ECサイトのクレジット決済から考えるサイトの信頼の重要度
2020.05.18
ECサイトを始めたら、クレジットカードでの決済は必ず用意しておきたい決済方法です。また、購入する側でも「あって当たり前」と思っているユーザーも多くいます。
その一方で、オンラインショップの利用をためらう理由の一つに上がるのがクレジット決済への抵抗感です。
ここでは今一度クレジット決済を通して、ECサイトがユーザーから何をもとめられているかについて考えてみましょう。
CONTENS
クレジット決済とECサイトの不思議な関係
クレジットカードとECサイトは、お互いが必要な存在という部分があります。クレジットカードの利用目的としては「オンラインショップ利用での購入」が利用頻度の中でもっとも高く、2014年から増加傾向が続いています。クレジットカードにとって、もっとも顧客ニーズを満たす存在がオンラインショップといえます。
実際に、クレジット決済をオンラインショップで選ぶ人は多くの調査で8割ほどになり、もっとも一般的な決済方法でもあります。性別でも男女差はなく、年代としてはそもそもクレジットカードを持っていない20代以下では利用が低くなりますが、それ以降の世代では安定して高い利用頻度になっています。
それ以外の決済方法はここ1〜2年で急速に増えて一般化してきています。しかし、決済方法における最右翼のポジションを譲る気配はまだまだありません。
こうした結果を踏まえると、ECサイトを開設し、順調に受注を増やしたいのであれば、何はともあれ、クレジットカードでの決済が可能になっていることが重要です。積極的に導入しない理由は見当たりません。
しかし、こうした結果の一方で、多くのアンケート結果で、「クレジットカード情報を入れるのに抵抗がある」という回答が見られます。普段は決まったサイトであればクレジットカードを利用するけれど、ECサイトによっては、欲しい商品があっても、他の購入手段を選択したり、もっと他のサイトにないか調べたりするというユーザーが存在するのです。しかも、それは少数ではなく、オンラインショップを利用しない大きな理由になっているのです。
クレジット決済を導入する主流は決済代行会社を利用することです。下記記事でも解説していますので、ぜひお読み下さい。
【参考】 ECサイトは決済代行会社を利用して決済方法を増やす
ユーザーの不安点はセキュリティ
多くのユーザーはクレジットカードの利用そのものに不安を抱いているわけではないようです。そういったユーザーはそもそもクレジットカードを所持しません。そうしたユーザーがたくさんいるということであれば、他の決済方法での割合がもっと増えてくるはずです。
抵抗感をもっているのは、そのサイトにクレジットカードの情報を入力することに対してなのです。クレジットカード自体は、盗用されても、早い段階で対処することで被害を抑えたりすることも可能で、保険機能がついているものさえあります。そもそも信頼性をもとに取引に使うためのものなので、クレジットカード会社に対する信頼感や、そのカード自体に講じられている安全性を保護する機能は非常に高いのです。
カード自体の信頼性は高いのに「不安がある」ということはどういったことに不安を抱えているのでしょうか。つまりここで問われているのは、そのサイトは信頼に値するのかということなのです。
その企業や、サイトそのもの、あるいは販売されている商品などがどういったものなのか、ということから転じて、クレジット決済であっても、購入をためらわせていることがあるということなのです。
この問題を高めるためにはそのECサイト自体の信頼性を高める必要があります。
クレジット決済を使ってもらうにはサイトの信頼性を高めることが重要
まず前提として、信頼される企業であるかということがいえます。これについてはECに限らず共通したことであり、日々の業務のあり方も多いに関係します。あえてECのHOW TOとして語るべき内容ではありません。
ではサイトの信頼性とはどういったことでしょうか。まず、そのサイトの実在性が重要です。特定のURLで示されたそのサイトは、実際にそのECサイトを明示している企業のものである必要があります。
大きくは3点がいえるでしょう。
- 実際に人が見える、透明性や距離感がわかる
- 更新されている、稼働しているものとわかる
- コミュニケーションがとれる
まず、可能なものとして、こうした要素を取り込むことが重要です。
リアリティのあるサイト作りをしよう
インターネットで、ささっと表示される情報は、どこか非現実的です。今はだいぶ抵抗がない人も増えてきましたが、人口のボリュームゾーンなどを考えると抵抗のある世代に見込みユーザーが眠っています。そこで重要なのは、どういった人たちが運営しているのかといった透明性です。その感じられる人物は今購入しようという商品を販売するのにふさわしい人物であるのか、といったことが実際に購入するのかについての検討課題になってきます。アクセスは可能なのか、具体的にどういった理念で経営されている企業なのかといったことも重要です。つまり、どこの誰から買おうとしているのかという情報がはっきりわかることです。
これは実際のお店でも同じことです。同じ商品を購入するにしても、いつも不衛生な環境でスタッフも陰気でよくわからないお店よりも、清潔で明るい顔見知りのスタッフがいるお店で買いたいと思うのが心理です。
更新されているということは営業しているということ
オンラインショップには「開店中」などを示すサインはありません。ある意味では24時間年中無休で営業しています。そんな時に、「やってる感」を出すことが重要です。そして、それをユーザーに知らしめるのが情報の更新です。在庫管理だけをしていても2年前に情報の更新が止まっているようなサイトでは、なかなか購入するのに勇気が要ります。これはいくら営業中だと言っても照明もついておらず、ホコリだらけの商品しかないお店で買物をするようなものです。
信頼性を得るためには日々のメンテナンスと情報更新がとても重要なのです。そうした情報をしっかり掲示することで、営業中であることをアピールできます。
レスポンスは必須
ECサイトで重要なことの3つ目はコミュニケーションが的確にできるかということです。疑問があってメールがあれば、それに対して、可能な範囲のタイミングで必ずレスポンスをする必要があります。時間がかかる場合は、その旨を伝えるだけでもいいので必ずリアクションすることです。
勘違いしてはいけないのは、ECサイトは決して自動販売機ではないということです。姿は見えなくともコミュニケーションの媒介としてECサイトがあることを忘れないようにしましょう。
的確なコミュニケーションがあることがわかれば、そのサイトの信頼性は高くなります。口コミなどの情報はサイトの稼働を強く示すものでもあります。
コミュニケーションはランニングコストがかかる側面もありますが、しっかりと行なうことが重要です。