散すること、評判を獲得することを目的とし、facebookやtwitterなどのSNSが分類されます。
オウンドメディア、ペイドメディア、アーンドメディアは、かけあわせることで効果が高まります。
(例)
・テレビでのCM(ペイドメディア)がきっかけとなり、企業のwebサイト(オウンドメディア)を見ることにつながる
・スペースに限りのある雑誌広告(ペイドメディア)、文字数に制限のあるtwitter(アーンドメディア)をブログ(オウンドメディア)で補う
・企業のwebマガジンの更新情報(オウンドメディア)をfacebook(アーンドメディア)で拡散する
上記のように組み合わせることによって、それぞれの特性を補い活かすことが可能になります。
オウンドメディアはコンテンツマーケティング成功の柱となる
オウンドメディアは価値ある情報を提供すること、そして情報の受け手との関係を築く役割を持っています。
コンテンツマーケティングとオウンドメディアが混同されやすいと先述しました。
2つの違いを知りたいと思われる方がいらっしゃるかと思いますが、オウンドメディアはコンテンツマーケティングの手法の一つであり、両者は目指すところが重なるということです。
また、コストをかけて短期間で広く集客を狙うペイドメディアや、タイムラインに流れていくsnsのようなアーンドメディアと比較した場合に、オウンドメディアはコストを減らしながらも自社のコンテンツを蓄積していくことができます。
そのため、企業の資産となるものを増やすことが可能です。
オウンドメディアはコンテンツマーケティングを行う際の非常に有効な手段というわけです。