ECサイトの調査を助ける分析ツールを使いこなそう
2020.12.08
ECサイトのメリットの一つはサイトの訪問者のサイト内での行動パターンなどのデータが簡単に入手できることです。自社のサイトに限らずモールでも行き詰ればデータを分析し、そのきっかけを探すための情報を得ることができます。
ここではそうしたECサイトの調査に使える無料のツールを紹介します。これらを効果的に利用してECサイトの運営を活発化させましょう。
CONTENS
調査はECにおける座標確認
もし実際の店舗で顧客の動向調査を品物ごとに実施しようと思うと非常に面倒です。店員さんが、何かの作業をしながら行うという状況なら、かなり限界があります。
また、実態としてデータを残していくためにはPOSでの会計データに頼るしかありません。そうした場合、その商品がどのような陳列状況になっているのか、どんなPOPをつけて紹介しているのかといったデータはそのままの状態では見えてきません。
もちろん、目で実際に見たお客さんの様子も参考にはなります。その点はたしかにWEBよりも優れています。しかしどうしても個人のバイアスがかかりやすいデータになります。そのため、スタッフによってどうしても分析にばらつきがでます。
そうした意味においてはWEBサイトの分析はデータが揃いやすいのも特徴です。こうした機能的なメリットを活かして、ECサイトではデータを分析して運営の改善にいかせます。もちろん予算を投じて大規模な調査として調査会社に依頼することもできますし、専門の分析士に依頼することもできますが、多くは自分で行うことができます。
分析結果に対する具体的な対策となると話はかわりますが、継続的なデータの取得は十分に可能です。
また、ECでは距離の概念がなく、キーワードなどの流入してくるチャネルによって、そのサイトが紐付けられていきます。「近所にきたついでに来店した」ということがない分、どういったキーワードやリンクから流入してきたのかということを調べることが重要です。これを調べることで、どういった位置にそのサイトがあり、どこに向かって看板、つまりどんなキーワードを狙って売り出していくのかが重要になってきます。
それぞれの商品ごとのページについての状況を分析したりすることもできますし、サイト全体を俯瞰してみることもできます。見方がわかれば大きな力になることは間違いありません。
分析ツールでユーザーを可視化することが重要
分析ツールを使うことで、今、サイトが実際にどんな状況なのかを知ることができます。
ECサイトの閲覧ユーザーは姿が見えませんので、こうしたツールを覗かなければ、購入や問い合わせがない限りよくわかりません。もしそんなわずかな情報しかないのであれば、施策を打つにしても精度の低い予測のもとに行わなければいけません。
しかし、しっかりとサイト内のユーザーの行動を確認したり、どういったルートで流入しているのかが把握できれば、戦略の立てようもあります。全体的な集客の概要を掴むこともできますし、もしその情報が詳細であればあるほど、多くのことをサイト運営者に教えてくれるでしょう。
そうした情報を得る方法としては分析ツールを使うというやり方が一番です。そして分析ツール自体は無料で使えるものも少なくないということもポイントとして外せません。有料のものでは優れた機能のものもあります。ですがコスト的な部分ではもしかしたら折り合わない可能性もあります。そのため無料でのサービスが活用できるのは運営においてとてもメリットがあります。また利用しないのはもったいないことです。
調査や分析を専門にするにしても、まずは無料で利用できるものを使いこなしてからでも遅くはありません。ECサイトの運営を全般的に手掛ける担当者であれば、逆にこうしたツールの使い方を知っているだけでもプラスになるはずです。
無料で使える分析ツールを役立てよう
ASPやパッケージでサイトを構築している場合、すでにデフォルトである程度ユーザー動向を調べることのできるツールは用意されていることと思います。本当の最初期であれば、こうした機能を使って運営用の管理画面で確認するだけでもそれなりに情報を得ることができ売上をあげる施策の立案に役立つかもしれません。
ある程度慣れてきた段階でも構いませんが、Googleによる分析ツールは無料で利用できます。その礎となるGoogle Analytics(アナリティクス)は基本的には設置もアカウントを取得してタグを埋め込むだけで完了します。ASPによってはそういったことに対応できない可能性もありますが、もし利用できるのであれば必ず自社のECサイトと連携させて使いたいツールです。これを使うだけで基本的なことも含め、豊富な資料の元になるデータをとることができます。
流入の分析はAnalyticsとSeasrch Consale
Googleアナリティックスでは、アクセスの状況を確認することができます。「アクセス解析におけるスタンダード」といっていいでしょう。サイトそれぞれのコンバージョンも設定できますのでECサイトであれば購入ボタンなどをコンバージョンに設定することでコンバージョンについてのデータも得ることができます。
その他、アクセスしたユーザーの所在地、流入元、滞在時間、離脱率、ユーザーのサイト内での行動も分析できます。
こう見るとおおよそ欲しい情報は入手できますが、「参照元なし」となるユーザーもいるのがたまに傷です。デバイスや回線などの状況によって参照元なしを意味するNo Referrelという表示になります。
ここで、同じくGoogleから提供されているSearch Consaleをあわせて利用することで、その内訳をしっかりと確認することができます。
Search ConsaleはSEO分析にも利用することができるツールで、サイト内にある問題なども確認でき、Googleからのアドバイス的に問題点を確認することができます。検索ワードをより細かに確認することができるため、流入(ランディング)してきたキーワードでのコンテンツ強化を行うなどで具体的にどの項目について検索順位をあげるべきなのかといったことがわかりやすくなります。
また、他にもサイトの問題としては、クローラーによる速度の判定やクリック要素が近すぎないか、また速度低下要因となっているスクリプトの洗い出しなどにも力を発揮してくれます。
サイトマップの更新情報などをSearchConsaleの管理画面から送信することで、クローラーの巡回を促して、検索結果に表示され易くするといった機能もあります。新たな製品が登場し商品ページを新規に作成した場合などにはこの機能を利用しない手はないといえます。
実際のところ、「タダより高いものはない」という諺があります。しかし、Google側としてはこうしたツールを提供することで、WEB閲覧のユーザービリティが向上すれば、Googleとしても検索エンジンの価値を高いまま維持できると考えているためGoogleとしてもマイナスはないのです。
いずれにしてもサイトの分析という点では訪問したユーザーについてのいろんな事柄を確認することが可能です。そのため分析という目的を果たすためには必須のツールといえます。
ちなみにサイトの滞在時間や、直帰率などもこれらのツールで測定できますが、これについては参考の記事で詳しく取り扱っているので、そちらをご確認ください。
【参考】ECサイトのコンバージョンをあげる工夫を直帰率の上昇から考える
言葉の比較に困ったら
さて、コンテンツマーケティングを行おうと思った時にも利用できるツールがあります。それがGoogleキーワードプランナーです。これ自体は無料なのですが、Google広告への登録が必要です。実際に使わなくても構いませんが、登録はしなければいけません。
キーワードプランナーを使うと、どれくらいそのキーワードの需要があるのかを確認してくれます。例えば、トマトジュースを販売している場合、「トマトジュース」だけであれば、競合が強すぎます。そのため、それに属する次の語、いわゆるロングテールワードを狙うことになります。トマトジュースであれば「トマトジュース レシピ」などがこれにあたります。こうした中でも実際に検索されていて関連の強い語を選びとることができます。
また、同じような言葉で、まだあまり使われていないような言葉を調べるときはGoogleトレンドが便利です。これは調べたい言葉が検索されている状況の変化をグラフで表示してくれます。そのため検索ニーズが伸びそうなワードなどを察知するにも役に立ちます。
こうした機能をベースに有料のサービスとしてサードパーティ的なソフトウエアも多数提供されています。こうしたものもニーズが合えば有料な分、活躍してくれる場面も少なくありません。例えば弊社でも活用している「Pascal」もそうしたサービスの一つです。また、そうしたソフトウェアやシステムのニーズを見れば、調査や分析がウエブでのビジネスにおいていかに重要かが理解できるはずです。
【参考】ヒヤリング付き記事作成代行
モールでも、実際にAmazonや楽天などでもこうしたアクセスの解析を行なったり、CVRに関連する情報をピックアップできる分析ツールを用意しています。
実際にモールへ出品したことのある担当者の方であれば、彼らが事業者に販売の促進にこうしたツールを積極的に利用するよう促している状況を知っていると思います。それだけ、データの活用がECサイトの運営にとっては重要なのです。そしてこの状況は今以上に促進される流れがあります。
ECサイトを運営していく上ではさまざまな情報を多角的にみていくことがとても重要です。また、時には積極的にアンケートなどをとるといったある種アナログな方法での調査をすることもあります。しかし、それ以外の多くの場合はこうしたソフトを利用することで、必要な情報を入手して、それを運営に利用します。もし導入していないという場合はぜひ使ってみてください。
数値の情報から得られるものは少なくありません。WEBによって広告の流れが変わったのも、こうしたツールによって結果がより可視化されるようになったからに他なりません。みなさんもこうしたツールを使って具体的な問題点お洗い出し、より快適なECサイトを目指してください。もし、それでも運営に行き詰まっているという場合は、弊社のような専門の事業者の出番かもしれません。運営会社としてそれぞれのECサイトに最適な施策の実施をお手伝いしていきます。