ECサイトの運営を代行で~それぞれの事情にあわせた運営代行会社の選び方

2020.07.17

ECサイトの運営を続けていると自社内のリソースだけでは何をやっていいのかわからず、少しずつ手詰まりになることがあります。また、本来の業務が追いつかないほどEC業務が忙しく、ルーティンをこなすだけで精一杯になり、余力が無いというケースもあります。

どちらのケースも専門の運営代行会社の出番かもしれません。その場合、自分たちの状況にあった代行会社を選ぶことが大切です。代行会社にはそれぞれ特徴があり、得意不得意があります。企業によってはそれぞれの会社の得意分野を中心として業務の一部を任せることが可能であったり、配送も含めたワンストップでの委託を依頼として受け入れていることもあります。

ここでは、ECサイトの代行の選び方や依頼するタイミングやポイントについて説明します。

代行会社の活用でECサイト業務のいきづまりを解消する

ECサイトの運営業務の範囲は幅広いです。また、それぞれに専門性を求められます。そのため、それぞれの業務へのサポートや代行を専門家に依頼し、助けを得ることは理にかなっています。

逆にECがメインではない企業の場合、社内のリソースだけを頼ったり、担当者個人の力だけで乗り切ろうとしてもその業務量によって圧迫されてしまうとプラスアルファで行う業務に手が回らなくなります。

例えば集客やコンバージョン率の向上に向けたマーケティング的な視点での施策はルーティン的なものではないことがあります。しかし、それを思いついてもルーティンでの業務をこなすだけで時間がなくなり行える隙もないといったことが発生します。

その結果、増収できるタイミングを逸して企画を実施するチャンスを逃してしまうなんてことも発生するでしょう。

こうしたケースでは実際に売上が伸びていたとしても、販売を伸ばすチャンスを逃している可能性があることは否めません。業績アップ中のチャンスロスは業績の数字に隠れてしまいますがチャンスロスには変わりありません。

もしそのような状況がECの運営の中で慢性的に続いているのであれば将来的な損失は大きなものです。そしてそういったケースでこそ運営代行会社の活用が突破口になるでしょう。

また、運営代行が助けになる代表的なケースはもう一つあります。それはECサイトを立ち上げ、はじめは順調だったけれど、売上が伸び悩んでいるといった場合です。今まで社内で蓄積してきたノウハウで対応できる範囲のことであれば問題はなかったでしょう。しかし、こうしたケースではそれ以外に問題があり停滞していると予測されます。インターネットの専門性に関わってくるような領域の事柄になると、なかなか業務知識としてインプットしても追いつかなくなっているケースであると判断できます。

もちろん日々が困難に直面しているケースもあります。ページの更新ひとつとっても、思い描いていたものと仕上がり具合との差が大きくなってしまうなどは蓄積していくととてもストレスフルです。

様々な場面で、ECに関わることに特化した運営のプロでもあるEC運営代行の存在は大きな助けになります。

運営代行もいろいろ

自社サイトの運営について代行が役に立つケースを例にあげました。しかし、運営代行のスタンスは様々です。ですので慎重に選択することが重要になります。

例えば、代行会社の中にはモールECを専門にしているような会社もあります。Amazonや楽天などのモール型ECに強く、そうした部分に特化して対応する代行会社です。

自社サイトがあってモールでも対応したいが手が回らないというケースではこうしたタイプの代行会社が選択肢として考慮する対象になります。

EC運営代行といっても、それぞれジャンルによって得意不得意があることもあります。たとえばアパレルでのECに強い、あるいは食品でのECが得意などです。

また、もし運営の方法に悩んでいるというなら、単純に外注ということではなく、売上を頭打ちにしている原因を探り当て、ECでの問題点や悩みに対して適切なコンサルタントを実施する会社を探すといいでしょう。中にはアルバイトを増やしただけのような状態にしてしまう質の悪い代行もあるからです。

実際に人的リソースが足りていないのならそのような運営代行も助けになります。ですのでやはり現状に合わせた選択をしなければいけません。

それでも、豊富な知識や経験に基づいてEC運営の諸問題に対処できる代行会社を選択するということが自身のEC運営を前進させるためには重要です。

日々の業務+オンラインショップの事情に合わせた運営が必要

ECサイトの運営にはいくつかの方向性が違う業務があります。受注から発送までの流れをこなす、主に顧客対応に関わる業務と、集客やサイト内の利便性をあげコンバージョンの上昇を目指すマーケティングに関わる業務ではかなり方向性が違います。

ECサイトの業務のなかでも受注から発送などの業務の日々の積み重ねがサイトの信頼性の向上に直結し、現実的な日々の売上を生み出します。

集客などのマーケティングに関わる業務も売上を伸ばし販路を拡大していくために重要です。どういったキャンペーンを打ってプロモーションにつなげるのか、どう情報を拡散させるのかなどはやり方が様々に存在しています。現在のECに向けた主流の集客の方法としては、まず広告やSNSなどを効果的に運用することで集客力をあげるという方法ですがそれに限ったことではありません。

マーケティングに関わる業務としてECサイト自体の集客力を強くするためにコンテンツを強化していくコンテンツマーケティングもあります。これはSEOとよばれる検索エンジンへの最適化と関連してとても重要な業務です。これもECの売上アップに向けた作業として欠かすことはできません。

集客に関わるマーケティングは全てを並行して行うことも考えられますが、それを実施するための人的リソースや施策の実施に対する優先度、また取り組む順番などを考え、戦略的に行うことで実施効果や費用に対する効率を考えていく必要もあります。

顧客対応に関わる業務もマーケティングに関わる業務も、どちらも代行会社に依頼することは可能です。しかし、それぞれの業務の性格は違います。ですので、それぞれの部分に踏み込んで踏み込んでコンサルタントとして依頼を受ける企業も少なくありません。

日々の業務だけをうける運営代行もある

日々の業務あれば、受注以降の作業は倉庫での在庫の管理や、梱包のテクニック的なことなどロジスティックス的な視点での業務構築が必要です。

受注処理から出荷までのルーティン的な業務や在庫管理の方法などについては流通に強い代行会社が、こうした部分での全般的なサポートを得意としています。サービスの中には一手に引き受けている大手の運送会社もあります。

運送流通系の企業では在庫の管理方法から梱包の仕方など、物流に関わるシステムの構築にたくさんのノウハウを持っています。そうした強みをいかしてECの支援をサービスとして提供している企業たちです。

ただし、こうしたロジスティックスに関わることをすべて任せることができるかについては取り扱う商品や方法などによって制限がある場合もあります。また、規模の問題もあり、自社内で商品の製造に関わるメーカー系企業であれば、社内にすでにロジスティックスの機能を持っているという側面もあり、十分にノウハウが蓄積されていることもあります。その場合は代行に依頼するのではなく、社内で業務分担を変更した方が効率的です。

マーケティングに関わる運営代行

主に集客に関わる面ではいわゆるIT系、もっというならばWEB系の企業に依頼していくことになります。

とは言っても、このようなデジタルマーケティングに関わる業務はひとことでIT系とは括れず、カテゴリごとにそれぞれ特定のジャンルがあるといえます。それぞれの企業によって得意不得意や特徴があることを留意し選択することになるため、簡単では無いかもしれません。

こうしたECの運営代行を行う企業の多くはサイトの構築にも関わっており、サイトの構造やデザインについても対応するパターンがあります。構築から運営までをひと繫ぎで依頼を受けているという事業者もあると思います。

弊社「株式会社かいな」もどちらかというと、このカテゴリーに入ります。私たちは基本的にはブランディング企業です。そのうえで特徴としECサイトだけではなく、コンテンツに強い、SEO的にキーワードを意識しつつブランドのデザインを作っていくといった特色があります。

運営については他にも記事があるのでそちらも合わせて参考にしてください。

【参考】ECサイトを意味あるものにする運営とブランディング

【参考】ECサイトの運営〜業務担当者は何から始める?

もちろん、自社内で人材を育成したり、採用を強化して運営の体制を強化することも選択肢として考えられます。そうすることで自社内にEC運営のノウハウが溜め込まれていくという大きなメリットがあります。また、業務の内容は進展していきます。ですから社内のスタッフも知識とスキルをつけていくことはとても重要です。

また、これからはどういったカテゴリーであってもEC事業の伸びしろは無視できません。自社内にECに関わる知識をもったスタッフが育っていくということは大きなメリットです。

ただし、この場合、業務の属人性が高くなるという問題を孕んでいます。つまり、「あの人がいないとこの業務の詳細はわからない」という状態になることがリスクとしてあります。

そういった状況を回避していくために、ある程度のことは資料として共有していくことも重要です。そうした担当の人材が離脱してしまうことで多くの蓄積を失うことはデメリットにもなります。そのため、業務のマニュアル化も含めた情報共有も行っていく必要があります。

運営代行に丸投げの時代は終わった

また、代行会社へ依頼する場合、以前は業務の丸投げで結果だけを求めるというパターンも多く見られました。それで十分に成果が上げられるケースも実際にあったからです。

しかし、現在では代行会社とお互いの専門領域を活かして共闘していく体制をとれることがのぞまれます。

多くの事業者がECに参入している今、商品に対する専門性とマーケティングでの専門性を組み合わせなければ、なかなかうまく行かなくなっているのです。お互いの特色をしっかりと出しながら業務の効率を最大化していくことを目指すのが現実的でもあり、結果にもつながりやすい状況になってきました。

マーケティングの戦略を決定するには、商品について詳細を把握し、そのうえで顧客の行動などを分析して、戦略をしっかりと組み立てて効果を確認しながら実施していく必要があります。調査して問題点を洗い出したり、改善に向けた提案などをするパートナーとしての存在です。もしこうした場合にどちらかが突出した関係ではうまく物事が進みにくくなります。

丸投げした状態であれば、例えば自社内にあるコンテンツとして生かせるはずのリソースも休眠状態になったりします。運営のノウハウも社内には一切蓄積されません。そうした状況を避けるためにも“運営並走”という考え方が重要です。

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会社それぞれの課題に向き合える代行会社を選択しよう

こうして考えると代行を選ぶのは簡単ではありません。単純にワンコンタクトで決めていくことはひょっとしたら難しいことかもしれません。

ECサイトに対する課題は事業者の皆様それぞれによって違いがあります。一方、代行会社も同様にそれぞれの企業によって得意不得意があります。

そして運営代行を行う会社は様々な背景があります。ASPが運営代行会社を斡旋している場合もあります。ASP自体が代行会社として多数のネットショップをユーザーにして手広くやっている代行会社も存在します。

運営代行それぞれのメリットを考えよう

大手の代行会社の場合のメリットは、成功事例と失敗事例が積み重ねられていることです。こうした事例から引き出したノウハウを活かせるのは大手ならではの強みといっていいでしょう。

例えば集客については一定のルールに乗ってこなすことである程度の成果を出せる可能性があります。

ページの作成業務などは基本を守ればルーティンでいわゆる「こなす」ようにやっても、デタラメにやるよりも結果が出てきます。大手は経験の蓄積でより精度のいい基本の型を持っているということがいえます。

また、ある程度の結果さえ出てしまえば、少しずつであっても売上は伸びていく傾向がECサイトにはあります。そのため大手ASPが運営する代行会社がシステマチックに運営して結果を出すケースもあります。

それでも十分に今までECにかかっていた人件費などのコストも減らせます。場合によっては担当者への報酬などと比較した場合、それだけでも収支がプラスに向かう可能性もあります。

しかし、こうした丸投げ型の代行のスタイルによって、ブランドが拡大し自社のサイトや商品のポテンシャルを十分に発揮できているかはわかりません。そうした可能性を眠らせたままでもある程度は売上があがる可能性はあるからです。果たしてそれで充分なのかは担当者次第の部分もあり、大手での案件全てでそれが可能なのかは疑問が残るところでもあります。

状況の変化に対応できるスピード感をもって取り組む代行を選ぶ

また、もう一つの問題はECは状況や環境の変化が多くテンポが早いという点もあります。

大手の一括型に対し、より得意なジャンルを設定したり、特色を持って取組んでいる代行会社もあります。このタイプの代行会社は提案解決型とも言えます。どこに問題や課題があるかを探り、対策していくにはこうした代行会社が向いています。

ECサイトでの課題はそれぞれの企業の傾向を表します。企画力はあるけれど日々のルーティンを回す部門が弱い会社であれば、日々の業務が適正化されていないといったことが問題になります。

集客に課題を抱える場合は逆に日々の業務はこなせてはいても、それ以外のノウハウがなかったり、実行するための知識が足りていないといった状況になっていることが原因になることがあります。

こうした個別の問題に対して客観的に対策を講じてアドバイスをしながら対応できる代行会社と業務提携できると課題解決にむけたゴールは格段に近くなります。

一方で課題を他の企業と一緒に向き合いながら取り組むことはいうほど簡単なことではありません。むしろ非常に困難なことでもあります。

課題にはその企業独自のいろいろな事情が絡んでいることもあります。その中で代行会社の選択時に重要なポイントは、十分に状況をヒアリングする姿勢があるかどうかということです。このヒアリングが十分でなければ、それぞれの事情にあった対応は絶対に難しいものになります。

また、課題解決後には次の課題が現れます。そうした場面でも一緒にPDCAサイクルを回しながら売上を伸ばせる関係性を持てる運営代行会社が求められます。

だからこそ継続的な関係を維持し「運営並走」できることが、伸びるECサイトを作る秘訣になっていくのです。

料金などの費用的なこと以前に成果をしっかりと最終的には出せる運営代行が求められます。一瞬を切り取らずある程度のサイクルで考えなければなかなか結果に結びつかないでしょう。

【参考】ECサイトの運営代行はショップの特徴で選んで信頼関係を築ける会社に依頼しよう

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コンサルティング→ブランディングで価値を高める運営代行

この記事のテーマを具体的に解説するために、弊社のスタイルを例に解説していきます。

ECサイトの運営・運用はECサイトをやめない限り続く永続的なものです。その上で重視しているのは大きくは以下の4点です。

  • 目標の達成
  • コミュニケーションをとることによるスピード感
  • 社内デジタル人材の育成サポート
  • 専門分野の住み分けによるレベルアップの相乗効果

業務に置いて目標を立てることは非常に重要です。具体的には、それに向けてPDCAサイクルを回していくことで実現へどんどん近づけていきます。

こうした過程の中でSEOなどの作業が発生していきます。ページ構造などもそれによって見直しが必要になるかもしれません。こうしたことは専門領域でもあり、分業したほうが効率的です。

また、「発注者→受注者」間でのリアルタイムなコミュニケーションは目標へ向けた作業の精度をあげる面でも、ワンチームで作業を効率的に進め効果を高めるためにも重要です。現在は多くのテクノロジーがあるので、よりクイックに状況の共有が可能になっていますが、こうしたツールは利用してこそです。

コミュニケーションをとることは「発注→受注」の枠組みを超えて知識が御社内の人材にも蓄積されることにもつながります。

ノウハウやスキル、経験が担当同士で共有されることは次のステージへ向かうことにもつながります。アンバランスな「発注→下請け」の関係性だけでは大きなステップはのぞめません。

このように成果として単純に売上アップだけを目指すのではなく、サイト自体のパワーアップや提携した企業内の人材の底上げを事業を通して進めることができるのが弊社によるECサイト運営代行の強みといえます。代行でありながら、ワンチームとして自分ごととして取り組むことで、よりお互いの専門性が融合し、より高い目標を目指していきます。

未来に向けたECサイト運営について興味があるという場合はぜひ、こちらもご覧ください。お問い合わせ、ご相談も受けて受けております。

いずれにしても自社にとって最適な代行会社をしっかりと選べればECでの売上を順調に伸ばすことに繋がります。報酬や料金だけでなく内容もしっかりと確認し、パートナーシップを結べる企業を選んで契約してください。

【参考】ECサイトの運営・運用

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