ECサイトの営業を実店舗と比較!売れるサイトを目指すには

2020.08.25

ECサイトの営業形態は、実店舗をモデリングして、インターネットに順応させた仕組みといえます。大規模な店舗網と営業時間の拡大を実店舗のように人件費を割くことなくできる点は大変魅力的です。ここではこの2つの営業形態の比較を通してEC運営の基礎を振返って解説します。

ECサイトは24時間年中無休での営業が簡単

ECサイトと実店舗での販売の大きな違いは営業時間と距離の概念にあります。本来、実店舗での販売であれば制限を受けるこの2つのこともECサイトであれば制限がありません。

実店舗での販売は、商品を販売している時間は必ず誰かが店舗にいないといけません。実店舗でこうしなければいけない最も重要な点は商品と金銭の受け渡しができないからです。しかし、これがオンラインショップはサーバーにアップロードされたデータが正しく管理され、外部からインターネットに接続されている状態であれば、インターネットを使っていつでも見ることができます。いつでも購入を決定することも可能です。

販売に関して距離感はあまり関係ないこともECの大きな部分です。実際の店舗では脚を運んで購入しにお客さんが移動しなければいけません。これをECサイトでの営業はクリアしました。システムが正常に稼働し、ユーザーがインターネットを利用出来れば、どこに住んでいようが関係なく商品の購入が可能です。

いつでも購入出来るという点では自動販売機の存在と似ている部分があります。欲しい商品の決済をする際に、その中で常に実在するような販売者を介入せずいつでも購入できます。ネットショップの運営者は、商品の在庫を補充しておけば販売が可能です。

現在、いろんな場所で、いつでも商品を販売できるように店舗網を整備しようとすると莫大な経費がかかります。また、たくさんの求人を募って人員を確保しなければいけません。計画として壮大なことになり、資本の潤沢な大手企業しかこうした戦略を取ることは困難です。

こうした点をインターネットのサイトという一カ所に集約しているためECサイトの経費は圧倒的に少なく済みます。しかもECは個人レベルでも可能です。これは大きなメリットです。

もちろんECサイトでの受注は自動で発送できるわけではありません。ですので、発送のタイミングなどは購入者に対して事前に明示する必要があります。また、商品が届くまでのタイムラグもあるため、すぐに使用したいという場合は実店舗に軍配があがります。しかし、販売に関して取引の「いつでもどこでも」を実現し、そこに人件費が発生しないということはビジネスにとって革命的と言えるでしょう。

ECサイトの看板は自然とは見えない

営業する時間や距離の問題を克服できるという点は素晴らしいですが、実店舗と比較した大きなデメリットもECサイトにはあります。その最大のデメリットはインターネット上にあるということを知らせなければ、存在を認知してもらえないということです。

実店舗であれば、人通りが少なくとも、店舗に看板を備えればそれなりの認知が得られます。そのため、扱う商品がその地域でニーズがあれば自然と来客数は増えていきます。しかし、ECサイトはそうは行きません。認知してもらえるように集客に向けて工数を十分に割かなければいけません。広告やコンテンツマーケティングなどのWEBマーケティングを行って集客しなければいけません。

どこからでもインターネットでアクセスできるということは仇にもなります。普段は商圏のかぶらないような企業が、もし認知の行き届いているサイトを運営していれば、そちらに集客されてしまい、自社のECサイトには誰もこないため受注も増えないという状況になります。特徴のない商品ではライバルとの直接的なしのぎ合いはさけられません。

いずれにしてもインターネットの中でのユーザーの行動は、興味のありそうなことを検索して移動していきます。そうした部分にいかに紐付けされるかが勝負になり、その紐付けが強ければ、目的を持って検索した人が集まってきやすくなるという仕組みです。通りにあるお店のようにふらっと見込み客がお店に脚を運ぶというようなことはありません。

実店舗であれば、人通りの多い場所にお店を構えることが成功には欠かせませんが、ECサイトでは人の流れを自ら生み出す必要があります。それでも、すでに人の多く集まる場所に出店するという方法もないではありません。モール型ECと総称されるECサイトへ出品する方法です。Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピング、LOHACOなどがこれに当たります。これは大型のショッピングモールや百貨店に商品を出すことに似ています。

モール型ECにはわかりやすく集客に関してメリットがありますが、露出しにくい、マーケティングの効果が薄いなどデメリットもあります。

【参考】自社ECサイトはモールに出店していてもやるべき3つの理由

対面での販売ではないから必要なこと

ECサイトでは対面での営業ではありません。そのため、即時性にかけるところがデメリットになります。ユーザーが商品購入を考えている時にわからないことがあってもその場で確認することはできません。

もちろん、実店舗でも知識のない、やる気のない店員さんが対応した場合に、質問の意図を汲み取れない回答をする可能性もあります。全てに置いて対面でのリアルなスタッフの対応が優れているとは言い難い部分は実際にあります。こうしたことは多くの人が実際に経験しているのではないでしょうか。そう考えると対面が必ずしもメリットになるというわけではありません。

人間は信頼関係のない人間の行動をネガティヴな視点で監視する傾向があります。そうなるともはや対面であるということが仇となるということもあります。

一方で、ECサイトの場合はまず接客の一番は商品ページです。ここで必要なコンテンツを充実させることができれば、サービスの不揃いな実店舗の接客よりもユーザーが買い物をして顧客となるためには有効な可能性もあります。WEBサイトに掲載される商品ページのデータは誰が見ても同じ情報が提供されます。

つまり、商品ページに情報を整理して見やすく掲載することで、最低限の接客を理論的には上回れる可能性があるということです。しかし、言うのは簡単ですが、実際にサイトを構築して行うのは簡単ではありません。

商品ページは接客の要

接客ツールと呼ばれるものがECサイトにはあります。買い忘れを喚起したり、関連商品を表示させて客単価をあげることを目的にしているものであったりと、その機能は様々です。なかにはAIを使ってユーザーの要望に応えるものもあります。これらは人気もあり注目されています。有用ではありますが、あくまで接客を支援するためのツールです。

しかし、ECサイトでの接客の基本は商品ページの情報の充実にあります。ユーザーに購入を決意させるためには、基本的な情報をわかりやすく掲示するということが当然重要です。

まず、目につくものとしては商品写真があります。商品写真は様々なアングルから見やすく撮影し、複数枚掲載することが重要です。背景も無背景が良いなど研究が進んでいる分野です。ここ最近では写真は最低でも4枚は用意する必要があります。

また紹介文も必要な要素と検索されやすい一般的な名詞を用いて紹介していく必要があります。同じものでも呼び名が複数ある場合もあるので、そうした点も考慮してページの文章を工夫する必要もあります。

写真や文章は誰でも手軽に撮ったり書いたりできますが、実際にはそれなりにスキルの必要な作業です。

実物を見れないからこそ重要な信用

ECサイトでは商品を実際に見て手に取ることができません。こうした点を補うために商品ページに登録する情報を充実させる必要があるわけです。しかし、もうひとつ超えなければいけないのは信用を得るということです。実際にその商品を手に取って購入できる実店舗と違い、ECサイトでのショッピングはどうしてもタイムラグが生じます。

実物がないので、購入には不安がつきまといます。そのため、「ここで購入すれば確実に入手出来る」と思ってもらわなければいけません。また、ECサイトは距離を超えて販売できますが、商品の移動そのものを克服したわけではありません。配送による時間差はどうやっても生まれます。こうしたタイムラグの大きさは信用の度合いによって顧客が待てる期間に差が出てきます。

ECサイトを成功させるためにはいかに信頼性を高めてお客さんに安心してもらえるかが非常に重要です。そのためには「特定商取引に関わる表示」などでしっかりと必要な情報を明示し、その中に返却のルールなどを掲示しておくことが重要です。

また都合の良い情報だけでなく、ウィークポイントも正直に掲載することが重要です。実際に手に取った時に思っていたものと違って品質の良くないものであった場合、信用は著しく低下することになります。もちろん感じ方を均一化させることはできませんし、難しい部分はありますが、できる限りそうしたことは避けるべきです。ユーザーの口コミなどを掲載しているサイトは、ユーザーによるフラットな視点での情報を掲載することで信頼度を高めているのです。

「特定商取引に関わる表示」はECサイトにとっては必ず掲載しなければいけないものですが、ここに掲載する内容は十分に検討し、発送のタイミングや返品のルールなどを明示してください。また、「利用規約」を策定して明示することも信頼の確保につながります。コンテンツを販売するようなECサイトでは必須ともいえます。

【参考】ECサイトの利用規約はユーザーと運営を守るための約束事

実際のところ、ECサイトと実店舗を比較した場合の課題は「直接接客できないこと」よりも、信頼感をどう作り出せるかという、ユーザーとの関係性の構築のほうが大きいといえます。また、なかには悪意のあるECサイトや事業者の存在も問題です。そうしたサイトといかに差別化を計り信頼性を勝ち取るかは、今まで述べて来たようなサイト作りを考え、運営が動けるかがいかに表現できるかにかかっている部分も少なくありません。

ECサイトでの商取引での金額は増加している傾向にありますが、伸びやすいのはすでにステータスを獲得したサイトです。しかし、信頼を獲得できれば後発のサイトであっても十分に売上をあげることが可能です。

ネットショップだから売れやすい、売れにくい商品を把握せよ

ECサイトのデメリットと思われることはメリットにもなり得ます。たとえば重いかさばる商品などは、配送業者に配送してもらうことで玄関先まで運んで貰えます。ECではそうした側面をしっかりと押し出してプレゼンテーションすれば、実は実店舗より購入の動機付けをしやすい商品もあります。

実際に路面での店舗運営をしているのであれば、こうした比較はわかりやすい側面がありますが、ECサイトだけでしか状況を見ることができない場合でも、売れ筋の分析を把握することで、仕入れや商品開発などに役立てることが成功のカギを握ります。

商品の販売数や傾向などは実店舗でも把握する作業は行われていますが、ECのほうがより分析しやすいといえます。どういったページ遷移を辿って、どういった傾向の人物が購入に至ったのかを分析しやすいのがECサイトの特徴です。

また、購入後のフォローなども実店舗と違いサポートしやすいというのは大きなメリットです。お客様となったユーザーに対してメールでのフォローアップをしたりすることが可能です。メールアドレスで宣伝などを行うには事前に許可などが必要ですので、登録などを行ってもらう必要がありますが、実店舗で購入したお客さんからメールアドレスを集めるよりも格段に簡単です。

ECサイトの活躍はBtoCだけでなく、単純に物品を販売しないようなBtoBでも広がっています。ECサイトはどこでもいつでも覗けることがメリットです。BtoBでは無理な営業電話などをする替わりに、充実したプレゼンテーション資料をサイト上に上げて、アクションを貰うといった営業法も可能です。手当たり次第に不要な企業にまで営業をかけるよりも、興味をもった企業に対して反響営業のほうが格段に成約率は高くなります。

単純に実店舗とECサイトを比較することはできませんが、デメリットはメリットにもなり、メリットはデメリットにもなりうると考えて運営していくことが成功の秘訣かもしれません。

PAGE TOP
メールで
お問合せ
ZOOMで
無料相談
お役立ち
資料DL

ブランディング会社がつくった
共創ECプラットフォーム