SDGsはDXの実施で可能になる〜つながる二つのトレンドワード

2021.11.15

今はSDGsやDXなどアルファベットの略語がよく目につく状況になってきました。どちらのキーワードも昨今のトレンドです。この二つは実はそれぞれ取り組みの必要性をよく解説されるという共通点もあります。また、どちらも企業や団体にとっては変革を求める取り組みです。そして、その変革の中でこの2つは業務の中で関連性があります。ここではその共通点を踏まえた実施の考え方のポイントを解説します。

SDGsはDXの導入で実現を目指せる

SDGsもDXもこの2020年代に急速に注目を集め、この時代を代表するキーワードとなってきました。

SDGsは「持続可能な開発目標」と日本語訳されている国連で提唱する取り組みの略称です。これは生活環境にまつわる様々な目標を達成し、地球の環境を維持しようという世界試みです。最近はこのワードがメディアで露出することも多くなり頻繁い目にするようになりました。

地球の資源は有限であり、うまく社会転換していかなければ、人類は生存できない可能性もあります。その進行はゆっくりではありますがこのままでは確実に終わりがくると予測されています。それを避けるために多くの国が参加して取り組まれています。

【参考】SDGsは企業にとってどんなものなのか~ブランディングと社会的意義を考える

DXはデジタルトランスフォーメーションの略称です。こちらはデジタル技術やデータを駆使して組織や業務を変革していくという試みです。人口減や、他国の技術革新に追いつくために日本でも注目されており、また、必要とされている取り組みですが、新規に取り組む企業の中ではなかなかうまく進行できていないケースも少なくありません。CRMの活用やMAなどによる自動化、Salesforceなどによる営業活動のスマート化などデジタル技術を連携させて社内の情報リソースをフル活用し、業務改善を目指すものです。

【参考】デジタルトランスフォーメーションをなぜDXと呼ぶか

実はこの二つには共通点が多くあります。大きなところではまず「組織の変革を目指す」という点があります。ただし、SDGsの場合は目指すゴールがあり、その道程を具体的に細かく示してはいません。それぞれのゴールに対しどのようにそれぞれの企業で実現するかには様々なアイディアやルートが考えられます。

DXはデジタル技術を使って変革を目指す作業です。デジタルによる効率化で無駄を減らし、効率の良い業務環境を築いていくことを求めています。

これは今、あらゆる分野の企業に求められていることです。そして、システムの移行が完了したその後の体制を指す言葉でもあります。しかし、こちらは具体的にテクノロジーを用いて行う変革ということは示していますが、SDGsと違い明確にどうなると完了なのかというゴールはある意味で設定されていません。そのため、ゴールとは言わずとも一つの通過点をどういったところに設定して、DXの導入や実現を目指すかを設定することが各企業や団体にとって一つの課題になります。

このSDGsとDXは大局的な意味では人的資源、あるいは環境構築の方向性として「エコである」という点で類似点があるといえます。この共通点を考えるとサービス業では取り組みが難しいケースが存在するSDGsもDXの導入によって可能なケースが出てきます。それでは

DXがなぜエコなのかについて、もう少し下の項目で説明します。

DXで持続可能な社会の実現を

DXを経済産業省が急いで推進している大きな目的の一つに「2024年の崖」と呼ばれる大きな社会課題の解決があります。2024年はその他にもいろいろな問題が予測される狭間の年です。その中でもこの問題は2024年ごろに多くのシステムで老朽化が起こり、それによる様々なトラブル発生があると考えられているためこのような名称がついて警戒されています。

こうなってしまった背景には様々な問題があります。もし、その原因を簡単にいってしまうとすると「現状が非効率である」ということにつきます。その結果、人材不足や業務へのリソース不足などを生み、さらに人口減少などの社会問題が関連してそれらを加速させ、大きな社会の後退を招くと予測されています。

また、国内だけのことではなく、こうした遅れは国際競争力を著しく損なっており、世界各国に対し大きな遅れを取ると言われています。これは先進国間だけではなく、新たに台頭しているASEANなどの国に対してもいわれていることです。

こうした話を聞いていると、勘のいい人はどこかで聞いたことのある話だと思うかもしれません。DXの取り組みを推奨する構造はSDGsへ取り組む背景とよく似ているのです。

そして、労働環境の整備についてはDXの適切な導入でSDGsがあげる目標に確実に近づくことができるはずです。

SDGsの課題は環境や社会全体の問題になりますが、DXはあくまで企業それぞれの問題とされています。しかし、この2つの背景にあるものは同じものです。そのため、DXを実施する上でSDGsを意識していくことはとても有効であり、それぞれのゴールは近い場所にあるということも言えます。SDGsはあくまで「持続可能な”開発”目標」としていることも忘れてはいけません。

DXというと例えばビッグデータの活用など最新テクノロジーの活用など大きなことに流されてしまいがちです。しかし、実際にはそれだけではなく、あくまで「デジタルテクノロジーを使った業務の変革」であり、もっと包括的な視点で取り組むことが重要です。またそれが今必要とされることなのです。

2つの共通点は「本来の意味をとらえる必要性」

SDGsにしてもDXにしても言葉の1人歩きが激しいところが誤解を大きくしてしまう原因です。デジタル化といっているとやもすれば「スマートフォンの使い方教室」などという話に落とされてしまうことがありますが、DXにしてみれば、これはあくまで利用者側の話ではなく、システムとしていかに有用なものを構築できるかという話なのです。

もっとも、このスマートフォン教室の話は笑い話としての例えですが、デジタル化によって、ユーザーの扱うインターフェースはより簡単になり、指導やそれを習得する時間はどんどん短くなっていきます。そして、そうしたインターフェースを開発したり、導入するのに必要なのがデジタル人材です。単純にプログラミングをする人というわけではなく、クリエイティヴな視点でそうした環境を開発する人が求められているという話なのです。

もう一方で、AIの開発などに関わることがDXではないということもいえます。たとえば「デジタル人材の不足」という話がありますが、AIの開発やビッグデータを効率的に扱える技術者が足りていないという話がメインです。もちろん、既存の業務をデジタルテクノロジーに置き換えていく中でそうしたシステム開発に関わる技術者の力が必要になる場面はあるかもしれません。しかし、既存の業務をまずは考えなければいけないということは忘れてはいけません。

もちろん単純に最新のシステムを導入することがDXではありません。例えば「CRMを導入した」というだけではそれはDXではなく、単にCRMを入れたということに過ぎません。DXを行ううえで確かにCRMやMAの導入は重要ですが、それによって組織がどう変革されるのかという点について重きをおいて考えなければならないのです。

DXを行うにあたっては一つ一つのシステム導入よりももっと大きな組織のグランドデザインの変革がおきているかが重要です。企業内のシステムのDX化が進んだ先がどうなるのか考えてみてください。それはあくまでもデジタル化によって無駄を省き、シンプルな業務環境を構築を目指したものであるはずです。

こうした環境を導入することでSDGsに掲げる「誰もが人間らしい暮らし」の実現に確実につながるのではないでしょうか。

日本でのSDGsの課題として挙げられる「ビジネス&イノベーション」

日本政府ではSDGsの国内の取り組みの柱として「ビジネス&イノベーション」という題目を掲げています。これはいささか標語的ではありますが、SDGsをの目標達成に向けてビジネスを巻き込み、イノベーションを使って実現しようというものです。

こうして考えてみるとSDGsの目標達成にはDXの導入は欠かせないというふうにも読み解くことができます。今、世の中の流れはSDGsへの準義務化のような雰囲気があります。

これがもう一つの課題とされるDXに取り組むことでSDGsへの参画を企業が目指せると考えると、一石二鳥ということもいえます。

DXはある意味でデジタル技術を活用したビジネスへのイノベーションということがいえます。

ただし、どちらもある程度専門的な見解に乗って推進していく必要があります。「二兎を追う者は一兎をも得ず」というふうにならないよう気をつける必要はあります。それでもきっかけを持つことで踏み出しやすくなることも少なくありません。

ポイントとしてはどちらも表面的なものにならないようよう気をつけるようにすることにあると思います。

これはDXについてとても分かりやすいところですが、単純に新しいシステムの導入にならないよう気をつけてください。この数年、DXに関連するコンサルタントが増えてきましたが、もともとのコンセプトを理解するデジタル人材の多くはDXに対する誤解で頭を悩ませている場面も少なくありません。

こうした問題はSDGsでもおこります。またやっているフリをするSDGsウォッシュなどとなってしまえば、身もなく、評判だけを下げるということになる可能性さえあります。

それでも、両方の意図をしっかりと理解し取り組めば、将来的に実りの大きなものになることは確実です。どちらも流行だからやるというわけではなく、その必要性と効果をしっかりと理解し、取り組むことが重要です。

それぞれの企業や団体によってもちろん手法ややるべきことは変わってきます。そうしたことも踏まえて冷静に実施して変革を実現してください。

New call-to-action

PAGE TOP
メールで
お問合せ
ZOOMで
無料相談
お役立ち
資料DL

ブランディング会社がつくった
共創ECプラットフォーム