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SaaS型のECサイトとは?〜クラウドECを初心者向けに解説

SaaSはインターネット上にソフトウエアを置いてユーザーが利用するサービスの総称です。最近ではSaaS型ECという言葉を頻繁に聞くようになりましたが、あまり意味は解説されず耳慣れない言葉でもあります。

このように呼ぶ多くの場合、これはクラウドECのことを指しています。その点について、もう少し掘り下げて、このSaaS型ECサイトについてここで解説してみたいと思います。

SaaSはインターネット上で使えるソフトウエアのこと

2000年代の後半に幅広く話題に登ぼるようになった概念の一つがクラウドです。この概念は、現在では多くの人が何気なく使う技術となり普及しています。クラウドとは正式にはクラウドコンピューティングのことを指していますが、このクラウドはECにおいても取り入れられる場面が増えてきました。

SaaSとはそのクラウド関連の用語の一つです。これはECに限った用語ではありません。クラウドでの、そのサービスのあり方を示す言葉です。

「SaaS」は英語で”Software as a Service”の頭文字をとったものです。SaaSという綴りで「サース」と発音します。他に似たような言葉で、頭がプラットフォームのPに変わった「PaaS(パース)」、インフラストラクチャーのIに変わった「IaaS(イァース又はアイアース)などがあります。

SaaSは例えばGmailやGoogleスプレッドシートなど、すでにインターネット上のクラウドにソフトウエアが置いてあり、それをユーザーが自由に使えるというもののことです。

クラウド上に置かれたソフトウエア以上のパフォーマンスを発揮したり、その範囲を超えてソフトウエアをカスタマイズはできないというデメリットがあります。しかし利用するための環境を構築する必要はなく、インターネットにアクセスできればインストールなどの作業をせずすぐに利用できるというメリットもあります。つまりアクセスするデバイスの環境に影響を受けないというメリットがあります。

一般的には各ユーザーはクラウドのサービスを導入することで開発のコストを節約し、自社内で共有することで利便性を高めていくことができます。

SaaSではあくまでソフトウエアのみがクラウドで利用できるというところにポイントがあります。そのため自由度には制限がかかってきます。この自由度はソフトウエアの適応範囲による部分もありますが、他のソフトウエアとの連携を考えるとプラットフォームがクラウドにあるPaaSの方が利便性が高いかもしれません。

もしクラウドで自由度を求めるということになると

SaaS→PaaS→IaaS

という順番で自由度が高くなります。ただし、自由度が上がるということは、利用しカスタマイズするためにネットワークに関わる専門的な知識も合わせて必要になってきます。そのため難易度も上がってきます。そうした点を考慮すると実際に利用されやすい特化したシステムというとSaaSが普及し、提供される場面も多くなってきます。

SaaS型EC=クラウドEC

SaaS型ECという言葉がECサイトの構築や種類を示す話の中で使われる場面が増えています。結論からいえばこれはクラウドECのことを指しています。実際のところPaaSを利用したECサイトもありますので、これも言葉通り捉えるならばクラウドECに入ります。例えばAWSはPaaSです。大規模なサイトでPaaSを利用して構築したサイトも少なくありません。

しかし、むしろ状況としては、サーバーをAWSにしているということであり、これはフルスクラッチに近いと考えることもできます。そのため、クラウドECという場合には多くはSaaS型のECサービスを指しています。

AWSについては以下の記事に詳しく解説しています。

【参考】ECサイト初心者向け解説〜AWSはAmazonのクラウドサービス

SaaS型ECサイトというかぎり、ECのためのソフトウエアがすでにクラウド上のプラットフォームにインストールされているわけです。この場合、インストールされているのは例えばメーラーのような単一のソフトウエアではなく、ECのシステムとして利用可能なソフトウェアのパッケージがイントールされています。

そのクラウドにインストールされているパッケージをユーザーが利用してECサイトを構築できるサービスがクラウドECということになります。

つまりECパッケージであれば、インターネット上からダウンロードして構築しそれをサーバーにアップロードして利用しますが、SaaS型ECではその部分は全てクラウドで完結しているイメージです。

一方でクラウドECはSaaSの特性として先に説明していたようにソフトウエアとしてのカスタマイズには制限があります。そのため、結果的にECパッケージと比較した場合にはカスタマイズ性に劣るのです。

クラウドECはASPから発展した概念

実は「SaaS型ECはカートASPと同じ」という意見があります。一方で「別物」とする意見もあります。これは二つともあっているし、間違っているともいえそうです。その違いと共通点はどこにあるのでしょうか。

まずASPはApplication Service Providerの頭文字をとった略称です。インターネットを使って何らかのサービスを提供する事業者のことで、ASPとECの世界では単純に略して呼んでいますが、実際にはECサービス以外にもいろんなサービスを提供するASPがあります。

そのため本来はその区別をつけてカートASPとかEC-ASPなどと呼ぶのがいいのでしょう。しかし、それでは略称の意味が薄まります。そのためここでも単にASPで通して記載することにします。

ASPはECサイトとして利用できるシステムをインターネット上のサーバーに置いてある利用者に「利用してもらう」サービスです。これはつまりSaaSと同じと言えます。これは考え方の話になってきますが、ASPが提供しているのはECサイトのアプリケーションそのものではありません。あくまで利用できるライセンスを貸し出しています。

こうした考えによればクラウドECはクラウドECを提供するASPによって準備されたものを利用するサービスです。そのためASPと言えないこともないのです。

しかし、SaaSの概念では、一般的なカートASPにないものもあります。それは「マルチテナント」と呼ばれるものです。このマルチテナントに対してシングルテナントという概念があります。このシングルテナントは一つの商店を、マルチテナントはテナントビルを比較のイメージとして持ってもらうと理解しやすいと思います。

つまり、SaaSはASPと比較した場合、複数の目的に対して対応することができるというものです。その結果、ASPよりも応用範囲の広いサービスを構築することができるのです。

こうしたことからSaaS型EC≧ASPと考えておくのがいいかもしれません。また、ASPでウィークポイントとされるカスタマイズ性の低さを解消するという方向性からもクラウドECは発展してきました。

その一方で自由度を持つということにはそれだけ難易度も上がってくるということも忘れないでおきましょう。

これは逆にパッケージという視点からクラウドECを見ることも可能です。これについては参考の記事も合わせてお読みください。

【参考】注目のECサイト構築方法、クラウドECはASPとパッケージのいいとこ取り

ASPとパッケージを比較した場合、ASPは自由度はないもののシステム的なメンテナンスを必要としないというメリットがありました。ユーザーはシステムに対して作業ができない一方、そうしたトラブルや保守については全てベンダー側が対処します。そのため、逆にその部分での作業から解放されることになります。

パッケージではサイト運営者の責任においてアップデートの作業を実施しなければならず、そうした部分にも技術者が必要となり、時間的なコストも発生します。こうしたシステムの管理に関わる費用はサイト運営側が負担することになります。

ではアップデートをせずに放置してはどうかと考えるのは危険です。そのまま、何もせずビジネスだけを行っていると、脆弱性を突かれてサイトに進入を許し、サイトを乗っ取られる事態に発展した事例も実際にあります。

クラウドECではこのようなシステム自体のメンテナンスに関わる作業の必要がありません。バージョンアップについてはベンダー側で実施することになります。サイト構築の自由度を持ちながら限りなくメンテナンスフリーというわけです。そのため信頼できるベンダーを選ぶということが重要とも言えます。

ただし、料金はASPよりどうしても高額になります。機能の豊富さや自由度などと比較してASPなのか、クラウドECまでレベルをあげるのかと行った選択をリニューアル時なども含めて、今後は考えるという場面もECの現場では多くなっていきそうです。独自で保守のための対策を行う必要はなく、常に最新の状態で利用できるのであれば、ECサイトの運営者は販売の戦略に集中できるということもメリットです。

ただし、構築面では一般的なカートASPよりも専門的な知見が必要です。もし導入を検討している場合はご相談ください。

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