ECサイト初心者向け解説~『AWS』はAmazonのクラウドサービス

2020.07.07

ECサイトを構築する時、カートASP以外の方法での構築を考えるとサーバ用意しなければいけないという問題が出てきます。サーバについてはAWSの利用もその回答の一つです。

AWSを使うという場合、どちらかというとある程度の規模のサイト構築を考えていると、この「AWSを使う」という選択肢が出てきます。ここではAWSについて、基本的な概要から特徴やメリット、デメリットを解説します。

AWSはもっとも利用されているクラウドサービス

AWSは「Amazon Web Services」の略です。Amazonが展開するクラウドコンピューティングサービスの略称です。クラウドコンピューティングとはインターネット上にプログラムを置いてユーザーが利用できるようにした仕組みを持つサービスのことです。

クラウドコンピューティングはインターネットにアクセスできさえすれば利用できるのが特徴であり、メリットです。CPUの速度などハード的な作業の環境に左右されにくいのも特徴です。そのため、インフラへの投資が少なく済むことが大きなメリットになります。

ここで出てくるAmazonはもちろん、EC最大手のあのAmazonのことです。あのECシステムを構築するためにAmazonは自前でたくさんのプログラムを組んでいます。それをユーザーに利用してもらうための仕組みがAWSです。提供されているサービスは120を超えており多岐に渡ります。

内容としてはサーバー、データベース、機械学習(AI)、IoTなどです。こうした最先端の高い技術力を利用してサイトの構築に、今までむずかしかったような機能の搭載を実現できるというところもサービスの要といえるでしょう。

こうしたクラウドサービスはAmazonだけが提供しているわけではありません。GoogleでもGoogle Cloud Platform(GCP)という名称で提供されています。AWSより展開しているサービスは多くありません。しかしGoogleはデータベース利用や機械学習では世界トップクラスの技術を持っているため、そういったサービスを利用したい場合は、AWSより強いことがメリットです。一方で、日本語対応は完全ではないなどの部分もGCPにはあります。

また、結局のところ、サービス展開の豊富さや利用の汎用性などから、AWSは有利に立っています。2021年現在では世界でもっとも利用されているクラウドサービスとされています。

もっともECに関係するのはクラウドサーバーレンタル

数あるAWSの中でももっともポピュラーで、かつECサイトと関係の深いのが仮想サーバーレンタルサービスのAmazon EC2です。すでに多くの企業が利用しており、実績も十分にあります。このサーバーは実はAmazonの主力商品でもあると言われています。AWSといえばEC2を指すようなケースもあります

このAmazon EC2の正式名称はAmazon Elastic Compute Cloudで後半のCの頭文字の単語をまとめてEC2としています。

このサービスを利用することのメリットは自前でインフラの構築をせずに、すぐにサーバーを利用できる点です。このサーバーはネットワーク上にあり、場所を選びません。AmazonはこのEC2についてLinuxやWindowsだけでなくMacOSもサポートする唯一のクラウドサーバーと自負しています。

Amazonがインスタンス(実例を意味する)を400種以上用意し、利用者の条件にあったサーバー構築を可能にしています。そのため実際にさまざまな用途の仕様に実際に応えてきたクラウドサーバーとして人気実力ともに代表的存在として君臨しています。

また、そのサーバーにソフトウエアをインストールしたりすることも自在にできます。ECサイトの場合、ある程度規模が大きくなり、セッションが増えてくるとサーバーへの負荷が大きくなってくるのが問題になります。しかし、こういった問題であってもAmazonのトラフィックを支えるこのサーバーを使えば解決という仕組みです。

また、クラウドにはセキュリティについての懸念がつきまとっていました。インターネット上に情報を置いておくことは何かのきっかけで情報が流出する可能性は否定できません。AWSはそういった面でもシビアに対応しており、安全性は非常に高くなってきています。実際のところは自社内にサーバーを持った場合でもセキュリティに対する対策は必要です。それに対しても技術とコストが必要になってきます。

この問題はどういった立場に立ったとしても一理あります。導入への懸念についてはそうした部分と天秤にかけて、どちらが管理しやすいのか考えてみる必要もあるかもしれません。

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AWS向けに提供されるパッケージもある

Amazon EC2の上で業務用のアプリケーションのほとんどを動かすことができると言われています。そのため、柔軟にECサイトの開発について考えることができます。また、ECパッケージを提供するベンダーのなかにはAWSでの利用を考慮して利用可能なパッケージを開発して販売している事業者も少なくありません。

それに加えてAWSにはEC事業向けの「eーコマースアプリケーション」というサービスもあります。

そもそもAmazon自体がEC事業を進める企業なので、ECでの利用を想定したサービスの提供は当たり前といえば当たり前かもしれません。

実際にCookpadなどの大規模なWebサービスにもAWSが利用されています。また料金は従量課金となっています。そのため、急遽のサーバー増築も簡単にできます。

自前のサーバーで運用する場合はサイトを増築して容量が足りなくなれば、その分いろんなものを用意しなければいけなくなりますが、AWSであればAmazonで発生する料金が増えるだけで、細かく設定することもなく簡単にサーバーの容量増加が済みます。

従量課金はデメリットにもなる

AWSでのこの従量課金というシステムはメリットでもありますが、デメリットになることもあります。実際に利用しているデータ量に伴って金額が増えていくわけですが、変動の多いサービスを利用すると、金額が安定しません。そのため、インフラへの出費がどれくらいあるのかがわかりにくくなります。

また、導入には技術的な部分での難しさもあります。サービス自体がダウンしてしまう場合を除き、 Amazonからのサポートはありません。そのため、トラブルがあった場合も自力で解決する必要があります。

AWSのサービスは種類も豊富にあり、次々とアップデートされていきます。もし利用する場合はそういった部分にもついていかなければいけません。そのため、専門的な知識を常に最新に保っておく必要もあります。

いずれにしてもAWSの利用を考える規模のサイトを構築しようと考えるのであれば、ある程度の知識は必要です。また、専門的な技術者の力が必要になってくるでしょう。そうした技術者と相談しながら導入を検討してみましょう。

また、AWSまで行かずとも、もっと手前の部分でクラウドを利用できる「クラウドECと」という方法でエcを始める方法もあります。こちらも現在進行形で発展しているテクノロジーなので、AWSで大掛かりなことを考える前の段階であれば、検討の余地ありです。

【参考】SaaS型のECサイトとは?〜クラウドECを初心者向けに解説

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