ECサイトはただ業務を外注するだけでは未来はないかも
2020.06.22
ECサイトでの業務は専門性の高い業務から、アルバイト募集で可能な業務など幅広くあります。また、実際に外注で可能な作業も多くあります。しかし、単純に作業を発注して納品してもらう関係ではなかなか成果のでないのも現状ではないでしょうか。
ECサイトでの作業は単純な作業効率だけでなく、専門性を発揮してもらってこそです。ここでは今一度、外注とECについて考えてみましょう。
CONTENS
構築から運営までECの業務の多くは外注可能
ECサイトの業務の多くは、社内でなくても可能です。もちろん契約などが必要な場面や、最終的な顧客対応など、社内で決断しなければいけないことももちろんありますが、恒常的に発生する業務も含めて外注することは可能です。
デザインやコーディングなど構築に関わることはどうしても専門的なことが多くあります。そのため、ウェブ制作会社に外注に出すイメージはつけやすいでしょう。いまや梱包や配送などの業務も運送会社が倉庫で在庫を保管して、在庫管理から発送業務までを請け負うなどの事業を展開しています。
なかには構築から運営までワンストップで行う、フルフィルメントサービスをおこなっている事業者もいます。こうした事業者はまさにすべてのことを代行して行ってくれます。
こうした外注ができるサービスは現在も発展途上にあります。それだけEC事業は一般化しており、自社で運営している企業はさまざまな悩みをECに対して抱えているということでもあります。
実際に、すべてを社内でやるには、専門の人材を揃え、物流に対するノウハウを身に付け、遠隔のユーザーに対するサポートなどをする必要があり、それに加えてサイトの技術的な作業を行うとなると、それなりに人的資源が必要になってきます。より専門的な人材は雇用が難しく採用するのも大変です。また特殊なスキルを持つ人材は賃金も高くなるため人的投資も多くなります。そう考えると外注という選択枝は現実的な手段といえます。また、無理な状況で業務を進めると担当者は常に時間に追われ、ルーティンワークをこなすので精一杯という状況になることも少なくありません。
一方で、全て外注にしてしまうとデメリットもあります。例えば、フルフィルメントの場合であれば、売上が上がると、その依頼に対するインセンティブが大きくなり、利益を圧迫します。また、委託した内容をすべておまかせ状態にしていると、いつまでたってもECについてのノウハウが蓄積されません。しかもそれはあらゆる側面でおこっています。もし、事業の規模を拡大して、社内でやろう、つまり内製化しようとしても、ゼロからやらなければ行けなくなる可能性があります。
つまり、外注している部分だけすっぽりと経験や知識が抜けて、もしそこにボトルネックがあったとしても、改善はおろか気づくこともできません。
それぞれの専門知識を活かすことが重要
そこでまずは外注をするメリットをもう一度考え直してみてください。本来の目的は単純な労働力確保ではなく、社内のリソースでは埋めることのできない、不足した専門的な技術と知識を借用することにあったはずです。
また、もう一つ考える必要のある項目があります。多くの企業にとって、扱う商品は専門分野であるはずです。つまり、社員はショップで扱う商品の専門家です。
それぞれの専門分野での知識を活かすことで、ECサイトで展開される情報は奥行きが出てくることでしょう。商品ページの作成を依頼するにしても、単純に依頼して型を作ってフォーマットに埋めるようなページを作ったとしても深みがなく、それ自体がなかなか集客には繋がらないルーティンワークになってしまいます。しかし、リアルな情報を添加して活用できるだけで仕上がりは格段に変わる可能性もあります。また発送業務など、一見、あまりノウハウや知識の関係なさそうな部分にも、商材によっては保管や梱包のノウハウなどが必要になってくることもあります。
外注を利用するということは重要な手段ではありますが、提携した企業と、しっかり情報交換でき、様々なことを相談しあえる関係を築くことができれば、よりよいECサイト運営が可能になってきます。
「外注=下請けではなくパートナー」でECサイトを強くする
もちろん、そうした関係を築くためには、外注先の質も問う必要があります。いくら発注者側が情報提供しても、それが活かされないような、設計図を全く見ない頑固な大工さんのような仕事ぶりでは困ってしまいますし、言われたことをこなすだけのような、以前の発注元と下請けのような関係でも生み出せるものはなかなか大きくなりません。
このような関係だったり単に発注書を流して作業してもらうような関係では、なかなかECサイトの発展にはつながりにくいのではないでしょうか。恐らく実際にそうした経験をされている、または今まさに体験している担当者さんもいるのではないでしょうか。その結果、「ECサイトは金はかかるが、収益は少ない」という考えにいたることさえ考えられます。
こうしたやり方ではお互いの専門性も活かされませんし、ユーザーにとっても特に有益なことのないサイトという認識で終わってしまいます。
例えばECサイトではブランディングを意識してSEO対策を進めるコンテンツマーケティングを実施して、サイトの集客力をアップすることが重要です。これには専門的なSEO的な検知と訴求力のある記事作りの両面が必要です。その上、手間もかかりますが、こうした作業をプロの力を借りて行うことで、その中でも効率的でより大きな成果を狙うことも可能です。
そのためにはお互いの専門領域をシナジーさせて、コンテンツを生み出し続けることが重要になってきます。それを目指すのであれば、企業側の意図を最大限に汲み取りながら、専門的な知識を遠慮なく発揮して練り上げられるチームづくりのできるパートナーとしての外注先が必要になってきます。
単純な費用対効果ではなく、それ以上の収益力の高いECサイト作りを目指すことも可能です。そのためにはプロの経験と知識、技術を投入することがもっとも効果的です。
運営でのパートナーとの関係についての解説は以下の記事も参考にしてください。
【参考】ECサイトの運用・運営は「運営代行」ではなく「運営並走」チームを目指そう
運営していく中で一緒にブランディングしていけるパートナーを探す
構築やカスタマイズに関することであれば、ウェブを専門にする企業であれば、得意不得意はあって見積もりの金額に差が出てくることはあったとしても、実現自体は大抵のことについて可能です。
重要なことは一緒に運営しながらブランディングを意識して、コンテンツを作ることできるかということです。ECサイトを多くの企業が持っている現状で、運営の中で集客力を高めることの重要性はここ数年より大きくなってきています。単純にインターネット上の販売場所を作るということだけではECサイトの機能としては十分ではなく、ECサイトによってユーザーをファン層として取り込み、拡大していける、ブランディングしていくサイト構築が求められるようになってきました。
ブランディング自体は小さなことの積み重ねで、ユーザーを感動させたり、親近感を持ってもらうことが重要です。そうしたコンテンツを作っていき、積み重ねていくことで得られる結果は、SEO的な高い集客力だけでなく、EC以外の部分にも波及して良い効果を生むでしょう。
単に現実的に手が足りないことが外注を考えるきっかけだったとしても、こうしたパートナーシップを組める企業と一緒に取組んでECサイトのポテンシャルを最大化させることをオススメします。
また人材を外部に求めることについては以下の記事にも掲載していますので、ぜひお読みください。